秩序の騎空団でグラブる 作:秩序派
レジェンドフェスとは、ガチャを引いた時のSSR出現率が倍になる期間である。具体的には300回でSSRが18ぐらい出るはずなのだ。
「なのに、たったの9つって……こんな……」
加入したのも、アギエルバとか微妙な奴らだし。せめてリミ武器とかドスとか引きたかったな。オイゲンかカインを引いて、残った方を天井交換してマッチョに移行するつもりだったのに。まあユグマグの方が可愛いからマグナのままでもいいけど。
そうすると、問題は天井で誰を加入させるか……。リミキャラで加入してないのが、えっと、ラカム、オイゲン、リーシャ、カイン、フォリア、ラインハルザだから……実質5択だな。
「武器の強さを考えると、順当にラインハルザだけど。でもなぁ、火属性ドラフか……」
うーん、何となく気が進まないな。武器のオマケだし、普通に加入していいはずだけど。
――よお、オレ様を楽しませてくれよ。
うるさい死ね!
「…………あれ? 今、何を考えてたっけ」
とりあえずラインハルザは保留として、他の選択肢も考慮してみよう。土属性の場合、カインを加入させておいて次の天井でオイゲンを交換することになるか。ただ、次にレジェフェスで引くのがいつになるか……。基本的にはグラフェスで引きたいしな。
フォリアは杖パーティに入る性能だったか? wikiで性能確認っと……うん、これならリリィでいいな。まあ、武器は悪くないから候補には入るか。そういえば、こいつエルーンだからカトルやドランクの代わり……。可愛さでは余裕で勝ってるから、たまにマイページに飾るぐらいはしてあげよう。でも、耳が出てないのは少し減点かな。
――隊長はん、うちの耳やったら触ってもええよ。
ソシエ、好きだ!
「…………ん? 次はリーシャの確認だ」
たしか自動でダメアビを使うようになったんだったか……。うーん、上限アップは役立つけど、そこまで強くもないな。ニオ4アビとの相性はいいとして、勝手に昏睡を解除されるのは困る。朝だって、もっと優しく起こしてほしいのに。
――早く起きてください、隊長。いいですか、秩序とは規則正しい生活から云々。
分かった。分かったから!
「…………えっ?」
急に胸のあたりに鈍い痛みがきた。おかしい……さっきから何度か意識がぼーっとしたし、調子が悪いのか? やっぱり最近の食生活に問題があったのかもしれない。天井交換は後回しにして、何か買いにコンビニに行こう。
(財布を忘れてるぴょん)
ああ、そうだった。こっちの金を持たないと。それはそうと、やっぱり今回はラインハルザだよな。でもなぁ、火属性ドラフは……。
その頃、アマルティア島では。
「なぜ無意味な抵抗を続ける。お前たちでは、オレを止めることなど不可能だというのに」
「それでも! 全空の秩序を守るため、ここで退くわけにはいきません!」
「秩序か……だが、オレの目的も新たな世界――新たな秩序の創造だ」
「新たな、秩序……!」
「そのためにオレは創造神になる。お前がオレに協力すると言うなら、契約者として新世界へ連れていこう。そして、共に新たな秩序を創るのだ」
「私が、秩序を創る……?」
リーシャの心に迷いが生まれた。
コンビニからダッシュで帰宅した俺は、白兎剣を全力で殴りつけた。
「言えよ! 俺が注目されてたのは、こんな格好だからだって! すっかり馴染んで気づかなかったけど、グラブルファッションで外出は駄目だろ! エルーンじゃなくて良かったよ! 財布より先にそっち言えよ! むしろ転生してたこと思い出させろよ! さっぱり忘れてたわ! こういう時はお前が必死に呼び戻すべきだろ! しれっとハーゲンダッツをリクエストしてんじゃねえ! そんな金あったら課金に回すわ! あと、殴った手が痛いんだよ! 折れろ!」
「忘れてたのは、転移による一時的な記憶の混乱ぴょん。人間の脳にはよくあることぴょん」
そんなことより、早く戻らないとワールドが創造神で世界を……。
「戻る必要……あるのか?」
「どうせワールドに負けて、空の世界と一緒に消えるぴょん。無事に逃げられて良かったぴょん」
「だよな」
せっかくだから、こっちの世界でチートを使ってハーレム王になろう。剣技は衰えてないみたいだし、剣術競技のトッププレイヤーになって大儲け。そして多くの女弟子をハーレム要員に!
