しかし顔のビジュアル……。なるほど、そうきたか……。
「演習だー! 演習をするぞー!」
ある日。司令官が突然そんなことを言い出した。
「どうしたどうした?」
「元気だな……」
「演習って何ですか?」
周りにいたメンバーから様々な反応が飛び交う。
「他の鎮守府の艦隊と対戦するんだよ。スポーツの練習試合みたいなもんだな」
「「「「「「なるほど」」」」」」
「うちの艦娘も増えてきたし、ここら辺でどれだけの実力があるか確認しときたいんだ」
「腕試しって事か。どんな強い奴がいるんだ? アタシ、ワクワクするぞ!」
「摩耶姐さん、どっかの戦闘民族みたいだよ」
演習……。私達の力がどこまで通用するか分からないけど、みんなと一緒なら大丈夫だよね。
「勝者チームにはバーベキューが出るらしいぞ」
「「「BBQ! BBQ!」」」
賞品が出るということで、周りはみな大盛り上がりだ。
「演習は明日! 気合い入れていくぞ!」
「「「「「「おーーっ!!」」」」」」
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翌日。対戦相手の艦隊は船でこちらにやってくるというので、私達は海岸沿いでその到着を待つ事になった。
「焼肉があたしを呼んでいる……。待ってろよBBQ!」
「マッテローヨ!」
普段やる気のない望月さんが、珍しく燃えている。
それだけバーベキューが楽しみってことか。動機は不純だけど、頼りにしてるよ。
そんな中。ふと司令官を見ると、何やらそわそわとしている。
「どうかしましたか、司令官?」
「あーいや。……実は、向こうの提督は士官学校時代の先輩なんだ」
「へーっ」
「俺が軍に入った後も色々と教えてくれてな……。でも暫く会ってなかったから、ちょっと緊張してる」
「提督の先輩かぁ。どんな人なんだろ?」
「またネコだったりして」
島風さんと望月さんが茶化して笑う。
「こら失礼なこと言うな。先輩はちゃんとした男だぞ?」
「なーんだ」
するとちょうどそこへ、相手側の船が到着した。
「よお。待たせたな」
「あっ、先輩!」
司令官が駆け寄ると、そこに立っていたのは……。
軍帽を被ったペンギンだった。
((((((えええええ――っ!!?))))))
「今日はよろしく頼むよ」
「「「「「「いやいやいやいや!」」」」」」
「じゃあ早速演習始めようか」
「「「「「「いやいやいやいや!」」」」」」
まさかの状況に騒然となった私達は司令官に詰め寄る。
「提督がペンギンなんですけど!」
「あれ? さっき言わなかったか? ちゃんとした(ペンギンの)男だって」
「いやそういう意味なの!?」
「ああ。実は先輩は昔、悪い魔女に呪いをかけられてしまったらしくてな。それであの姿になったそうなんだ」
「また呪いですか!?」
じゃあ出会った頃に司令官が言っていた呪いの話は本当だったの!?
「それより、もう演習始まるぞ? 早く配置につけー」
司令官はそれだけ言うと、ペンギン提督と一緒に指令室に向かって行ってしまった。
……司令官には、まだまだ謎がありそうだな……。
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今回の演習のルールはこうだ。
六対六のチーム戦。お互いに弾を撃ち合い、相手を先に全滅させた方の勝利。
但し艦娘相手に実弾は使えないので、命中すると身体に色がつくペイント弾を使用する。
海上に一列に並んで配置につく。ふと相手の方を見ると、
「Oh! ネコ艦隊の皆サン! 今日はよろしくお願いシマース!」
「あ、あれは……!?」
戦艦『金剛』!
