ーーーちひろsideーーー
私たちはあの決戦のあと、検査のため病院を訪れていた。
で、私は検査が終わったので今待合室に向かっている。
代償は昨日のうちにわかった。
嗅覚である。
(この世で一番役立たないとこだからって忘れ去られたばっかの頃の私なら思ってただろうな〜。今は他の人にいってて欲しかったけど…みんな自分で歩いていたから四肢は無事だろうけどな…)
「で、到着!ってもう夏凜さんいるし!?」
「残念だったわね!で、どうだったの?検査の結果。」
「特に異常は見つかりませんでしたけど。」
「よかった〜!」ボソッ
「オーイ、ホンネガモレテルゾイ!」
「な、ななななな!?」
「イッチバンのり!ってもう夏凜とちひろいるし!?」
「ちひろと似たような反応してんわねアンタ…」
「心外です…」
「その顔で言われると嘘に思えないからやめて?」
(まさか風さんと同じにされてしまう日が来るとは…最悪だ…って、ん???)
「いや、その左目どうしたんですか?」
「あ、ほんとね。どうしたの?」
「ふっふっふっ、この目は魔王との戦いで…」
「夏凜さん、中二病こじらせてますよこの人。」
「ちひろ、さっきは一緒にして悪かったわ。」
「ひどーーー!!」
「じゃさっさと本当のこと話してください♪」
「それあかんやつ…戦いの疲れで一時的に見えなくなってるだけだって。」
「あ、そう。」
「反応薄くない!?そっちから聞いてきてきたくせに!?」
(そっか…風さんは左目か…四肢に比べてだと…マシ…なのかな…私はこの事態を招いた張本人…私が…背負わなくては…いけないんだ…!)
「キッチシ血抜かれちゃいましたー!って風先輩その目どうしたんですか!?」
「ああ、これ?魔王との戦いで…」
「左目の視力が落ちてるんですって。」
「ちょ、夏凜!まだセリフ言い終わってないのに〜!!」
「それってもしかしてバーテックスのせいで…?」
「そういうことじゃなくて、かくかくじかじか…」
「疲れてただけか…よかった…」
そのあとに樹ちゃんが東郷さんの車イスを押して来ました。
「友奈ちゃん!大丈夫だった!?」
「東郷さん!全然大丈夫だったよ!東郷さんは?」
「私も。」
「「樹(ちゃん)!!大丈夫だった!?」」
コクコク
「あ、樹ちゃん、疲れで声が出ないらしいです。」
(えっ…)
「私の目と同じってわけね。」
(声…私の…せい…で…)
「そうだ!祝勝会しましょうよ!円陣のときに言ってたじゃないですか!」
「ああ、そういえばね。ま、出れないからうどんは無理だけどいいかしら?」
「構わないと思います。」
「私もよ。お菓子買いに行きましょう。」
お菓子を買いに行く。
(友奈さんと東郷さんは見た目じゃわからないものだ…みんな…私のせいで…
「みんなよくやった! アタシ達勇者部の大勝利を祝ってー、カンパーイ!」
「「「「カンパーイ!」」」」
祝勝会も身が入らなかった。
そしてお菓子を食べたときの友奈さんの反応からして多分味覚を失っている。
(なんで私が…一番罪深い私が…一番軽いんだ…)
ーーーパーティー終了後ーーー
ーーー友奈sideーーー
パーティーも終わり今東郷さんを部屋に送ってってる途中です!
「友奈ちゃん?」
「あ、ごめんね東郷さん。なに?」
「体、どこかおかしいところない?」
(やっぱりすごいな、東郷さんは。なんでもお見通しみたい。)
「さっきジュース飲んでたとき、様子おかしかったから。」
「東郷さん鋭いなー。でも大したことないから。」
「話して。」
「...味、感じなかったんだ。ジュース飲んでも。お菓子食べても。」
それを聞くと、東郷さんは悲しそうな表情をする。
「大丈夫!すぐ治るよ!風先輩や樹ちゃんと同じじゃないかな?でもお菓子の味分からないなんて人生の半分は損だなー。」
「そうね。友奈ちゃんらしいわ。」
「えへへ!」