新次元ゲイムネプテューヌ THE UNITED   作:投稿参謀

50 / 75
第41話 くろめとマジェコンヌ

 ディセプティコンの砦の地下で、くろめはマジェコンヌと対峙する。何を言っていいのか、分からない。

 彼女をここまで巻き込んでしまったのは自分だからだ。彼女には、新しい家族だって出来たのに。

 

「マジェっち、オレは……」

 

 もう止めよう。復讐は諦める。

 そう言えば丸く収まるはずなのに、どうしても口にすることが出来ない。かつて受けた孤独と悲しみが、それを阻む。

 罪悪感と憎悪が天秤の両側に乗って、グラグラと揺れている。

 マジェコンヌは、相手を安心させるような笑みを浮かべた。

 

「そんな顔をするな。私はいつだって私の意思のままに生きている。お前を助けようとしたのも、ここにこうしているのも、結局は私がそうしたかったからだ。」

「でもマジェっちには家族が……」

「マジックのことは……土下座でもなんでもして、何とかするさ」

 

 軽く言うが、表情からは憂いが拭い切れていなかった。

 客観的に見れば、自分が子供を捨てた外道であることを理解しているからだ。そして理解しているからと言って、それが免罪符になどならないことも。

 

 それを見てグッと拳を握ったくろめは、大きく深呼吸する。

 

 復讐を諦めることは出来ない。

 でも、それに彼女を巻き込んだことは間違いだった。ネプテューヌと話して少しだけ冷静なれた今ならそう思えるのだ。

 

「マジェっち。無理してオレに付き合う必要はないんだ。昔のことを苦にしているなら……そんなこと、忘れてくれて構わない」

「……うずめ、余り私を舐めるなよ?」

 

 しかしマジェコンヌは鋭く睨み返してきた。

 怒りと、決意の込められた視線だった。

 

「私はお前を裏切らない……絶対に、今度こそ」

 

 かつて、くろめが彼女に願ったのだ。直接口に出さずとも、裏切らないでほしいと。

 そうでなくとも、マジェコンヌはかつてくろめのことを()()()()()時期があった。それでも執念で思い出した彼女に、()()()というのは酷な話しだった。

 

「ごめん、マジェっち……」

「謝らないでくれ。これは私が、私自身の過去の清算のためにやっていることなんだ……それにどの道、ガルヴァトロンは地球への復讐を諦めないだろうし、クインテッサは杖を手に入れようとしたはずだ。それぞれ、()()ならなくても、別の手を打っていただろう」

「クインテッサ?」

「ああ、そうだったな。クインテッサというのは……」

 

 聞き慣れない名前に首を傾げるくろめに、マジェコンヌは杖を求める黒幕について説明する。

 

「そんな奴が……」

「この遺跡も、騎士を造る『湖』を始めとした断絶の時代の技術も、元々はクインテッサが齎した物だ。信じがたい科学技術だよ」

 

 マジェコンヌの顔は、少し強張っていた。

 かつてゲイムギョウ界を苦しめたザ・フォールンは、オールスパークをこの世界から抜き取るために大規模な装置を使おうとした。同じことが本当に杖一本で出来るとすれば、クインテッサの持つ科学力はトランスフォーマーの中でも一歩も二歩も抜きん出ていると言える。

 

「しかし……これはお前の復讐に使えるんじゃないか?」

「え……?」

「何せ、杖一本で世界を滅ぼせるんだ。使うかどうかはともかく、手に入れて損はないだろう?」

 

 急に復讐に触れたマジェコンヌにくろめは面食らうが、その言いたいことを察し力無く笑みを浮かべた。

 とりあえず、杖を手に入れるまでによく考えておけということだ。

 

「ああ、そうだな。当面はロディたちと一緒に杖を探すよ。マジェっちは……」

「私は、しばらくガルヴァトロンのお守をするさ。地球はともかくお前への憎しみは何とかしたい」

「そんな、もしオレとの関係がばれたら……」

「なぁに、人を欺くことには慣れている……それに何と言うか、あいつはあいつで放ってはおけんのだ」

 

 不安げなくろめに、マジェコンヌは憂いを帯びた顔をする。

 両親を神格化し、異常に激しやすいかと思えば、周囲のことは完全には信用しておらずとも何処か楽観的に見ている節がある。ガルヴァトロンには何処か子供っぽい不安定さが垣間見えるのだ。

 おそらく、両親や仲間を失った悲しみと怒りに起因しているのだろう。

 そういう奴は、往々にして酷い結末を迎えがちだ。目の前の泣きそうな顔の女神のように。

 

