世にも不思議な転生者   作:末吉

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久し振りに書いた二次創作です。前々から書きたいと思っていました。

…この主人公、どうなることやら。


start
01:唐突かつ理不尽な転生


ふと思う。人生とは理不尽に満ちていると。

 

なんでこんなことを書いているのかというと、ハッと気づいたらこうなっていたから。

 

具体的に言うと、百七十八ぐらいあった身長が百二十ぐらいに縮んでおり、見上げたら今まで住んでいたはずの顔っぽいものが映っていた白い天井ではなく、うっすらと茶色がかった天井だった。

 

ここがどこなのか。一体いつなのか。それらが分からなくて不安だが、だからこそ近くにあった紙とボールペンでこんなことを書いている。

 

と。この紙の裏に何かが書いてあるのが分かった。

書くのを止めて裏返してみると、『長嶋大智さんへ』と始められていたので、正直驚きながら読み始め……読み終わった瞬間手紙を握りつぶそうとしたところで、

 

「こら!何やってるの大智!!」

 

この世界の母親(・・・・・・・)が俺の姿を見てそう怒鳴ってきた。なので、俺はその手紙を潰し損ねたのでポケットに突っ込み、おそらくいま表情が怒りに染まっていそうだったので何とか戻して言った。

 

「なんでもない。ただ驚いただけ」

「なんでもない、じゃないわよ!」

 

そう言って近寄って俺が隠した手紙を取ろうとしたので、反射的にバックステップをして距離を取り、その手紙を持って部屋を出て自分の部屋へ向かった。

 

 

ちょっと!などと声が聞こえたが、当然ながら無視した。

 

 

 

 

俺の名前は長嶋大智。手紙の通りなら転生者という、別世界に魂其のままで生き返った人間だ。記憶がそのまま引き継がれるという条件付きということだが。

そして現状を手紙通りで認識すると、この世界は俺が生きていた世界とは違い何かテレビでやっていた『魔法少女なんたらかんたら』というところで、年代背景的には小学生になったばかり。

 

……どうも緊急手段だとかで俺の意向を完全無視したものにして罪悪感を感じてるそうなので、とりあえず神様に連絡できるものが部屋にあるらしい。それ以上のことは書いていなかった。

 

ていうか、どうして俺はこんなことになったんだ?さっぱり記憶がないんだが。

今更疑問に思った俺は、部屋にはいったらカギを閉めて自分の部屋を捜索した。

 

最初に見つけたのは制服。そこから落ちた紙に書かれていたのは、『聖祥大付属小学校』と書かれていた。

う~ん…何かすごい嫌な予感がする……。

 

次に見つけたのはリストバンド…みたいな機械。一体なんだかわからないが、思いっきり怪しそうだったので放置。

 

教科書、鞄、私服、パソコンetc.……とまぁおおよそ小学一年生で必要な(パソコンはどうだろうか)物が見つかる中、最後に見つけたのがマイクだった。

 

……なぜにマイク?そう疑問に思いながら、俺は何となくマイクを手に取り喋ってみた。

 

「あーあー。マイクテス、マイクテス……って、電源入れていないのに何やってるんだ、俺」

 

少しばかり恥ずかしがっていたら、

 

『なんじゃ。もうばれたのか』

 

などとマイクから声が聞こえた。

 

おいおいおい。まぐれでやってみたらこれが神様との通信用かよ。おかしすぎるだろ。

そう思いながら、とりあえず喋った。

 

「おいこら。俺はさすがに平和なところにいなかったが、少なくとも周りは平穏なところにいたはずだ。一体どうしてこうなった?」

『すまん……。訳を話すとじゃな……』

 

・・・・・・・・・・・・・。

 

「ふ~ん。つまりお前ら(神様)が目を離したすきに流れ弾に当たって死んだと…で?」

『で?とは?随分軽くいっとるが……わしらのミスじゃぞ?』

「はぁ?避けられなかった俺が悪いんだろ。まぁ、避けられなかったんだろうがな」

『あっさりとしとるの…』

 

そうじゃなきゃあんな環境で生きてなんかいけねぇよ。そう思いながら、俺は言った。

 

「ってか、なんで俺はこんな状況になった?緊急処置だとか言っていたが」

 

すると、神様が申し訳なさそうに言った。

 

『あまりにも急じゃったんじゃよ。お主が死んだのは。じゃから急いで転生の準備をしていたんじゃが…余りにも急ぎ過ぎて前の転生者と同じ世界にしたんじゃよ。時系列ももちろん同じにな』

 

はぁ。なんだか前途多難な気がするなぁ。ため息をつきながらそう思い、俺は確認した。

 

「なぁ、ちょっといいか?」

『なんじゃ?』

「身体能力は元の世界のまま(・・・・・・・)か?」

 

少し悩んだのか、間をおいて答えてくれた。

 

『……そうじゃ。ついでにいうと、その世界では「魔力」が存在する。お主の部屋にあったリストバンドっぽいものはその魔力で魔法を操れる機械――デバイスというのじゃから』

 

ふむ。魔力、魔法、デバイス…か…。生きていた世界にそんなのなかったから慣れるのが大変そうだ。

そんな風に思いそろそろ終わろうと考えたら、神様が質問してきた。

 

『そういえば、特典とかどうするのじゃ?』

「特典?」

 

限定盤でもらえるような奴だろうか。

 

『うむ。』

「一体どういうのがあるんだよ?」

『一般的にはチート性能じゃが……お主の存在を生前そのままにしたから存在自体がチートなんじゃよな。しかも比例して魔力も測定不能じゃし』

 

特に気にした覚えはないが、俺ってそんなチート性能だったのか。初耳だ。

 

『じゃから特にないんじゃが……原作知識とかどうじゃ?』

「原作?」

 

これって原作あったのか。スッゲェ初耳。

 

『まぁお主の世界になかったのは分かっておるが……どうする?必要か?』

 

俺は少し考えた。そして出した答えは、

 

「いらね」

『は?』

 

拒否だった。

 

『どうしてじゃ?』

「だって巻き込まれると決まったわけじゃねぇだろ?何も知らないでこの世界で過ごした方が楽しいだろ」

 

そう言うと、神様はしばし沈黙し、やがて口を開いた。

 

『……そうか。ならばその願い、とっておくがよい。このマイクで話せばいつでも願い事をかなえてやるわい』

「へっ。そうかい」

『ちなみに、一つまでじゃぞ』

 

一つか…。正直言って忘れてそうで怖いな、俺。

 

そんな感じで訊きたいことが終わったので今度こそ終わりにしようと思ったが、どうすればこの通信が切れるのだろうかと首を傾げた。

 

それを見越していたのか、神様が説明してきた。

 

『この通信を終えたいのなら、マイクから手を放せばいい』

 

言われた通りマイクを机に置くと、声が聴こえなかった。

本当だ。通信が切れた。すごいな、これ。などと驚きながら、

 

ドンドンドン!

 

……さっきから叩かれているドアの耐久度の心配とこれからの説教の長さの心配をする羽目になった。やれやれ。




戦闘があるかどうか怪しいです、この作品。デバイスあるのに。
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