上里ちひろは勇者である   作:☆ここな☆

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連投です…
まあ当たり前だよね…ずっと忘れてたんだし…


7話 夢を呼ぶ歌

ーーーカラオケ屋『MANEKI』ーーー

「いきなりは歌いづらいでしょうしみんな歌ってからがいいんじゃないでしょうか?」

「そうね、じゃ私からいくか!」

そういって風さんは自身の得意としている『Soda Pops』をノリノリで歌いはじめる。

「〜〜♪」

「お姉ちゃん上手!」

「さすがですね風さん。」

「あんたにだけは言われたくないわよ…」ボソッ

「夏凜ちゃん、この曲知ってる?」

そういって出された曲は『○△□』

「一応知ってるけど…「じゃ一緒に歌おうよ!」な、なんで私が!?馴れあうために一緒にいる訳じゃないわ!」

「ご・め・ん・なさ〜い!私の後じゃ歌いづらいわよね〜」

そういって指さされた先にあった点数は…

『92点』

「…友奈、マイクよこしなさい…」

「へ?」

「早く!!」

「は、はい!」

(あ、これ夏凜さんの闘争心に火がついたな。)

「「〜〜♪」」

(てか以外とうまいなおい!)

「夏凜さん上手ですね!」

「フン!当然よ!」

結果は…

『92点』

「「チッ」」

「「おい、真似すんじゃないわよ!!」」

「ありがとう夏凜ちゃん!私一人だったらこんな高得点出なかったよ!」

「ゆ、友奈?!べ、別に…完成型勇者として当然のことを…」

〜♪

「あ、わたしの入れた曲。」

「「え!?」」

「なに!?」

ビシッ

「〜〜♪」

(突然友奈さん、風さん、樹ちゃんが立ち上がって敬礼状態…一体…)

「「ナニコレ?」」

「ふぅ。」

ビシッ

シュバッ

(な、なんだったんだ…今の…)

「今のって…なに…?ちひろまでキョトンとしてるけど…」

「東郷さんが歌うとき私たちいつもこうなんだ。ちひろちゃんが知らないのは今年度はまだ来てなかったからだよ。」

(へ、へぇ〜そ、そうだったんだ…)

「あとはちひろちゃんだね!」

「でも私は別に「に・げ・るのかしら〜?」はぁ?」

 

ーーー樹sideーーー

夏凜さんがここぞとばかりにちひろちゃんをイライラさせます。

(やばいよ…)

「ちひろ!落ち着きなさい!あんたは歌わなくていいから!」

「ここで歌えなきゃ樹のためのことすら逃げる臆病者でしょうね〜!」

ブチッ

(あ、今ブチッって聞こえた気がします。間違いなく手遅れです…)

「いいわよ、歌ってあげる!どうなっても知らないからね!」

「上等よ!」

「はぁ…これじゃ友奈と東郷まで巻き添えなるじゃない…」

「お姉ちゃんは大丈夫なの?」

「もう5回目だからね。耐え切って見せるわ。」

「〜〜〜〜♪♪♪」

「ふぅ、久しぶりだったけどちゃんと声出た…やっぱ想像通りだわ…」

ちひろちゃんが歌い終わって、想像通りのことが起こってました。

「すっろい、すれきな歌…」

「らりも、かんらえらくない…」

「お姉ちゃん大丈夫?」

「りりりりね、あろ少しれ理性ろんれたわ…」

そう、ちひろちゃんは歌が下手じゃありません。うますぎるのです。

私は素質があるのか綺麗だな〜と思うくらいですが普通の人は夏凜さんや友奈さんのように理性が飛んでしまうそうです。

授業で歌わなくていいのも結果がわかり切ってる上にその後の授業が続行不可能だからもあります。ついでに耳かきも同じくらい強烈らしいです。

「これは…まるで友奈ちゃんのマッサージを受けてるようだったわ…素晴らしいわ、ちひろちゃん!」

「ろうごう、あんらはさすらね…」

ただ、東郷さんは普通でした。

(なんでだろう…?確かお姉ちゃんが前こんなことを…)

 

『樹、ゴッドに魅入られしものがもう一人いたわ…友奈よ、すっかり忘れてたわ…友奈のゴッドハンドはちひろのゴッドフィンガーとゴッドボイスに匹敵するわ!』

 

(そうだ、友奈さんのマッサージもすごいんでした。それをよく受けてるからなのかな?)