「情報を流すのはリスクが高すぎる。直接会うのもこれで最後にした方がいいだろう。……何とかお互いに上手くやろう。大丈夫、お前と私ならワケないさ」

「…………分かった」

 

 力無く頷くくろめに、マジェコンヌは優しい笑みを浮かべた。

 傍から見れば、二人の行為は周囲に対する卑劣な裏切りであり、酷い欺瞞に他ならない。

 それでも二人の間には、硬い信頼と友情があるのだけは、確かだった。

 

「それでマジェっち。杖のことだけど……」

 

 騒動の元のことを聞こうとした時、ケーシャから渡された旧式の無線機が振動した。

 マジェコンヌが一つ頷くのを確認した後で、彼女にも聞こえるようにボリュームを大きくする設定にしてからスイッチを入れると、ケーシャの声が聞こえてきた。

 

『くろめさん、こちらケーシャ。くろめさん、聞こえますか?』

「こちらくろめ。聞こえてるよ、何かあったのかい?」

『ええ、まあ……杖と鍵のことを知っているという人を見つけたのですが……』

 

 向こうから通信しておいて歯切れの悪いケーシャに、くろめは顔をしかめる。それが伝わったワケではないだろうが、ケーシャは言葉を続けた。

 

『とにかく、これから指示するポイントに来てください。場所は……』

「ああ、分かった。通信終わり」

 

 いくつかの道順を指示された後で通信を切ってからマジェコンヌを見ると、難しい顔をしていた。

 

「あいつを見つけたか……」

「あいつ?」

「杖を探すにあたり、情報源としてあるトランスフォーマーを捕えた。……遠い昔からこの場所で眠っていた奴だ。捕まえるのに苦労したぞ」

 

 その時のことを思い出したのか、マジェコンヌは息を吐く。

 これまでの情報から、くろめは何となくそのトランスフォーマーが何者か察した。

 

「それってもしかして、クインテッサを裏切ったっていう、例の?」

「そうだ。もっともステイシスが不完全なせいでアンチ・エレクトロンの影響を受けてかなり弱っていたがな。死なれては困るから抗体を撃ったが、そしたら今度は強情で口を割らん」

 

 なるほどとくろめは頷く。そのトランスフォーマーを助け出せば、お礼に杖の在り処を教えてくれるかもしれない。

 この施設に侵入した手際といい、ケーシャはこの手のことに強いようだった。

 

(それにしても、さすがは潜入任務のプロフェッショナルと言うべきか。ラステイションに壊滅させたれた傭兵組織、その唯一の生き残りにして裏切り者……)

 

 『ゴールドサァドを女神の代わりに国の指導者ということにすることで、世界に混乱を齎す』という当初の計画のために、くろめは彼女たちのことを調査していた。

 元々は孤児だったケーシャは、非合法な傭兵組織で育てられた。幼い頃から銃器の扱いや近接戦闘術などを叩きこまれ、特に潜入には非凡な才を示したという。

 

「それじゃあ、オレはそろそろ行くよ。余りケーシャを待たせ過ぎてもいけない」

「待てくろめ。もう一つ、伝えて置かなければならないことがある」

 

 不意に、マジェコンヌは表情を引き締めた。釣られてくろめも似たような顔になる。

 

「ブリテンを襲ってくる侵略者『外敵』というのは……」

「マジェコンヌ、どこにいる?」

 

 しかしその時、部屋の外からガルヴァトロンの声がした。

 顔を見合わせた二人だが、くろめは急いで機材の影に身を隠し、マジェコンヌは息を整えてから声に応じる。

 

「ああ、私はここだ。今行く!」

 

 マジェコンヌは足早に扉に近づき、外に出ていった。

 

「どうした?」

「保管しておいたアンチ・エレクトロン抗体がいくつか足りないんだが、何か知らないか?」

「いや知らんな」

「そうか……それと少し思いついたことがある。因子と湖を使えば……」

 

 扉が閉まっても、二人の声が聞こえてきたが、やがて遠ざかっていった。

 気配がしなくなってから、くろめは高い位置にある通気口までジャンプし、その中に潜り込む。

 人間の侵入を想定していないのか、ダクトの中に警備システムは無い。

 狭いのも暗いのも怖いが、これぐらいならまあ、顔中から脂汗を流す程度で済んだ。後でシャワー浴びようと、強く決意した。

 

「にしても、やっぱりザルじゃないか……」

 

