ーーー翌日ーーー
ーーーちひろsideーーー
「バーテックスに生き残りがいて、戦いは延長戦に突入した。まとめるとそういうこと。」
「ま、一体だけですけど。」
「ホント、いつもいきなりでごめん。」
「いいですよ、先輩もさっき知ったことじゃないですか。」
「東郷さんの言うとおりですよ、風先輩。」
「新月から10日以内だから割とすぐ来ますし、文化祭の準備でもしながら気楽にまちましょうよ。」
「ま、私たちは敵の一斉攻撃だって殲滅したん
だからどんとこい、でしょ!」
『勇者部五箇条 成せば大抵なんとかなる!』キュッキュッ
「多分双子座が元から2体で、もう一体残ってたーとかそういうオチですよ。」
「ありがとう、みんな。で、なんでちひろがそれを知ってるのよーーーーーーーー!?!?しかも私より詳しいじゃない!?」
「いやー、昨日母さんに久しぶりにメール送ったら返信で送ってきてくれまして…詳しく聞いたら、ってことです。母さん歴代最高レベルの巫女だったらしくて、他の巫女に言われたのを盗み聞きして神樹様に聞いたらしいです。だから神託もらった人より詳しいかと。」
「神樹様に聞き返すとか対話なんて聞いたことないわよ…さすが上里家ね…」
「よーし、バーテックス!いつでもこーい!勇者部が返り討ちにしてやるわー!」
ーーー2学期ーーー
「結城友奈!入りまーす!」
「こんにちわ。」
「ウィース!」
「ん。」
「『ウィースです。』」キュッキュッ
「いやー、こんなに眼帯が似合うとはね…」
「私と樹ちゃんに感謝してほしいです。」
「言われなくても感謝してるわよ!」
(もう一回来たってことは精霊が追加されてんのかな…?私はそれ以前に渡さなくても追加されてるんだけど。っておい!?ちょっと頭で考えてる間にみんなの精霊揃い踏みしてるし!?)
「アン!」
「なに?コマ。…あんたたちも出たいの?あんまりはしゃぎすぎないでよ?」
ポンポンポンポンポンポンポン
「わっ!?ちひろちゃんのも出た〜!?」
「賑やかになるのはいいけどこうも多いとちょっとした百鬼夜行ね…」
「もうこれで文化祭の発表よくないですか!」
「良くないわ。」
「良くないです。」
「ですよね〜」
「あんたたち…」
見ると木霊が夏凜さんの頭の上で嬉しそうに跳ねてる。
(おもろ!)
「東郷みたいに自分の精霊の管理くらいキチッとしなさいよ…!って義輝ーー!!」
今回は牛鬼じゃなくてタッツーが食ってる!?
「こら!タッツー!ダメでしょ!噛み付くなら夏凜さんにしなさい!」
「いやなに言ってんのあんた!?」
「りゅ〜!」
ガブッ
「ほんとに噛むなーーー!」
ーーー数分後ーーー
「やっと戻ったわね…」
『敵…いつ来るかな…ドキドキ。』キュッキュッ
「もう新月から5日…来週辺りが危ないとおもうわ。」
「私は今日来ると思うけど。」
「実は敵の襲来は気のせい! …とかだったらいいんだけどねー。あの諸葛孔明だって負け戦はあるし。弘法も筆の誤り。神樹様も予知のミスくらい・・・。」
ブーブーブー
「これは…樹海化警報!久しぶりの樹海化ですよー!」
「やった!当たったよ!樹ちゃん!」
『よかったね!ちひろちゃん!』キュッキュッ
「風が変なこと言うからね。神樹様からのツッコミよ。これは。」
「あんただってはずしてるじゃない!」
「くっだらない話してる間に敵来ますよー!」
ーーー樹海ーーー
「やっぱり双子座!予想完全的中!イェーイ!」
トントン
「ありがとう!樹ちゃん!」
「今回で延長戦も終わり!ゲームセットにしましょう!」
「そうね、絶対逃がさないわ!」
「行きましょう!」
「うん!」
「はい!」
「よーし、じゃ、またアレ、やろうか。」
「ふん、ほんと好きね、そういうの。」
「そう言いながら準備してる辺り、まんざらでもないんでしょうけど。」
「敵さんをきっちり昇天させてあげましょう! 勇者部、ファイトー!」
「「「「おー!!!」」」」
