ヒーローの世界に生まれました   作:和志1203

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第十四話

トレーニングルームで軽く体を動かしたり、個性を使ったりしてたらあっという間に16時になっていた。

そろそろ2人が戻ってくるだろうと、部屋へ戻り、風呂と朝食べた食器の片付けを済ませ帰りを待った。

少ししたらドアが開く音とただいまーという声。

玄関まで迎えに行くとそこには2人と…狭そうに玄関に立っているオールマイトがいた。

 

「…おかえりなさい[なんでオールマイトがいるの⁉︎]」

 

思わずテレパスで2人に話しかけると、2人ともにこにこしながら

 

「サイドキックと喧嘩してションボリしてたから連れてきたよ」

 

「いやいや、犬猫じゃないんだからさ…」

 

「それに俊典…オールマイトが万里とお話ししたいって」

 

「ふーん」

 

チラッとオールマイトを見るとビクッと体を震わせた。

 

「お、お邪魔してもいいかな?」

 

「はい、どうぞー」

 

リビングまで行くとおばあちゃんは夕飯の準備、おじいちゃんはコーヒーの用意をしにキッチンへ。

オールマイトはソファーに座ってもらい、わたしもその隣へ座り、観察。

…なんだろう、やっぱり画風が違う。迫力あるなー、筋肉すごっ。てか、もう退院していいのか?ほぼ治したいとはいえ、完全回復はまだでしょ。…何より凄いびびってない?

 

「オールマイトさん」

 

「!?…な、なにかな?」

 

「オールマイトさんもあの2人に頭が上がらない感じ?」

 

「あぁ、由紀夫妻には何度も助けられた」

 

「そうなんだ。…ここに来る前に何かされた?」

 

「…その、わたしは猪突猛進というか、突っ走ることが多くて…夫妻がいない間に勝手に君に話しかけるなと」

 

「脅されたのね」

 

「…そうなるかな」

 

オールマイトは歯をキラーンとさせながら力なくHAHAHAと笑っていた。

 

「ふーん、じゃあオールマイトさんの為にも静かにしてた方がいい?…あ、サイン下さい。あと写真も一緒に撮っていいですか?」

 

「もちろんいいとも‼︎」

 

わたしはオールマイトの自伝の本とスマホを取りに行き、本にサインと写真撮影を始めた。いろんなポーズを撮ったり、一緒に撮ったりと楽しんだ。オールマイトはノリノリでポーズを決めていた。ちなみにオールマイトの今の格好は白のロンTにカーゴパンツね。ヒーローコスチュームやスーツ姿ばっかりだから、かなりレアね。

次は腕にぶら下がりながら何とか写真を撮ろうと苦戦していると、おじいちゃんがコーヒーを持ってきた。

 

「わしが撮ろうか?」

 

「おねがーい」

 

他にも腕に座ったり、ライ◯ンキングみたい持ち上げてもらったりして撮影終了。

3人ともソファーに座り、まずは自己紹介から。

 

「由紀万里、小学4年の10歳です」

 

「オールマイトだ。由紀夫妻とは昔からの知り合いで、よく助けてもらった。本名は八木俊典です。今はオフの時間だから万里少女もオールマイトではなく本名で呼んで欲しい」

 

「わかった。じゃあ八木さんで…で、八木さんわたしにお話って?」

 

「万里少女、怪我を治してくれてありがとう」

 

オールマイトはガバッと頭を下げた。

 

「やっぱりあの時目ぇ合いましたよね?」

 

「うん。わたしもその後気を失ってしまってね。起きたら明美さんが治したことになっていて、由紀夫妻に訊いたんだ。女の子が治してくれたのではないかと」

「わたしが知ることではないと言われたんだけどね、粘りに粘ったら本人と合わせるから直接話すなり何なりしろってね」

 

オールマイトはキュピーンとウィンクをした。その画風でされても可愛くないよ…

てか2人して説明すんの面倒くさかったんだ。この人相手だったらわからないでもないけどね。

 

「わたしはヒーローを目指す身として自分にできることをしたまでです…お礼をしに来ただけではないでしょ?」

 

「…そうだよ」

 

オールマイト曰く、サー・ナイトアイにおじいちゃんから電話があった時点で違和感があったんだとさ。まぁ違和感というよりは、ただでさえ沢山の恩があって頭が上がらないのに、これ以上何を…っていう恐怖があったみたい。

その恐怖を抱えながら今回の事件が起こり、朦朧とする意識の中わたしと目が合ったと。オールマイトはおばあちゃんの治癒の副作用について知っていて、おじいちゃんがあんな大怪我を治すことを許すはずがない、あの時の女の子が治してくれたはずだ。でも、2人には子供が居ないのに治癒の個性を使えるのは何故だろうと2人に恐る恐る聞き、わたしと直接話に来たと。

他にも色々言ってたけどざっくりまとめると、野生の勘が働きわたしに違和感を感じた、ということらしい。

 

「万里少女、登録している個性は『治癒』ではないよね。何で違う個性にしてるんだい?」

 

オールマイトはじっとわたしを見つめてきた。

うーん…いくつか言い訳を考えたけど、オールマイトになら全部話してもいい気がしてきた。なんてったってオールマイトだしね。

 

「おじいちゃん。八木さんにわたしのこと教えようと思う」

 

「いいのか?こいつは主要人物なんだろ?」

 

「そうだけど、もうこんだけ関わっているし。それにこの人なら変な気も起こさないでしょ」

 

「そうじゃの」

 

わたしはオールマイトを見つめて言った。

 

「八木さん…オールマイト。今から話すことは誰にも言ってはいけません。サイドキックはもちろんあなたのお師匠や親友、"後継者"に選ばれる子にもです」

 

オールマイトは驚愕した顔でわたしを見た。

 

「わたしの言ったことが信じられないと思います。だけどこれだけは信じて下さい。わたしは、わたしの大切な人達の為にヒーローになると。だから決して力や知識を悪用しないと」

 

オールマイトは真剣な表情で頷いた。

 

「ではお教えします。でも、その前に…」

 

「ご飯よ〜」

 

「夕飯食べましょうか」

 




オールマイトの話し方がわからない。
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