 突貫工事で造ったのだろうとはいえ、余りに杜撰な警備体制に、そう呟かずにはいられなかった。実際トランスフォーマーは、高い科学力が故にアナログな手段に弱い部分がある。

 ケーシャの指示した通りに、ダクトの中をえっちらおっちらと進んでいく。

 そんなことを考えているうちに、指示された場所、牢獄として使われている区画にまでやってきた。

ダクトの中にまで、叫び声が聞こえてくる。

 ちょうど詰まれたコンテナの裏になって人目の付かない通気口から降りると、ケーシャが身を潜めて待っていた……ダンボール箱に入って。

 

「……それで? 何があったんだい? この悲鳴は?」

「あれを」

 

 言われてコンテナの端から少しだけ顔を出すと、部屋の中は広く、その中央にはドレッズと呼ばれるタイプのディセプティコン二体がいた。

 バーサーカーとドレッドボットだ。

 

「オラ吐かんかいワレェッ!!」

「いい加減にしろよ、ホント」

 

 彼らの前には、太いワイヤーで縛られた大きな影が横たわっていた。

 ワイヤーからは絶えず電撃が流れ、影に苦痛を与えていた。

 蹲った影は叫びを上げるが、ディセプティコンたちが望む言葉は出さない。

 

「あ、()()はいったい?」

「どうにも情報を総合すると、()()が鍵のことを知っているようです」

 

 ケーシャは冷静だったがくろめは驚愕していた。影の姿が思っていたのとは大分違うからだ。

 やがてディセプティコンたちは、疲れたように影から目を離した。

 

「あーつまらん。……のうドボやん、腹減ったし一回メシ取りに行こうや」

「だからドボやんは……ま、いい。この調子じゃ吐きそうにねえ」

 

 二体はやる気がないようで、不満気な顔で影を残して部屋を出ていった。

 その隙に、くろめとケーシャは手分けして部屋の中の機器を操作し、コードに流れる電流を止めた。

 

 すると蹲っていた影は、ゆっくりと起き上がる、頭をもたげ、赤い眼を光らせた。

 並のトランスフォーマーの二倍はある体躯を見上げ、くろめは思わずボソリと呟いた。

 

「さて……流れで解放しちゃったけど、これヤバくない?」

 

 

 

 

 

 バーサーカーとドレッドボットは鉄片やエネルゴンを抱えて牢獄の扉の前まで戻ってきた。

 

「あー、退屈や。すぐ近くにデッドロックがおるっちゅうのにのう。はよ、あいつをディセプティコンに戻して楽しく殺し合いたいのう」

「そればっかだな、アミーゴ。……俺もクロスヘアーズの野郎には目の物見せてやるつもりだがな」

 

 それぞれに執着する敵との戦いへの意欲を燃やす二人。

 彼らにとってマクロな視点での戦略など、知ったことではなかった。

 そのまま扉を開けようとした二人だが、そこであれほど凄まじかった叫び声がまったく聞こえなくなっていることに気が付いた。

 

 顔を見合わせ、すぐに中で異常が起きていることを察し、ドレッドボットはガルヴァトロンに報告しようとし、バーサーカーは背中から棍棒を抜いてニタリと笑う。

 

 次の瞬間、重い鉄の門扉が内側から吹き飛び、二体纏めてその下敷きにされた。

 

「ぐええええッ!?」

重い(ペザード)! 重いぃ(ムイ・ペザード)!!」

 

 潰れたカエルのように呻く二体に構わず、中から這い出てきた何かは、狭い通路を蛇のように器用に通り抜け、そのまま地上へと出る。

 

「な、なんだ!?」

「何が起こった!!」

 

 突然のことに混乱するディセプティコンたちを捨て置き、影は被膜の張った翼を大きく広げ、勢い良く羽ばたかせて宙に舞いあがる。

 大きく咆哮すると同時に、強烈な火炎を吐き出された。

 

 日の光に照らされたその姿は、アセニアの紋章にあるような、翼と前足が一体化した竜、所謂飛竜(ワイバーン)だ。

 

 ただし、体が金属で出来た機械仕掛けの、そして赤錆に塗れた飛竜だ。

 

「なんでこんなことにー!?」

「分かりませーん!!」

 

 もっと奇妙なのは、背中にくろめとケーシャがしがみついていることだ。この飛竜に無理矢理背中に乗せられた二人は、振り落とされないようにするので必死だった。

 竜は清らかな乙女の生贄を好むと言うが、まさか後でオヤツにするために攫ったのではあるまいか。

 

