上里ちひろは勇者である   作:☆ここな☆

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ハーメルンよ、私は帰ってk「人様のセリフパクる前に何か言うことないの作者さん?」
…忘れてました、めっちゃいいとこで更新止まってました。大変申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!許してくださいなんでもしますから!!


6話 今度は私が

ーーー1月7日ーーー

ーーーちひろsideーーー

私たち勇者部は少し遅れて初詣に来ていた。

「はーっ!やっと退院できたわ!シャバの空気がおいしい。」

「早く退院できてよかったですね。たしか予定だとあと二日は入院でしたよね?」

「そうね。でも年を越してしまったわ…」

「3人での年越しすっごく楽しかったですー(棒)」

「ガーン!」

「大丈夫だよ、ちゃんとお姉ちゃんのことも考えてたから…」

「ちっひーフーミン先輩分のうどんもつくっ…「園姉!」ヘブシッ!!」

(全く…余計なことを…)

「へぇ〜?照れてるの?照れてるの?」

「園姉と同じようになりたいですか?」

「何でもないですはい。」

「お姉ちゃん…」

「よくあんな早く退院できたね…」

「たっぷり寝てたから?」

「「そういう問題じゃないでしょ…」」

「てか年越すことはいいことでしょーが。」

「いや、いい女が一つ歳を取るのよ。3月で卒業だし…」

「もう一年いてくれてもいいんですよ?」

「いや…それはちょっと…」

「ねえねえみんな〜あっま酒、飲みたいな♪」

(甘酒だしいいか。)

「おっ、いいわね。一杯ひっかけていきますか。」

 

ーーー甘酒購入後ーーー

「「ゴクゴク…プハー!!」」

(うん、なかなかうまい。)

「おお、二人ともいい飲みっぷり!」

「てか3人場酔いしてない?」

(え?まさか…)

「あはは! 酔ってないです! あははは!」

(えー!?樹ちゃん!?)

「うわーーーーーっ!私の中学時代が終わっちゃうーーーー!!!」

(おいおい犬吠埼姉妹…!?)

「酔ってますね見事に…」

「なんだこいつら…」

「重要な記録だわ。」

「あれ?友奈飲まないの?」

(友奈さん…)

「あ、熱くて…」

「大変だよわっしー!フーフーしなきゃ!」

「はっ!」

「「フーフー!!」」

「あ、ありがとう…」

(もう…園姉ったら〜また悪ノリして〜…あれ…?)

「3にんのあろ一人ってられれすか…?」

(ん…?ありゃ〜?ろれつが…)

「いや、あんたよ!?」

「ちひろ見えてないだけで顔真っ赤だぞ?」

「へ…?」

(そういえば…甘酒飲んだあとから…)

「頭らポワ〜っれしてらのそういうろとだったのね…」

「おっとりちっひーかわいい!!!写真じゃ写真!!」

(そ〜なのかな〜?)

「じゃあいいよ〜撮っれ撮っれ〜!」

「ちひろがいつもとは謎なくらい違うわね…」

「重要な記録だわ。」

「ねえ! とうごうパイセン~!写真撮りましょ〜!」

「酒のせいにしちゃう~。」

(集合写真か〜)

「わらしもろりたいれす〜!夏凜さん〜東郷さん〜おねらいします〜!!」

「!?い、言われなくてもいいわよ…////」

「か、かわいい…////」

「そこに並んでね。」

「にぼっしーもりゅーくんも照れてる〜!」

「「なっ!?」」

「撮りますよー。」

「…えいっ!」

「「えっ?」」

「りょっ、園姉〜!?」

「はぁ!?バランス崩れるっての!」

「あはは〜うわっ!?」

「うわぁぁ…へっ!?」

パシャ

結果取れた写真はみんなバランスを崩し、めちゃくちゃな状態だった。

ついでに私の写真は全部データを消した。

 

ーーー1月9日ーーー

ーーー東郷sideーーー

(風先輩はもうすぐ卒業。記録をとっとかなくちゃ…)

