絶望の果てに辿り着きし場所 凍結中   作:銀色の空

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プロローグ

そう―――――すべては、あのときから始まったんだ。

 

 

 

「さようなら、寂しがりやな女の子」

 

 

「さようなら、愛していたよ。■■」

 

 

そうして、長くも短い俺の胡蝶の夢は覚めたはずだった。

 

 

 

だが、俺が次に目を覚ますと再びこの大地に居た。

 

嬉しかった。

 

また、■■あえる!

 

また、みんなに会える!

そうさ、ただ単に嬉しかったんだ。

 

 

 

そして、知った。

 

ああ、みんなが俺を覚えていない、俺と過ごした現実が無くなっていると。

 

「■■、私から目を背けないで」

 

気が強く、だが誰よりも人の温もりを欲しているあの子も、

 

「■■!!!!死ねぇぇぇ!!!!!」

 

猪突猛進で、頭が少し弱いあの子も、

 

「■■、姉者を頼むぞ」

 

いつも、クールでみんなのまとめ役なあの子も、

 

「■ちゃ~ん!これ!これおいし~んだよね~!!」

 

大食いで素直でいつも笑顔が眩しかったあの子も、

 

「■様?如何されたんですか?」

 

誰よりも心が優しかったあの子も、

 

「なんで、生きてるの?早く死ね!全身■■男っ!!」

 

いつも、喧嘩ばかりしていたあの子も、

 

「■■っ!■■隊、揃いました!!」

 

俺の後ろを健気に着いてきてくれたあの子も、

 

「なんやねん~、■■ぉ~?少しぐらいええやん」

 

カラクリが大好きだったあの子も

 

「そうなの~、■■ぉー、少し休憩なのー」

 

オシャレが好きで武人とは思えなかったあの子も、

 

「あんな~、■■ぉ~?うち、羅馬にいきたいねん」

 

お酒が大好きで俺のことをいつも気にかけてくれたあの子も、

 

「■■殿と私が、く、くんずほぐれ、ブゥゥゥ!!!」

 

妄想が得意でいつも鼻血を出していたあの子も、

 

「おやおや~、これは■■さん。こんばんはー」

 

いつも何を考えているのかわからなかったあの子も、

 

「■■ぉ~、お姉ちゃんおなかすいたなぁ~?」

 

3姉妹の中で一番人懐っこいあの子も、

 

「■■ぉー!!早く!走りなさいよ!!」

 

3姉妹で一番気が強かったあの子も、

 

「すみません、■■さん。うちの姉たちが」

 

3姉妹で一番しっかりしていたあの子も。

 

 

全員、俺のことを覚えていなかった。

だけど、それでもよかった。

また、みんなに会えた。

また、みんなと、暮らせる。

 

 

・・・・・・・・ただ、そう願っただけなのに―――

 

 

結局、最後に待っていたのは、同じ結末だった。

 

そうして俺は再び消え、目が覚めるとまた無限に広がる大地。

今度こそは、消えない!

みんなを悲しませない!

そう、心に決めたんだ。

 

だけど、それは俺が■■■■である限り不可能な選択だった。

そして、また何度も、別れを繰り返した。

何度も泣かしてしまった。

 

何度も苦しめた。

 

そんな、人生を何度も何度も繰り返した。

 

そして、何度目の人生なのかもわからなかった俺に新たな未来が用意されていた。

 

「私たちと、一緒にずっと笑顔が絶えない国を作ろうよ■■■■!!」

 

「私達との、子供を作ってほしいのよ■■♪」

 

いろんなことを体験した。

■では、正義のために生き、

■では、乱世を駆け抜け、

■では、覇道を歩んだ。

 

そして、幾つもの戦場を経験した。

 

いろんな、未来を経験した。

最初は、いやだったさ。

■■を裏切ることになる。

みんなを、■を裏切ることになると、そう思った。

 

