俺は超越者(オーバーロード)だった件   作:kohet(旧名コヘヘ)

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『原作』から抜け出した『リアル』となった世界は光に包まれた。


第二十話 本来の力

思いを吐き出した俺は、パンドラズ・アクターとナーベラルと共に宝物殿の霊廟で、

 

 

『俺』の全てを話した。

 

 

ユグドラシル終了三年前、前世と『原作』を思い出したこと。

 

三十年以上前の『原作』知識は抜け穴だらけだったが、未来の自分だと確信できたこと。

 

だが、『原作』は熱素石鉱山奪還から狂いに狂いまくっていたこと。

 

なので『原作』とは違う可能性が高いと判断したこと。

 

前世でも今世でもあったクロスオーバーや俺と同じ存在がナザリックを滅ぼすと思い込んだこと。

 

だから、不必要だと思っても、ゲームをクリアしても財や知識・技術を蓄え続けたこと。

 

 

実際に異世界に転移してしまったこと。

 

 

唯一の手掛かりである『原作』を自己流になぞろうとしたこと。

 

正直、自分の思うままにやった方が最適だった気がすること。

 

毎日、うろ覚えの『原作』との乖離を探して精神が追い詰められていったこと。

 

人化して『漆黒の剣』と交流した際に、自分の歪みと致命的な欠陥に気づいてしまったこと。

 

 

「俺は一人よがりで、ナザリックを守ると言いながら、結局自分のことしか考えていなかったのだな…」

 

俺はこれ以上ないくらいの道化だった。

 

 

 

本来の俺だったら、

 

まず、評議国の白金の竜王を探し出し、力を見せつける。

 

今後の百年の流れから世界を守る代わりにナザリックを認めさせる。

 

 

未知の脅威である破滅の竜王(カタストロフ・ドラゴンロード)をどうにか捕獲して、

 

帝国と王国の戦争の目の前に放り込む。

 

それを一瞬で殲滅させて、両国にカルネ村からトブの大森林、ナザリックがあるカッツェ平原等の支配を認めさせる。

 

 

帝国からフールーダを引き込み、ジルクニフの手を狂わせる。

 

王国のラナーにクライムとの世界を作るのに協力する代わりに、王国の内外を操らせる。

 

法国には人類を守るから他種族と共存しろと迫る。無理なら首脳部を完全催眠する。

 

 

 

これくらいは当たり前に浮かぶ。全部容易だ。俺一人でできる自信がある。

 

だが、『原作』という狂気に支配された俺は滅茶苦茶な行動、無駄なことばかりしていた。

 

錯乱し、無意味にうろ覚えな『原作』をなぞろうとしてしまった。

 

 

 

「いいえ、モモンガ様。私は真実を知っても忠誠は何も変わりません。

 

寧ろ私たちのことをそこまで思ってくださっていた慈悲深いお心。勿体なく思います。

 

ただ…」

 

霊廟には、弐式炎雷さんの者もあった。何故それに思い至らなかった。

 

親が見捨てたわけではないが、もう帰ってくることはないと教えてしまった。

 

宝物殿を開放してしまった今、完全に聞かれないためにはここしかなかった。

 

だが、もう少し配慮できたはずだ。自分のことしか考えられなかった。

 

 

「いえ、モモンガ様。

 

ナーベラルは弐式炎雷様が戻られないことは知っていたとのことでした。

 

最後にログインした日に別れの言葉を述べられたと言っていました」

 

パンドラズ・アクターは俺の心を察して言う。だが、わかっていても…

 

 

「いえ、その覚悟はできておりました。言い淀みましたのはその…」

 

顔を赤くして、何かを言おうとするがわからない。気を使っているのだろうか。

 

 

「ええ…その当たり素だったのですね。モモンガ様」

 

理解できないことを察して何故かドン引きしましたと言わんばかりのポーズを取る。

 

無知を晒したがわからないものはわからない。そう示せただけ良しとしよう。

 

 

「それより私本来の方針。どう思う?」

 

正常な思考を取り戻した自分の策。

 

最善ではないかもしれないが、最速でナザリックを守れる。

 

 

強いて言えば、破滅の竜王(カタストロフ・ドラゴンロード)が不明だ。

 

 

コイツは『原作』で出てきても良いはずなのに俺の記憶にはない。

 

シャルティア洗脳の原因となった諸悪の根源を俺が覚えていないはずはないと思ったが。

 

だが、Lv150の俺なら問題ない。

 

 

レベルが低く、知能がなければ『ボール・マスター』で捕まえて毎日サンドバッグにする。

 

Lv90まで捕獲できる特殊条件。偶然にも俺は条件を満たすことが可能だ。

 

若しくは検証以上の効果が出せる。

 

ドリームビルダーしかできないファッションスキル。ゲームクリアの特典。

 

俺は両方持っている。

 

 

それら懸念事項も含めて伝えると、

 

「いや、モモンガ様。ナザリックを守るのならそれで十分。いや、完璧です

 

 しかし、世界征服の方は…」

 

えっ。そんなこと言ったか?

 

 

「いらん。『原作』になぞろうとした愚かな発言だ。

 

それに白金の竜王と法国と結べれば世界を実質支配したも同然だ」

 

多分、呆けてしまったのは察せられた。

 

先ほどまでの俺は『原作』知識で経済から支配しようとしたけど、

 

俺のユグドラシルの真骨頂は魔王ロールからの『従属』だ。

 

何も問題ない。絶対の自信がある。

 

破滅の竜王が知性あるなら言葉のみで従えられる。

 

 

「モモンガ様。ご自分の頭が良くないとご謙遜されていましたが、十分えげつない知性をお持ちです。

 

 私ですらそこまで思いつくかは、少々自信がありません」

 

謙遜するパンドラズ・アクターと尊敬の眼差しで見るナーベラル。

 

 

 

それやめろ。辛いんだよ。もう察しているんだろう!もう!

 

 




第十八話NPCにおいて、
漆黒の剣で質問があったのでここに記載します。

まず上位二重の影(グレータードッペルゲンガー)を二体完全催眠で送り出しています。
さらに言えば従属NPCに監視させています。
絶対の支配者の言です。何があっても『漆黒の剣』とンフィーレアは守られます。
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