「スタンバイ、ゴー!」

「ん?ふっふーん!」

風先輩はポージングをするが…

(うーん、そういうのではなくて…)

「風先輩、自然体でお願いします。」

「いやあ、ついねー。でも最近熱心にカメラ回してるわね。」

「もうすぐ先輩が卒業してしまうので、揃っての活動記録は貴重だと思いますから。」

「って言うけどさー、私、卒業してもここに入り浸ると思うわよ。」

「入り浸るんだ…」

「風先輩呆れますわー。」

「想像ついてたけどね。」

「なっ!?」

(あ、夏凜ちゃん。)

「とか言って嬉しそうね、夏凜。」

「えっ!?…」

「ちょっ、何? その反応…」

「あれー?これはまさか図星というやつでは〜?」

「なっ!?なっ!?なっ!?」

「夏凜先輩ツンデレだったんですか…」

「あはは…」

(これは以外だわ…)

「二人を見てると創作意欲が湧いてくるよ~ね、サンチョ。」

「スィムジョウ。」

(えっ!?)

「その子喋るの!?」

「そうだよ〜」

「すごいね!」

「だって〜サンチョ。」

「アリガトォ!」

「出たよ園姉の腹話術…」ボソッ

「そ、そうなんだ…」ボソッ

「あの人なんでもできるなおい…」ボソッ

「フーミン先輩とにぼっしーで想像はかどっちゃったからな〜帰って二人の小説書こうっと!」

「なっ!?」

「ちょっ!?」

「また明日ー。」

「またね、そのっち。」

「園姉、牛乳買っといて。」

「オッケー!」

「「待ちなさーい!!」」

チラッ

チラッ

「「…」」

「あ、そういえば卒業旅行とか、どこ行こうかしら。」

「あ、話逸らしましたね二人とも。」

「いいから!」

(そういえば年末はどこにも行けなかったものね…)

「大赦のお金で皆で温泉とか行く?」

「っ!」

(…?友奈ちゃん今一瞬様子が…)

「温泉は前に行ったから違うところかどうでしょう?」

(なるほど、さすが友奈ちゃんね。なら…)

「前は海だったので今度は山とかいいですね。」

「俺は行ってないから海がいいけどなー。」

「竜治君の家海すぐそこでしょ…」

「あ、バレた?」

「当然だよ…」

 

ーーー1月11日ーーー

ーーー樹sideーーー

私たちは今依頼の仔猫捜索の途中です。

ただ、なかなか見つかりません。

「迷子の迷子の仔猫くーん? どっこかなー?」

「木の上全部確認しましたけどいないですね…」

「うーん、困ったぜ〜!」

「園姉ふざけないで探して。」

「はぁい…」

(どこにいるんだろう…)

「あ、そうだ。樹、猫語で呼び出してみて。」

「ええっ!?」

(無茶だよ!!)

「なるほど。名案ですね。」

(東郷さん!?)

「猫語ならいっつんだね!」

(園子さん!?)

「やったれー!!」

(ちひろちゃんまで!?)

「「どんまい…」」

(そ、そこまでいうなら…)

「にゃー、にゃー、にゃー。」

(…恥ずかしい!!)

「もっとよ!もっと猫っぽく!」

「樹ちゃんかわいい!!」

「いいよー! いっつん、いいよー!!」

(ええ!?ていうか…)

「これ撮らないでください!!!」

「あ、いたー!!こっちおいで?お家に帰ろ?」

「ふぎゃー!」

タタタッ

「あっ…」

仔猫は友奈さんをスルーしてお姉ちゃんの元に。

(友奈さん、いつもは動物に好かれるのに…好みはそれぞれなんだなぁ…)

「おお、よしよし。友奈、ナイス発見よ。」

「あはは…怖がられちゃいました…」

「東郷先輩と園子先輩はまだスマホ構えてるんすか…」

「「当然。」」

「仔猫発見で依頼クリアね。」

「にぼっしーちゃんとやってた?」

「やってたわよ!てかにぼっしー言うな!」

「それでは先輩、記念に一枚撮りましょう。」

「お、いいわね。」

 

ーーー1月13日ーーー

ーーー夏凜sideーーー

私たちはカラオケ屋『MANEKI』に来ていた。

(久しぶりね、今度こそ風に勝つ!)