ドドドドド
「あの変質者、樹倒さなかったっけ?」
「双子座の2体それぞれ姿異なってたら双子じゃないじゃないですか…」
「どっちにしろ、やることは同じよ!」
「そうだね夏凜ちゃん!止めましょう!」
(あれ、みんなのテンションが…満開のせいだ…私が…私のせいで…)
「問題ないわ!なら私が!」
「あの走ってるのを倒せば生き残りも片付くんですよね?」
「う、うん。」
「だったらとっとと終わらせて劇の話しましょう!」
そう言って友奈さんが跳躍する。
「私も!」
「友奈!夏凜!」
「じゃ、ちょっくら私も行ってきますわ。」
「ちひろ!」
(原因の私が…頑張らない訳には…いかないから…)
「ここは私に任せなさいっての!」
「でも…」
「嫌ですけど?」
「…って言っても聞かないだろうし一緒にやるわよ!」
「わかってるじゃないですか!」
「うん、夏凜ちゃん!ちひろちゃん!」
「「「おりゃあーーー!!!」」」
ドガァン
私たちの同時攻撃で双子座は派手にすっ転ぶ。
さらに…
ドスドス
「3人とも!ありがとう!」
風さんの投げた小刀が双子座に刺さる。
ついには…
バシュン
東郷さんの狙撃が双子座の頭を吹き飛ばす。
(ひでぇ…)
「封印の儀、いきましょう!」
「殲滅開始!」
「バーテックス!」
「大人しくしなさーい!」
ベロン
ボロボロボロ
「なにこの数ー!」
(多っ!?蠍座の比じゃない!?でも数ならタッツーのウイングでまとめて切り裂く!)
「トドメは私がもらうわ!」
「夏凜!やめなさい!部長命令よ!」
「甘い甘い!私は助っ人で来てるのよ、好きにやらせてもらうわ!」
そんな言い合いしてる間に周りの御霊から渦巻くように切り裂いていく。
「ちひろ!あんたもこっそりやらない!」
「はあああー!」
「「っ!?」」
「勇者ーキーック!」
ボワアア
サラサラサラ
「ふう、なにもなかった…うん、なせば何とかなる!だね、やっぱり!」
「ぶぅ〜あと半分とられた〜」
「!ごめんね!ちひろちゃん!」
「二人とも!なんで勝手に…」
(他の人を巻き込まないため、これ以上…失わせないため…なんて言えるわけないからー。)
確認すると友奈さんは3つ、私は…
(ま、2回分元から溜まってたしね。)
7つ溜まってる。(左肩に2つね。)
「「っ…!」」
「っ!」
「ご、ごめんなさい!新しい精霊の力、早く使いたくてつい…」
「友奈ちゃん…体は平気?」
「うん!元気そのものだよ!」
「ちひろ…ゲージが…」
トントンペシペシ
「あ、これ決戦のときからですよ。」
「…なんだ〜!ヒヤヒヤしたわよ!」
パパンチョンチョン
「ありがとう、樹ちゃん。」
「みんなにケガがなくてよかったよ!」
「友奈ちゃん…」
ーーー屋上ーーー
ーーー樹sideーーー
(友奈さんの言う通りケガなく終わってよかったです。)
『早く帰ってスメブラや…あれ?ちひろちゃんは?』キュッキュッ
ちひろちゃんがなぜかいません…
「ほんとね…ちひろー!どこー!」
「よく見たら友奈と東郷もいないわよ!?」
(ちひろちゃん…どこにいるの…?)
ーーーちひろsideーーー
(あれ、ここは…瀬戸大橋…?なんで…ここに…?)
「戻った、けど…」
「どこだろう?屋上じゃないよね?みんなは?」
「見たところ、私と東郷さん、友奈さんだけですね…」
「あ、大橋。」
「わぁ!本当だ!とすると結構遠くに来ちゃったよね…」
(それにここは…2年前のお役目が終わったときに来てたところに近いような…?)
「あれ?電波入ってない。」
「えっ?…私の改造版でもダメ…」
(?そんなはずは…てかさらっと改造版って言ったし!?)
「待ってたよ〜わっしー。会いたかった。」
(えっ?この…声…は…)
「「えっ!?」」
後ろを振り返ると…ベッドに寝て、全身に包帯を巻いている少女、園姉がいた。
「ようやく、呼び出しに成功したよ。わっしー。」
(嘘…園姉…!)
