ーーーある日ーーー
ーーーちひろsideーーー
「うーん…」
「どうしたの?樹。そんな怖い顔して。」
「たしかに。園姉がなんかやらかした?」
「ひどいよちっひー〜」
「国防仮面…」
「?なにそれ?」
(どっかで聞いたような…)
「今巷で話題になっている謎のヒーローなんだけど…」
『国を守れと人が呼ぶ! 愛を守れと叫んでる!憂国の戦士、国防仮面見参!』
「なんか初めて感がしない…なんでだ…?」
「そうなんだよ…どっかで見たような…」
「あー、どこかで聞いたと思ったら…はあ…」ボソッ
「面白いよね〜!」
ーーー夜ーーー
ーーー樹sideーーー
「こっちにもないよ、お姉ちゃん。」
「うーん、困ったわねー!」
今私たちは公園にいます。
二人で足りなくなった醤油を買いに行ったところ、お姉ちゃんが鍵を落としてしまったのです。
そんなとき、
「あなた方が探している鍵はこれではないでしょうか!」
(この声って…)
「憂国の戦士、国防仮面見参!はい、どうぞ。」
「あ、ありがとう…」
「それではこれで!」
タッタッタッ
「いやー、いい人だったわね〜国防仮面。」
「そうだね、でもやっぱり違和感が残るような…」
「話聞いとけばよかったわ…」
ーーー翌日・昼ーーー
ーーー夏凜sideーーー
「ついてないわ…本当に…」
(まさかスーパーの煮干しがきれてるなんて…あの煮干し他だと本店にしかないのに…どうしましょう…)
「あなたが求めている煮干しはこれですね?」
「そうそうこれよこれ!って誰!?」
「憂国の戦士、国防仮面見参!」
(…東郷っぽいのは気のせいかしら。)
「…」
「わ、私はこれで…」
「はい、代金。さすがにそっちに払わせるわけにはいかないでしょ。」
「ありがとうございます!愛国心さえあれば私は何度でも現れるので!」
タッタッタッ
(ていうかあれ…東郷じゃない?)
「あ、夏凜!」
「夏凜さん!」
「風!樹!どうしたのよ、走ってきて。」
「今国防仮面いなかった?」
「いたけどそれがどうかしたの?」
「実は前会ったときに少し違和感を感じて…今度会ったら話聞こうって。」
(いや…あれ…)
「東郷じゃないの?」
「「あっ!」」
ーーー翌日ーーー
ーーーちひろsideーーー
なぜか勇者部は須美さんと友奈さん以外集められていた。
土曜日なのに。
「で、なぜ友奈さんと須美さん以外わざわざ休日に?」
「今日みんなに集まってもらったのは他でもない、国防仮面を捕まえるためよ!」
(なるほど…)
「国防仮面は東郷の可能性があるからね、もしそうならなんでか聞き出さないといけないのよ!樹!」
「うん、今までの国防仮面の出た時間を調べると基本的に夜、休日は昼も、って感じで出てます。」
「それにちひろはわからないと思うけど東郷最近よく教室で寝てるのよ。その理由が国防仮面やってるからって言うのだったら…」
「キツーく怒らないと。」
「風さんのキツーくなんて怖くないですけどね。」
「そしてこれは正式な依頼でもあるわ!」
(え?以外。てかスルーしやがったな!?)
「依頼人誰ですか? 」
「…友奈さんです。国防仮面さんとどうしてもお話ししたいそうで…」
(まじか。ていうか…)
「園姉ぼーっとしてない!」
「ほわっ!?小説のこと考えてた〜」
「園子らしいわね…」
「よーし!勇者部ファイトー!」
「おー!!」
ーーー風sideーーー
「とは言ったものの、讃州市のどこかに出るのを見つけろって言うのだから我ながら鬼だわ…」
現に別れて捜索開始してから1時間、誰からも見つけたという連絡はなかった。
(さて、どう見つけますか…)
「おー、そこの嬢ちゃん!今暇?」
(ん?なにこいつ。ナンパ?もうちょっと言葉選びなさいよね。)
「今ちょっと人探ししてるので…」
「そんなこと言わずにさぁ〜ちょっとでいいから〜」
(しつこいわねー。)
「しつこい男は嫌われますよ。では…」
ガシッ
「逃すかよ!」
(っ!?こいつ…力強すぎない…?)
「今日はたっぷり俺と遊ぼ…」
パシュン
どこかから飛んできたコルクはその男の指に当たる。
「いって!?」
「レディに手荒なことをするなんてね…憂国の戦士、国防仮面見参!」
(今だ!)
「ちひろ直伝手刀じゃあ!」
ゴーン
「ヘブシッ!」
チーン
(危なかった…って今の正確な射撃!間違いない!)
「ではこれで!」
ダダダダッ
「あ、待ちなさい!東郷ー!」
ーーー夏凜sideーーー
「なに!?国防仮面が出たですって!?」
「そうなのよ!ナンパされて捕まりかけたときに助けてくれて、あの射撃は間違いなく東郷よ!なんとしても捕まえるわ!」
「オッケー!園子、あんたもよ!」
「りょーかいでーす、にぼっしー。」
「にぼっしー言うな!」
スッ!
「ん?今誰か当たったような…ってあいつ!私のカバンがない!待ちなさい!」
(なんでこんな時になのよ!)
「待って〜にぼっしー!」
(園子は園子で早いわね!?)
「憂国の戦士、国防仮面見参!」
「国防仮面!?」
シュルルルル
ギチッ!
「確保!」
(手際いいわね…でも!)
