ーーーちひろsideーーー
「勇者部は、勇んで世のためになることをする倶楽部です。なるべく諦めない。成せば大抵なんとかなる。などの精神で頑張ってます。今日も勇者部出発!っと…」
「小学生の作文か!」
「中学生だよー!」
「知ってるわよ!作文のクオリティよ!」
「絵のレベルが小学生の夏凜さんが言えることですか?」
「なっ!?なんですって!?」
「友奈、タウン紙で勇者部の活動を紹介してもらうんだから、いいキャッチコピーを考えてよね。」
「はーい!」
「おお、これは…樹!ちひろ!見て!」
「ん?あらら…」
「すごい…お姉ちゃん、幼稚園からお礼のメールがたくさん来てる!」
「マジ?」
「わあ!すごいね!」
(…竜治君の前ってパソコン担当誰だったっけ…なんか違和感を感じるんだよなぁ…)
「この間のはバカ受けだったからね。」
「「親御さんは苦笑いでした(だった)けどね。」」
「グサッ!」
そんなとき、
ガラガラ
園姉が入ってきた。
「ごめんごめん、もう始まってる〜?」
「園子先輩、こんにちは。まだ始まってないです。」
「よかった〜掃除の途中で寝てしまったんよ〜」
「園子…そんなときに寝れるのはあんたくらいよ…」
「わあ!褒められた!」
「良かったね!夏凜ちゃんはなかなか人を褒めないんだよ!」
「わーい!わーい!」
(園姉…それ以前に…)
「寝ないようにしないとダメなんだってば!!」
「ひいぃぃぃ…ごめんなさぁい…」
「「アハハ…」」
「ま、7人全員揃ったわね。12月期の部会、始めるわよ。」
「「「「「「はーい。」」」」」」
「今、依頼来てるところを地図に貼ってて…」
(…文化祭の写真も…なんであそこだけスペースを空けてるんだろ…)
私の視線の先には友奈さん、夏凜さん、風さ
・・
ん、樹ちゃん、そして私の5人が写ってる写真があった。
ーーー日曜日ーーー
ーーー犬吠埼家ーーー
「零は無。」
「っ…」
「そんな概念を思いついたインドの人はすごいと思うヨガヨガ。」
「あ、あの…もっとこう…受験対策を…」
「園姉ちゃんとやりなよ?」
「バッチシグーだよ!!」
「なんで今日はちひろちゃんじゃなくて園子さんなの?あ、できたよ。」
「うん、オケ…園姉も頭いいし、教えるの私よりうまいしね。」
「まず3年生の風先輩を1年生のちひろや2年生の園子先輩が教えてるのがおかしいと思うのは俺だけ?」
「大丈夫、私も思ってるから…」
「樹ちゃんほとんどあってるよ。ここだけだわ。」
「ありがとう。んー?あってると思ってたんだけどな…」
「そこは1じゃなくて2だな。」
「あ、ほんとだ。」
「2年生までは成績よかったんですよね?」
「べらぼうによかったわよ!でも今はべらぼうにまずいわよ!」
「静かにしてください。」
「だってぇ…色々ありすぎたんだものぉ…」
「ふーみん先輩が頑張ったから、今があるんだもんね。」
「…?途中勢はわかんないからキツイわ…」
「どんまい。」
「ベッドでずっと見てたから。勇者部楽しそうだなー、楽しいだろうなーって。」
(…園姉…)
「また学校に行けるようになるなんて思ってなかったからなぁ…嬉しいな♪ってね!」
「???」
「竜治君わからなくて当然だから大丈夫だよ…」
(…やっぱりどこか変な気がする…なんなんだ…この違和感…)
ーーー友奈sideーーー
私は今夏凜ちゃんとかめやに来てます!
野球部の助っ人の帰りです!
