上里ちひろは勇者である   作:☆ここな☆

43 / 93
わすゆ組のお泊まり会

ーーー東郷sideーーー

今私はちひろ家の扉の前にいる。

なぜかというと…

 

ーーー数日前ーーー

「へいへいわっしー、園子だぜ〜」

「どうしたの?そのっち。」

「そういえばせっかく再開したのにお泊りとかしてないじゃん?」

「ええ。」

(そういうことね。)

「だから、うちらんちに泊まりに来て欲しいんよ!」

「いつにする?翌日に学校がある日はダメよ?友奈ちゃん起こさないといけないから。」

「じゃあ金曜日とかはどうなんだぜ〜?」

「ええ、そうしましょう。」

(あれ?ところで…)

「ちひろちゃんには言ったの?」

「…ま、まだなんだぜ〜…」

(やっぱり…)

「早く言わないと怒られるわよ。」

「今行ってくる〜!!」

(え!?今は…)

「こら!乃木さん、勝手に立たない!」

「はぁ〜い、しょぼ〜ん…」

 

ーーー現在ーーー

(3人では久しぶりね…)

ピンポーン

「はーい、あ、須美さん、どうぞ。」

「ええ、お邪魔するわ。」

「ちっひー!わっしー来たー?」

「来たよ園姉。」

「そのっち、お邪魔してるわ。」

「どーぞどーぞなんだぜ〜!」

 

ーーーリビングーーー

「ぼた餅持って来たけど食べる?」

「おー!!食べる食べる〜!!」

「須美さんいつからぼた餅得意になったんですか…本当に…」

(そんなの一つしかない…)

「友奈ちゃんの笑顔が見たくて…」

「わっしー変わったね〜」

「私もそう思います…」

「そうかしら?」

(変わった自覚がないけど…二人が言うなら変わったのかもね。)

「変わったって言ったらちっひーもね〜」

「え?」

(たしかに…)

「変わったわね。」

「そうですかね?」

「変わったよ〜前はゆーゆに似た性格だったのに〜こんなクールになっちゃって〜!」

「前は人のことをイジるなんてことはできなかったと思うわ。」

「誰かさん方が忘れていたからだと思いますけど?」

「「うっ!!」」

「ちっひー、根に持つタイプだったっけ…」

「やっぱり変わったわ…」

「褒め言葉として受け取っときます。」

(そんなこと言いながら夕食の準備している辺り、しっかりしてるわね。)

2年もの間に私の知る小5の少女はこの中では最もしっかりとした少女へと成長していた。

「ふふっ、ほんとに成長したわね。」

「あ、ありがとうございます。」

「あ、ちっひーちょっと照れてる〜」

「べ、べつに照れてないよ!」

「か〜わ〜い〜い〜!!」

「照れてないから!」

「あ、手刀はダメ…ぎゃああ!!」

(本当に仲がいいわね…)

「ふふっ。」

「あ、ごはんできました。」

「わかったわ。」

「オッケ〜だい!」

「せっかくなので焼きそばを作ってみました。」

(焼きそば…銀の…)

「ミノさん…」

「銀…」

「のけものにしたら化けて出てきそうなので。」

(ふふっ…)

「たしかにそうかもね。」

「化けてなくても出てくるんじゃないかな〜?」

「こんな賑やかだったらでてくるかもね。」

「銀さん明るいの好きですしね。」

「「「あはは。」」」

(そういえば…)

「祭りのときに当てたキーホルダーってまだ持ってる?」

「もちろん〜!」

「私も持ってます。銀さんの分は墓に届けておきました。」

「さすがちっひー!」

「頼りになるわ。樹ちゃんもしっかりしてるし、勇者部の未来は安泰ね。」

「みなさんがいなくなったあとも続くよう、二人で頑張ります。」

「おお〜心強い〜!」

「いただきますしましょう。早く食べないと冷めちゃう。」

「「「いただきます。」」」

「はむ。さすがちっひー!!」

(うん、これは…)

「絶品ね、腕上げた?」

「伊達に一人暮らししてませんから。」

「でも私まだちっひーの焼きそば食べたことなかったよ〜また作って〜!」

「もちろんだよ、園姉。」

「今度お菓子代わりに頼もうかしら。」

「それ友奈さん悲しみますよ?」

「ならやめるわ。」

「わっしーはゆーゆ第一だもんね〜」

「友奈ちゃんに救われたからね。」

「なら私は樹ちゃんに。」

「ちっひー、いっつんとベタベタしてない〜」

(それって私と友奈ちゃんがベタベタしてるってことかしら?)

