上里ちひろは勇者である   作:☆ここな☆

29 / 93
9話 満開

ーーー風sideーーー

「ガフッ!」

そのままちひろはレーザーを食らって吹っ飛んでしまう。

(みんな…)

「ま…だだ…諦めるわけには…かはっ!」

なんとか立ち上がっても、次の瞬間には水球の中にいた。

やばい!このままだったら窒息死する…!

「お…姉ちゃん…!」

(もがいても出れない…!もう…息が…!みんな…倒れてる…!私がやられれば…こいつは次にみんなのこと…死んで…たまるか…みんなを巻き込んで…樹を巻き込んで…)

「死んでたまるかーーー!」

次の瞬間、息苦しさは消え、代わりに力がみなぎってきていた。

(この姿…この力…)

「これが勇者の切り札…満開!」

 

ーーーちひろsideーーー

う…確かさっき…合体バーテックスの水圧レーザーに…

「ふ、風…さん…?」

上空を見ると風さんを水球が包み込んでいた。

(やばい!このままだったら…風さんが…!)

「やるしかない…まんか…」

 

『神官さんの…お子さんかな?初めまして〜乃木園子っていいま〜す。』

 

(ダメだ…できない…また…忘れられたくない…!私は何も救えな…)

その瞬間、風さんのところに一輪の花が咲いた。

光の主は無論風さん。

そして、風さんが合体バーテックスを体当たりだけで後方に倒していた。

(すごい…じゃない…)

「あ…ああ…」

そんな…あれは…

「あれは…満開…間に合わなかった…伝えられなった…」

(そんな…風さん…)

さらに奥の方にも一輪の花が…

「東郷さん…すごい…!」

「もう…許さない。我敵軍に総攻撃を実施す!」

(ぁあ、東郷さんまで…)

ビュオオオオン

東郷さんの戦艦から放たれたレーザーは魚座を一撃で仕留め、御霊を出現させる。

「この程度の敵なら、封印の必要もないみたいね。」

ズバァン

御霊は消滅した。

「いつ見ても妙な散り方…。!こいつ!神樹様に近い!どうして今まで気づかなかった!?素早い!このままでは…!」

(双子座…!あのときと同じ…!)

そしてもう一つ、花が咲き誇る。

「私たちの日常を、壊させない。」

(樹ちゃんまで…)

そっちに行くなぁーーーーー!!」

樹ちゃんが放った糸の数は通常の5倍はあった。あっという間に双子座をからめとり、すぐ近くまで引き寄せる。

そして…

「おしおき!」

御霊ごと細切れにした。

(止められなかった…みんな…どこかを失っちゃう…私なんか…勇者じゃ…)

「くっ!」

「お姉ちゃん!」

(そうだ…まだ終わってない…あいつほどの強さならよほど傷ついてない限り封印も突破される…満開も時間は有限…守るんだ…私が!みんなを!)

「満開!」

そして私の下に小型飛行機、ビットレイフェニックスと…通常の比じゃないソードビットが現れた。

「もう!迷わない!お前を!倒す!」

ズバズバン!

モードノーマルとブレイド、シールドを同時発動し、攻撃を防ぎつつ、合体バーテックスを切り刻む。

普通ならモードの同時発動など不可能だがビットレイフェニックスから追加されたソードビットがあればそれも可能。

「ちひろ!レーザー食らって吹っ飛んでったときはヒヤヒヤしたわよ!?」

「心配かけました!このまま封印の儀に行きましょう!モードグングニル!」

オートクレールとデュランダル、ビットレイフェニックスを接続し、一つの大剣にする。

 

だが合体バーテックスは火球を集中させ巨大な火球を作り出す。

「ちょ!?何ですかあの元気っぽい球!?」

「私が!止める!」

そう言って風さんが大剣を出し火球を止める。

「大人しくしろ!」

「遅れました!」

「封印開始です!ちひろちゃん!すごかったよ!」

「止めてみせる!樹ちゃんもすごかったよ!」

ベロン

「え?」

「嘘…」

だがその御霊は…宇宙空間に到達するほど…巨大だった。

 

 

 

 

(数字の減りも早い!こんなの…倒しようが…)

ボガァン

「「風さん(お姉ちゃん)!!」」

「そいつを止めろぉーーー!!」

火球の消滅とともに風さんが遠くに吹き飛ばされてしまう。

おまけに御霊の一番下でさえかなり空高くの場所…

(風さんのためにも倒さなきゃいけないのに…)

「大丈夫だよ!御霊なんだから今まで通りにやればいいだけだよ!」

「友奈ちゃん乗って!今の私ならあそこまでいけると思う。」

「うん!わかった!」

「なら私たちは!」

「封印を続けましょう!」

「友奈さんと東郷さんがアレを破壊するまで!」

 

ーーー友奈sideーーー

「東郷さん!大丈夫!?」

「ええ、友奈ちゃん!行って!」

東郷さんは合体バーテックスの御霊の攻撃を防ぐことと満開の長時間発動でかなり体力を消耗してるみたいです。

「うん!絶対倒してくる!」

(私のゲージも溜まってる!みんなで帰るんだ!守るんだ!)