「日曜日なのにありがとうね!夏凜ちゃん!」
「ん?べつに。たまたま暇だったし。」
(でも…)
「夏凜ちゃんすっごいカッコよかったよ!」
「友奈もよかったわよ。」
「ありがとう!」
「いつも思うけど、勇者部って変な部よね。」
「だから楽しいよね。毎日違うことが起きて!」
「まあね。」
ーーー帰り道ーーー
「日が暮れて、また明日だね。」
「そうね…休みって短いわ…」
「帰ったら宿題やらなきゃね。」
「私はもうやってあるわよ。」
「え!?朝から試合だったのに!?」
「土曜日のうちによ。当然でしょ。」
「さすがだな〜」
キッキッ
私たちを車イスの人が通り過ぎる。
(ん?車イス…)
「どうしたの?友奈。」
「ううん、なんでもない!」
(なんでこんなに気になるの…?)
ーーー曜日ーーー
ーーー部室ーーー
「1年生到着しました。」
「「じゃじゃーん!!」」
(あれは…ケーキ!?)
「「わー!」」
「おー。」
「そのケーキどこから密輸してきたの?」
「密輸って園姉…」
「今日家庭科の授業があったんです。」
「俺のは他の班員が持ってったんで。」
(絶対美味しいだろうなぁ〜)
「早く食べようよ!」
そして樹ちゃんが箱の蓋を開けると中から素晴らしいケーキが!
「すごい!」
「ちひろちゃんが作ったやつです。」
「樹ちゃんのは味はともかく見た目がアレだったからね…でもここに持ってくるのは樹ちゃん発案です。」
「偉いぞ二人とも。」
「ではさっそく…」
「「「はむ。」」」
(!!これは…)
「美味しい!」
「うん!すごいおいしいんよ〜!さすがちっひー。」
「スポンジとか樹ちゃんですけどね。」
「うう…ついに我が妹が食べられる料理を…お姉ちゃん嬉しいわ…」
「風先輩それ逆にディスってますよー。」
「いくらでも食べられるわね、これ。」
そしてみんなが最後の1個に手を伸ばし、止まる。
「あ…夏凜ちゃんどうぞ。」
「え?いやいや…ここは樹でしょ。」
「私はもう授業で充分です…竜治君どうぞ。」
「俺!?あんま甘いもの好きじゃないからちひろでしょ。」
「えー…私もういらんから園姉いいよ。」
「いや〜そこは部長だよ〜どうぞ〜!」
「マジ?二つも食べると女子力に響くし…」
「そもそもなんで8つに切ったのよ!」
「え?いつもが7つでプラ1だから?」
(ん?いつもって…)
「いつもが7つ?」
「んん?いや…なんとなくかな…」
(そういえば…前部室で…)
「ぼた餅…」
「どうしたの?友奈。」
「あ、前部室でぼた餅食べた気がするなぁーって。」
「ああ、前に友奈さんも家庭科の授業で作ってきたんですよね。」
「あ…そうだった…」
『いい?友奈ちゃん。ぼた餅は最初に…』
(…?今一瞬なにか聞こえた気が…)
「さ、おやつの時間はおしまい。日曜日の練習をするわよー。」
「「「はーい。」」」
「…」
「…??」
「…?」
「ちひろ?活動の手伝い行くぞ?」
「あ…うん。」
ーーー帰り道ーーー
ーーーちひろsideーーー
「…」
(違和感がある…それも日に日に増えてる…ここまでだと今の勇者部は本当の勇者部なの?ってとこから問題になる…)
「はあ…憂鬱だわ…」
ーーー日曜日ーーー
ーーー園子sideーーー
私と園姉は今歴代勇者と巫女が眠っているお墓の前に来ています。
劇には間に合うように時間を決めて。
「ミノさん。やっと来られたよ。久しぶり。元気だった? あ、元気とか、そういうのは違うか。」
(そういえば…)
「銀さんが好きだったジェラート屋さんなくなってました。」
「時の流れって残酷だね…あのね、ミノさん。私、勇者部に入ったよ、讃州中学の。皆とっても面白くて、私たちのチームに負けず劣らずなんだよ。ちっひーもすっかり馴染んでてね、心の傷も癒してくれたみたい。」
