・この作品は各女性鯖にぐだ男より好感度が上の男性キャラが現れるという嫌いな人が恐らく沢山居るであろう内容ですので、苦手な人は視界に入れないよう注意してください。
皆さんおはこんばんちわ。
俺の名はぐだ男。
なんやかんやあって人理が焼却されたのでここカルデアでそれを修復する為になんやかんや人類最後のマスターとなった男だ。
そして、なんやかんやあって俺達は特異点をいくつか攻略した。
それはもう凄い戦いがいくつもあったのだが、うちのカルデアに召喚された英霊の皆々様がなんとかしてくれた。
話は変わるのだが、うちのカルデアはなんか他と違うそうだ。
他ってなんやねんと思うかもしれないが、まぁ別時間軸とか別次元とか色々あって…まぁとりあえず、うちのカルデアは他と違うらしい。
何が違うのかというと、うちのカルデアには女性の英霊しかいないのだ。
え?最初に特異点Fが終わったらキャスニキが来るだろって?
いやいや、うちには来なかった。(断言)
なんか凄い勢いで女性鯖しか来ないのだ。
マスターの俺1人に対して、英霊の女性が沢山。
これはつまり…そう、ハーレムである。
人理がどうのこうのする前の俺は年齢と彼女いない歴が同数のただの一般人だった。
そんな俺がなんかだいぶ距離感の近い英霊さん達に囲まれているのだ。
これはもうハーレムと言ってもいいだろう。
言わせてくださいお願いします。
そんなこんなで俺は、このハーレムカルデアで英霊のお姉さん達にだいぶチヤホヤさせて貰いながら人理修復したり、種火周回したり、イベント周回したりと忙しい毎日を送っていた。
だが…そんな俺の日常は、ある日突然綻びが生まれ始めた。
それは、いつもと変わらぬ普通の朝だった。
「先輩、今日は英霊召喚が出来る日ですよ。…また女性の方が来るんでしょうけど…」
食堂でマシュと一緒にブーディカさんの作った朝ご飯を食べていた時に、マシュに言われて思い出したのだ。
後半はよく聞き取れ無かったけど。
「そーいや今日はダヴィンチちゃんに呼札貰える日だった。すっかり忘れてたよ。ありがとうマシュ」
「い、いえ///先輩のログイン日数の事なら私にお任せください!」
(※ログイン日数とは俺がカルデアに来てからの日数の事である。
俺がカルデアから出たり入ったり、たまに忘れて「またフレポかよ!」となったりはしていない。いいね?)
という訳でその日、俺は英霊召喚を行う為になんか複雑な魔法陣みたいなヤツが書かれてる部屋にやって来たのだ。
途中で屋根裏だろうか?清姫がついてきているみたいだったのだが、まぁよくある事だし放置して気にしなかった。
召喚部屋にまで入ってきたのは初めてだったのかもしれないが…
「素に銀と鉄…礎に石と契約の大公…」
「先輩、いつも言ってますけどそれは言わなくて大丈夫なんですよ?」
「いや、なんかお約束かなって…」
とりあえず召喚サークルに呼札を投げ入れる。
さーて、誰が出るかな♪誰が出るかな♪
サークルの上で光の輪が三本走る。
鯖確定です。ありがとうございました。
光が弾け、集束する。
そして…召喚サークルの上には、日本のお坊さんの様な格好をした1人の美しい男性が立っていた。
…あれ?男?
「キャスター…僧侶、安珍。召喚に応じ参上致しました。何とぞ、よろしくお願いします。マスター。」
え?男?なんで?いやいや、なんでって言うか今までがおかしかったのか。
いやでもなんで今更…え?なんだって?
「あ…あ…ああ…あん…ちん…?」
「?ええ、キャスター、安珍でございます。まぁ私自身それほど格の高い英霊ではないので、現代のマスターなら知らない名かも知れませんが…」
「いいえ。よく知っている名ですよ」
俺とマシュ、そして安珍しかいない(見えない)部屋に、少女の声が響いた。
この時部屋の温度が一気に上がったらしいのだが、俺達は寒気や冷や汗で全く気づかなかった。
「せ…先輩…これは…」
マシュがデミサーヴァントの姿になり盾を構えた。
安珍は顔を青くさせながら、先ほど声の聞こえた屋根裏を見つめている。
「そ、その声は…」
「ええ、ええ。貴方様のよく知る声ですよ」
轟音と共に安珍の後ろ側の天井が破れ、半身を蛇と変えた少女が飛び降りて来た。
俺は声にならない叫びをあげ、マシュは俺に抱きついた。
だが、安珍は…ゆっくりと、自分の後ろにいる少女に向き合った。
「清姫…」
「ええ…お逢いしとうございました。安珍様…」
清姫の周りから炎が上がり、カルデア内でサイレンが鳴り響く。
「…ああ、ああ!安珍様…安珍様安珍様安珍様!わたくし、安珍様の事を忘れた日など1度もありませんでした!