「そこまでやるのはちょっと…」

「私と友奈ちゃんベタベタしてるかしら?」

「はい。」

「すっごいしてる〜小説のいいネタになるんよ〜!!」

(そんな…)

「自覚してなかったわ…」

「そこはしときましょうよ…」

「かわいい〜」

(あら?ところで…)

「焼きそば一人前にしては少なくないかしら?半人前くらいと思うのだけれど。」

「あ〜言われてみれば〜」

「それはこれのためです。」

そう言って出されたのは見たこともないうどん。

「なにかしら?これ。」

「焼きうどんっていうらしいです。園姉が実家の倉庫からレシピを見つけてきました。」

「どや〜褒めて褒めて〜!」

(そういえば前帰ってたわね…そのときか…)

「すごいおいしいわ、ありがとね、二人とも。」

「わ〜い、褒められた〜!!」

「ありがとうございます。」

ピピピ

「お風呂わきましたね。」

「誰から入る〜?」

「好きな方からいいわよ。」

「須美さんどうぞ。」

「わっしーいいよ〜」

「え、ええ…」

 

ーー全員が風呂から上がったあとーーー

「じゃ、なんの話する〜?」

(そんなの一つしかないじゃない…)

「そのときも…」

「怖い話はやめましょうよ…」

「えっ!?」

「以外って顔されても…これで園姉が急に抱きついてきたら寝れなくなるし…」

「私抱きつかないよ〜?」

「そ、そうなのね…わかったわ…」

「お願いします。」

「あれ〜スルーしないで〜?」

「でもそしたらなんの話する?」

「思い出共有しません?」

「スルーだ〜ガーン…」

(あ…そのっちスルーしちゃってた!?)

「ごめんねそのっち…うっかりしてた…」

「別にいいのに須美さん…すぐ復活しますし…」

「わっしー、心配してくれてハッピーなんだぜ〜!」

「ほら言いましたよね…」

「ほんとね…」

 

ーーー真夜中ーーー

ーーーちひろsideーーー

「スピ〜スピ〜♪」

(眠れないな…なんでだろう…)

「ちひろちゃん起きてる?」

「…はい。須美さんも眠れないんですか?」

「…ええ。銀のことを考えると、ね…」

(私も無意識に考えてたのかな…)

「私は…なんとなく、眠れなくて…多分無意識に考えてたんだと思います。」

「…ごめんね。ちひろちゃん。」

「どうしてですか?急に。」

「私が壁を壊したとき…私、ひどいことを…」

 

『何も知らないあなたに…何がわかるの!思い出を、大切な友達を忘れてしまうことが!どれだけつらいか!』

『忘れる苦しみは知らなくても!忘れられる苦しみは知ってますよ!』

『そんなわけないでしょ!この戦いが初めてのあなたは!』

 

 

『でも!あなたはみんなにそのことを言わなかった!所詮あなたも大赦と同…』

 

(…)

「ちひろちゃんも…被害者だったのに…誰よりも苦しんでたはずなのに…」

「…気にしないでください。元はといえば最初からいえばよかった話、私に非があるので。」

「だとしても私の言葉はあなたを傷つけたはず…」

「過ぎたことは忘れましょうよ。今世界があるのは須美さんが一人であそこまで抑えてたからです。みなさんも気にしてる人は誰もいませんよ。」

「…ありがとう。そうね、前向きに行かないと。」

「…結局お互い自分一人で溜め込んだ結果、状況悪化してますし、悩んだら相談、ですね。」

「…ええ。そうね。ありがとう。もう寝ましょう?」

「はい…ふぁああ…」

「銀…どこかで見ててくれてるかしら…」

「あの人のことです。きっと見て羨ましがってますよ。」

 

ーーー翌日ーーー

「すっごいよく眠れたんよー!!」

「須美さん寝れました?」

「ええ。ちひろちゃんは?」

「こっちもです。」

「ふふっ。」

「…ふふっ!」

「何さ〜私のけものにして〜プー!」

「あー、ごめんね園姉…今朝ごはんつくるから…」

「そのっちよく眠ってたし…」

「なら別にいいんよ〜!」

(…神樹様、あわよくばこんな日々が続いていきますように。お願いします。)

だが、世界とは、現実とは非情なものである。

 

ーーー帰り道ーーー

ーーー東郷sideーーー

(最後まで楽しかったわね。ん?うちの前に止まってるのって…大赦の車…?)

「東郷美森様ですね。」

「え、ええ…そうですけど…」

一人の少女の願いは、

「折り入って重要なお話があります。」

無慈悲にも壊されようとしていた。

 




もう1話だけ投稿します!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。