アルトリアとエミヤの切ない関係を望んだ人はすみません。
今回独自解釈が天元突破します。
あと、ぐだ男は失恋を乗り越えて成長し、新たなステージに上りました。
皆さんおはこんばんちわ。
俺の名はぐだ男。
なんやかんやあって人理が焼却されたのでここカルデアでそれを修復する為になんやかんや人類最後のマスターとなった男だ。
そして、なんやかんやあって俺達は特異点をいくつか攻略した。
それはもう凄い戦いがいくつもあったのだが、うちのカルデアに召喚された英霊の皆々様がなんとかしてくれた。
話は変わるのだが、うちのカルデアはなんか他と違うらしい。
他ってなんやねんと思うかもしれないが、別アースとか別ユニバースとか色々あって…とりあえず、うちのカルデアは他と違うらしい。
何が違うのかというと、うちのカルデアには殆ど女性の英霊しかいないのだ。
え?最初に特異点Fが終わったらキャスニキが来るだろって?
いやいや、うちには来なかった。(無念)
でもまぁ、最近は男性サーヴァントも来るようになりまして、今では3人ほど我らがカルデアに在籍している。
1人はほぼ毎日旗持ち聖女に振り回され…もう1人は、己の業に従いとある少女にその身を捧げた。南無三。
そして、最後の1人は俺の憧れのお姉さんの旦那さんで、今では夫婦揃って仲良くしている。…あぁ、心配ご無用。もう吹っ切れたさ。
…とりあえず彼らの事は置いといてだ、マスターの俺1人に対して英霊の女性が沢山。
これはつまり…そう、ハーレムである。
人理がどうのこうのする前の俺は年齢と彼女いない歴が同数のただの一般人だった。
そんな俺がなんかだいぶ距離感の近い英霊のお姉さん達に囲まれているのだ。
これはもうハーレムと言ってもいいだろう。
だが、これだけでは終わらない。色々あって俺は新たに目標を立てた。
古今東西あらゆる英霊のお姉さんとお友達になる。
真のハーレム王を目指すのだ!
そんなこんなで俺は、このハーレムカルデアで英霊のお姉さん達にだいぶチヤホヤさせて貰いながら人理修復したり、種火周回したり、イベント周回したりと忙しい毎日を送っていた。
──その日、男はついにこのカルデアにやって来た。
今日も今日とて、マシュと一緒に食堂にやって来た。
本日の朝食当番は、インドの英霊パールヴァティーさんだ。インドの神様の疑似サーヴァントらしいのだが、なぜか彼女の得意な料理は洋食系でグラタンとかだ。
そして、いつどこで仲良くなったのか、ライダーのメドゥーサさんと二人で女子高生のコスプレしてたりするお姉さんである。大人のお姉さんが女子高生のコスプレ…良いですねぇ!
ブーディカさんと似てる?そ、そそそそ、そんなことはないよ!
そのブーディカさんだが、最近はあまり食事当番には入らない。
まぁ彼女がキッチンに入ると高確率で旦那のプラスタグスさんも一緒だからね。毎日これだとネロが食堂に来られなくなる。
これまでほぼ毎日入っていた料理長ブーディカさんのシフトが減った事で、今カルデア内の台所事情は大変複雑なのだ。新しい料理長が渇望されるところである。
「マスター、考え事ですか?」
向かいに座るアルトリアさんが声をかけてきた。
「せっかくの料理が冷めてしまいますよ。いらないのでしたら…」
「あ、いや、食べる、食べるから!」
腹ペコ王から隠すように料理を食べる。
見かねたマシュが話を変えるように割って入った。
「あ!先輩!聖昌片もだいぶ貯まってきてますし、今日は英霊召喚でもしたらどうでしょうか!」
「え!?あ、そうだね!」
「召喚ですか…でしたら、今日の護衛には私が参加しましょうか?今日は特に用事はありませんですし」
うーん、それは良い考えかもしれない。
ジャンヌさんが護衛として参加した前回、前々回は男性のサーヴァントがやって来た。その前もそうだったのだがそれはまぁ置いといてだ。彼女以外の人と一緒に召喚すれば、また今までの様に女性サーヴァントが来てくれるようになるかもしれない。
特にアルトリアさんはうちでは古参のサーヴァントだ。
今までも何度か英霊召喚には立ち会ってるし、その時は女性のサーヴァントが来た。イシュタルさんやパールヴァティーさんとかがそうだったな。
俺が目指すのはただのハーレムではない。古今東西あらゆる英霊のお姉さんとお友達になる真のハーレム王だ。
という訳で、女性サーヴァントが来てくれた方がありがたい。
「じゃあ、お願いしようかな」
「はい、マスター。お任せ下さい」
「ーーー告げる。
汝の身は我が下に…我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意…この理に従うならば応えよ…」
俺達は食堂を出た後、ダヴィンチちゃんに聖昌片を聖昌石に交換してもらい 召喚サークルのあるこの部屋にやって来た。
早速召喚である。最早マシュからのツッコミはない。呆れたようにこちらを見るだけだ。
いいぜ!最後まで詠唱したるよ!
