ハンターやってれば出会えるってホントですか!?   作:四国の防波堤

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第六話 天空山の狩人って何を狩るんだろうね

僕達が天空山にやってきてから二日目、早速天空山の調査に駆り出されてます。

密林と比べて天空山は標高も高く、寒い。

しかし、僕の隣のベルカさんが震えているのは寒さの所為では無いらしい。

 

「嫌だ…高い…怖い…」

 

「ベルカ貴方まだ高い所が苦手なの?何が操虫棍使いよ、全く聞いて呆れるわ」

 

ベルカさんの隣で煽ってるのは調査隊隊長のレイさんだ。

今から行く地域は天空山の中でも危険度が高い地域らしく、腕利きのハンターでもあり、土地勘もあるレイさんが同行してくれている。

 

ところで、文字通り昨日今日ここに来た僕達が危険度が高い地域に行くのはおかしいと思ったけど、今みたいに煽られたベルカさんが乗り気になってしまったので僕に拒否権はない。

 

しかし、乗り気だったベルカさんが天空山に着いた途端に怖気付くのは驚いた。

しかも、高さの所為とは…

ギャップ萌えここに極まれりですよ。

読者の方々もそう思いますよね!!

 

おっといけない、話が逸れた。

レイさんが言うには既にここも危険地域らしい。

つまるところこんな所で高さに怯えている場合では無いわけだ。

 

 

ウォォォォン!!!

 

 

遠くからモンスターの鳴き声が聞こえてきた。

 

「あら、この鳴き声は雷狼竜のものね、天空山の物はまだ資料が無いから今日のターゲットはあの雷狼竜にしましょうか」

 

「雷狼竜ですか。僕本物見るの初めてなのでとても楽しみです!」

 

「初めて見るのね、誰かさんみたいに高さに怯えずにしっかり目に焼き付けていきなさい」

 

「うるさい!怖いものは仕方ないだろ!」

 

「怖がるのは勝手だけど、それで私達に迷惑の一つでもかければ貴女、この銃の餌食になるわよ」

 

レイさんがそう言うとベルカさんはすっかり黙った。

さっき本人が言っていたけどレイさんの武器はヘヴィボウガンだ。

人に向ける様な物ではないが今のレイさんはベルカさんに向けてその銃を向けている。

まぁ彼女達なりのジョークなので放っておく。

 

さっきから雷狼竜の咆哮が大きくなっていっている。

 

「近づいて来たわね、今回は資料の収集だから雷狼竜を捕獲するわ。二人とも準備は良い?」

 

「捕獲ですか…僕やった事ないので出来るか心配してなんですけど…」

 

「貴方、ベルカと組んでた割には捕獲もした事ないのね、まぁあの子の性格なら仕方ないか」

 

ベルカさんの性格って…

考える間もなくモンスター相手に笑顔で蹂躙し始める彼女の姿が浮かんで戦慄したので理解した。

そうなると慈悲のカケラもないなあの人…

 

しばらく歩き続け、

 

「ロズワルド君!ベルカ!隠れて!」

 

どうやら雷狼竜が見えたらしいので近くの岩陰に隠れる。

 

「あれが雷狼竜よ、武器の準備をして頂戴」

 

青い鱗に黄色の甲殻、それは昔図鑑で見た通りの雷狼竜だった。

 

「まず私が雷狼竜の頭に二、三発弾を打ち込むわ。二人はその間に回り込んで後脚を狙って頂戴。それじゃあ行くわよ」

 

作戦通り僕たちは左右に分かれ、雷狼竜の後ろに回った。

さっきまでいた岩陰にはレイさんがヘヴィボウガンを構えて狙いを定めている。

 

パン!パン!と乾いた銃声と共に僕たちは後脚を攻撃した。

雷狼竜は何が起こったか理解出来ず頭を左右に振っている。

 

「ベルカ今よ、乗って!」

 

レイさんが指示を出す。

ベルカさんは言われるのが分かっていたのかもう既に飛び、そして雷狼竜の背中に着地した。

 

彼女がそろそろ降りる頃合いになると、

 

「ロズワルド君、雷狼竜の頭に回って力を溜めておいて。ラッシュを仕掛けるわよ」

 

僕は予測と経験だけでそのポイントを探った。

 

「ロズワルド!降りるぞ!」

 

ベルカさんはそう言って雷狼竜の背中に操虫棍を刺した。

僕は転がり込んできた雷狼竜の頭に溜め込んだ力を一気に解放した。

 

雷狼竜の角が音を立てて折れる。

しかし、それだけで喜ぶのはまだ早い。

角が折れた中もレイさんの銃撃は続き、やがて雷狼竜の背の甲羅を破壊した。

 

雷狼竜はやっとの事で体制を持ち直し、天に向かって吠え始めた。

 

「充電を始めたわ!二人とも引いて!」

 

僕らは言われるがまま後ろへ下がった。

雷狼竜は吠え続け、周りの雷光中が背中に集う。

やがて雷狼竜は大きく吠え、周りに雷光が迸った。

 

「超帯電状態ね…厄介な事になったわね。早めに終わらすわよ」

 

レイさんはそう言って射撃を再開した。

僕たちも攻撃を再開しようとしたが、雷狼竜はそのまま何処かへ去っていった。

 

「おかしいわね、こんな状況で移動だなんて普段はしないはずだけど…まぁ良いわ、追いかけるわよ!」

 

レイさんが走り出したので、僕たちもレイさんについて行くように走った。

少し走った所で僕たちは雷狼竜を見つけた。

四匹ほど増えていたが…

 

「群れ…早く撤退…そういう事か!」

 

レイさんが急に叫んだので僕たちは驚いた。

 

「レイさん、どうしたんですか?」

 

僕が聞くと、

 

「帰るわよ、あれは狩ってはいけない雷狼竜だわ」

 

そう言って、彼女は武器をしまい始めた。

ベルカさんもレイさんには逆らえないようで武器をしまい始めている。

二人に流されるしかない僕は不服ながらも武器をしまった。

 

「雷狼竜はね、群れで子育てをするの。あれは子育ての群れで、私たちが狩ってはいけないの。けれど群れがここまで下りて来るのは珍しいわね」

 

帰り道、レイさんはそう言った。

子育ての群れを狩ってはいけないっていうのは天空山の自然の為だろう。

 

天空山からの帰り道、雲が少し曇って見えた。

 

 

 

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