ヒーローの世界に生まれました   作:和志1203

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前回出したヒーロー"ムーブ"はもう出てこないと思います。
個性は自分以外の物・人を移動させることができるです。


第十三話

病院の前で待っていた看護師さんに案内され、オールマイトが運び込まれた集中治療室へと案内された。

 

「先生!治癒の個性の方が来られました!」

 

「わかった!こちらへ来て下さい!」

 

子供のわたしは止められるかなと思ったけどみんな治療に一生懸命で気付かれず、こっそり移動して棚の陰に隠れた。

 

「この通り左の脇腹の損傷が酷く、内臓もいくつか…。今の医療技術では摘出しか方法がありません。治癒の個性でなんとかなりますか?」

 

説明を聞くのは2人に任せた。2人ならわたしがどれだけ治癒できるかわかるし、社会的信用もある。だから…

 

「怪我をする前と同じようにとはいきませんが治せますわ」

「ただこれだけの怪我だと、とても集中する必要があるので人払いをお願いします」

 

お医者さんはホッと泣きそうな顔をして頭を下げた。

 

「オールマイトを…平和の象徴をお願いします」

 

おばあちゃんはしっかり頷き、おじいちゃんはお医者さんや看護師さん達と一緒に外へ出て行った。

 

「…万里ちゃん」

 

おばあちゃんに呼ばれて行くと、手術台に横たわるオールマイトがいた。人工呼吸器を付けて、腕にはいくつも点滴が刺ささり、左の脇腹は強い力で殴られたようで大きく歪んでいた。

 

「万里ちゃん、落ち着いてね。やり方はわかるよね」

 

「うん」

 

「もし無理だったらおばあちゃんがやるから」

 

「大丈夫。わたしがする」

 

ふーっと息を吐き、左の脇腹に手を当て目を閉じた。

治癒をするといっても医学的な知識は必要ない。治癒の力の流れを感じ、内側から悪いものを流しだすイメージをする、それだけだ。

ただ怪我が酷ければ酷い程時間がかかり、その分個性を使うため集中力と体力が必要になる。

ひたすらイメージをする。悪いものが出て行くように、元気になるようにと。

 

何分、何十分経ったかはわからないが、オールマイトの体に治癒の力が流れなくなるのがわかった。

もの凄く頭が痛い…すぐに寝てしまい…目を開けてオールマイトの顔を見ると目が合ったと思った瞬間わたしは耐えきれず意識を失った。

 

 

 

 

目を覚ますと自分の部屋にいた。寝てる間に帰ったみたい。

時間は10時…学校休んだか。

リビングに行くと誰も居なくて、テーブルの上に書き置きがあった。

 

"万里ちゃんお疲れ様。おじいちゃんとおばあちゃんは病院に行ってます。オールマイトは元気よ、心配しないでね。学校にはお休みの連絡いれました。ご飯は冷蔵庫に入ってるから温めて食べてね。夕方には帰ります。ゆっくり休むのよ〜 T&Aより"

 

書き置き通りに冷蔵庫に入ってたご飯を温めて、テレビを見ながら食べた。

オールマイトの昨日の事件はニュースで流れてはいない。ヒロアカと同じで世間には公表しないのか。

…昼間から独りでいると、いろんなこと思い出してしまう。ヒーロー姿の兄と姉達、いつも頭を撫でてくる中高生のみんな、やんちゃでいつも元気な少し年上のみんな。小さい子に絡まれながら勉強してるしぃちゃん、いつもわたしの横でにこにこしてるみっちゃん、一緒に紅茶を飲んでる先生。…そして爆破されてボロボロになった孤児院、並んだ棺桶、笑顔の写真、骨だけになったみんな……

ハッと気づくと涙が出ていた。このまま独りでいても良くない方向へ考えてしまう。怒られるだろうけど、ここに居るよりマシだと思いトレーニングルームへ行った。

 

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