「え?え?わっしー?わし?っていうかなんでこんなところにベッドがドーンと?」
「あなたが戦ってるのを感じて、ずっと呼んでたんだよ。」
「えっと…東郷さんの知り合い?」
「…いや、初対面よ…」
私は…言葉を失っていた。
「はー…あはは、わっしーっていうのはね、私の大切な友達の名前なんだ〜」
(ほんわかした感じじゃない…悲しい感じ…園姉…ごめん…止められなかったよ…)
「いつもその子のことを考えていてね〜、つい口に出ちゃうんだ〜、ごめんね。」
「あの〜、あなたが私たちを呼んだんですか…?」
「うん。その祠。」
「これ、うちの学校にも…」
「うん、同じね…」
「バーテックスとの戦いが終わったなら、その祠を使って呼べると思って。」
「「っ!」」
バーテックスのことを知っていることに驚き、友奈さんと東郷さんは顔を見合わせる。」
「バーテックスのことを…知ってるんですか?」
「一応、あなたの先輩ってことになるのかな? 私、乃木園子っていうんだよ。」
(ここだったら乃木園子で〜す、って言うよね…園姉は…)
「讃州中学、結城友奈です。」
「東郷美森です。」
「上里…ちひろです…」
かろうじて返事をする。
「友奈ちゃんと美森ちゃん、ちひろちゃん、か…」
「先輩というのは、乃木さんも…?」
・・
「うん、私も勇者として戦ってたんだ。三人のお友達と一緒に、えいえいおー!、ってね。」
(…!)
「今はこんなになっちゃったけどね…」
「バーテックスが…先輩を…こんな目に…?」
「ああ、うーんとね、敵じゃないよ。私、これでもそこそこ強かったんだから。えっと…あ、そうだ、友奈ちゃんは満開、したんだよね?」
「え?」
「わーって咲いて、わーって強くなるやつ。」
「あ、はい。わーって強くなりました。」
「私もしました。」
「私も…です…」
「そっか…咲き誇った花はそのあとどうなると思う?」
「え…?」
「満開の後には、隠された機能が発動する。「散華」っていうね。」
「散華…華が散ると書いて…散華…」
「満開のあと、体のどこかが不自由にならなかった?」
「っ!!」
「え…?それって…」
「それが散華。人間が神の力をふるった代償。
「華一つ咲けば一つ散る。華二つ咲けば二つ散る。そのかわり、勇者は決して死ぬことはないんだよ。」
「死なない…?」
「で、でも!死なないのはいいことなんじゃ…」
「そして、戦い続けて今みたいになっちゃったんだ。元々ぼーっとするのは得意だったけど、動けないのはキツいかな…?」
「…痛むんですか…?」
「痛みはないよ。敵にやられたものじゃないから。満開して、戦い続けてこうなっちゃっただけだから。 敵はちゃんと撃退したよ。じゃないと今がないもんね。」
「満開して戦い続けた…」
「つまりその体は代償で…」
「うん。代償っていうより神樹様に供物として捧げた、って言う方があってるかもしれないけど。」
「「…っ!…」」
「ど、どうして…どうして私たちが…」
「いつの時代だって、神様に見初められて供物となったのは…無垢な少女だから。穢れなき身だからこそ、大いなる力を宿せる。そういうことらしいよ。でも、その代償として身体の一部を供物として神樹様に捧げていく。それが勇者システム。」
「私たちが…供物…?」
「大人や男性では神樹様の力を宿すことはできないから。私たちがやるしかないとはいえ…ひどい話だよね。」
「それじゃ、私たちはこれから身体の機能を失い続けて…」
「違うよ東郷さん!」
友奈さんが東郷さんに手を重ねる。
「もう、12体のバーテックスは倒したんだもん、大丈夫だよ!」
「友奈ちゃん…」
「倒したのはすごいよね…私たちのときは追い返すので精一杯だったから。」
「ですよね!だからもう戦わなくていいはずですから!」
「…そうだといいね…」
(そんな…ことは…ないですよ…園姉が星屑すらほぼ全滅させても…たった2年で来た…次来るのに…半年もかからないはず…)
「そ、それで、失って部分はこのままなんですか?みんなは治らないんですか?」