「満開!」

宇宙に一輪の花が咲き誇る。

「みんなを守って私は…勇者になあーーーる!!!」

東郷さんが最後に援護射撃で傷をつけてくれる。

「そこだーーー!」

ドガァン!

傷をどんどん殴り続けるが…

(回復が早い!)

御霊の修復スピードが上をいき、傷は完全に塞がってしまいました。

(でも!みんなが下で頑張ってるんだ!負けてたまるか!)

「勇者部五箇条!ひとーつ!」

ビキッ!

「なるべくー諦めなーい!」

ビキビキッ!

「さらにもうひとーつ!」

バキバキバキバキッ!

「成せば大抵ーーーーなんとかなーーーーる!!!!」

バリン!

その言葉とともに放たれた拳を最後に御霊は砂になり、消滅していきます。

満開もとけ、ゆっくり下に落ちていきます。

そんな私を受け止めてくれたのは…

「友奈ちゃん…お疲れ様…」

「えへへ…おいしいとこだけもらっちゃった…」

「最後の力でこれだけ残したけど…持つかどうか…」

「大丈夫…神樹様が守ってくれるよ…」

「そうね…」

私と東郷さんをアサガオの花弁が包み込みます。

(一人なら怖くても、東郷さんと一緒なら、怖くないから。どうか神樹様、二人とも無事に…返してください…)

 

 

 

 

ーーーちひろsideーーー

(目の前のバーテックスが砂になったってことは…)

「友奈と東郷がやったのね!」

「友奈さんも東郷さんもよかった!」

「ふぅ…」

(さっきの空の様子からして友奈さんも満開を使った。使ってないのは夏凜さんだけ。これで充分だ。変な欲を出さずにあんな化け物を倒せたことを喜ぼ…ん?)

なにかの音が微かに聞こえた気がするのでソードビットを組み合わせて簡易望遠鏡をつくり、のぞいてみる。

ちょうど合体バーテックスがいた辺りの空からアサガオらしきものが落ちてきてるのが確認できた。

(アサガオってことは…まずい!)

「二人とも大変!友奈さんと東郷さん、このままじゃ地面に激突して死んじゃう!」

「「ええ!?」」

「今ちょうど合体バーテックスがいた辺りめがけて落ちてきてる!多分東郷さんの満開が途中でとけて、なんとか残したアサガオで落ちてきてる感じだと思う!」

「なっ…私の武器じゃ受け止めるのは…」

「夏凜さん任せてください!絶対に止めます!」

「私もシールドで手伝うよ!樹ちゃん!」

(今度こそ守りきってみせる!)

バツン

バリン

バツバツン

バリバリン

私のシールドと樹ちゃんの糸、二つの満開で止めようとするが止まる気配は見えず、ついに地面のすぐそこまで迫っていた。

(もう、守れないのは嫌なんだ!)

「残りの糸全て!」

「モードフルビッグシールド!」

「「とまれーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」

ストッ

アサガオはスピードをなくし、地面に着地、中にいた友奈さんと東郷さんを残し、消えました。

(よ…かった…ギリギリ…止まった…)

「見た!?樹!ちひろ!あんたらが止めたのよ!守ったのよ!」

「夏凜さん…行ってあげて…ください…」

「私たちは…大丈夫ですから…」

「ええ!」

ダダダッ

「お姉ちゃん…私…頑張ったよ…ちょっと…疲れちゃった…」ドサッ

(樹ちゃん…!私も…もう…意識が…)バタッ

そこで私の意識は途切れた。

 

ーーー???sideーーー

「あいつが消えてく!やったのか!?」

「チッ!せっかく今回で終わらせようと思ってたのに…ま、撤収としますかね…!」

「あ!待ちやがれ!」

「アンタも覚えておきなさいよ!アンタさえいなければ勇者どもを殺し、世界を終わらせれたんだから!」

(あーあ、行っちゃった…勇者たち、さすがだね…)

ーーー夏凜sideーーー

「東郷ー!友奈ー!!」

返事はない。二人とも互いの手を握りあって目を閉じていた。

「そんな…」

みんな動かない。視界が潤んでいる。

私以外みんな死んで…

「だい…じょうぶ…だよ…夏凜…ちゃん…」

「友奈!」

「…私も…」

「東郷!」

「はーい…なんとか生きてまーす…」

「コホッ!」

「うっさいな〜…にぼっしーは〜…」

「風!樹!ちひろ!よかった…みんなが無事で…」

気付けばいつのまにか樹海も消えていた。

プルプルプル

「はい、こちら三好夏凜!負傷者5名!今すぐ霊的治療班を!尚今回の戦闘でバーテックスは全て殲滅しました!私たち讃州中学勇者部が!」

 




どうしよう…連投しすぎもよくない気もする…(優柔不断)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。