「誓いを此処に…
我は常世総ての善と成る者…
我は常世総ての悪を敷く者…
汝三大の言霊を纏う七天…
抑止の輪より来たれ…天秤の守り手よ―――!」
金色の光と魔力の嵐が吹き荒れる。
手応えは充分、今回は大当たりの予感!
「…サーヴァント・アーチャー。召喚に応じ参上した」
召喚サークルの中心に立つのは、赤い外套をはためかせ白い髪をオールバックにした浅黒い肌の男だ。
え?コイツだけ見た目描写が細かい?
それだけ特徴的だったんだ仕方ない。
だがまぁ……男か。それと…何故だろうか。
「む?その眼はなにかね、マスター」
この男は…俺の敵だと、魂が叫んでいる。
「…いや…女性じゃないのか…と思ってさ」
ピクりと、アーチャーが頬を引きつらせた。
「ほぉ…此度のマスターは大変な好色漢とみえる…だが残念かな。見ての通り、私は男でね。男色の気は一切無いのだよ」
「…残念ながら俺もだ。俺はぐだ男。一応ここカルデアで、人類最後のマスターをやってる。人理修復の他に、最近色々あってハーレム王を目指してる」
そう言って俺はアーチャーに手を差し出す。
「…君の様な男が人類最後のマスターとは…人理の未来は暗いな。英雄色を好むと言うが、英霊相手にハーレムを作ろうなど…正気かね?」
「…ああ、俺は古今東西あらゆる英霊のお姉さんとお友達になると決めた。人理も修復し、お姉さんともお友達になる。簡単な事だろう?」
アーチャーの瞳に、どこまでも真っ直ぐな眼で自分を睨み付ける少年の姿が写る。…その姿に、赤銅色の髪をしたいつかの少年の姿が重なった気がした。
「……面白い。マスター、私の真名はエミヤ。しがない抑止の守護者だが、この身は既に君の剣。君が理想に溺れ溺死する姿を、最期の時まで見させて貰おう」
そう言って、アーチャー…エミヤは俺の手を握り返した。
「エミヤ…あんたとは良い友人になれる気がしてきたよ」
「止してくれマスター。言っただろう?私に男色の気はない」
「あんたも大概女好きそうだな」
「可愛い子なら誰でも好きだよ、オレは」
「「なにを言ってるんですか貴方たちは!!!」」
召喚部屋に2つの雷が落ちた。
「シロウ!貴方という人は、英霊になってまで何をしていたのですか!?」
「誤解だセイバー。いやしかし、まさか君がここに居るとは。また会えて嬉しいよ」
「誤魔化さないでください!!」
「先輩は英霊を、人理修復を何だと思っているんですか!?」
「違うんだマシュ。あれは政治家のマニフェストみたいなものなんだ。後から無かったことになるタイプのヤツなんだ」
俺とエミヤは正座して女性二人に怒られていた。なんとかしてくれ抑止の守護者。
「ってちょっと待って!あんたがシロウって人なのか!?アルトリアさんがよく話してるあの!?」
「ええ、マスター。彼が、私の言っていたエミヤシロウです」
「…セイバー、君は一体何を言っていたんだ…?」
エミヤが困惑した声を出す。
アルトリアさんは胸を張って答えた。
「いえ、ただシロウの料理は大変美味しいと」
「そうだよ。カルデアに料理が出来る人が1人もいなかった頃、いつもいつも「雑な食事は嫌だ…シロウの料理が食べたい…シロウの料理が食べたい…」って」
「あれは怖かったですね…」
俺とマシュが頷きあう。
「エミヤさんはコックの英霊なんでしょうか?」
「アルトリアさんの知り合いってことは…円卓の料理人?」
「セイバー、風評被害で訴えるぞ」
「いえ、違いますよマシュにマスター。彼は生前、冬木での聖杯戦争にて私のマスターだったのです」
その後アルトリアさんは、冬木での第五次聖杯戦争について簡単に説明してくれた。当時のアルトリアさんのマスター衛宮士郎や、エミヤのマスター遠阪凛。英霊エミヤの成り立ち、その願いや過去の自分との対決など…
「未来の英霊ですか…」
「だから料理が上手いってことか…」
「待て、セイバー。君はどうしてこうも詳しいんだ?冬木での記憶があるのかね?