「…あなたは本当に優しいね…自分より友達の心配をしてるんだもん…治りたいよね…私も治りたいよ…立って…歩いて…友達を抱きしめに行きたいよ…」
「友奈ちゃん!」
大赦の神官どもがたくさん来る。
「大赦の人たち…?」
「傷つけたら許さないよ。」
バッ
「私が呼んだ大切なお客様だから。あれだけ言ったのに全然会わせてくれないんだもん。だから無理矢理呼んじゃった。」
ザッ
神官が一斉に頭を下げる。
「私は今や半分神様だからね。崇められちゃってるんだ。大丈夫。あなたたちも丁寧に街に送ってもらうから。悲しませてごめんね。大赦の人たちも、このシステムを隠すのは一つの思いやりでもあると思うんだよ。これを怖がって使えなくて、神樹様が死んじゃったらその人は自分のことを恨むかもーっていう。」
(違う…園姉も知ってる…こいつらは私たち個人のことはなんも思ってないって…世界全体の、神樹様のことしか考えてないって…でも友奈さんや須美さんがこれ以上傷つかないように…してるんだ…)
「でも…!私は…言って欲しかったから…わかってたらもっと…友達と…たくさん遊んで…だから…伝えておきたくて…」
(私のせいで…私は…園姉の願いすら…叶えられない…みんな…私のせいで…!)
キュッキュッ
東郷さんは車イスを動かし、園姉の隣に行くと…
涙を拭いてあげていた。
「ふふっ、そのリボン、似合ってるね。」
「このリボンは…とても大事なものなの…ごめんなさい…それだけしか覚えてなくて…」
「…仕方がないよ。」
友奈さんが声を上げる。
「方法は!?このシステムを変える方法はないんですか!」
「神樹様の力を使えるのは勇者だけ。そしてその勇者になれるのは、ごくごく一部。私たちだけなんだよ…」
「っ!」
「彼女たちを街に返してあげて。」
「いつでも待ってるよ。大丈夫。こうして会った以上、もう大赦側もあなたの存在をあやふやにはしないだろうから。」
「…っ!」
(まだ残らなくちゃ…どうしても、確かめることが!)
「東郷さん、友奈さん、先のって帰っててください。」
「えっ!?でもちひろちゃんは!?」
「私はせっかく近くまで来たので家寄ってから帰ります。」
「そっか…わかった!」
ーーー車の中ーーー
ーーー友奈sideーーー
(東郷さん…すごい落ち込んでる…不安なんだ…きっと…そうだ!)
東郷さんの肩に手をまわし、抱きしめてあげる。
「友奈ちゃん…」
「勇者部五箇条、なるべく諦めない。」
「っ…!友奈ちゃん…!」
「東郷さん、大丈夫だよ、私がずっと一緒にいるから。なんとかする方法、見つけてみせるから。」
ーーーちひろsideーーー
(よし…もういないね…)
「私が話すからいなくなってて。いいよね?」
ザッザッ
「これで邪魔はもうないですよ。」
「そうだね、ありがとう。ちひろちゃん、…いや、ちっひー。」
「!!もしかして…私のこと…」
「ごめんね、思い出せてはないんだ。散華でもちろん記憶とかも持ってかれたんだけど、二箇所だけ、残してるの。一つはわっしーやミノさんと過ごした1年の記憶。もう一つは…他となんの変わりもない日常。ずっと疑問に思ってたの。どうしてここの日常だけは持ってかれたくないって思ったのか。そしてなんでわっしーとともにあなたのこともいつも考えてたのか。今日会ってわかったよ。きっとあなたは私と小さい頃からずっと仲が良くて、あなた自身の散華で私や他の人から忘れられたんだって。私はそこからどう呼んでたか考えただけだよ。」
(やっぱりすごいな…園姉は…)
「全部当たってるよ、園姉。やっぱすごいな…」
「えへへ〜」
「じゃあ、帰るね…」
「待って!もっと話せば何か思い出せるかもしれないから!」
(優しいな…園姉は…でも…)
「ダメだよ…私は知ってるから…忘れた側が…忘れてるって…気付いたとき…そのあとに…どんだけつらいか…ここで話して…思い出せなかったら…園姉はつらくなっちゃうから…そうなってほしくないから!わたしがいたって…気付いてくれただけで…充分だから…」
