上里ちひろは勇者である   作:☆ここな☆

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12話 最終決戦 "人として"

ーーーちひろsideーーー

「く…そ…」

ゾディアック・バーテックス、そいつ相手に私たちは手も足も出ていなかった。

樹海は天の神によって炎に包まれて来ている。

満開を使い切った園姉たちは避難させている。

私の意識も絶え絶え状態、トドメがさされるのも時間の問題だった。

「サテ、トドメヲサスカ。」

「や…めろ…!逃げろ…ちひろ…!」

(ここ…まで…か…須美さん…風さん…友奈さん…ごめんなさい…!)

その時、時は止まった。

「っ…?」

(時が…止まってる…?これって…一体…)

「ちひろ。」

目の前を見ると、コマたちがいた。

「コマたちが…やってるの…?」

「もともと私たちは、ちひろがどうなるかだけを観察するために天の神からつくられた。」

「っ!?」

(天の神から!?)

「まさか…私の勇者システムだけが特別だったのって…」

「天の神がアップデート時に介入したから。データをとるためにな。」

(そうだったんだ…)

「最初はなんとも思ってなかったよ…でも、ちひろと過ごしてくうちに、日常が楽しくなった。」

「ちひろのサポートをしたくなった。」

「悲しいときは慰めたくなった。」

「傷つくのが嫌になった。」

「ずっと一緒にいたいと…思うようになった。」

「なによりも…生きてほしい。だから、ちひろにこれを。」

そう言って出されたのは神々しさを感じる、刀だった。

「十二太刀。十二回しか攻撃できないけど、威力は最強の刀。我々の魂が攻撃となる刀。」

(みんなの…魂が…)

「…ありがとう。勝つよ。絶対。」

そして時は再び動き始めた。

「勇者部五箇条。成せば大抵なんとかなる。」

「ナゼマダウゴケル。」

「約束したから。大切な「家族」と。あんたを倒すって。」

 

ーーー竜治sideーーー

「傷ついても…すぐ回復する…」

「おまけにこれで御霊はドデカサイズのはずですわよね?」

「ああ!出したら終わるぞ!」

「そそそそんなのどう倒せば〜!!」

(神樹様、天の神様、みんなが帰ってこれる場所を守れるなら、超人的な力なんていらない。だから…最後に、力を貸してください。あいつを倒せる、力を…!)

「っ!?この感じは!?竜治さんにエネルギーが集まってってます!!」

「ほんと!?わかったわ!みんな!竜治君に賭けるわよ!!」

「つつつつまりエネルギーを送れってことですか!?」

「エネルギーが集まってるならやるしかないですわね!受け取りなさい!」

「しゃーねえなあ!おらよ!」

「はい…勝って…」

「どどどーぞ!!!」

「私のも受け取ってください!」

「竜治君、賭けたからね!受け取って!防人みんなの力!」

(みなさん…ありがとうございます!)

そして頭の中に浮かんだことを言った。

「満開…ヤマタノオロチ。」

 

ーーー東郷sideーーー

(あと少しだったのに…そんな…!)

「違う…私たちは…こんなこと…」

(望んで…ない…)

「感謝もしています…でも…でも…!もう…いいの…人を…友達を捨ててまで、手に入れる世界なんて…そんな世界なんて…いらない…それが…」

(私の…願い…)

静寂が訪れる。

ヒタッ

(何…今の音…)

目を開けるとそこには…

中2の銀の魂がバリアに手を触れていた。

(銀…)

ヒタッ

後ろにはそのっちとちひろちゃんの魂が。

(そのっち…ちひろちゃん…!)

力を振り絞り、体を起こす。

そしたら、勇者部みんなの魂も来ていた。

(みんな…)

でも、それだけではなかった。

「神樹様…」

「人は、いろんな人がいます…」

「優しい人、元気な人、怖い人だっている…」

「それでも、本当に人を救おうと言うなら…」

「人を…信じてくれませんか!?」

「これって…」

何人、何十人もの魂が…そこには来ていた。

「歴代の英霊…なの…?」

「ギャーギャー!」

(青い…カラス…?)

そしてそれは、人の姿に変わる。

(力を…貸してくれるんですか…?)

コク

(…ありがとうございます…!)

「私たちは…人としての道を進みます。」

バリアが消える。

友奈ちゃんの魂ももとに戻っていく。

(やった!)

 

ーーー友奈sideーーー

(あ…れ…?)

「っ…」

「友奈ちゃん!」

「東郷さん…」

「友奈ちゃん!!」

(東郷さんだ…東郷さんだ!!)

「東郷さぁぁぁぁん!!」

「ごめん、ごめんね。私、言い過ぎた。」

「私っ、私こそごめん。皆に、東郷さんにひどいことを…っ!」

「いいの…もういいの…」

「どうしようっ!? 世界が、世界が終わっちゃうよぉっ!!」

「友奈ちゃんのせいじゃない。これで世界が終わるなら、それは仕方ないことなのよ…」

「ううっ…」

(っ…牛鬼…?)

牛鬼から黄金の糸が伸びて、私たちを包んでいく。

「何を!?」

(違う…東郷さん…)

「大丈夫だよ…あったかい…」

『あなた方の思い、しかと受け取りました。ならば、最後に、あなた方が人として歩めるように、力を貸しましょう。』

そう、聞こえた気がした。

 

ーーー銀sideーーー

「覚悟!!!」

シュバッ

ちひろの刀とゾディアックの剣がぶつかり合う。

ビジビジッ

(なんだ!?)