「東郷!あんたも確保させてもらうわよ!」
「くっ!カバンはここに置いておきます!ではさらば!」
(カバン回収してすぐ追いつけばいいこと!私の方が東郷より早いんだから!)
「さてカバンを…ってカバンは!?」
「ふっふっふっ…にぼっしーのカバンはいただいたんだぜ〜!」
「園子!今は遊んでる場合じゃないでしょ!」
(ていうかいつのまに私より前行ってたのよ!?)
「私に追いつけたらいいんだぜ〜!」
「上等!」
ーーーちひろsideーーー
「ということだから東郷のことは任せたわよ!」
「了解です。ついでに全て終わったら園姉も締め上げるので。」
「ちひろちゃん怖いよ…」
「きゃー!誰か助けてー!」
「「!?」」
そこには女の人にナイフを突きつける男の姿があった。
「突きつけられそうの段階だったらどうにかできたのに…」
「できるんだ…」
「早く車を持ってこい!じゃなきゃこいつを殺すぞ!」
パシュン
カキンッ
「うあっ!誰だ!」
「憂国の戦士、国防仮面見参!」
「なんだとっ!?」
「樹ちゃん!ナイフを警察の人に!」
「ちひろちゃんは!?」
「あいつを投げる。」
「えっ!?」
ーーー樹sideーーー
「は、はい、これ…」
「ありがとうございます。」
警察の人にナイフを届けて後ろを見ると、
ちひろちゃんが相手の腕を掴んで向きをかえ、そのまま一本背負いしていました。
「グェッ!」
「ふぅ…警察さんどーぞ。」
「ご、ご協力、ありがとうございます。」
「ではこれで!」
ダダダッ
「あ、待ってください!」
ダダッ
必死に追いかけますが…
「嬢ちゃん、君では私には追いつけない。疲れるだけだよ。」
「たしかにそうです…でも、私はですけど。」
「!?まさか!?」
ガシッ
気付いたときにはもう遅く、ちひろちゃんが国防仮面の腕をガッシリ掴んでいました。
「くっ!?」
「こちらも依頼なんでね、キチンと来てもらいますよ、国防仮面、いや須美さん。」
ーーー部室ーーー
ーーーちひろsideーーー
「ヘルプー!誰かー!「袈裟固め!」ギャアアアア!」
「さて…何から聞けばいいのやら…」
「みんなー!国防仮面さん見つかったのー!?」
「っ!友奈さん!?」
「こないだは危ないところを助けていただいてありがとうございましたー!」
「そもそも友奈が会いたかった理由ってなんなの?」
「体落とし!」
「ヘブッ!」
「前に財布落としたときに一緒に探してくれたんだって。」
「そーなんだー…」
「握手してください!握手ー!」
「わ!は、はい!」
「大外刈り!」
「ガハッ!」
「友奈さんのはしゃぎっぷりすごいね…」
「そうね…」
「なんだか国防仮面さんってすごく話しやすいんだー!なんでだろう?」
「そりゃそうでしょ…」
「脳天落とし!」
「ピギャッ!」
「ねねっ、今日はどうして勇者部に?」
「だって…国防仮面が私だからよ!友奈ちゃん!」
「知ってるわよー…」
「そ、そんな!?国防仮面さんが東郷さんだったなんて!」
「マジなのね…」
「1枚瓦正拳!」
「ウギャッ!」
「…ってさっきからそこうっさい!」
「あ、ごめんなさい。園姉に鉄槌を下してたら…」
「キュ〜…」
「も、もう勘弁してあげて…」
「で、なんでこんなことを?」
「はい。体が元気になったら、居ても立ってもいられなくてしまって…」
「なにが?」
「私が壁を壊してしまったこと…一時の感情とは言え、世界を危機に陥れ入れてしまったのは事実で。それって許されないことだから…私、これからどうやって償えばいいのか…だから…何か罪滅ぼしが出来ないかって考えて…」
「それで国防仮面、ですか…」
「随分…極端…なったね…わっしー…」
「気持ちはわかるけど突っ走りすぎ。」
「すみません…」
「かっこいいな〜国防仮面!私もなりたいな〜!」
「えっ!?友奈ちゃんも…やってくれるの…?」
「ふっふ…実は実は、私もこう見えて…国防仮面2号なんよー!!」
「じゃじゃん! 私3号になる!」
「「イェーイ!イェーイ!」」
(また悪ノリして…)
「これ以上増やさないの!」
「園姉!」
ゴーン
「ギィヤアア…」
「全く…夏凜辺りが真似して煮干し仮面とか現れたらどうすんのよ!」
「真似しないわよ!」
「東郷さん!」
「っ…!」
「皆のために頑張りたい気持ちは私たちも同じだよ!」
「そうだよ、わっしー。何かあったら私たちを頼っていいんだぜ〜!」
「友奈ちゃん…そのっち…」
(全く…須美さんは…)
「一人で溜め込みすぎなんですよ、須美さんは。私が言えることじゃないですけど。」
「ま、そういうことよ、東郷。」
「みなさんの言う通りです。」
「勇者部五箇条、悩んだら相談、ね!」
「みんな…ありがとう!」
「ま、園姉は処すけどね♪」
「オーマイゴッドファーザー!逃げるのだ〜!!」
「逃・が・さ・な・い・よ♪」
ガシッ
「いやぁぁぁ!お助けをーーー!」
「一本背負い!」
「ヘブシッ!」
「「「「「アハハ…」」」」」
あ、ちひろがこんなにスペック高いのは父さんから色々教えてもらってたからです。ちひろの父さん人間国宝とまで言われた逸材なので…
…もっとすごい人がいるんですが(ボソッ)