 それにしてもこの飛竜、長年風雨に晒された銅像の如く錆だらけにも関わらず、悠々と空を飛ぶ。

 問題は、くろめたちにはこの竜が何処に向かっているか分からないことだった。

 しかも、後ろからはディセプティコンが追ってくる。ガルヴァトロンにニトロ・ゼウス、戦闘艇が数機に降下艇が一隻だ。

 

「撃ち落せ! ただし殺すなよ!!」

「無茶言ってくれるぜ!!」

 

 ロボットモードのまま飛行するガルヴァトロンの指示に文句を言いながらも、グリペンに変形したニトロ・ゼウス率いる戦闘艇の一団は飛竜の後ろに付いて攻撃を開始する。

 最初こそ翼をはためかせて光弾を躱していた飛竜だが、今まで拷問を受けていたのが響いているのか、見た目通りに体にガタが来ているのか、徐々に動きが精彩を欠いていき、ついにミサイルを翼に受けてしまった。

 

『きゃああああッ!!』

 

 しがみついた二人諸共、飛竜は眼下の草原へと墜落する。

 背中の二人を庇うような姿勢で不時着し、土の上にグッタリと身を横たえる。

 

「くろめさん! 大丈夫ですか!!」

「ああ、何とか……」

 

 いち早くダメージから復帰したケーシャは、くろめを助け起こして飛竜の背から降りる。

 だが二人が逃げるなり飛竜を助けるなりするよりも早く、ガルヴァトロンとニトロ・ゼウスが目の前に降りてきた。

 戦闘艇も飛竜を囲むようにして滞空し、降下艇からはバリケード以下数人の乗用車に変形すると思しいディセプティコン兵が降りてきて周りを取り囲む。急なことだったのでオンスロートなど他の名のある者は乗っていなかったようだ。

 

「手こずらせおって……よりにもよって貴様か。天王星うずめ」

「だから、暗黒星くろめなんだけど」

 

 軽口を叩くくろめに、ガルヴァトロンは剣呑な視線を向けると、背中からエクスカリバーを抜く。

 

「先ほどはワイゲンド卿の顔を立てる形で見逃したが、今度はそうはいかん……! わざわざ巣に飛び込んできた女狐を、生かしてやる道理はないぞ!!」

「どうかな? 追い詰められた狐はジャッカルより狂暴だ……!」

 

 瞬間、ケーシャがバックパックと眼帯や軍帽を装着し、弾かれたように両手に召喚したマシンピストルを向けるが、同時にディセプティコンも武器の引き金を引こうとする。

 だがその瞬間、黄色い閃光が走ったかと思うと、ニトロ・ゼウスが殴り倒されていた。

 

「ぐお!?」

「! バンブルビーか!!」

 

 すぐにその正体を察したバリケードは超高速で動き回りながら仲間たちを打ち倒している黄色い閃光に向けてガトリングを発射するも、躱されて舌打ちのような音を出す。

 同時に、何処からか飛来した緑色の影が、戦闘艇に銃弾を浴びせて注意を引く。シーシャと合体して飛行能力を得たクロスヘアーズだ。

 

「ッ! オートボッ……!」

 

 すぐに反撃の指示を出そうとしたガルヴァトロンだが、その体を球形のエネルギーフィールドが包み、動きが止まる。

 それが相棒の放った攻撃の効果だと理解したくろめが叫ぶ。

 

「ロディ!!」

 

 その一瞬後には、変形しながら転がり込んできたハウンドがガルヴァトロンに向け三連ガトリングを発射した。

 ケーシャも両手のマシンピストルと、バックパックに備えられたミサイル、レールガン、電子レーザーを撃つ。

 弾丸や光弾は球形フィールドに入るや減速し、フィールドの消失と同時に一気に敵に襲い掛かった。

 

「…トかぐおおおお!!」

「くろめ!!」

 

 叫びと共に爆炎の向こうにガルヴァトロンが消えるのと、ランボルギーニが爆音を立ててくろめたちの前に踊り出て、ホット・ロッドに変形するのは同時だった。

 その姿に、くろめはホッと安堵の息を漏らすが、同時に自分が勝手にジャールまで行ったことに怒っているだろうとも思い当たる。

 

「ロディ……その、ええと……」

「くろめ、話は後だ! 逃げるぞ!!」

「なら、彼も一緒に! 彼が杖の在り処を知ってる!!」

「させるかぁあああッ!! 行け、レギオンども!」

 