「はぁ、次は樹ちゃんだっていうのに…東郷さん、友奈さんお願いできますか?」

「ええ、友奈ちゃん、起きて!(ラッパの音)プーーーー!!」

「ほわ!あれ私なにしてたんだっけ?」

「大丈夫よ、友奈ちゃん、少しぼーっとしてただけだから。」

「そっか!」

さすがとしか言いようがないくらい手慣れてます。

(すごい…)

「さぁ!初陣よトラ介!よろしく!」

「ガオーーーーーーーーー!!!!!!!」

「ぎゃっ!?耳が潰れるかと思ったわ!なにしてくれんのよ!?」

「誰かさんが人の警告も聞かず理性飛んでるからでしょ?」

「ぐっ!」

一方でちひろちゃんも手慣れた手つきで夏凜さんを呼び戻します。

今まではトラの人形を使っていましたが、トラ介さんも似たような声を出せたらしいので変えたみたいです。

「さ、樹、やっちゃいなさい!」

「う、うん!」

お姉ちゃんに言われ、立ちますが…

(やっぱり人に見られてる…でも頑張らないと…)

「〜〜」

「うーん、やっぱり硬いわねー。」

(やっぱりうまくいかなかった…)

「ううっ…」

「大丈夫だよ!樹ちゃん!お菓子でも食べてリラックス…ってない!」

「あ、ウリ食べすぎだって!」

「牛鬼もだよー!」

たんまりとあったお菓子はちひろちゃんのウリと友奈さんの牛鬼が全てたいらげてしまっていました。

(元気だなぁ〜。)

ピロリン

(ん?メールかな?それにしてはお姉ちゃんの顔が険しくなった気がするけど…?)

「ごめん!ちょっとトイレ行ってくるわ!」

(気のせい、だよね!)

 

ーーー風sideーーー

「やっぱり、大赦からか…」

友達には来る前にあらかじめ言っておいたから来ないはず。

友達じゃなくてメールが来るとしたら大赦しかないもの。

(…これは…)

「大赦からの連絡?」

振り向くとにぼっしーこと夏凜がいた。

「出てくときのあんたの顔がおかしかったからね。ついてきたわ。」

「悪趣味ね〜」

「うっさい!で、なんてきたの?」

「…最悪の事態を想定しろってさ。」

バーテックスは周期的に来ると考えられていた。

でも3体同時出現や不規則に出てることからそれすら怪しくなっている。

「ふーん、まわそんなことはどっちでもいいわ。あんたは統率には向いてない。私に変わりなさい。うまくやるわ。」

「これは私の役目で、私の理由なの。後輩は先輩の背中を見てなさい。」

「あ、そう。じゃ私は先に戻ってるわよ。」

そう言って夏凜は戻ってった。

(誰にもここだけは譲れない。だって…私が戦う理由は憎しみまみれだから、みんなが戦う理由をつくった私がやらなくちゃいけないんだ。)

 

『誰ですか…?』

『私はあなた方の両親が働いていた大赦のものです。今日はあなたの両親の死の…真相と原因を話しに来ました。』

『!!』

 

私たちの両親は瀬戸大橋の事故で死んでしまった。

原因は不明。だが大赦の人はバーテックスの襲来によって事故は起こったと言った。

また、大赦の人は私にそのバーテックスを倒せる、勇者としての素質があるとも言った。

憎かった。両親を間接的にでも殺したバーテックスが。

だから私は大赦に協力したんだ。

このことは樹にすら言っていない。

あの子まで…憎しみに呑み込みたくないから。

 

ーーーちひろsideーーー

1時間程前に樹ちゃんの練習は解散した。

結論は「もっと練習が必要」

樹ちゃん自身も家で練習してくると言ってたのもある。

(風さんしかいないから意味がない気もするけど。)

で今はなにをしてるかと言うと…

「ワン!」

「チュー!」

「ありがとう二人とも。さて、どんな内容なのやら…」

盗聴…ゴホンゴホン!録音データのインストールである。

トイレに行くときの風さんの顔が険しかった+夏凜さんもすぐ行ったのでこっそりネーさんに録っておいてもらったのだ。

 

ーーー視聴後ーーー

「…最悪の事態、か…」

(この状況で想像しうる最悪の事態…)

「残り7体の総攻撃…かな?」

(うん、間違いなくこれが最恐最悪の事態だ。

瀬戸大橋の決戦ほどではないが。7体も来られたらひとたまりもない上に、当時の満開3人がかりでも倒しきれなかった最強のバーテックス、獅子座もいる。もし実現すれば、満開は必須かな。)

「…そろそろ、真実を話すべきなのかな…大赦に、この世界に隠された真実を。」

大きな決断を、迫られていた。

 

 

 

 

ーーー次の日の午後ーーー

私たちは部室で机に鎮座するサプリたちを眺めていた。

「リンゴ酢は肺にいいから声が出やすくなる。ビタミンは血行を良くして喉の荒れを防ぐ。オリーブオイルと蜂蜜も喉に効くし、こっちの…」

矢継ぎ早に説明されるのはサプリの効能。

しかも全て声に関するもの。

昨日却下されたのにこりないですな〜

「さ、これ全部飲んでみて。」

(…無茶言うなし。)

「そんな無茶言うくらいなら夏凜は当然飲めるのよね〜?」

「もちろんよ!お手本見せてあげるわ!」

(風さん、私ですら遠慮したことを…恐ろしい。)

そしてその挑発にのった夏凜さんは錠剤タイプの薬を口に入れ、リンゴ酢とオリーブオイルで飲みほしていく。

予想してたどーりみるみる顔色が…

「一番近いトイレは上の階よ〜」

ダダダッ

猛スピードで行っちゃったよ。

(無茶するから…ってあれ?確か上の階の一番近いトイレって…?)