「「〜〜♪♪」」

「ヒュー!やるわね、二人とも!」

「ねえ、俺だけレベル低くね?みんな90点代ばっか出してんやん!?」

「たしかに…言われてみれば勇者部カラオケうまいのかもね。」

(ふーん、でも負けないわ。)

「じゃあ、こっちも行こうか、友奈。」

「えっ? うん、宿題これからやるよ。」

「ん?」

(友奈…?そういえば来た時からずっとぼーっとしてたし…)

「あはは、寝ぼけてるんだね。にぼっしー、私と熱唱しようよ!」

「え、ええ…」

 

ーーー夜ーーー

(よく考えたら年末から友奈、様子おかしいわね…元気ないし…)

「勇者部五箇条、悩んだら相談。」

(悩みがあるなら、今度は私が相談にのってあげる。待っててね、友奈。)

 

ーーー1月16日ーーー

ーーー友奈sideーーー

(最近体の調子、ますます悪くなってる…あとどれくらい持つかな…)

そのとき、

「友奈。」

「っ!夏凜ちゃん!」

「話、いいかしら?」

(夏凜ちゃんが?なんだろう…)

「うん。何?」

「…少し、歩こっか。」

 

 

 

 

ーーー港ーーー

「ここまで来たの、久しぶりね。」

「うん、前は東郷さん助けに寄ったくらいだっけ。」

「あのね、友奈…」

(夏凜ちゃん…でも…)

「その前にちょっといい?」

「?」

「夏凜ちゃんは寒くないの…?」

(実はずっと寒くて寒くて…)

「ごめん。全然気が回らなかった。場所を変えようか?」

(あ、気使わせちゃった…なら!)

「大丈夫。だって。」

座って夏凜ちゃんに体をくっつける。

「こうすれば暖かいから。」

「っ…!この前、風が卒業した後もちょくちょく部室に来るって言ってたでしょ?」

「うん、言ってたね。」

「私、それ聞いてちょっと嬉しかったの…」

(ほんとかな?聞き返してみよっと!)

「ちょっと?」

「ちょ、ちょっとよ…でも、結構…」

(やっぱり!)

「嬉しいよね。」

「うん…でさ。」

「っ!」

「私でもこうやって気持ちを話すようになったんだから…」

「っ!」

(夏凜ちゃん…まさか…!)

「友奈も話しなさいよ。友奈。年末辺りからおかしいわよ。絶対何かあったでしょ?」

「っ…!」

(夏凜ちゃん…)

「私が力になる。話を聞かせてくれない? 友奈。」

(ごめん…夏凜ちゃんを巻き込むわけには…だから…)

「なんともないよ。」

「っ!大丈夫よ!どんな悩みだろうと私が受け止めてあげるから!」

「夏凜ちゃん…」

(そこまで…私のこと…心配してくれて…)

「力になるわ。私は友奈の為になんだってしてあげたい!そう思える友達を持てたことが私は嬉しいの。その気持を持たせてくれたのは、友奈たちなの。なにがあったの?友奈。」

(夏凜ちゃん…話したい…でも…そしたら…風先輩や…ちひろちゃんみたいに…!そんなの…夏凜ちゃんが傷つくのなんて…嫌だよ…だから…ごめんね…!)

