とある魔術の幻想生誕(イマジンメイカー)   作:黒眼鏡2号

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与える者 The_maker

「ハァ…ハァ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 一人の少年が高層ビルの並ぶ街中を駆け抜けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待てやゴルァァァ!!」

「ギタギタにしてやるよオラァ!!」

「いきがってんじゃねえぞ!」

 

 

 

 

 

 

 …ガラの悪い男たちを引き連れて。

 

 

 

 

 

 

「うるせえーー! このひとりじゃ何もできねえクズどもがぁ! だいたいギタギタにするとかふりぃんだよ! このスキルアウト(じだいおくれ)ども!」

 

 

 

 

 追いかけられる少年はさらに火に油をぶちまける。

 

 

 

 

 

「「「んだとこのガキャぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」」」

 

 

 

 

 

 

「ちくしょう! またかよ! なんで俺にはこんな奴らしか来ないんだぁぁァァァ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一人少年は吠えながら不良たちをなんとか振り切る。

 右から左へ 道から角へ 角から路地へ 路地から道へ また右から左へ… 

 

 数分後には、もう彼を追いかける者はいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「た…助かったけど…」

 

 

 

 

 少年の目の前にある光景を、目の当たりにしていても、彼は信じられなかった。そこにあるのは、非現実(オカルト)とはいえないが、自分の日常には決して交わることのない世界(がわ)のもの。

 

 

 

 

 

「なんでシスターさんがここにいるんでせうか…」

 

 

 

 

 そう、シスター(宗教)の人間。

 

 なぜ? ここはかの(・ ・)学園都市(がくえんとし)であるというのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―学園都市―

 

 東京西部に位置し、その総面積は東京都の三分の一を占める巨大都市である。総人口約230万のうち、8割は学生であり、外部より数十年進んだ最先端科学技術が研究・運用されている科学の街だ。 

 

 その中でも特筆すべきは、実用化された、人為的(・ ・ ・)超能力開発(・ ・ ・ ・ ・)が行われ、しかもそれが学園都市内の全学生に施されていることだ。愚かな中学3年生であるこの少年は詳しいところを理解(べんきょう)してない。だが、薬をのみ、電極をさし、ちょっと脳みそを弄れば、誰だってスプーンまげの一つくらいできるようになることは理解して(おぼえて)いる。

 

 

 

 

 

 

 

 …だが、この学園都市は外部との行き来が不便だ。外部に技術を漏らしたくないのか、はたまた別の理由か。この学園都市から出るには、三つの書類にサインし、上から許可をもらい、いざ出るときにも、俗に言う、発信機に似たようなものを腕に注射されてからやっと自由(いちおう)の身となる。

 

 だが、あくまでこれは、学園都市(このまち)の人間が外に出る場合。

 

 その逆。学園都市外部(そとがわ)の人間は、多分、観光目的では入ることはできない。さらにこの学園都市は、無数の監視カメラや人口衛星で常に監視されているので、仮に外壁を突破して内部に入れたとしても、すぐに風紀委員(ジャッジメント)警備員(アンチスキル)のお世話になるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 では、このシスターは一体? 白いシスター服からはみ出ている銀髪が異国の地の人間であることを示している。 

 

 

「うぅ…」

 

「!… うぉぅ…」

 

 いきなり発せられた声に変な声を上げてしまう。だが、驚くことよりもやるべきことがある。

 

「大丈夫? そんなカッコでどうしたの? 財布落とした? あ、転んだの? 傷が痛む? ちゃんと自分の家までの帰り道分かるか? IDカードとか盗まれてないか?」

 

 とりあえず、自分の中で考えた答えを一通り話す。この少年の頭の中でこのシスターは、何らか(シスター)コスプレ(・・・・)をして誰かを(・・・・)からかおうとした所、何らかの(・・・・)アクシデント(・・・・・)によって、今の状況に至ると考えていた。

 

「あ…」

 

 そんな少年の声に応えるかのように、少女がつぶやく。

 

「お…」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おなかへった……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……へ?……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お腹減った…」

 

 なんてことはない。彼女は空腹で倒れていた。

 

「…え~と…」

 

 少年は自分のカバンから、体の調子が悪かったために食べなかった菓子パンを少女の前に差し出す。

 

「これ食べ「いただきますっ!!!!」る…って」

 

 ガブッ。

 

 

 

 少女の口は彼の腕ごと菓子パンを加えていた。

 

 

 

 そして彼は

 

 

 

 

 

 

 

 下崎(しもざき) 優馬(ゆうま)

 

 

 

 

 

 

 

 もはや自分の口癖となったあの言葉(・ ・)を叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最悪(・ ・)だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―かくして、彼らは出会った。

 

  目の前の非日常に

   

   彼はどんな答えを出すのか―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






















残念ながら、登場してきたのは上条さんじゃありません。


安心してください。ちゃんと上条さんも出てきます(笑)
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