上里ちひろは勇者である   作:☆ここな☆

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4話 旅立チノ時

ーーー夜、犬吠埼家ーーー

ーーーちひろsideーーー

ちひろ「…樹ちゃん、ご飯できたよ。」

樹「…うん。ありがとう、ちひろちゃん。」

ちひろ「…寂しいね、やっぱ。」

樹「うん…

…どうする?迅さんの話。」

ちひろ「…そうだね…どうしよっか。」

 

===夕方===

迅「…3日待つ。」

失意の中、ひたすら泣いた私たちに彼はそう言った。

迅「俺たちは君たちの奪われた仲間たちを取り返すつもりだ。…でも無理に巻き込むつもりはない。…だから3日だけ待つ。…もし、戦いに身を投じる覚悟があるなら、三日後のこの時間にあの高台に来てくれ。」

 

ーーー今ーーー

(…どうするのが、正解なの…?)

3年前の私たちなら迷うことなく行ったのだろう。

…でも、状況が変わったのだ。

行ってホントに倒せるかも分からない未知の敵。

勇者だった私たちは世間から希望の星のように見られてる。

ただでさえ半数が行方不明な上に、私たちがさらに消えれば世間がどれだけ混沌になることか。

反大赦の明確な抑止力も消えてしまうことになる。

そして、一般の勇者部のみんなも、置いてくことになる。

…背負うものが、私たちの意志を鈍らせていた。

プルルルル

電話が鳴る。

ちひろ「はい、もしもし?」

月夜『あ、ちひろ?』

(…え!?)

ちひろ「母さん…!?なんで…」

月夜『なんでだろうね〜…明日、うちに来れる?樹ちゃんも連れて。』

ちひろ「え?いいと思うけど…母さんが明日上里家に来て欲しいって行ってるんだけどいいよね?樹ちゃん。」

樹「え?うん。宛もないし…」

月夜『お、よかったよかった。じゃあまた明日ね〜。』

ちひろ「はーい。」ガチャ

樹「急にどうしたのかな…」

ちひろ「さあ…」

 

ーーー上里邸ーーー

月夜「行きなさい!!!!」

ちひろ「…え?」

扉開けてすぐのまさに開口一番、母はそう言ったのであった。

 

 

 

 

(ん?え??行くって…どこに?)

樹「えっと…一体どういう…」

月夜「どうもこうも決まってるじゃない。k…」

和斗「月夜…」

月夜「ん?どうかしました?あなた。」

和斗「…リビングで話はするってはずだったが。」

月夜「 ・ ・ ・ あっ。」

ちひろ「…全く…上がるよ?」

和斗「ああ。月夜、お茶入れてやれ。」

月夜「二人ともごめんなさいね!?すぐ入れてくるかr」ズルッゴンッ!!

樹「月夜さん!?大丈夫ですか!?」

ちひろ「ちょ、母さん!?大丈夫!?」

月夜「へーきへーき…イタタタ…」

和斗「はぁ…いい感じに空気が和んだから結果オーライかもしれないが…」

ついでにこのあと間違えてコーヒー入れてきたり砂糖と間違って塩入れられたりもした。

 

ーーーリビングーーー

月夜「コホン…では改めて…行きなさい。」

ちひろ「行くって…どこに?」

月夜「昨日助けに来た…ボーダーだったっけ?…何か交渉されてるんじゃないの?」

(…!?!?)

樹「月夜さん、なんでそれを…」

月夜「だてに神樹館でずっと海を差し置いて1位取り続けちゃあいないわ。こんくらいの予想はおちゃのこさいs「実際のところ、そのボーダーの人たちが俺らにも事情説明に来たからだがな。」ちょ、和斗!人の見せ場!」

和斗「お前だったら間違いなく真実伝えずに自らの手柄にするのはわかってたからな。」

月夜「ぐぬぬ…」

ちひろ「…ボーダーの人が??」

月夜「そう、まあ事情もなんも説明せずにだったらそれこそ誘拐になっちゃうしね。」

樹「…ごめんなさい、無理です…勇者部のみんなを置いてくことになっちゃうので…」

ちひろ「…それに私達は世界を救った存在的なイメージが世間では強いのは父さんも母さんもわかってるよね?反大赦勢力の抑止力になってるのも…」

和斗「…じゃあ見捨てると?」

ちひろ「違う!!私だって行きたいよ!!助けたいよ!!でもそれで他を犠牲にしたら、それこそみんな自分を恨むことになる!!だから…だから!!」

月夜「ちひろ!!!!」

ちひろ「っ…」

月夜「それに樹ちゃんも…よく聞いて。人は、助け合わなきゃ生きていけないの。」

ちひろ「急に…何を…」

月夜「生まれた時からずっと、人は1人じゃ何も出来やしない。だから、助け合う必要がある。」

樹「…」

月夜「そしてその助け合いを、人一倍することができるのが勇者だと、私は思ってる。

…助け合いってのはね、決して仲間うちだけでのもんじゃないのよ。今2人は奪われた仲間を助けに行きたい、でも残していくものが多すぎる。ならどうすればいいか?答えはひとつよ。

…助けてもらうのよ。仲間に、友達に、親に!!世間への事情説明は大赦でなんとかする。防犯対策に関しては元防人のみんなや讃州高校勇者部が和斗に指導を求めてる。…みんな、あなた達の力になりたいのよ。自分たちが今までたくさん助けられてきたから。