「本当に、なんでもないんだ。」

「っ…!そう…悩んだら…」

「っ!!」

「悩んだら相談じゃなかったの?」

夏凜ちゃんは…泣いてた…

(そんな…私…夏凜ちゃんを…泣かせて…)

「私、友達の力になりたかった…それだけなのに…!」

ダダッ

「あ、待って!夏凜ちゃん!」

夏凜ちゃんを追いかけようとしても…

ズキズキッ

「うっ!」

(なんで…こんなときに…)

「夏凜ちゃん…夏凜ちゃん…!ごめん…ごめんね…!」

 

ーーー夜ーーー

ーーー東郷sideーーー

「精霊、次の映像。」

カチッ

「…」

その視線の先にはプロジェクターで映された映像が。

(やはり、どう考えても最近の友奈ちゃんの様子はおかしい。)

 

『あっ、大吉だー。あはは、やったー。』

 

(なっ!?)

「違う。大吉を引いたなら友奈ちゃんはもっと弾けるように喜ぶはず。なのに…どうしてそんなに切ない顔をしてるの?」

(年末からずっとそう。どこか苦しんでるような…切ない、作り笑顔になってる。)

「きっと私たちに言えない何かが起きているに違いない!」

(だったらやることは一つ!)

 

ーーー友奈家前ーーー

「私が真相を確かめる。精霊、友奈ちゃんが寝てるか確認してきて。」

ピッピ!(ラジャ!)

ヒュー

ジー

シュッピッピピー(対象は睡眠中、侵入可能であります。)

サッカチッ(了解。そこで待機せよ。)

スタッ

トントンカチャッ(中に侵入し鍵を開けなさい。)

ピッピ(了解であります。)

シュン

カチャッ

窓の鍵が開く。

(よし、侵入!)

ガタッ

だが胸がつっかえる。

(!?…友奈ちゃんは起きてない。続行する!)

「はぁ…」ボソッ

(友奈ちゃん、電気つけっぱなしで…黙って入ってごめんね。)

「さて…手がかりは?」ボソッ

(っ!あれは!?友奈ちゃんが中学入学の時、4月3日にイネスでご両親に買ってもらったけど、手に取ることはなかったという百科事典の位置がずれている!)

手に取って観察する。

「これは…勇者御記…?」ボソッ

(なぜこれを友奈ちゃんが…これを友奈ちゃんが書いたのなら、確実に手がかりがある…)

そのとき、

「ううっ!」

「っ!友奈ちゃん!」

(うなされてるの…?)

手を握ってあげる。

そうすると友奈ちゃんの顔が穏やかになった。

(友奈ちゃん…勝手に持ち出してごめんね…必ず助けるから!)

タッ

そして私は友奈ちゃんの部屋からでた。

(みんなを集めないと…!)

ーーー犬吠埼家ーーー

私の招集により、友奈ちゃんを除く勇者部全員が集められていた。

「これを友奈が書いたってことか…」

「最近友奈ちゃんの様子がおかしかった。その原因が書かれていると思うんです。」

「っ!!」

「こんなのが友奈さんのところから…?」

「よく考えたら友奈先輩、ずっと元気なかったもんな…」

「私とちっひーからもいいかな?」

(え?)

「そのっち?ちひろちゃん?」

「私たちは友奈さんの様子がおかしかったことから調べてたんです。大赦へ行って。」

「主に私がね。」

(そんな!?いつのまに!?)

「大赦…」

「結論から言います。友奈さんは天の神の祟りに苦しめられてる。」

「天の神!?東郷先輩を奪ったやつですか!?」

「そしてそれはゆーゆが人に話したり、書いて伝えたりすると伝染する。他の人だと問題ないみたいだけど。」

「「「「「えっ!?」」」」」

「それで友奈さんが言おうとした風さんは事故に遭った。」

「あのときか…じゃあちひろはなんで!?」

「その会話録音しといてそれを聞いたから。」

「「「「「…ええっ!?」」」」」

「だって明らかに様子おかしいんですもん。ついでにみんなお怪我したときにも何か言いかけてましたし。」

「なっ…そしたらあんたや風が怪我したのって…」

「天の神が原因だね。でわっしー、話を戻すけどゆーゆが書いたその日記を読むってことはとても危険なことなんだ。」

「園子さん…ちひろちゃん…」

「それでも見る?」

(私は…)