「案外、収入は少ないらしいぴょん。それに、教えるのが下手だから無理があるぴょん」
「え、マジ?」
じゃあ、裏社会で力だけで成り上がるパターンだ。悪党から奪った金で少女達を買う。完璧。
「政治力が無いから集中攻撃されて終了ぴょん。近代兵器や暗殺はどうしようもないぴょん」
「……確かに」
だったら『手から剣が出る系YouTuber』として広告収入で……。
「よくできた合成映像だと思われるだけぴょん」
「けっ、役立たずが」
この世界に夢が無いことは分かった。ただ、向こうの世界には先が無い。さて、どうするか……とりあえずは日課を済ませよう。
共闘でルームを作成して、プロバハとアルバハを倒したがヒヒイロは拾えなかった。
アーカーシャとグランデの連戦でもヒヒイロは拾えなかった。
雫を使って六竜を倒す。残った時間でアーカルムを進める。
プレゼントリストから期限が近いものを受け取る。新着情報を1つ1つ確認&処理する。
twitter救援のIDからマルチバトルに参戦して青箱ラインまで殴る、殴る、殴る……。
そして結論は出た。ここまで左手に白兎剣を装備してプレイしていたのだが、ドロップアイテムは普段とあまり変わらなかった。きっと俺自身のスキルやサポアビは、ゲームに影響しないのだ。まったく、使いづらいチートだな……。
やっぱり俺が気分良く『俺TUEEE』できるのは、グラブルの世界だけってことか。ただ、戻ったところでワールドに勝てるとは限らない。命を懸けてまで俺が戦う必要はあるのか? あんなゲームの世界のために。
「……っ!」
急に胸のあたりが痛くなった。さっきも感じたこの痛み……前にリーシャに殴られて痣になったところだったな。少しは手加減しろってのに。
ああ、そうだ。あの世界はゲームなんかじゃない。ゲーム的な要素は多かったけど、そこで過ごした6年は間違いなく俺にとっての現実だった。俺は覚えてる、モニカの柔らかさも、ソシエのモフモフも、オリヴィエの滑らかさも、ニオのぷにぷにも、ユエルのギリギリっぷりも。リーシャは……思い出したくないことも多いけど。
「そういえば、本を破られたこともあったな……」
今更ながら怒りが湧いてきたので、久しぶりにリーシャがメインの薄い本を読むことにした。
数分後。
「……よし、戻ってワールドを倒して世界を救おう!」
よく考えたらリーシャもかなり可愛いし、こっちが主導権を握れば大丈夫だ。それに、この世界でどれだけ頑張っても、モニカや獣耳娘や合法ロリには会えないからな。世界を救った英雄になれば、彼女達の方から近づいてくるだろう。そして……ハーレム王に、俺はなる!
そんなわけで、気になっていた各種のデータをwikiで確認していく。重要なのは女の子の「好きなもの」と「苦手なもの」だ。こればかりは量産型ロボミが分析できないしな。それから、風呂場に外付けHDを置いて、時間が経つと水没するように細工した。これでもう思い残すことは無い。
最後に、床に放置していた白兎剣を軽く殴ってから体内に収納する。準備完了だ。
(ところで、どうやって戻るつもりぴょん?)
「ん? お前が何とかできるんじゃないのか? ほら、ジオラを呼んだ時みたいに」
(それは……その、星晶獣の力を借りないと無理ぴょん)
「……」
よし、決めた。いつか海の底に沈めてやる。それはそうと、どうやって戻れば……そうだ! 俺はグラブルの天井交換のページを開くと、画面をスクロールしてカーソルをリーシャに合わせる。6年前は事故みたいな転生だったけど、今回は俺が自分で選ぶんだ。あの世界で俺は生きていく。
「そして――」
大きく息を吸い込んだ。
「――秩序の騎空団でグラブるんだ!」
右手の人差し指に力を入れてクリックし……ようとしたところで、
「ふぁっくしゅんっ!!」
カーソルの位置がずれて、そのまま数回クリックしてしまった。
『グランサイファーの操舵士、ラカム!』
ラカムゥゥゥゥゥ!!
心臓が止まった。
――転生特典ポイントを使い切っているので、現在の状態で転生を開始します。よい転生を。
目の前には巨大な門が、そして少し前方には超巨大な建物がそびえている。振り返って見渡すと多くの島々が浮かぶ
「ここはグラブルの世界だ」
過去未来そして現在でも死んだ主人公。
Q:2回目の転生?
A:主人公の魂には「現実で死んだらグラブル世界に転生」「初期位置:裁きの門」等、
プロローグの転生特典ポイントで得たチートが刻まれていました。
Q:天井でリーシャを選択していた場合は?
A:死なないので転生しませんでした。
Q:時間の流れ云々は?
A:ご都合主義万歳。
・リーシャの予告
「例え創造神が相手でも、私たちの秩序は決して負けません。
というか、異界ってどういうことですか!!
次回、最終話 秩序の騎空団。……それでも信じてます、隊長」