ーーー清めの滝、ちひろsideーーー
ザザー…
ちひろ「…」
須美『新システム…ですか?』
安芸『ええ。そのために一時的にスマホを納めてもらうことになるの。いいかしら?』
園子『はい!写真なくなったりはしないんですよね…?』
安芸『そこに関しては問題ないわ。』
ちひろ『ならよかったぁ…せっかく撮りまくったのがなくなるのは残念すぎますもんー!』
(神樹様は外から来るかつての動物の変異種、バーテックスと戦うために、私たちに力を与えてくれてる。ただそれは、本当に適正が高い…それこそ、テストとかで80点が当たり前とかのレベルじゃないと無理らしい。システムそのものの数も一因らしいけど。)
神官「新しい勇者システムとなります。」
そうして差し出されたスマホを取る。
ピロリン!
園子「わっ!なんか出た〜!?」
須美「これが新装備…?」
ちひろ「可愛いですねー!よしよーし!」ナデナデ
安芸「そう。それが勇者を強化、サポートする精霊よ。」
須美「…これが間に合っていれば…」
ちひろ「…っ。」
園子「ん?わっしー何か言った?」
須美「いえ、なんでもないわ。」
園子「う〜ん、なんて名前にしようか〜…」
安芸「…」
ーーー鷲尾家、須美sideーーー
食卓にお手伝いさんとともに、食事を運び込む。
義史「朝から豪勢じゃないか。」
須美「今日は特別に野菜いっぱいにしておきました。」
遥「あら…お肉いっぱいでもいいのよ?」
須美「それはお母さんが食べたいだけでしょ。もっと健康には気をつけてもらわないと。」
そう言いながら特盛のサラダを置く。
須美「さあ、いただきましょう。」
遥「…須美。」
須美「…?何?そんなに嫌なの?」
遥「いや、そうじゃないわ。あなたにはお役目も勉強もあるんだから、無理しなくてもいいのよ?」
須美「ううん、これくらいしかできないもの。それに、お母さんより私の方が料理好きだしね。」
遥「うっ…」
義史「ふふ…須美、お前は立派な私たちの娘だ。誇りに思う。」
須美「お父さん…わかってるわ。ありがとう。」
ーーー学校ーーー
須美「おはよ…う…?」
園子「おはサンチョー…どうしたの?わっしー。」
学校に着いて教室に入ると、みんながブルーシートに固まって何かをしていました。
(…5年生の子もいる…一体…?)
ちひろ「えー!?なに!?」
ここな「いいからいいから!」
楓「あ、須美先輩おはようございます。」
須美「おはよう、楓ちゃん。これは…?」
天音「見てれば分かりますよ。」
そしてみんなが広げたのは…『わたしたちの勇者頑張れ』と書かれた横断幕だった。
園子「…これ…」
ちひろ「…綺麗…」
麻里「念の為に釘さしとくけど、私やそこの3人が提案したんじゃないよ。あくまで作業手伝っただけ。」
須美「でもこれ…ダメって言われてるんじゃ…」
拓斗「先生?知らないね。隠れてやりゃ問題ないし。」
6年生A「他に何も思いつかなかったの。この間はごめん…」
6年生B「一番つらいのは2人のはずなのに、何も考えず質問攻めにしちゃったから…何かできないかってみんなで考えて…」
楓「それを偶然私達も聞いちゃって、協力したんです。うちのクラスにも勇者はいますし。」
須美「…これは絶対先生には内緒にしとかないと。
…でも、ありがとう。」
園子「勇気づけられたよね。すごい嬉しい。」
ちひろ「これさえあれば負けないです!本当にありがとうございます!!」
麻里「ふふっ。…さぁて、先生が来るまであと15分、それまでに全部片付けて元通りにする必要あるわよ!!」
天音「分担した通りに各自動いてください。時間はありません。」
拓斗「今のうちに…」
ここな「ダメですよ先輩ー。」ガシッ
拓斗「チッ!!」
麻里「全員行動開始ぃ!!」
6年生、5年生『はい!!』
ーーー乃木家、安芸sideーーー
安芸「…ということです。」
乃木父「構いません。それもお役目の一環なのだと言うのなら…乃木家に生まれた園子の使命です。」
ひかり「…あなたがそう言うなら。…園子には伝えないんですか?」
安芸「はい。」
ひかり「…そうですか。」
ーーー鷲尾家ーーー
遥「…どうしても、言っちゃダメなのですか…?」
安芸「はい。心苦しいですが、そういう方針です。」
遥「それだけは反対です。そんなの…」
義史「…了解しました。」
遥「あなた!」
義史「…もしこれで、予め知ったせいで変身できなくなれば、少なくとも須美は自分を絶対に許さなくなる。」
遥「っ!!」
義史「…そういう子だ。そうならないなら…たとえ嫌われようと、構わない。」
ーーー上里家ーーー