「ええ。友奈ちゃんが心配だもの。」

「もちろんです。友奈さんは勇者部の一員。大切な先輩ですから。」

「もちろんよ。友奈のためにも!」

「私が事故にあったせいで友奈は余計追い詰められたんだ…見るしかないでしょ!」

「俺も同じです!友奈先輩をのけものにして楽しむことなんて無理ですから!」

「みなさん…わかりました。」

「じゃあ読んでみよう。ゆーゆの御記を。」

 

 

 

 

 

『はじめに。

  年末に大赦の人達が私の変化に気づいて家にやってきた。

事情は神託や研究を交えて知ったので神聖な記録として残して欲しいということだ。

続くかな?

どうやら私は大きな戦いで相当無理をしたようで、体中ほとんどを散華してしまった。

さらに、敵の御霊に触れたことで魂が御霊に吸い込まれてしまった。

気がつくと、そこは東郷さんを助けに行ったあの場所だった。

どこまでも広がる世界。

頑張って抜け出そうともがいてみたけど…

どうやっても抜け出すことはできなかった。』

 

『みんな…助けて…!』

『ひとりぼっちになっても…』

『!東郷さんの声!』

『それでも勇者は、それでも勇者は戦うことを諦めませんでした。』

『東郷さん…』

『諦めない限り、っく…希望が終わることはないから…っです…ひっく…何を失っても…』

『東郷さん!東郷さん!』

『ひっく…それでも…それでも…ひっく…私は…一番大切な友達を…失いたくないっ!』

『東郷さん…泣いてる…』

『嫌だ…嫌だよ…寂しくても…辛くても…ずっと私と一緒にいてくれるって言ったじゃない!ううっ…』

『私は…私は勇者だ!勇者は泣いている友達を放ってなんかいられない!勇者は根性! 絶対帰るんだ!』

《そのときでした。》

『あれって…カラス?』

《光の中からカラスが現れました。》

『かああ!』

 

『カラスは私に、ついてこいって言ってる気がした。

だから私は…光の方へ、ずっとずっと進み続けて…戻ってくることができたんだ。

でも、体は違っていた…

私や皆は散華から回復したけど、あれは捧げられた供物が戻ってきたわけじゃないみたい。

回復した身体の機能は神樹様が創ったものらしい。

それが自分の身体になるまで時間がかかった。

強引な満開して散華した私なんかは治すために全身神樹様が創ったパーツになったわけで…

大赦では私を御姿と呼んでいるとか。

御姿は良く言えばとても神聖な存在なので神様からは好かれるんだそうだ。

だから私は、私の望んだことが…

友達の代わりになることが出来て…

世界のバランスが守られた。

あれから大赦は異変に気づいて私を調べてくれた。

わかったのは、炎の世界がある限り、この体が治ることはないということ。

そして、私は今年の春を迎えられないだろうということ。

とても怖いし…私のせいで怪我をした風先輩やちひろちゃんに申し訳ないし…なんだか、トンネルの中に居るような気分…』

 

『1月7日。

風先輩が退院出来たのはおめでたい。

皆と居ると元気が出て来るけど、うつさないように気をつけなきゃ。

そう考えると、どうしても口数が減っちゃう…

食欲はなかったけど、甘酒が美味しくて喉が喜んでた。

でも、家で吐いちゃった…』

 

『1月9日。

吐き気はひどかったけど、部室にいると、とても心がほわほわする。

また明日っていう言葉が、最近好き。

約束すれば、明日が来ると思えるから…

出来れば、ずっとこの場所に居たいな…

風先輩は温泉旅行を提案してくれたけど、体中に紋章が広がってる私の体を見たら、みんながビックリしちゃう。

とても行けない。

ごめんなさい。』

 

『1月11日。

今日は調子がいい。

しっかり休んでいるのが効いたのかも。

体を動かせて楽しかった。

このまま根性でいい状態が続くかもしれない。

他にも体に良いことを試してみよう。』

 

『1月13日。

胸がとても痛くて、なんだか頭がクラクラする。

たぶん、皆と会話が成立してなかったかも…体、せっかく良くなったと思ったのに…』

 

『1月14日。

いっぱい寝て体力を回復させなくちゃ。

でも、電気を消して寝るのが怖い。

暗いのが怖い。

そのまま、暗いものに包まれてしまいそうで…』

 

『1月16日。今日は夏凜ちゃんを傷つけてしまった。

でも絶対言うわけにはいかない。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

とても苦しい。

体も痛い。

心も痛い。

グチャグチャになりそう。

もうおかしい。

私はただ…皆と毎日過ごしたいだけなのに…!