戦艦といえば艦娘の中でも最強クラスの艦種。まさかそれを相手にするなんて。
いや、それだけじゃない。他にも正規空母の瑞鶴、軽巡洋艦の天龍と川内、駆逐艦の如月と夕立といった、錚々たるメンツが並んでいる。
「こんな強ぇ奴らが相手とはな……。よーし、いっちょやってみるか!」
「だから姐さん! 戦闘民族みたいになってる!」
「心なしかあの大ベテランの声に聞こえるような……?」
「うっせえぶっ〇すぞ!?」
「「それ違う人!」」
そしてついに決戦の火蓋は切って落とされた。
「撃ちマス! FIRE!!」
開始早々、金剛さんの主砲が火を吹いた。
「「「うわーっ!!」」」
その砲撃は、瞬く間に望月さん達に命中し、その身体をペンキまみれにした。
ダメージを受けた摩耶さん、島風さん、そして北上さんは大破扱いとなり、この時点で脱落する。
「北上さん!」
「うう。ごめんね、大井っち……」
「二人も大丈夫!?」
「やられたー……」
「ゴミ箱を飛び越えた先にある未来が見える……」
確かに『FIRE!!』だけど……。いや突っ込んでいる場合じゃない。
この間にも相手側からの攻撃は続いているのだ。
弾を避けながら反撃のチャンスを探す。だがさすがは歴戦の戦士。こちらの攻撃をうまく回避し、なかなか命中しない
「いきなり三対六か……。やりづらいな……」
「…………くも」
「大井さん?」
「……よくも北上さんをおおおおおっっっ!!!!!!」
と、ここで大井さんが鬼のような形相で相手陣営に突っ込んでいった。
「私はおこったぞ―――!!!!! ペンギン艦隊―――ッ!!!!!」
北上さんを倒された怒りで修羅となった大井さんは、物凄い勢いで弾を撃ちまくった。
その結果、
「きゃあっ!?」「うわっ!?」「ぽいっ!?」
なんと、相手側の艦娘三人を倒す大活躍を見せたのだ。
「おおスゲー! このままいけばBBQも……!」
「くたばれー!!!」
「えーっ!!?」
しかし、何故か味方であるはずの望月さんまで撃ってしまう大井さん。
我を失った彼女は、敵味方構わず攻撃する殺戮マシーンとなり果ててしまった。
結局その暴走に私まで巻き込まれ、こちらのメンバーは全滅。
勝負はペンギン艦隊の勝利となった。
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「なかなかいい勝負だったな」
「そうだったかな……?」
戦いが終わった後、両提督は今回の結果をそう振り返った。
「BBQの夢が……」
膝をついて落胆する望月さん。そのために頑張ってたんだもんね。
するとそこへ金剛さんが近づいてきて、こう口にした。
「それなら問題Nothingデスよ! 今日は勝敗関係なく皆で楽しむ予定デシタから!」
「「「え!?」」」
思わず司令官の方へ目を向けると、司令官はポリポリと頭をかいた。
「……ま。こうでも言わないとお前らはやる気出さないからな」
「て、提督……!」
「今回だけだぞ? 次は絶対勝てとまでは言わないが、真面目にやるように」
「うおー提督ー!」
望月さん達が司令官の周りに集まって、胴上げした。
「やっぱりうちの提督は最高だぜー!」
「うわちょっと……! や~め~ろ~よ~っ!」
「めっちゃ嬉しそうじゃないですか」
と、それを見ていた金剛さんは、頬に手を当てうっとりとした目つきで呟いた。
「――猫のテイトク……。ベリベリCuteデース……♡」
「?」
「さあさあさあ! そうと決まれば早速始めようぜ、なあ!?」
「酒臭っ!? 先輩もう出来上がってるじゃないですか!」
「おうよ~。お前も飲むか?」
「いや俺酒飲めませんから無理です」
「つれないなー、『三池』」
「本名呼ぶなーっ!!」
その時、私達の脳裏に電流が走った!
(本名)三池 → みいけ → みけ+ねこ → 猫!
「「「そういうこと」」」「「か」」「ですか」
「どういうことだ!?」
こうして司令官の謎が一つ解明され、その後はペンギン艦隊の皆とバーベキューを楽しみました。
ペンギン「アニメ化したらどうする?」
ネコ「夢――wwww」
ネコ「俺のCVは! 梶裕貴さんでおねがシャス!!」
ペンギン「サイコー♡」
ネコ「先輩は!? 先輩は!?」
ペンギン「関智一さんで! おねがシャス!!」
大体こういうイメージで書いてます。