 すぐさまこの場を後にしようとするホット・ロッドだが、煙の向こうからガルヴァトロンの咆哮と共に彼の分身であるレギオンの群れが飛び出してくる。

 ホット・ロッドは一瞬で決断した。この飛竜が何者であれ、また杖の情報を持っていようといまいと、この場に捨てていくことなど出来ない。

 

「くろめ! 融合(ユナイト)だ!!」

「! 分かった!!」

 

 差し出された手に握られて、くろめはホット・ロッドの顔に近づく。

 気恥ずかしさはあるが、躊躇っている場合ではない。

 

(でももう少しムードがある方が良かったなあ……)

 

 くろめの唇が、ホット・ロッドの口に当たる部分に触れると、彼女の身体がまるで幽霊のように彼の身体に入り込む。

 キス・プレイヤーとしてパラサイテック融合したのだ。

 ホット・ロッドの身体に淡い紫の光が走ると共に、力が漲る。

 

「前は余裕がなかったけど……なんだろう、いいなコレ」

『ロディ! 来るよ!!』

 

 頭の中に響く、くろめの声の通り、レギオンたちがこちらに向かってくる。

 右手を翳し、ホット・ロッドは念を込めて声を発する。

 

「……来い! ファイアローダー!!」

 

 その瞬間、空間に光に縁取られた穴が開き、ホット・ロッドと同じく黒地にオレンジのラインが入ったコンテナが現れた。

 最初にホット・ロッドとくろめが融合した時に、パワードスーツや装甲車が組み合わさって造られた、あのコンテナだ。

 

 このコンテナはエイハブ内の格納庫に積まれていたが、ホット・ロッドの呼びかけによって空間転移してきたのだ。

 

 コンテナ……キャメロットで消防士(ファイアファイター)と呼ばれたことを切っ掛けにファイアローダーと名付けられたそれは六輪のタイヤを回転させ、レギオンを跳ね飛ばしながら主人のもとに駆け寄る忠犬の如く走ってきた。

 同時に車体がギゴガゴと音を立てて変形して立ち上がる。

 

「ホット・ロッド、スーパーモード!!」

 

 掛け声と共に跳躍し、体を折りたたむようにコアパーツに変形したホット・ロッドは、ファイアローダーと合体することで、ガルヴァトロンやオプティマスと並ぶほどの体躯を得る。

 

 ランボルギーニのボンネット部が胸板を形成し、背中には畳まれた飛行機の翼のような物がある。

 全体的に刺々しい意匠と丸太のように逞しい四肢、先の尖った手の五指は、否が応でもメガトロンを思わせた。

 

 しかしオプティックは清涼な青のままだ。

 

「さあて、行きますか!!」

『油断しないでくれよ、ロディ!!』

 

 背中からレーザーライフルを抜いた……この体格なら片手で持てる……ホット・ロッドは、エクスカリバーを手にしたガルヴァトロンに向かっていった。

 

 さあ、戦いだ!!

 

 

 

 

 

 その戦いを、両陣営に察知されないように観察している者がいた。

 忍者のような姿をした機械生命体、秘密結社アフィ魔Xの隠密ステマックスだ。

 

「こちらステマックス。騎士を発見したで御座る」

『ああ、こちらでも確認した』

 

 何処かに通信を飛ばすと、冷たい女の声が返ってきた。狡猾さが滲み出ているようなネットリとした声だ。

 

「では、後はお任せしてよろしいで御座るか?」

『問題はない、貴様が盗んできた抗体のおかげで動けるようにはなった。今回主に働くのは貴様の所のネズミだがな。……まあ精々、巻き込まれんようにすることだ』

「かたじけない……シャッターどの」

 




時間がかかってごめんなさい。
話の構成の致命的なミスに気付き、練り直しに異様に時間がかかりました。
おかげで内容がないよう(ヤケクソ)

コンテナさんの名称は、TFの親戚である勇者シリーズの一つ勇者警察ジェイデッカーに登場する消防車型メカ『ファイヤーローダー』より(変形機構考えるとどっちかつうとジェイローダーだけど)
これは騎士刑事(本当にこういう肩書き)デュークというロボと合体してデュークファイヤーという巨大ロボになるという支援メカ。
というのも、リターン・オブ・コンボイ時に企画された消防車型ロディマスの名前がファイアーロディマスでこれには『負傷したロディマスがデュークファイヤーと呼ばれるボディに移った』という設定があるため。

次回から、バンブルビーのネタバレが含まれる予定
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。