弱音を吐いたらダメだ。

私は勇者だから。

覚悟していたのだから。

もう泣かない。

頑張れ自分。

結城友奈!

勇者は挫けない!

とにかく、夏凜ちゃんと仲直りしたい。

でも本当のことは話せない。

どうすればいいんだろう?

もう、ここでいっぱい書く。

夏凜ちゃん…私、夏凜ちゃんのこと大好きだよ。

夏凜ちゃん、本当にごめんね。』

 

(そ…んな…)

「治らないってどういうことよ…春は迎えられないって…」

(こんなの…私が…私が一番悪いじゃない!)

バッ

「待って!わっしー!」

「須美さん!落ち着いてください!」

(だって!)

「止めないで! 全て私のせいじゃない! 天の神の怒りは収まっていなかった!私が受けるべき祟りなのよ!」

「日記に書いてあったでしょ! わっしーにうつってもゆーゆは祟られたままなんだよ!」

「そうです!むしろ須美さんが祟りで何かあれば友奈さんはもっと傷つく!もっと追い詰められる!」

「そんな…」

(じゃあ…どうすればいいのよ…)

「大赦はまた…こんな重要なことを黙って…」

「…他人が話したらどうなるか、わかんなかったんじゃないですかね…」

「竜治君…?」

「友奈先輩じゃない人が話したらどうなるか、もしそれで祟りをうつしてしまったら、って考えたら俺なら言いません。」

(竜治君…)

「っ!でも…」

「大赦はかつてみんなになにもかもを黙ってたかもしれない!でもそれだけで必ずしも悪く考えるのはよくないです!」

「竜治君…私もそう思うよ…お姉ちゃん。」

「樹…!」

「今回は純粋に私たちのためだと思う…」

(樹ちゃん…)

「うっ…うぅ…」

「夏凜さん…?」

「友奈が…そんなに苦しんでるのに…私のために黙ってくれてたのに…」

 

『っ…!そう…悩んだら…』

『っ!!』

『悩んだら相談じゃなかったの?私、友達の力になりたかった…それだけなのに…!』

 

「私…友奈に…あんなひどいこと…言っちゃった…言っちゃったよ…!」

(夏凜ちゃん…)

「夏凜さん…ハンカチ…」

「泣いていいですから…好きなだけ泣いてもいいですから…」

(真相を知っても、私たちはなにもできなかった。)

 

ーーー翌日ーーー

「おはようございます。」

(苦しんでるとわかってるのに、なにもできない。それが一番もどかしかった。)

「おはよう、友奈ちゃん。」

「はぁーい。あっ、東郷さん。おはよう。」

「今日は早いのね。」

「うん。早く目が覚めちゃって…でも寒いから出たくなくて…」

「もう、友奈ちゃんらしいわね。」

「ん?」

「どうしたの?友奈ちゃん。」

(私の顔に何かついてるかしら?)

「東郷さん、調子悪そう。大丈夫?」

(っ!友奈ちゃん…自分の方こそ悪いのに…)

ギュッ

「っ!?東郷さん!?」

(私が不安だった時、友奈ちゃんはいつもこうして抱きしめてくれた…)

「っ…」

ギュッ

(友奈ちゃん…今度は私が、絶対助ける!)




あと2話ほど一気に更新する予定です( ´・ω・`)
あと32話にはお知らせもあるのでそこまで見て貰えるとありがたいです…何様だって話ですが

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