…はるか上の太陽から、4つの炎が、神樹様に━━━━━━━━━━━━━━━
ーーー須美sideーーー
バシャッ
(不気味な夢だった…もう一度、大きな敵が来る。今のはその知らせ…もっと、強くならないと…!!)
ーーー学校、園子sideーーー
園子「おはよー!」
サンチョ「お・は・よ・う。」
…シーン
園子「…?」
みんなが静まり返ってこっちを見ていました。
(…あれれ〜?サンチョが効いたかな〜でも何回か前も喋ったことあるし〜あれれ〜?)
クラスメイトA「あ、あの、乃木さん。ずっと聞きたかったんだけど…」
園子「うん、どうしたの?」
クラスメイトA「だけど、お役目のことは聞いちゃいけないって言われてて…」
園子「えっ?」
クラスメイトB「告別式の時もお役目、あったんだよね。」
クラスメイトC「消えたもんね。」
クラスメイトA「ちょっと…」
クラスメイトD「大丈夫?怖くない?」
(怖くないかって言ったら怖いけど…ま、まあ…)
園子「う、うん…」
クラスメイトB「ねえ、お役目って何してるの?」
拓斗「おーい、本人に聞いたら大赦に消されるぞー。」
クラスメイトE「それ言ったお前もな。」
拓斗「マジで!?」
クラスメイトC「銀ちゃん、教科書乗るんだって。すごいね。」
園子「…うん。」
クラスメイトD「乃木さんも鷲尾さんも頑張ってね。」
クラスメイトA「神樹館のヒーローだよ。応援してる。」
(…あはは、褒められっぱなしだなぁ…)
園子「…でもね、別にそうなりたかったわけじゃないんよ〜…」
麻里「傷口にマグマ塗りするの、そこまでにしといたら?」
須美「みなさん、おはようございます…?」
拓斗「あ、麻里。」
まりりんとわっしーが入ってくる。
クラスメイトC「北条さんから2人に何か…」
麻里「最初の自己紹介でも言ったけど、私は楽しむべき時と楽しまないべき時の区別はしっかりつけてるから。頼らないで。」
クラスメイトF「…ねえ、鷲尾さん。事情は全然わかんないけど…三ノ輪さんはみんなのために…」
須美「それができる、強くて優しい子だったから、選ばれたの。彼女のことを思ってくれるなら、そっとしておいて。」
ーーー道場、須美sideーーー
ちひろ「はっ!」ザッザッ
ちひろちゃんが先行、的を支える軸足を崩し…
園子「えいっ!」バッ
須美「ほっ!!」ビュンッ!!
そのっちが瞬時に私の前で盾を展開、その後ろでチャージして横から攻撃を放つ。
園子「…はぁ。」
須美「そのっち?」
園子「ごめん、もうワンテンポ早くしないといけないのにね。」
ちひろ「…もう、術はない…もっと早く…強く…」
(そのっちもちひろちゃんもずっと切り詰めてる…このままはまずいわね…)
須美「ねえ、2人とも。勇者には気分転換も必要、じゃないかしら?」
ちひろ「…気分、転換…?」
安芸「…」コクリ
ーーー夏祭り、ちひろsideーーー
ちひろ「須美さんから誘うって珍しいですよねー。」
園子「なんだかんだ言って最初の祝勝会以来だよね〜」
須美「先生の許可が取れて一安心だわ。今日は一旦お役目を忘れて、リラックスしましょう。」
園子「そうだね〜わっしーの気合いも十分だし!」パシャッ
そう言って園姉が須美さんの写真を撮る。
須美「ち、ちが…これは親に着せられて…」
ちひろ「めちゃくちゃ似合ってますよー?」
園子「うんうん!お人形さんみたい!その場でクルクル回ってみて〜?」
須美「恥ずかしいわ…」
ちひろ「やりましょう!!」
須美「…こ、こう?」クルクル
園子「お〜ノリノリだね〜!シャッターチャンス!!」パシャッ
須美「あ、撮影は禁止よ!」
園子「え〜?待ち受けにしようと思ったのに〜…」
須美「恥ずかしいからやめて!」
ちひろ「でも今も須美さんが待ち受けだったはずですよ?」
須美「えっ。」
園子「もちろんなんよ〜!ついでにちっひーの待ち受けは私!」
ちひろ「へへん。」ドヤッ
須美「うー…ホントに恥ずかしいからやめて!!」
園子「え〜私の携帯だもん〜」
須美「なら私もそのっちを待ち受けにする。」
(…私のだけ、ない…)
ちひろ「…ショボン。」
園子「せっかくだし3人で回そう〜?」
須美「あ…そ、そうね…」
ちひろ「いいんですか!?」パアア
須美「ええ。もちろんよ。」
園子「リンゴ飴とかチョコバナナとか、定番すぎて珍しくないよね〜」
ちひろ「あと焼きそばとかもー。」
須美「その割には満喫してるみたいだけど?」
園子「美味しくないとは言ってないから。」キリッ
ちひろ「何回でも食べたくなりますよねー!!」
須美「あまり祭りに来たことないから分からないけど、そういうものなのね…」
園子「…むっ!このいい匂い!焼き鳥だな!?」シュバッ
須美「あ、そのっち!」タタタッ
焼き鳥屋店主「いらっしゃい。」
園子「へい大将!焼き鳥3つください!」
須美「私そんなに食べられないわよ?」
園子「そうなの?じゃあ私がわっしーの分も食べるよ〜」
須美「すごい食欲ね…」
園子「…美味しい!!なんじゃこりゃあ!?店ごと買いたいんですけど〜!!」
焼き鳥屋店主「はい!?」
園子「ここに電話して…」
須美「そのっち!?それはダメよ!?」
ちひろ「そうだよ園姉。
店ごと買うならフライドポテトだよ!!」
須美「ちひろちゃんもダメよ!?」
ーーー射的屋、園子sideーーー
園子「ぐぬぬ…」
射的屋店主「あはは…どうする?もう1回やってくかい?」
ここは射的屋、狙うはでっかいトリさん。
(さっきは外れた…でもこういうのは数に任せるのが一番!)