「…うん、わかった。辛かったよね。」
「っ!」
「自分は知ってるのに…仲間が同じようになるのを止めれなくて…気が向いたら来ていいからね…あなたは私の大事な妹分だから。」
「っ!…うん…バイバイ…」
(本当に…ずるいよ…園姉は…)
ーーー翌日・木曜日ーーー
ーーー風sideーーー
私は今昨日消えていた友奈と東郷から話しを聞いていた。
「勇者は決して死なない?身体の一部を供物として捧げる?」
「はい。」
「満開のあと、私たちの身体はどこかしらおかしくなりました。まるで身体機能が欠損したような状態です。それが身体を供物として捧げる、ということだと乃木園子は言ってました。
事実、彼女の身体も…」
「じゃあ、私たちの身体はもう戻らないってこと…?その話、樹と夏凜には話した?あとちひろは?」
「ちひろちゃんはせっかくだから家に寄ってから帰るって。まずは風先輩に相談しようと東郷さんと決めてたので。」
「そう。じゃあまだ二人には話さないで。確かなことがわかるまで、変に心配させたくないから。ちひろには私から連絡しておくわ。」
「「はい、わかりました。」」
ーーー金曜日ーーー
ーーーちひろsideーーー
昨日は結局家にいて学校サボだちゃったからなぁ〜(学校には風邪と言ってある)
あと風さんから口止め命令も来た。
『ちひろちゃん!連絡来なかったから心配したよ!』キュッキュッ
「あ、樹ちゃん!ごめん!なんでか大橋市まで飛ばされてて…友奈さんと東郷さんは大赦が迎えに来た車で帰ったんだけど、せっかくだから家に寄ってってたら間に合わなくなって…」
『もう、今度からはちゃんと連絡してね?』キュッキュッ
「うん!もちろん!」
「樹ちゃん!今週の日曜日遊びに行かない?」
『日曜日用事があるから。』キュッキュッ
(私のせいだ。また…)
「そっか…じゃ、また今度ね!」
と、そこに風さんが。
「樹、遊びに誘われたんだったら行けばいいのに。」
『カラオケで歌うのが好きな人たちなんだ。私がいると気を使っていけないから。』キュッキュッ
(私のせいだで樹ちゃんは…友達と遊びに行くことすら…)
「ぁ…でも…」
「樹ちゃんのお姉さん?」
「えっと、樹たちの担任?」
『そうだよ。』キュッキュッ
「そうですね。」
「少しこのあとお時間いただいてもいいでしょうか?」
「大丈夫ですけど…」
トコトコトコ
(一体何を…?)
ーーー土曜日ーーー
ーーー樹sideーーー
『じゃ、行ってくるね!お姉ちゃん!』キュッキュッ
「うん、いってらっしゃい。」
今日はちひろちゃんと買い物♪
とお姉ちゃんにはいってあります。
でも、実際はそうではありません。
(ついた…ここだ。)
ピンポーン
『失礼します!』キュッキュッ
ーーー日曜日・夕方ーーー
ーーーちひろsideーーー
今は樹ちゃんが遊びに来ていた。
風さんは出かけてるらしい。
『やっぱりちひろちゃんはスメブラ強いね。』キュッキュッ
「まあね、樹ちゃんもうまいじゃん。」
『まあ、そうだけど…』キュッキュッ
ブーブーブー
「メールだよ?樹ちゃん。」
『ほんとだ。』
(内容は…ボーカリストオーディションの件で一次審査通過?)
「どういうこと?樹ちゃん。」
『あのね、実は1ヶ月くらい前、みんなに歌のテストを手伝ってもらったときから、歌うのが本当に楽しくて…歌手になりたいって思ったの。』
(えっ…?)
『だから、応募してみたんだけど、2次審査も歌わなきゃいけないから、回復の兆しがない今は無理かな…』
(樹ちゃんの…夢が…歌手…?でも…樹ちゃんの…声は…もう…戻らない…私のせいだ…私が…ワタシガ…イッテレバ…コンナコト二ハ…
イツキチャンガユメヲアケラメルコトニハ…!)
「ご…めん…」
「?」
「ごめんね…樹ちゃん…」
『ちひろちゃん?』
「私が…樹ちゃんの声が出なくなったのは…私のせいなの…!」
…大赦ってほんとにひどいと思うのよ