ハンターやってれば出会えるってホントですか!? 作:四国の防波堤
迅竜との戦いから一週間半後
僕とベルカさんは天空山へ向かっていた。
彼女の傷は完治こそしていないものの、医者からはこれほど元気なら大丈夫と言われ、予定よりも大分早いが狩りにも復帰している。
狩りに復帰といえば彼女の復帰一発目の狩りは凄かったね。
今まで狩りが出来なかったストレスを思いっきりモンスターにぶつけてたんだ。
あれは最早モンスターに同情するレベルだったよ。
まぁそんな事もありながら何だかんだ平和な日常を過ごしていました。
天空山へ行くまでの少しの間だけなんだけどね。
密林から三日三晩馬車に乗り僕たちは天空山にたどり着いた。
移動中はモンスターに襲われる事もなくむしろ何かが足りないくらい平和だった。
まぁ平和が一番だけどね。
天空山では大変手厚い歓迎を受けれて楽しかったよ。
まぁベルカさんはある人の所為で全く楽しめなかったんだけど。
そのある人はベルカさんが天空山でも飲み比べで無敗記録を作っていると現れた。
「あら、ベルカじゃないの、久しぶりね」
「あっ…!貴様!何故こんな所に!」
ベルカさん、久々に会う知り合いに貴様は無いと思います。
しかし、部外者の僕を置いてきぼりにして彼女たちの会話は続く
「失礼ね、私だって天空山の調査員。しかも、貴女より全然上の地位よ、態度を慎みなさい」
「うるさい!お前ごとき、私とアイツにかかれば直ぐに抜きされるわ!」
「そういえば、貴女ペアで狩りをしているんでしたっけ?して、そのペアはどこにいるのかしら?」
「あの腑抜けた男が私のペアだ!文句あるか!?」
「腑抜けた男って…ベルカさん僕の事そんな風に思ってたんですか!?」
急にディスられたので一応応戦。
あ、ちなみに言葉が乱暴な人がベルカさんでそうじゃ無い人がベルカさんの知り合いね。
今まで付き合ってくれた読者諸君なら周知の事実だと思うけど。
「あら、貴方心なしかレンに似ているわね」
この人もレンさんなる人を知ってるのか…
こりゃ面白い事になりそうだぞ。
「そうなんですよ!ここだけの話僕も何回か間違えられたんですよ〜」
「うるさいロズワルド!あれは酔った勢いでだな…」
「酔った勢いで何をしましたっけ?ねぇベルカさん?」
そう煽るとベルカさんは
「もういい!部屋に帰る!」
そう言って帰ってしまった。
まぁこんな事前にも何回もあったから心配してないけどね。
第一彼女が拗ねる事など無いし。
その事実はどうやら僕の目の前の人も知っていたようで、
「あの子、あんなだけど全然拗ねて無いから気にしなくて良いわよ」
「大丈夫です、全くもって心配していません。それよりも貴女は…?」
「あぁごめんなさいね、すっかり自己紹介が遅れたわ。私の名前はレイ。貴方が気にしているレンの双子の妹で今はこの調査隊の隊長をしているわ。」
この人、僕の気になった所を全て見抜いて説明したぞ…
これはベルカさんが狼狽えるわけだ、明らかにあの人と相性が悪い。
「ところで貴方聞いたわよ、あの迅竜からベルカを守ったんですって?その腕前、明日披露してもらおうかしら」
「腕前なんて大した事ないですよ、あの時はベルカさんを守る事に必死で…」
言ってから僕は気づいた。
僕は今とんでもなく恥ずかしい事を言ったのではないかと。
それどころか、アンナさん一筋だった僕の心がいつのまにかベルカさんへと傾いていたのではないかと。
「あらあら、随分と彼女にゾッコンね。まぁ仕方ないわね、彼女実際可愛いし、貴方はどこに惚れたの?」
「そ、そんな事言えるわけ無いじゃないですか!」
「残念ね、彼女と違ってそこのガードは固いみたいね。彼女なら少し乗せればすぐに吐くのに」
少し乗せたら気持ちを吐くどころかキスまでされましたよ。
けれどこれを言ったら彼女のプライドに関わるので黙っておく。
流石に僕も人の道は外れていないからね。
その心を見抜いたのかレンさんが
「その顔はベルカと何かがあった顔ね、まぁ男女の関係には首を突っ込まないでおくけど」
よかった、ベルカさんなら迷わず突っ込んできたのに。
やっぱ天空山の人は神に近い分天使なのかな。
そういえば言ってなかったけど、レイさんはベルカさんと並ぶくらいに可愛い。
「また顔が変わったわね、その顔は私の事を考えてくれているのかしら?」
「ですね。今ちょうど貴女の事を可愛いと思ってました」
「あら、それは嬉しいわ。ありがとう」
躱された…だと…
やはりこの人、中々の強敵だな。
まぁ味方だから敵ではないんだけど。
今度は僕から質問してみる。
「レイさんはベルカさんとどういう関係なんですか?」
「うーん、昔の狩仲間かしらね」
過去を懐かしむように彼女は語り始めた。
「私とベルカと兄のレンは昔三人で狩りをしてたの。
正直言って私たちは負け無しだったわ。
あのモンスターが現れるまでわね」
そこで彼女の顔が曇ったので僕は話を止めてもらった。
「辛い話なら話さなくて大丈夫です」
「あら、そう。じゃあもう夜も遅いしお休みなさいな。長旅で疲れているでしょう」
「ではお言葉に甘えて、休ませていただきます」
僕も疲れていたし、明日は早速狩りだからね。
僕は食堂を後にした。
「レン、貴方が連れてきたあの子。いい腕してるわ」
最後にそんな言葉が聞こえた気がしたが気にせず僕は自室へ戻った。