和斗「…まあ、聞いてくれないと思いましたよ。俺らなら間違いなく反対するって分かってるでしょうし。」
安芸「上里さんも立派に戦っております。聞かないわけにはいかないかと思い、独断で。」
和斗「…あなたが担当でよかったと感謝は述べますが、それで賛成するかと言われればNOです。スペックも上がって、防御用の精霊も追加されたのにこんなのがいる必要が分かりません。」
安芸「それは…月夜様に聞かれれば、明らかかと。」
和斗「っ!?また神託届いたのか…!?」
月夜「…うん。四体同時襲来を告げる、神託が…」
和斗「…また、かよ…!?!?」
安芸「残るバーテックスは4種…あなた方なら、次来るのがお分かりになるかと。」
和斗「…最強の、あいつが来る。」
安芸「その通りです。それと、また15年前に1度観測された合体バーテックスにこの先備えるためにも、必須なのです。どうか、ご理解を。」
月夜「…っ。」
(…そうだ。勇者なんて取り繕ってはいるけれど。
それはこれからも選ばれ、失われてく生贄…)
ーーー街道、園子 sideーーー
ちひろ「見てください須美さん!園姉!ここにカボチャ!あっちにもカボチャ!どこもかしこもカボチャだらけー!!」
園子「外国のお祭りだね〜ハロウィン〜!」
須美「我が国の懐の広さが伺えるわね。」
(そういう言い回しってほんとにわっしーらしいよね〜最初と比べるとわっしーも結構変わったけど芯が変わってないの素晴らしいよね〜)
ちひろ「色んな祭り楽しめるから結果オーライじゃダメです?」
須美「いいわよ。」
ちひろ「やったー!」
(たとえば前なら突っぱねてたところを許容したりとか、ね。)
ちひろ「じゃあ一斉に行きますよー。」
須美「せー…」
園子「のっ!」
ポスッ
ポスッ
ポスッ
(お〜これは想定以上に〜…)
園子「似合ってるぜー!わっしー!」
ちひろ「園姉もすっごい可愛い!」
須美「ちひろちゃんも人のこと言えないくらいに輝いてるわよ。」
ピロリン!
園子「わっ!」
(あ!勝手に精霊出てきちゃった!)
須美「あ、精霊。」
ちひろ「すごいくつろいでますねー…園姉の頭の上で寝転がってる…」
園子「も〜勝手に出てきちゃダメって言ったでしょセバスチャン〜」
須美「セ、セバスチャン?」
園子「烏・セバスチャン・天狗。この子のミドルネームなんよ〜」
ちひろ「ついでに私のはコマです!!」
コマ「ワン!!」ピロリン!
須美「そ、そうなのね…私も付けてみようかしら…じゃなくて!一般の人から見ると帽子が浮いてるように見えるから早く戻さないと…」
子供「ねー見て母さん!あの帽子浮いてるー!」
(あ、ヤバいねこれ。)
須美「アルファ波でうかしてます。」
子供「すげー!」
園子「お〜!ナイスわっしー!」
須美「今のうちに戻して!」
ーーーイネス、須美sideーーー
須美「うーん…やっぱり醤油豆ジェラートは私には合わないわ。」
園子「あはは。ミノさんに怒られるよ〜?」
ちひろ「おー!メロンとスイカも意外に合うー!」
須美「あ、そのっちのバニラもらうわね。」ヒョイッ
園子「あっ!わっしーに取られた!」
須美「ふふ…美味いわね。」
(何度でも食べれるわ…)
園子「しかもこの目…まだ狙って…」
須美「まあ今度はちひろちゃんのだけど。」ヒョイッ
ちひろ「あー!!ズルいですよー!!こうなれば私も園姉のを!」
園子「なんで私〜!?!?」
ーーー帰り道ーーー
須美「お父さんもお母さんも、学校のみんなも応援してくれてる。お役目がある私たちは幸せ者だ。」
園子「あんな素敵な横断幕ももらっちゃったもんね。」
ちひろ「みんなのためになら、無限に頑張れる気がします!」
…なんでわかったかは分からない。
けど、嫌な風が吹いた。
園子「…来るの?」
須美「ええ。」
ちひろ「ついに分かるようになっちゃいましたね…」
そして、私たち以外の時間がその動きを止める。
須美「気を引き締めないと。」
ちひろ「集中しないと!」
園子「…あ、そうだ。はいわっしー。」
そうして出されたのはそのっちがいつも身につけてるリボン。
須美「これ…」
ちひろ「え?いいの園姉。それ小さい頃からずっと持ってたのに…」
園子「うん!わっしーに似合うと思うんだ〜この戦いが終わったらつけてみて!」
須美「…ありがとう、そのっち。必ず見せるわ。」
園子「約束だよ?」
須美「うん。」
ちひろ「楽しみです!」
須美「…じゃあもうひとつ。そのっちとちっひーは。」
園子「ちっひーとわっしーは。」
ちひろ「須美さんと園姉は。」
3人「「「私が守るから。必ず、一緒に帰ろう!!」」」