「風先輩、確か上の階の一番近いトイレって男子トイレでは?」

「そうよ?ふふっ!帰ってきたときがたのしみだわ。」

「「やばいよね。絶対。」」

 

ーーー数分後ーーー

「樹はビギナーだし、一つか二つでいいわよ。」

「ぐぇっ!」

スッキリした様子の夏凜さんはすごい笑顔でそう言った。

足で蹴ってるのは風さんである。

(ま、あの状況であれはまずすぎた。)

「は、はい…」

「本当にごめんなさ…ぎゃっ!」

「あ、あの夏凜ちゃん...」

「なぁに友奈?」

「ひっ!」

「ぐぼぁっ!」

「夏凜さん、一応もうそれくらいに...白目向きそうですから…」

「私は何もしてないわよ?」

「も、もう許して...ぐはっ!」

「それじゃあ樹、試しにそこで歌ってみて。効果あると思う。」

「はい...」

「助け...もう、無理…」

(ごめんなさい風さん。夏凜さんが怖すぎるのでなしで。)

急いで椅子の向きを変え即席のステージをつくる。

夏凜さんは一旦けるのをやめ、逃げられないように踏みつける。

樹ちゃんもサプリを飲み歌い始めるが…

「〜♪」

少しよくなったがまだまだだった。

「…次は緊張をほぐすサプリ持ってくるわ…」

「そんなのあるんですか!?」

「ええ、それも飲めば完璧ね。」

「あ、ありがとうございます…夏凜さん、みなさんも…」

(樹ちゃんが嬉しそうだからな〜今回何にもやってないけど。)

「じゃあ昼休みは解散。あんた達さっさと出なさい。」

いつもとは違い夏凜さんが解散させる。

「助けてー東郷、友奈!」

「夏凜ちゃん...授業二分前くらいには帰ってきてね…」

「...まだ十分ありますけどね。」

「ちひろ!」

「私教室戻りますね...」

「樹!!」

「風、そんな声出さなくてもいいのよ?」

「ひっ!どうかお許しください!夏凜様!」

「お、お疲れさまでした...」

 

ーーー歌のテスト当日ーーー

ーーー樹sideーーー

「次、犬吠埼さん。」

「は、はい!」

(どうしよう…あれからサプリは毎日飲んだからだいぶ歌えるようになったと思うけど…やっぱり緊張する…)

ピロッ

教科書からでてきたのは…紙?

「開けて、樹ちゃん。」コショ

言われて開けてみるとそこには…

 

終わったら打ち上げでケーキ食べに行こう! 友奈

 

周りの人は皆カボチャ 東郷

 

気合いよ 夏凜さん

 

樹の歌は綺麗だから大丈夫。自信持っていって!きっとできる! ちひろ

 

周りの目なんて気にしない!お姉ちゃんは樹の歌が上手いって知ってるから 風

 

樹ちゃんへと真ん中に書かれたメッセージの集まりでした。

(見ててすっごいほっこりする。夏凜さんの名前はちひろちゃんが補足したんだね。きっと。)

「犬吠埼さん?」

「はい!」

(そうだ…私にはこんな素敵な先輩たちが…友達がいる。周りの人はかぼちゃ、目なんかない、緊張しない…)

そこから先は必死で覚えてません。

でも、伝えられた結果はクラス1位でした。(もちろんちひろちゃん除いてですけどね♪)

「やったね!樹ちゃん!」

「うん!ちひろちゃん!」

(私は勇者部のおかげで素晴らしい先輩達に会えたんだ…勇者で良かったな♪)

 

ーーー夜ーーー

(歌うのってやっぱ楽しいな…みんなからの拍手も…)

「私、歌手になりたいな。」

歌は、私に夢を運んできてくれました。

でもそのときの私はまだ知りませんでした。

夢をつくってくれたのが勇者なら、夢を終わらせるのもまた、勇者であることを。

 

 

 

 

 

ーーー7月8日ーーー

ーーーちひろsideーーー

「5時間目期末テストだ…」

「落ち込まないで樹ちゃん。」

そのとき、世界が止まった。

「ラッキー!」

「喜んじゃダメだよちひろちゃん…」

「どいつが来ようが倒そう!」

「うん!」

ーーー樹海ーーー

「前以上に久しぶりだね。」

「うん、で敵の数は…?」

スマホに表示されてた数は

「7体も…」

「総攻撃…だね…ひとまず皆さんと合流しよう!」

「うん!」

(最悪の事態、的中、か…話さないと…全てを…2年前の…私たちの…二の舞にしないためにも…!そして何より…)

 

ーーー友奈sideーーー

「多いですね…」

「大型1、普通6…総攻撃ね…」

「なんですぐ攻めてこないんだろう…?」

ひとまずみんなと合流しましょう。」

そうね、この戦い、絶対に負けられないもの…」

(夏凜ちゃんの言う通り。だから…)

 

ーーー風sideーーー

「数で来たわね…ひとまずみんなと合流ね…」

(でもやることはただ一つ…)

 

「「「「「「絶対に勝つ!!!」」」」」」

 

世界の命運をかけた決戦が…始まる。

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