「ふんふ ふーん♪」
「万里ちゃんご機嫌ね」
「明日誕生日だもーん」
おばあちゃんとお風呂に入りながら明日孤児院でやるわたしの誕生日パーティについて話していた。
「どんなケーキかな?」
「大きいかな?」
「プレゼント何個あるかな?」
「みんないるかな?」
「明日は万里ちゃんのためにヒーローのお兄ちゃんお姉ちゃん達も来てくれるそうよ」
「やったー!最近お仕事であんまり会えなかったんだ」
2人できゃっきゃしてるとおじいちゃんに呼ばれた。
「万里ーそろそろ上がらんとのぼせるぞー」
「はーい」
すっぽんぽんでお風呂から出るとおじいちゃんがタオルを持って待ち構えてた。はい、体拭かれるのも慣れましたよ。
服を着た後(自分で着たよ!)おじいちゃんに抱っこされてリビングへ。
おじいちゃん訓練の時以外は激甘で常に抱っこしようとするからおばあちゃんに怒られるんだよね。
椅子に座らされ風呂後のオレンジジュースを一気飲み!
おじいちゃんはおばあちゃんがいるお風呂へ乱入!
少し騒がしい音が聞こえた後おばあちゃんがリビングに来てわたしの髪を乾かしてくれる。
これがわたしのルーティーンである。
「おじいちゃんは?」
「元気ですよ」
「…そっか」
いつも聞いても元気としか言わないし、お風呂上がりのおじいちゃん元気ではないんだよなー……なにが起きたかは知らない方がいいよね?
おじいちゃんもお風呂から上がり、子供だしもう寝るかと寝室へ向かうと、
「みっちゃんぬいぐるみ忘れてる」
昨日お泊まりに来たみっちゃんがずっと大切にしてるぬいぐるみを忘れていた。
(みっちゃんこれないと寝れないんだよなー持っていくか)
「みっちゃんぬいぐるみ忘れてるから持っていくー」
リビングにいた2人に声をかけるとみっちゃんのぬいぐるみ好きを知っているから、3人で持っていくことにした。
子供だしパジャマのまま2人と手を繋いで通い慣れた道を歩いた。
「おじいちゃん万里もぬいぐるみ欲しい」
「おっじいちゃんが買ってやるぞ〜どんなのがいい?」
「はちっ(みつ中毒患者)じゃなくて…プーさん」
「プーさんだな!おしっまかせとけ!」
「まかせた!」
子供の足でも10分の孤児院にはすぐに着いたが
(なんか…変?)
まだ20時前、いつもだったら孤児院の門の前でも中の騒がしさが伝わってくるのに静かすぎる。おじいちゃんおばあちゃんも普段との違いに気が付いてるみたい。
「明美、すぐにヒーローと警察を呼べる準備を」
「わかったわ」
「万里おじいちゃん先に行ってくるからここで待っててくれるか?」
おじいちゃんはしゃがんでわたしと目を合わせながら頼んだが…
(すごい嫌な感じがする…)
「…わたしも行く」
「万里…」
「凄く嫌な感じがするもん。わたしも行く」
「…万里ちゃん、ここでおばあちゃんと待ってましょう?」
「嫌だ!おじいちゃんだけじゃだめ!万里も行く!」
2人は何か話してたみたいだがわたしは孤児院から目を離せずにいた。
目を離したら何か終わってしまう気がして…
「…万里、絶対おじいちゃんの前に出ちゃいけないよ」
「うん」
「万里ちゃん気を付けるのよ」
「…うん」
2人が目配せをしてからおじいちゃんが孤児院の敷地内に足を踏み入れた途端…
激しい爆音と光、風が襲ってきた。