「みなさん、優しいですからね…銀さんもきっと息合いますよ。」
「あ、そうだ。これ、うちで作ってきたんだよ。ミノさんの焼き方を思い出して自分で作ってみたんだ。」
「私も協力したでしょ。」
「わかってるよ〜これ、ミノさんの分。美味しかったら褒めてね。で、これは私の分。こっちはちっひー。で…」
園姉の視線の先にはもう一つの焼きそばがあった。
「なんで私たち4つ作ったんだろうね。」
「さあね…」
(4つ…私たちは園姉と…銀さんと…私と…)
『そうね、わたしは鷲尾須美よ、よろしくね、ちひろちゃん。』
『…はい!よろしくお願いします!銀さん!須美さん!』
『東郷さん!』
『っ…!』
『皆のために頑張りたい気持ちは私たちも同じだよ!』
『そうだよ、わっしー。何かあったら私たちを頼っていいんだぜ〜!』
『友奈ちゃん…そのっち…』
『一人で溜め込みすぎなんですよ、須美さんは。私が言えることじゃないですけど。』
『ま、そういうことよ、東郷。』
『みなさんの言う通りです。」
『勇者部五箇条、悩んだら相談、ね!』
『みんな…ありがとう!』
『須美さん寝れました?』
『ええ。ちひろちゃんは?』
『こっちもです。』
『ふふっ。』
『…ふふっ!』
(あ…)
「そうだ…思い出した…」
「わっしー…3人じゃない…わっしーもいた…私…なんでわっしーのこと…ずっと忘れて…」
(そ…んな…忘れられるのが…どんなにつらいか…知ってるくせに…なのに…私は…!)
「うう…あぁ…うあぁん!!」
「ちっひー、落ち着いて!ひっぐ。」
「だって…私…ひっぐ…自分と同じこと…須美さんにもぉ!!」
「今は…みんなのところ…行かないと…みんなにも…伝えないと…だから…ね…?」
「…うん…!わかっだ…!」
ーーー友奈sideーーー
ちひろちゃんと園ちゃんが来ません。
「もうすぐ始まるのに…困ったわね…」
「たしか来る前に墓参り行くって言ってましたよね…」
「渋滞でもしてたんでしょうか?」
「さあね。こうなったら4人でやりましょう。」
「それしかないわね。」
「わかったよ!お姉ちゃん。」
「わかりました。」
「…」
(なんだろう…心がザワザワするような…)
「友奈?」
「っ!はい!」
「どうしたの?友奈まで調子悪いの?」
「いや…なんか、ザワザワ、変な感じがするの。みんなはしない?」
「「友奈(さん)…」」
「大丈夫ですか?」
「今日は中止にしよっか?」
そのとき先生の人が…
「勇者部の皆さん。今日はありがとうございます。」
「あ…そのことなんですけど…」
「子どもたちが今日の劇を楽しみにしていて。今か今かと。」
「ぁ…」
(私のためなんかでみんなの期待を裏切りたくない!)
「大丈夫です!やりましょう!」
ーーー数分後ーーー
「やあやあ!我こそは超極悪の魔王! 今日はこの幼稚園で先生たちの言うことを聞かない子を迎えに来た!」
『アハハ!』
「一緒に好き勝手に暴れよう!我慢なんてしなくていいんだぞー!」
『おー!!』
(今だ!)
「待て!魔王!子供たちに悪いことを吹き込むのはやめろ!」
「何を生意気な!」
「とりゃー!」
私が風先輩に斬りかかる。
でも…
「ふん!」
つきとばされてしまう。
「っ!まだだ!」
「勇者は傷ついても傷ついても決して諦めませんでした。全ての人が諦めてしまったら、それこそ世界が闇に閉ざされてしまうからです。」
何度も立ち向かい、それでもつきとばされてしまいます。
「全ての人が諦めてしまったら、それこそ世界が闇に閉ざされてしまうからです。みんなが次々と魔王に屈し、気づけば勇者はひとりぼっちでした。」
(まだ…もうちょっと…!)