それに、先程からシロウシロウと呼んでいるが、私は衛宮士郎ではない。今の私は抑止の守護者、英霊エミヤだ。あんな未熟者と一緒にしないでもらいたい」
不機嫌そうな顔をしたエミヤの質問に、アルトリアさんはにこやかに答えた。
「ええ、冬木での記録は殆ど全てを記憶として思い出せます。貴方が衛宮士郎だった時の、共に聖杯戦争を戦い志半ばで別れた記憶も。
ですから、私からすれば貴方は英霊エミヤでもあり、シロウでもあるのです」
余程衝撃的だったのか、エミヤの目が点になる。
「………待て、待て待て待て…なんだって?」
「冬木での記録は全て記憶になっていると言ったのです。私のルートも凛のルートも桜のルートも、バッドエンドからグッドエンドまで全てを記憶として思い出せます」
「なんでさ!!!」
エミヤが叫んだ。
ルートだなんだと聞こえた気がするが、おそらく幻聴だろう。気にしない。
「と言うかシロウ。今の貴方なら余程大きく決定的な違いが無い限り、世界に認められた『正義の味方』だった全ての衛宮士郎の記憶や、英霊の座にある記録を記憶として思い出せるのではないですか?」
「な、何をバカな…」
そう言ってエミヤが自分の中を確かめる様に眼を閉じる。
数分後、そこには顔色が悪く汗を滝のように流した守護者の姿があった。
「あり得ない…どうなっているんだ…オレは桜に手を出した事なんか無い筈だ…」
「イレギュラーな召喚と言うやつです。人理が焼却され、何が起こるかわからない状態ですからね。特に未来の英霊であるシロウには影響が大きいのでは?」
「イレギュラーな召喚って何でも有りなんだな」
「そうですね先輩」
1人悶絶するエミヤを置いて、三人は納得する。いや納得した。(断言)
「と言うか、アルトリアさんとエミヤって聞いた感じだと元マスターと元サーヴァントの主従関係ってだけじゃないよね?好き合ってた関係だったとか?」
また彼氏彼女の事情に巻き込まれた系召喚だったのだろうか?
まぁアルトリアさんは俺のハーレムから外れているので問題ないのだが。
彼女はお姉さんではない。どこかの大きさの問題ではないが、そうなのだ。いいね?
「…どうでしょうか?私としては、今もシロウの事を愛しているのですが…彼からしてみれば、私は過去の女…と言う所でしょうか」
「…エミヤさん、最低ですね」
「待ってくれ。マシュ嬢、と言ったかな?私は何も言っていない。それに、これは複雑な事情が絡み合った高度な問題なんだ」
復活したエミヤがマシュに弁解している。だが、マシュの彼に対する評価よりもうちのカルデアには大きな問題があるのだ。
「それよりさ、エミヤって料理が得意なら、うちのカルデアの料理当番シフトに参加してくれないかな。最近、料理長ポジションの人が諸事情で抜けちゃってさ」
「む…まぁ、ここまで話をしたんだ。セイバーも居ることだし、大勢の料理を作るのも大変だろう。謹んでお受けしよう」
やったぜ。アルトリアさんの語るシロウの料理ってのは、『1度は食べてみたい世界の料理』の1つだったんだ。だが、1番喜ぶと思われていたアルトリアさんは、眉間にシワを寄せうんうん唸っていた。
「どうかしたのかね?セイバー」
「料理に関してなにか問題でもあるのですか?」
「いえ…シロウの料理の腕やカルデアの台所事情にはなんの問題も無いのですが…」
「なにか別の問題があるのか…」
だが、アルトリアさんは覚悟を決めたかのように姿勢を正した。
「いえ…大丈夫です。どちらにせよ、いずれ衝突は避けられない問題ですから。誰と争う事になろうと、私は負けません」
そう言って拳を固く握る。
一体何が始まると言うんだ…
「それよりもシロウ。やっと貴方の料理が食べられるのです。存分に味わわせて下さい」
「…ふっ…了解した、騎士王殿。あの小僧とは年期が違うことを、存分に思い知らせよう」
頬を染め期待を込めた眼差しで見つめるアルトリアさんと、それをニヒルな微笑みで受け止めるエミヤ。
「……仲の良い二人ですね、先輩」
「…そうだね、マシュ」
──その日、男はついにこのカルデアにやって来た。
──だが、これは始まりに過ぎなかったのだ。
このカルデアのエミヤは無銘の記憶もあるので基本人格は世界と契約したエミヤですが、英霊に成ったり成らなかったりした全ての「正義の味方」だったエミヤシロウの集合体として考えています。
そうなると生前から腐り果てるほどの「正義の味方」だったエミヤシロウの集合体がオルタになりますかね。