ヒーローの世界に生まれました   作:和志1203

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第二十八話

キューブの外へ出るとさっきよりもかなり人数が増えていた。よくこれだけ集めたもんだ。

 

「あん中見えなかったけど何をした。あとその格好はなんだ

 

「あんたに見られたくなかったのよ。これは動きやすいようにしたのよ」

 

「最後のお別れかぁ」

 

ニタリと死柄木は笑った。本当不気味な奴だね。

あいつに気づかれないようにナイフを創り出し両手に持った。

 

「おまえを殺して平和の象徴としてのオールマイトの矜持を折ってやるよ…やれ」

 

死柄木の合図で、ヴィラン達が襲ってきた。

 

「まずは2人」

 

両手に持ったナイフを投げ、2人のヴィランの腹に刺した。死なないように急所は避けたはず。

次々と襲ってくるのをバックステップで避けながら、先の尖った鉄の棒を創り投げた。ナイフより創る時間短いしコスパもいいね。

普通の人の体だと、それだけで行動不能にできるけど、体自慢の異形型だと無理だね。

わたしのふた回りは大きいヴィランには、そこら辺にいる奴を踏み台にし飛び上がり、太ももに装備してた警棒で思いっきり首を殴る。嫌な音がしたが大丈夫でしょう。

どんどん倒されていく仲間に死柄木はイラついたようで首をガリガリ。自分でも有象無象共って言ってたもんね。なるべく雑魚には個性を使いたくないんだけど、さすがに数が多いな…

 

 

 

 

 

 

〈緑谷視点〉

 

「すごい…」

 

戦闘が始まってから数分でもう10人は倒してる。

万里さんは入学した日から僕と仲良くしてくれる。麗日さんが実技試験の時に助けてくれた人って紹介してくれた。ただでさえ女の子とまともに話したことさえないのに、すごい美人さんで緊張したけど気さくに話しかけてくれた。麗日さんと一緒に蔑称じゃないデクって呼んでくれて、オールマイトから聞いてたワン・フォー・オールのことを知っている人で、個性を使いこなせない僕にアドバイスもしてくれて、いい人だなぁって。

だから、万里さんが1人で戦うって、僕たちは足手まといだって言われたのが悲しかった…でも万里さんの戦いを見て納得した。戦闘訓練でかっちゃんに勝って少しいい気になってたんだ。僕は戦えるようになったんだって。

皆も同じだ。あのかっちゃんでさえ、万里さんが戦ってる姿を真剣に見てる。

 

「さっき由紀が言ってた"あの由紀夫妻"ってどういう人なんだ?かなり意味ありげな感じだったけど」

 

切島君の言葉に相澤先生が答えた。

 

「…十数年前まで活躍してたプロヒーローだ。今でもたまにテレビで特集されているだろ?どこの事務所にも所属しなかった男女二人組のヒーローのことだ」

 

「もしかしてT&Aのことですか?個性ですら公表せず、素顔も年齢すらもわからない、いつのまにか現れ事件を解決していったあの?」

 

「あぁ、その人達のことだ。あの秘匿性のため世間には広まってなかったが、ヒーローの間ではその実力は有名だった。あの人達に助けられたヒーローは少なくない」

 

「じゃあ万里さんはその人達の子供?」

 

「それはわからんが、2人に関係がある子だとは聞いていた。あの2人に育てられたんなら…」

 

そこまで言って相澤先生は口ごもった。

 

「相澤先生?」

 

「俺より強いだろうな、個性を抜きにしても」

 

皆その言葉に相澤先生を見た。

 

「あの無駄のない動き、判断能力、攻撃にも躊躇がない。Aさんの方に鍛えられたんだろうな」

「Tさんのほうには…」「囲まれた‼︎」

 

万里さんを見ると6、7人のヴィランに囲まれてた。ずっと動き回って1、2人ずつ相手してたのに…

ヴィランはタイミングを合わせ一斉に襲いかかった。その瞬間、万里さんを中心に爆発が起こりヴィラン達は吹き飛ばされ、万里さんも空中へ飛んでいた。

 

「個性の方を鍛えられたんだろうな…」

 

 

 

 

 

 

 

なるべく数人だけになるように動いてたんだけど、敵もバカじゃないしタイミングを合わせてきた。さすがに7人の相手はきついな。

警棒をホルスターにしまい、両手の手のひらを下に向け、ギリギリまで敵が近づくのを待った。敵の攻撃が当たりそうになった瞬間、手から爆発を起こし、敵も自分も吹っ飛んだ。

 

「すっごい衝撃。成功してよかったわ」

 

爆豪の爆破で敵をまとめて飛ばし自分も空中に逃げる、変な方向に飛ばなくてよかったわ。

そのまま爆破で調整し敵の攻撃を避けながら下へ。待ちかまえている敵に向かって今度は右手で凍らせ、着地した右足で地面を凍らせながら移動。轟君が体育祭でやってたやつね、これは楽しいわ。

氷結で敵の動きを止めつつ、左から来た敵には炎で攻撃。

 

「なんであいつあんなに個性使えんだよ…先生と一緒かよ」

 

死柄木がそう呟いたのが聞こえた。これでわたしのことはあいつに伝わるな…

黒霧はワープをしてこないって事は相澤先生が消しているはず。伝えてなかったけど厄介な奴を止めてくれて助かる。

葉隠ちゃんもわたしが個性使い出して一気に視線が集まったからその間に動き出した。しばらくしたら応援が来るだろう。

皆も届く範囲で敵を倒してくれてるし、わたしも個性を使ってるから雑魚はほとんど残ってない。

あとは、

 

「脳無、いけ」

 

こいつらだけ。八木さんが駆けつける前に倒したい。

 




相澤先生は由紀夫妻のこと知ってます。おじいちゃんの個性の事もです。
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