ネコ艦!   作:梶田リク

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思いつきのショートストーリー。
今年の4月1日はいつもと違ったよねって話です。


エイプリルフール

 町役場の空き部屋に臨時鎮守府を構えてから数週間後……。

 

「何だこれ」

 

 朝。ネコ提督が部屋へ向かうと、ドアの前にこんな張り紙が貼られていた。

 

『本日はエイプリルフールです』

 

「……誰が書いたんだ、こんなもの……。

 でもそうか。今日はエイプリルフール。嘘をついてもいい日……」

 

 そこまで言って、提督は気づいた。

 

「……という事は、この張り紙も嘘って事だな! よし、今日も普通に仕事するか!」

「真面目か!」

 

 そこへ望月がツッコミにすっ飛んできた。

 

「おお望月。おはよう」

「おはようじゃないわ。ビックリしたよ、エイプリルフールって聞いてそんな反応する人――もといネコ、はじめて見たもん!」

「って事はやっぱり本当なのか」

「当たり前でしょうよ……」

 

 余りにも常識はずれな提督の言葉に、望月は心底呆れ返っている。

 

「今頃艦隊のメンバーが嘘つきまくってるぞ。

 なんか面白そうな事が起きそうな予感!見に行ってみようぜ!」

「いやいいって。というか今日はエイプリルフールより大事な事が」

「とにかく行くよ!」

「イテテテ!おい!ヒゲを引っ張るな!取れちゃうだろうが!?」

 

 こうして提督は望月に強引に町連れ出されることになった。

 

 

--------------------

 

 

さんまオブジェが置かれた駅前広場。

ここに怪しい笑みを浮かべた金剛が立っていた。

 

「フッフッフ……。エイプリルフールと言えばこのワタシデ~ス!」

 

「金剛さん、どうしたんですか? こんなところに呼び出して……」

「HEYブッキー! 実はワタシ、アニメ2期の主人公に選ばれマシテ……!」

 

――キッ!

その瞬間、吹雪はこの世のものとは思えないほど恐ろしい表情を見せた。

 

「Oh……!?」

 

 吹雪の強烈フェイスに、思わず金剛の顔がひきつる。

 そこへ、提督と望月が到着した。

 

「どうしたんだ……ってうわっ!?」

「主人公がしちゃいけない顔になってるぞ」

「…………」

 

 このままじゃいかん。せっかくの可愛い顔が台無し。

 三人は慌てて吹雪のご機嫌をとる。

 

「ほ、ほらブッキー!エイプリルフールデスよ!?」

「そ、そうだよ。それに正式に2期をやるかどうかもまだ分からないし……!」

「まああのPV見たところじゃ、決まったとしても主人公は時雨――」

「望月ィィィーーッ!!」

 

 望月の失言で、さらに恐ろしい表情になる吹雪。

 

 と、そこにやってきたのは……。

 

「あら皆さん、ごきげんよう」

「如月!」

「ちょっと聞いてよ。私ね、朝の出撃で敵艦隊一人で沈めてきちゃった☆」

 

 ……………。

 

「ウフフ♪冗談よ♪」

「……いや……」

「お前が言うと冗談に聞こえないんだよ」

「デスデス」

 

 ネコ艦隊最強クラスの実力者・如月のほんとのような嘘に、一同ドン引き。

 

「全くもう如月さんったら……」

 

 しかし今の発言で、すっかり吹雪の機嫌は良くなったらしい。

 ほっと胸を撫で下ろす提督。

 

 その時、ドドドといくつもの大きな足音が聞こえてきた。

 

 

「「「「島風ェェェッ!! 摩耶ァァァッ!!」」」」

 

 

 見てみると、町中の人が島風と摩耶を追いかけ回していた。

 

「あれは……おいお前ら!! 一体何したんだ!?」

「提督!」

「詳しくは言えないけど……。

 四月馬鹿だからって調子乗って嘘つきまくってたら、みんな怒らせちゃって!」

「何やってんだミカァァァ!」

「というか四月馬鹿って今日日聞かねえな!」

 

 そんなこんなで。いつの間にか自分達も追いかけられる対象になってしまった提督。

 あちらこちらで桜の木が花びらを舞い散らせる町中を駆け回り、みんな町役場の方へとやってきていた。

 

「ああもう!みんな落ち着け!!」

 

 併設する町民ホールに辿り着いた時、提督が声をかける。

 

「エイプリルフールといってもな。良い嘘と悪い嘘がある。

 いくら嘘が許されるとしても、不要に人を傷つけるような事はしちゃいけない。

 今度からはそれをしっかり考えろ。分かったか二人とも!」

「「はい……」」

「……それに今日は、エイプリルフールより大事なことがあんだろ!」

 

 提督はテレビの電源を付けた。画面に写っているのは、官房長官の姿だ。

 

 

『――新しい元号は、【令和】であります」

 

「「「「「れいわ……」」」」」

 

 

2019年4月1日。

平成に代わる新元号が発表された日。

 

そしてそれから一ヶ月後。

新しい時代が幕を開ける。

 

一体どんな時代になるんだろう。

大変な事が起きるかもしれない。

でも、それ以上にいい事が起きるに違いない!

 

日本の未来に、幸あれ!




ちょうどその頃。

北上「私実は大井っちのこと大嫌い」
大井「ええっ!?」
大井「って! エイプリルフールの嘘ですよね、北上さん!」
 ………………。
大井「えっ。う、嘘ですよね!? 北上さん! 嘘だと言ってください!」
北上「やっぱり面白いなぁ大井っちは」

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島風摩耶コンビが何やったかは皆さんのご想像にお任せします(本当は思いつかなかっただけ)。


それにしても、ついに新元号発表されましたね!
【令和】ですか。なかなか響きがカッコいいですよね。
人の名前でありそう。というかあるのか。カズレーザー。ジークジオン!

そんなわけで、いよいよ始まる令和時代。
こういう時代になればいいな、という思いを本文の最後に書かせていただきました。
次回のお話。公開は平成最後?令和最初? フフフフフ……。

お楽しみに!
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