見ると樹海中から黄金の糸が、神樹様へと集まっていた。

(まるで…神樹様が満開してるみたい…)

 

ーーー芽吹sideーーー

「一撃で決める!」

シュバッ

竜治君が飛び上がる。

ボォォォォォォ!!

スタークラスターも巨大火球を発射する。

そのとき、

ビジビジッ

(黄金の糸…?)

防人の鎧から黄金の糸が伸びていた。

「…頑張れ…勇者部…!」

 

ーーー友奈sideーーー

外はピンクの蕾ができる。

(すごい…満開のときの何倍、何十倍も力が溢れてくる…)

そして、樹海に大きな花が咲いた。

「私は…私たちは…人として戦う。生きたいんだ!!」

 

 

 

 

跳躍して天の神へ向かう。

ピュオオオオオオ

ズシャアン!!!!

(!?…レーザー!?すごい威力…!でも!)

「勇者は…不屈…何度でも…立ち上がる!!」

「行けっ!友奈!!」

「友奈さんの幸せのために!!」

「みんなで必ず帰るために!!」

「みんなが帰ってくる場所は守りきる!!」

「成せば大抵!!」

「なんとかなる!!」

「勇者部ーーーっ!!」

「「「「「「「「ファイトォォォォォォォォォォォォ!!!」」」」」」」」

私の腕に8つの花が灯り、大きな花が光る。

そして私の下に8つの花が咲き、レーザーを押し返す。

だが

ズゥゥゥゥン

ビシャアァァァァァァァン!!

再び押し返される。

「くっ!」

「まだだ…」

「絶対に…諦めない!!」

「行け!今の勇者!!」

「「「「勇者は…根性ーーー!!!!」」」」

さらに銀ちゃんの炎が後押ししてくれる。

「おおおおおおっ!!!勇者ぁぁぁぁ!!パァァァァァァンチ!!!」

私の渾身の一撃は天の神に当たり…

打ち砕いた。

 

ーーー竜治sideーーー

「くっ!」

(なんて…勢いなんだ…!)

そのとき…

「勇者は…不屈…何度でも…立ち上がる!!」

「行けっ!友奈!!」

「友奈さんの幸せのために!!」

「みんなで必ず帰るために!!」

そう、聞こえた。

(なら!!!)

「みんなが帰ってくる場所は守りきる!!」

「成せば大抵!!」

「なんとかなる!!」

「勇者部ーーーっ!!」

「「「「「「「「ファイトォォォォォォォォォォォォ!!!」」」」」」」」

火球を押し返す。

(くそっ…あと一押し…!!みなさんだって…戦ってるんだ!!)

「くっ!」

「まだだ…」

「絶対に…諦めない!!」

「行け!今の勇者!!」

「「「「勇者は…根性ーーー!!!!」」」」

さらに押し返す。

そして

「これでぇぇぇぇぇ終わりだぁぁぁぁ!!」

ドガァン!!

スタークラスターを消しとばした。

 

ーーーちひろsideーーー

(負けない!絶対に!!)

「勇者は…不屈…何度でも…立ち上がる!!」

「行けっ!友奈!!」

「友奈さんの幸せのために!!」

「みんなで必ず帰るために!!」

「みんなが帰ってくる場所は守りきる!!」

「成せば大抵!!」

「なんとかなる!!」

「勇者部ーーーっ!!」

「「「「「「「「ファイトォォォォォォォォォォォォ!!!」」」」」」」」

ビキビキッ

「マダダ。ソレデカトウナドワラワセルナ!」

(くっ!)

「くっ!」

「まだだ…」

「絶対に…諦めない!!」

「行け!今の勇者!!」

「「「「勇者は…根性ーーー!!!!」」」」

ビキビキッ

バリンッ

ゾディアックの剣が砕かれる。

「ナンダト!?」

「一の太刀!!」

そして

「二の太刀!!」

そのまま山羊座の盾を切り裂く。

「三の太刀!!」

足先の魚座の部分を切り裂き、そのまま…

「四の太刀!!」

脚である双子座も切り裂く。

「五の太刀!!」

水瓶座の部分を突き崩し…

「六の太刀!!」

天秤座の部分も切り崩す。

「七の太刀!!」

腰・胴体の牡羊座を両断し…

「八の太刀!!」

両手の蠍座を根本から切り落とす。

そして…

「九の太刀!!」

右肩の乙女座の部分と…

「十の太刀!!」

左肩の射手座の部分を切り裂く。

「十一の太刀!!」

そして背中の牡牛座の部分と獅子座の部分を切り裂き、

(終わりだ!!)

「十二の太刀!!」

頭を破壊した。

だが…

ゾディアックが消えることはなかった。

(っ!?)

「ザンネンダッタナ。ワタシノホンタイハムネナリ!オワリダ!!」

(終わり…はそっちだ!!)

そして、私の手にはより大きくなった刀が握られていた。

「ナニ!?」

「十二太刀は十二回しか同じ威力の攻撃はできない。これが本当の、最後の一撃。私たち「家族」の力をくらうがいい!!」

「クソッ!?シュウチュウバリア!!」

(コマさん、ウリ、ネーさん、モーモー、トラ介、ウサピョン、タッツー、ヘボン、マルル、モココ、ウッキー、バーさん。…今まで、ありがとう。)

「終の太刀!!」

そして放たれた最後の一撃はゾディアックのバリアを打ち砕き、ゾディアックを御霊ごと…

消しとばした。

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