わたくしが安珍様を愛して、恋して、愛して、恋して、裏切られて、悲しくて、悲しくて、悲しくて、憎くて憎くて憎くて憎くて憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎」
「清姫!!」
安珍が叫んだ。
清姫は話を一旦途切れさせる。
「ああ、ああ、安珍様。見てください、あちらの。ほら、マスター。
マスターは、安珍様の生まれ変わりなんですよ。ああ、安珍様が二人も!
…いえ、いえ、そんな事あり得ない。
どこぞのセイバーでもあるまいし、安珍様が二人だなんて…嘘?
どちらかが偽者?…どちらが?安珍様が?それとも安珍様?いえ、どちらとも?もし、そうなら…燃やして燃やして燃やして燃やして燃やして」
清姫から沸き出る炎がその火力を高めていく。だが、この時安珍はこのカルデアにいる清姫についておおよそ全てを悟ったのだろう。
燃え盛る清姫を抱きしめた。
「違う、違うぞ清姫」
「安珍様?」
「そうだ。私が安珍だ。彼は、マスターは違う。お前が怨むべき、焼き殺すべき男は私1人だ。マスターは私とは関係ない、別人だ。彼を襲う事は、お前の最も嫌う嘘と同じだ」
「嘘と…同じ…?」
「そうだ。ここに私がいる。私はサーヴァントだが、座に本体が居る。ならばマスターを私だと幻視する事は、虚偽だ。嘘っぱちだ」
炎に焼かれながらも、安珍は清姫を落ち着けるようにゆっくりと語る。
「お前は嘘が嫌いだろう?聖杯には、この世から嘘を無くしたいとでも願いたいのではないか?」
「はい…はい、安珍様。わたくしの願いは、嘘のつけない世界の実現…ならば、安珍様は?安珍様の願いはなんでしょうか?」
「…私の、願いか…。これは、信じて貰えんかもしれんが…私はな、清姫。次の機会があれば、その時は…清姫、逃げずにお前と向き合おうと。受け入れてみようと。…それが、私の聖杯にかける願いだ」
清姫の炎が爆発的に燃え上がる。
マシュのお陰で今は何とか大丈夫だが…このままでは、部屋の中で蒸し焼きになる。
「嘘だ!嘘だ!嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!」
「ああ、信じられないのはよくわかる。だが、この願いは本当だ」
「なら、何故!何故あの時は逃げたのです!?わたくしを騙して!」
腕の中で暴れ狂う清姫に、安珍は懺悔するかのように語りだした。
「…正直なところ、あの時の私は男女の恋愛と言うものを軽くみていた。僧である私には、その様なものは一切必要ないと。この身は仏に捧げるモノ。男女の情とは執着心からくるものだ。だから私には、それら一切を無くす事が修行だと考えていた。」
「だが、男女の情を、執着心を深く知る為には、1度何かを深く愛さなければならなかったのだ。私はそれを知らなかった。知ろうとさえしなかった。
だから…あの日、私はお前の愛に猛った姿を見て、恐れた」
「男女の情とは、愛とは、執着心とは、これ程までに人を狂わせるものかのかと。文献でしか知らぬそれをこの眼で目の当たりにして、私は恐れて逃げる事しか出来なかった。向き合う事が出来なかった。そして…逃げて逃げて、おなご1人を化生へと変えて、私は死んだのだ」
「…安珍様、それは…」
「いいや、これは私が知らぬ事を恐れたからだ。私が知ろうとしなかったから起こった事だ。逃げる事以外をしなかったからだ。だから私は、死後英霊となった後、願ったのだ。もし、次の機会があれば、と。
そして…その機会は、今、来た。」
安珍が清姫を抱きしめる。
炎は、もう治まっていた。
おずおずと、清姫も安珍を抱きしめ返す。
「私は、男女の事を何も知らぬ。文献を読むだけで、現実を知らぬ頭でっかちだ。だが、それでもお前が良いと言うのなら、清姫。
私を受け入れてはくれまいか。」
「はい…はい。安珍様…わた、わたくしが、その言葉を…いく年月、待ち望んだ事か…」
その言葉を聞いて、安珍が笑った。
清姫が涙を流してその笑顔に見いる。
そして、安珍が光の粒となって……
「待て待て待て待て!!」
その後、安珍特攻の清姫ファイアで座に帰る直前だった安珍を令呪を使って全回復させることに成功し、なんとか事件は終息した。
「ええ、はい。あの時は正直もう駄目かと思いました。人理修復は叶いませんでしたけど、先輩と一緒に焼け死ぬならまぁ良いかなと思えるくらいには絶体絶命でしたね」
後日、とある後輩は所長代理にそう語ったという。
その後、俺はカルデア内でストーカー行為に悩まされる事がだいぶ減った。
ありがたや、ありがたや。
我がカルデアの初の男性サーヴァントが部屋から出ているのを見ることは殆ど叶わなかったが。
南無三。ヤンデレはこわいね。
だが、これはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
ぐだ男が安珍の生まれ変わりである可能性は0%ではないけど、この作品内では0%という事で一つよろしくお願いします。