…いつまでも頼りっぱなしはこっちも嫌なのよ!頼らせて!力にならせて!!お願いだから…!!」

(母…さん…)

樹「…ひとつ、いいですか。…1回月夜さんの話に出てきた海ってもしかして…あ、多分違うと思うんですけど…」

和斗「…犬吠埼海。」

樹「…!?」

和斗「あってるよ。海と焔…犬吠埼焔は、俺達の親友だったから。」

ちひろ「父さんと母さんが樹ちゃんの両親と!?」

和斗「ああ。…俺たちが戦ったから、焔と海が命を尽くして奇跡を起こしたから、そしてお前達が仲間を想い、世界の理に、神に抗ったから今がある。…だから、我慢しなくていいんだ。お前達の帰る場所は俺達が守る。気にしないで行ってこい。」

ちひろ「…樹ちゃん。」

樹「…ねえちひろちゃん。私、やりたいことができたよ。」

ちひろ「…どんなこと?」

樹「お姉ちゃんとちひろちゃんと3人で、お母さんたちの話を聞くこと。」

ちひろ「…いいかもそれ。さすが樹ちゃん。

…だからこそ、取り返さないとね。」

樹「…うん。月夜さん、和斗さん、ありがとうございます。…四国は、任せてもいいですか。」

和斗「…ああ。」

月夜「もちのろん!友達、取り返して来なさいよ?」

ちひろ「当たり前、私たちを誰だと思ってるの?…讃州高校勇者部だもん!!」

和斗「…あ、そうそうちひろ、一つだけ頼みたいことが━━」

 

 

 

 

 

ーーー2日後、高台ーーー

(…とは息巻いたけど…)

ちひろ「よく考えたらみんなが来るとは限らないのよね…」

樹「完全に盲点だったね…同じこと考えてるだろうし…」

ちひろ「最悪私と樹ちゃんだけかぁ…上等。」

樹「上等なの!?…私弱いよ?」

ちひろ「何を言ってるんだか。樹ちゃんは十分強いよ。」

樹「そうかなぁ…」

竜治「なーに話してんだっ!!」ガバッ

ちひろ「自信がなさげな樹ちゃんを励ましてただけ…って竜治君!?」

竜治「え?何?俺幽霊だったりするのか?」

樹「バーテックスだからあながち間違いでもないような…」

雪花「そういえばそうだったね〜」

佳美「こんにちは、樹部長にちひろ先輩。」

樹「雪花さんに佳美ちゃん!タイミングからして竜治君と同じくらいに?」

竜治「んまぁそうだな。…ところで今日この時刻にここにいるってことは?」

ちひろ「…行ってくれるのね!!」

雪花「そりゃもちろん。私も佳美も大恩あるしにゃあ。」

竜治「勇者部のみんなを置いていっていいものかって少々悩んだが…本人達から遠慮なく行けって。」

樹「みんな…」

亜耶「私達は防人のみなさんから後押しされました。」

ちひろ「あやや!となると…?」

雀「やっぱ怖いんだけどぉぉぉぉぉぉ!!あんなのにほんとに勝てるの!?私たちまでやられたら本末転倒じゃない!?」

雪花「やーれやれ…腹くくるか帰るか選べば?」

雀「どっちも嫌だよ!!」

雪花「だろうね!!」

竜治「…相変わらずすぎるなおい。」

亜耶「あはは…(汗)」

樹「…あとは友奈さんと東郷さんですね…」

佳美「来て下さるんでしょうか…東郷さん、相当堪えてたはずですけど…」

…そして、約束の時間を迎えた。

迅「…お、みんな来てくれてるみたいだね。」

樹「どうしようちひろちゃん…友奈さんと東郷さん…」ヒソヒソ

ちひろ「…それがあの人たちの選択だっただけ。…まあ、少し残念だけど…」ヒソヒソ

迅「この先はうちの遠征艇まで移動するんだが…最後に改めて聞く。

俺達は君たちの仲間を取り返すつもりでいる。しかし相手は強大、楽な戦いではない。…それでも、来るのかい?」

(…覚悟は、決めてきた。)

ちひろ「…もちろんです。仲間…友達は、絶対に取り戻す。」

迅「…いいね。じゃあついてk…」

友奈「ストップストーップ!!結城友奈遅れました!!」

東郷「すいません、道に迷ってる人がいたものでつい…」

雪花「友奈っち!」

ちひろ「須美さん!」

迅「お、マジか。危なかったね、ちょうど移動しようとしてたとこだ。…じゃあ改めて…」

友奈「大丈夫です。銀ちゃんにもみんなにも、恩が返しきれないくらいあるんです。何より…友達を助けないなんて、勇者じゃないと思うので。」

東郷「安芸先生にあとを押されました。必ず力になります。」

迅「…聞くまでもなかったか。…よし、改めてついてきてくれ。遠征艇に案内する。」

全員「はい!!」

みんなが歩き出す。

そして私も…

(…みんな…母さん…父さん…)

ちひろ「…いってくるね。」

二世界を巻き込む戦いに、足を踏み入れた。

 




テストがあるので次回も遅れるかもしれませぬ…m(_ _)m
あと何気に50話達成です。やりました。

追記 話数表示をちょっといじりましたので把握お願いしますm(_ _)m
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