園子「やり!ます!!」バッ
そういって千円札を数枚出して、大量に弾を得る。
園子「いざぁ!!」パンッ
園子「とほほ…」
…そう、意気込んだのはいいものの、全弾見事に外れて残り一つになってました…
(何個かは当たったと思うんだけどな〜…)
ちひろ「…あれが欲しいんだよね?園姉。」
園子「うん…1等のトリさん…」
須美「そういうことなら私たちに任せて、そのっち。癖は今までので分かったから。」
ちひろ「どこを撃てばいいかは私が!」
園子「2人とも…」
須美「落ち着いて呼吸を正して。」
園子「スー…ハー…」
ちひろ「この角度でなら多分行けます。」
須美「ありがとね、ちひろちゃん。照準集中。力を入れすぎず、指を絞るように…」
園子「指を、絞る…」
須美「…今!」
園子「ほっ!」パンッ
ボフッ
弾は人形のトサカに命中する。
グラグラ
ちひろ「いけー!!」
須美「気合いよ!」
園子「き〜あ〜い〜!!」
…そして。
…ボテッ。
見事に落下したのです。
園子「うっひょぉぉぉ!!やったぁぁぁ!」
ちひろ「よかったね園姉!いぇーい!」パンッ
園子「いぇ〜い!!」パンッ
射的屋店主「なんてこった…こんなのコルク弾でなんか倒せっこねえのに…」
須美「それはどういうことでしょうか?」
射的屋店主「あ、いや…は、はいよ。持ってけ嬢ちゃん。」
園子「わーい!やったねわっしー、ちっひー!」
ちひろ「私は場所指示しただけだから…」エヘヘ
須美「得意分野だもの。でも、引き金を引いたのは間違いなくそのっちよ。」
園子「そっかぁ…!」
3人で手に入れた人形。
すごい嬉しかった。
だからこそ…
園子「店主さーん!これ、そこの4つと交換してもらえます?」
3人「「「えっ?」」」
手放した。
ーーー夜、ちひろsideーーー
ちひろ「結構遠く来ちゃいましたけど…」
須美「ここがよく見えるって評判なのよ。ネットに載ってたわ。」
園子「わっしーってそういうの得意だよね〜」
ちひろ「あ、始まりましたよ!」
ドーン
須美「…ありがとう、これ。」
そう言って見るのは園姉が交換した4つの猫の人形。
スカーフの色がそれぞれ赤、青、紫、水色でした。
ちひろ「私たちの色だもんね。」
園子「そうそう!ピッタリだな〜って。ひとつはミノさんの分ね。」
須美「うん。」
園子「…私の方こそ、ありがとね、わっしー。私、わっしーと、ミノさんと、もちろんちっひーも。3人と勇者になれて本当によかった。ほら、私って変な子じゃん。あんまり友達できなくって…」
須美「そのっちは変なんかじゃないわ。素敵よ。私も…真面目すぎて心から信頼できる友達って、いなかったから。」
園子「そこがわっしーのいいところだよ?」
須美「そう?」
ちひろ「はい!…実を言うと、私も結構最初不安だったんです。」
園子「ちっひーが?珍しいね〜」
ちひろ「だって私以外みなさん年上なわけじゃん?それまで園姉以外の上の学年の人と触れ合ったことなかったから…」
須美「意外だわ…ちひろちゃん、結構人気あると思ってた。」
ちひろ「お母さん達がすごいからか、高嶺の花みたいに見られてて…実は同年代もここな達だけなんです。だからすっごい不安だったんですけど…安心しました。須美さんも銀さんもすっごくいい人で。」
園子「…よかったね。ちっひー。」
ちひろ「うん!」
須美「…銀はフォワード型、私は融通が効かない。ちひろちゃんは年下だからリーダーとして起用していいものか…
そのっちがリーダーになってくれたおかげで、ここまで来れたのよ。」
園子「…うん。4人だったから、ここまで乗り越えられたんだね。」
ちひろ「選ばれてからの訓練もお泊まりも、全部が楽しかったですよね。」
須美「ええ、3人と友達になれてよかった…」
園子「…友達だよ。私たち4人は。今までも。これからも。」
ちひろ「同じく!」
須美「もちろん、私もよ。」
ーーー車、安芸sideーーー
安芸「…はい。データ受け取りました。…彼女達ですか?独断で休暇を取らせてます。三ノ輪さんを失ったメンタル面へのダメージは相当なものでしたので。はい。では。」ガチャ
電話を切って送られてきた内容を確認する。
(勇者の喪失を出さないための新システム…)
安芸「っ!?!?!?」
…それは、想像を絶するものだった。
(…でも…これは…
武器や技の強化はできても…心には限界があるわ…何よりこんなの…まるで…)
安芸「…生贄、じゃない…」