『勇者が一人ぼっちであることを誰も知りませんでした。』
「っ!」
(今の…声って…)
「ひとりぼっちになっても…それでも勇者は…」
「?」
「「友奈さん(先輩)?」」
(そうだ…私には…勇者部には…!)
『諦めない限り、っく…希望が終わることはないから…っです…ひっく…何を失っても…ひっく…それでも…それでも…ひっく…私は…一番大切な友達を…失いたくないっ!』
(思い出した…全部…東郷さん…!)
「ゆ、友奈?」
「友奈…さん…?」
ガチャッ!!
そして突然開かれた扉の先には園ちゃんとちひろちゃんがいた。
ーーー樹sideーーー
「はあ…はあ…やっと着いた…」
「園子先輩!?ちひろ!?」
(二人とも…あんな汗かいて…渋滞とは違う気がする…)
ギュウッ!
ちひろちゃんが私に抱きつく。
「ちょ!?ちひろ!?」
「樹ちゃん!わだし…さいでいなごどを…うあぁぁぁぁん!!」
(きっと私にはわかんないなにかがあったんだ…)
「よしよし、ちひろちゃんは悪くない、悪くない…」
ギュッ!
園子さんも友奈さんに。
「私は、ずっと一緒に居るよって、約束したのに…!したのにぃ…!」
「うん…うん…!」
ーーー夕方ーーー
ーーー部室ーーー
「友奈先輩…」
「園子にちひろもよ。」
「よしよし、ちひろちゃん。もう大丈夫?」
「うん…また樹ちゃんに泣きついちゃった…ごめんね…」
「いいよ。どんだけ頼ってもいいから。」
「で、一体どうしたの?」
「よく聞いてね。」
「「「「うん。」」」」
「今、私たちが持ってる記憶は嘘ってこと。」
「え?」
「記憶が…嘘!?記憶に嘘とかってあるんですか!?」
「なにかとんでもなく悪いことが起こってて…それがなんだかわからないけど…私たちはそれをなかったことにしてる。りゅーくんは入れ違いだからわかんなくても仕方ないと思うけど。」
(なかったことに…?ちひろちゃんの散華と似たような感じ…だからちひろちゃんあんなに…)
「ちょ…なに言ってるの…?ねえ、友奈…」
「私、思い出した。」
「友奈…?」
「勇者部にはもう一人、大切な友達がいたんだよ。忘れられるわけがない。絶対、忘れたりなんかしちゃいけないのに…私…どうして…!」
「友奈、落ち着いて。」
「みんな思い出して!東郷さん…ここには東郷美森って子がいたんだよ!!」
「「「…!!!」」」
(そうだ…)
『樹ちゃんは磨けば素晴らしい大和撫子になるわね。磨かなくちゃ!』
(東郷さんのこと…私も…みんなも…忘れて…どうして…!?)
「そういえば、東郷ってどこ?…っ!?」
「東郷…東郷美森…」
「え…?どういうこと…?なに…これ…」
「?????」
「竜治君は分からなくて大丈夫だよ…多分…」
「なんでよ…?なんで私たちの誰も今まで東郷の記憶がなかったの…?私…部長なのに…また…」
「風さんは悪くない…私は…自分と同じこと…須美さんに…!」
「…みなさん…」
「ねえ、わっしー…今どこにいるの…?」
ーーー神の間ーーー
「…」
ボォォォォォォ
そこには火あぶりにされてる一人の少女の姿があった。
忘れなかったよ…\( ‘ω’)/ウオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーッッッッッッッッッッッッッッ!!