俺は超越者(オーバーロード)だった件   作:kohet(旧名コヘヘ)

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モモンガ様視点
カルネ村事件について


第十三話 大失態

 

 

端的に言おう。俺は失敗した。

  

カルネ村への偽装帝国騎士に変装した法国の虐殺。

 

陽光聖典の襲撃の顛末までを振り返る。

 

この失敗の責任者は誰か。全て俺である。

 

 

 

 

先に目を背けていた我が黒歴史についてだ。

 

数日経って、ナーベラル等からの進捗状況を聞いた。

 

やはりどうしても色々な面でパンドラズ・アクターの協力が不可欠だと考えた。

 

ナザリックの宝物殿を守る領域守護者であるパンドラズ・アクターの設定と能力。

 

さらに与えた完全催眠の能力はどう考えても死蔵すべきでないと判断せざるを得なくなった。

 

ナザリック内にある全てのマジックアイテム、特にナザリック内のワールドアイテムを知り尽くしている上に、頭脳も優秀。完璧だ。

 

存在自体が俺の黒歴史なのを除けば。

 

 

 

 

さて、黒歴史の話からカルネ村の話に戻る。

 

『原作』通りなら王国は腐っており、人類保全のためにとっとと滅べというのが法国のスタンスのはずだ。

 

前世を思い出したときに転移前の人間の俺は、法国の言うこともわからなくはないと思った。

 

他国の騎士に偽装して民間人を虐殺する等手法はともかくとしておおよその方針は大多数のプレイヤーが賛同し得る。

 

 

しかし、ナザリックは異形種のギルドであり全体が悪である。

 

法国としては問答無用で野郎ぶっ殺してやる状態かもしれない。

 

なので、はいそうですかと見逃す程愚かしいことはない。

 

 

ただ覚えている範囲の『原作』知識では法国は不明な点が多い。

 

そもそも『原作』が当てにならず、万が一プレイヤーが本当に六百年隠れていたとしたら?

 

この数百年で法国入りしたプレイヤーがいたら?

 

現地での魔法やスキル、現地能力の活用等経験で負ける可能性も十分あり得る。

 

まだわかってないが『原作』と違い、レベルアップすることだって可能かもしれない。

 

 

 

また、陽光聖典が弱くてもそれ自体が囮である可能性。所謂、見せ札。

 

そういった情報を隠蔽している可能性もある。

 

 

 

そのため、情報収集も兼ねてカルネ村を襲う前の偽装騎士や陽光聖典と対話を試みるつもりでいた。

 

『原作』同様なら実力差を見せつけ降伏させる。

 

魔法で情報収集後、記憶消去してさっさと法国に帰ってもらう。

 

万が一、Lv80以上の戦闘集団等なら様子見に徹しようと考えた。

 

以上のことを大まかに考えた。

 

 

だが、俺は法国の監視魔法に対する攻勢障壁による誘爆。

 

それが、破滅の竜王(カタストロフ・ドラゴンロード)の攻撃と誤解されシャルティアが洗脳される事件に繋がったことを知っている。

 

どうしてそうなったのかまでの詳細は流石に覚えていないが、俺たちが破滅の竜王と誤解されるのは防ぎたかった。

 

 

とはいえ、何もしないで監視魔法を連射させられると大まかなナザリックの位置をいずれ特定されかねない。

 

 

なので、カルネ村近くの離れた位置から手癖の悪い悪魔(ライトフィンガード・デーモン)に悪戯させて手出ししたらヤバいと警告しておこうと考えた。

 

ナザリックから離れた位置ならばバレる心配はないだろうと思った。

 

あれが奪えるのは精々低位のマジックアイテムくらいだ。

 

パンドラズ・アクターがウルベルトさんらの能力を使えば隠蔽も余裕であると判断した。

 

さらに念には念を入れて、完全催眠で前後の辻褄を合わせる。完璧だ。

 

 

 

そう確信したのが前世で見たアニメ、遠坂さん家の〇臣フラグだった。

 

 

 

この作戦最大の問題は、絶対欠かせない応用力の権化兼黒歴史に会うことだった。

 

パンドラズ・アクターに何度も強制鎮静化された俺は、何とか黙らせることに成功した。

 

上記の内容を少しぼかして伝え、万が一敵対者と遭遇した際の基本方針とした。

 

今思うと黙らせたのが一番悪かった。すまない。

 

 

 

最初の頃、周囲の村落を情報特化NPC達に探させていた。

 

これは良かったのだが、カルネ村はもうすぐ消えてなくなる村。

 

つまり襲撃を受けそうな価値の低い村として報告された。

 

まとめて村落を報告させたのが不味かった。

 

アルベド達はナザリックに一番近い村が無くなれば、寧ろナザリック隠蔽になるので良いという雰囲気だった。

 

 

 

ナザリックの『悪』の思考を失念していた俺は慌てた。

 

慌てて、この村を助けて情報収集の拠点にしたいと言い出した時は皆呆れていたと思う。

 

 

ただ、初動が遅れたため、対応した頃にはカルネ村が法国の偽装帝国騎士に襲われていた。

 

俺は完全武装を整えたアルベド。

さらに完全催眠と完全不可知化(パーフェクト・アンノウアブル)併用状態のパンドラズ・アクターを供に引き連れ、後詰の準備をさせてカルネ村へ突入。

 

慌てて村を助けていたため何度か魔王ロールを素で忘れていたりもした。

 

 

 

助けた村人を血まみれにさせてしまった。ファーストコンタクトを間違えた。

 

村人は背中に傷を負っていたので、ユグドラシル時代の癖で謝罪のつもりでポーションを渡した。

 

血色の毒薬と勘違いされて、父親が自分の命と引き換えに家族を助けようとしたりした。

 

アルベドがぶちきれそうになったりしたため、まずその場で血まみれの衣服を魔法で綺麗にして面倒臭いので傷にポーションぶちかました。

 

防御魔法で助けた村人を覆いそこなら安全と言い、ゴブリン将軍の角笛を娘に渡した。

 

また父親に取り乱されても困るから、何故か精神強そうな気がした娘の方に渡した。

 

 

 

とっとと法国兵残り全員を縛るつもりが、無駄に抵抗されて数人しか残らなかった。

 

村人や偽装騎士から記憶操作(コントロール・アムネジア)でデスナイトの記憶について消し、謎の旅人が村を助けたとだけ認識させた。

 

デスナイトはナザリック送りにした。

 

村人達には感謝されたが、その間に陽光聖典発見の知らせが届いた。

 

 

 

じゃあ帰ります。と言って名乗りもせずに陽光聖典の元へ急行。

 

 

 

そのすぐ後、王国戦士長と名乗る集団が現れたらしい。

 

ナザリックから知らせが来たが、村人に害をなそうとしていなければ放置しろと命じた。

 

やたら周囲を警戒していたという話だった。

 

どう考えても、素人でもわかるくらい胡散臭いもんな。

 

 

 

この世界随一の善人と思われる男との接触に失敗した。

 

 

 

 

この時、素で最初に救った親子のことを忘れていた。

 

陽光聖典の対処後に慌てて確認しに戻った。

 

幸い戦士長達や他の村人にもデスナイト等は黙っていた。

 

やはり赤いポーションは少なくとも聞いたことがないとのことだった。

 

こっそり記憶を消そうとした。

 

しかしその時、村人の娘ネムに俺とNPC達への感謝と称賛された。

 

嬉しくなった俺は周囲への口止めを依頼するだけにした。

 

黙っているみたいだし問題ないとナザリックには報告した。

 

村の監視に留めるように指示した。

 

何か素で高度な考えがあると勘違いされてしまったがそんなものはない。

 

後、ゴブリン将軍の角笛を渡したのはエンリだった。

 

最悪、コネクションになるからこの事件唯一の成果と思われる。

 

名を聞かれたので、アインズ・ウール・ゴウンと名乗っておいた。

 

ゴブリン将軍の角笛はきちんと村人に説明してから使うように厳命した。

 

 

 

 

何やかんやあって遭遇した陽光聖典とも失敗した。

 

まずは対話を試みるが、あいつ等は初っ端から天使で攻撃してきた。

 

負の爆裂(ネガティブバースト)で殲滅し、改めて交渉しようとしたら発狂。

 

 

低位の魔法を乱発して来た。

 

無効化能力がきちんとこの世界でも使えるのを確認できた。

 

 

ただ、それで発狂した陽光聖典隊員がスリングで鉄球を1名飛ばしてきた。

 

それがアルベドの逆鱗に触れた。

 

『下賤な飛び礫』で攻撃されたことが許せないかったそうだ。

 

スキルのカウンターアローとミサイルパリーで陽光聖典1名殺害。

 

護衛なんだから当たり前の反応でこれまで傍観していたのは寧ろ空気読んでいた。

 

完全に説明していない俺が悪かった。

 

 

そうこうしていたら、ニグン(隊員に呼ばれていて思い出した)が、

 

第7位階天使召喚(サモン・エンジェル・7th)の威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)を召喚した。

 

もうとっとと実力差をわからせてやろうとして瞬殺した。

 

 

こちらは何度も命取らないって言っているのにニグンが自分だけ命乞いし始めたのは不快だった。

 

 

とりあえず拘束しようとしたら、陽光聖典の監視魔法が発動。

 

俺が指示する前に全部パンドラズ・アクターが対応。

 

黙っていたので気づかなかったが、

 

手癖の悪い悪魔と併用し完全催眠で法国上層部が現在対応に悩んでいるであろう存在に隠蔽したらしい。

 

 

 

完全に当初の目論見が壊れた。俺たちは破滅の竜王と勘違いされただろう。

 

ナザリックはヤバいかも知れない。

 

しかし、黙ってろと指示した上で任せたのは俺なので完全に俺のミスだった。

 

 

 

拘束した陽光聖典に何か魔法かかってますとパンドラズ・アクターが魔法を解呪。

 

素で死ぬ呪いのことを忘れており、危うくニグンを殺すところだった。

 

解呪した後、NPC達を呼び、トブの大森林に移動し支配(ドミネート)等で情報収集。

 

おおよそ全て引き出したところで記憶操作(コントロール・アムネジア)を使える者達に今回の件に関連する記憶を消去させた。

 

 

陽光聖典が1名死亡したが、『原作』と同様にその場で蘇生されるのか不明だった。

 

蘇生についての知識は一応引き出せたが、法国でも詳しく知るのはごく一部ではっきりしなかった。

 

万が一のことを考えると蘇生で魂が法国に戻りかねない。

 

仕方がなくエルダーリッチを作成し、ナザリック送りにした。

 

第7位階天使召喚(サモン・エンジェル・7th)の威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)をナザリックにあった魔封じの水晶にわざわざ封じた。

 

陽光聖典の奴らは意識のない状況で法国に転移させた。

 

 

 

事後処理が済んだ後、アルベドとデミウルゴスがパンドラズ・アクターと三人で今後について相談したいと言い出した。

 

ここまで失敗していれば当然と嫌々ながら許可した。

 

 

 

まぁでも、今回の件で俺の威厳も大分落ちただろう。

 

ここまで無能を見せつけてしまえば、アルベド達に任せた方が良いかもしれない…

 

 

いや、ダメだ。未知の脅威がある以上、負けを知らないアルベド達はまだ危険だ。

 

最低限俺が責任を取れる体制を整えないといけない。

 

 

しかし、言うこと聞いてくれるかどうか…不安だ。

 

どこかで威厳を取り戻したいが困った。

 

 

陽光聖典からの情報だけでは足りない。

 

武技という未知の技術は『原作』同様に確認できたが実際を見ていないのは不味い。

 

そのため、冒険者モモンでの行動も視野に入れるべきだ。

 

また人化で行動することで、大多数のプレイヤー対策に人間としての感覚を取り戻す必要もある。

 

 

人化でも忠義を尽くしてくれるかの判断材料は…

 

まずやっぱり最初はパンドラズ・アクターになるよなぁ…

 

属性中立でかつ俺の作ったNPCだし。

 

 

ああ、情けない。本当にナザリックの支配者として情けない。

 

今でも精一杯のつもりだったが、もっと努力しなければなぁ。

 

もうなりふり構わず、恐怖公に本物の帝王学でも教わるのも考えないと。

 

 

 

 

その後、恐怖公からの帝王学学習はやめることにした。

 

選択肢の一つとしてはありだが、状況が落ち着いてからじゃないとどのみち無理だと判断した。

 

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