だが、俺はこうも思った。

ここに居れば、■■をみんなを悲しませない未来があるじゃないかと。

 

 

なのに、俺は最悪な結論を出してしまったんだ。

 

この子達を愛してしまった。

この子達を失いたくないと思ってしまった。

■では、自分の主を守れず、毒矢に倒れた。

軍師の病気のことも知っていたのに死なせてしまった。

 

 

それから、俺は何度も何度も同じことを繰り返してきた。

 

■では、正義のために生き、

■では、乱世を駆け抜け、前に守れなかった、主と軍師を助け

■では、覇道を歩んだ。

 

この終わる事のないループをひたすら繰り返してきた。

 

このループの中で、

武術を覚えた、

剣術を覚えた、

弓を覚えた、

気を覚えた、

軍略を覚えた、

自分だけの特殊な『技』も覚えた。

 

 

最初は嬉しかった。

これで、みんなを守れる、みんなを死なせないで済む。

 

―――――みんなの足手まといにならなくて済む!―――――

 

 

だが、現実は非道だった。

たしかに、俺は強くなった。

三国一の武の持ち主、天下無双と言われるほど強くなった。

 

しかし、敵国からして見れば脅威でしかない。

ただの、敵でしかなかった。

 

みんな、俺を殺しにきた。

前に、愛していた者たちが俺を殺しに来た。

 

 

最初は逃げたさ。

戦いたくなかった、殺したくなかった。

 

でも、俺は今、この時点で愛している者たちのために武を振るい、愛していた者たちを

 

 

 

 

殺した。

 

 

 

殺して、しまったんだ。

 

 

そこからかな?全てが可笑しくなったのは。

 

ただ、自分の正義を信じて殺して殺して殺しまくった。

 

そこに、正義があると信じて、ただ自分の障害になるものは全て殺してきた。

 

偽りの正義をかざして愛している者たちのため何度も、何度も同じ人物を殺した。

 

そこに、絶望しかないのを知っていたはずなのに・・・・・

 

 

くだらない、俺はいつまで剣を振るわなければいけない。

いつまで、殺戮を繰り返せばいい。

いつまで、同じ者を殺せばいい?

 

いつまで、いつまで、いつまでいつまでいつまでいつまでいつまでいつまで!!!!!!!!!!

 

 

悲しみ、虚しさ、辛さ、苦しさ

俺には、もう何もなかった。

 

 

 

 

 

 

絶望の果てならとうに見た。

 

涙ならとうに涸れた。

 

これ以上、俺に何を望むんだ世界よ。

 

俺は終わらせたいんだ、このくだらない人生を。

 

俺は死にたいんだよ、世界。

 

だが、終われない過去という歴史があるから。

 

ならば、俺は過去を変えよう。

 

それで、俺が消えれるのならば喜んで自分を殺そう。

 

契約しろ、世界、俺は人間を辞めてやる。

 

だから、俺を・・・・・・俺自身を―――――

 

 

 

 

 

 

 

北郷一刀を殺すチャンスをくれ。

 

 

 

 

 

 

そして、世界は移り変わる。

過去に天の見遣いと呼ばれた者は偽りの英雄となり過去へと向かう。

 

自分自身が死ぬために。

 

自分自身の未来を無くすために。

 

 

それが、俺、北郷一刀がホンゴウカズトになった瞬間だった。

 

 

 

 

 

体は剣で出来ている

I am the bone of my sword.

 

血潮は鉄で心は硝子

Steel is my body,and fire is my blood.

 

幾たびの戦場を越えて不敗

I have created over a thousand blades.

 

ただの一度も敗走はなく

Unknown to Death.

 

ただの一度も理解されない

Nor known to Life.

 

彼の者は常に独り 剣の丘で勝利に酔う

Have withstood pain to create many weapons.

 

故に、生涯に意味はなく

Yet,those hands will never hold anything.

 

その体はきっと剣で出来ていた

So as I pray,unlimited blade works.

 

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