ーーー街中、ちひろ・須美合同sideーーー
園子「あ、わっしー見て見て!おじいさん案内してる!」
須美「道を尋ねられたのかしら…」
天音「今度は女の人ですわね…」
楓「そういえば私も見たことあるような…?」
ここな「…っ。」ウズウズ
須美「今度は自転車を直してる…」
園子「あ、逃げたワンちゃん捕まえて返してあげてるよ!!」
ここな「…」ウズウズ
楓「恐ろしいくらいトラブルに巻き込まれてる…」
ちひろ「これもお役目に選ばれたから…とか?」
ーーーイネスーーー
園子「今度は迷子の女の子だよ〜」
須美「喧嘩の…仲裁?」
天音「落し物をセンターに届けましたね…」
ちひろ「あ、落ちた商品並べ直してる…」
ここな「っっっっっ…」ウズウズウズウズ
須美「今度は散らばったリンゴ集め…」
園子「ねえわっしー、これ巻き込まれてるってより…」
須美「ええ、ほっとけないのね…私ももう見てられないわ!!」ダダッ
園子「あ!わっしー待って〜!私も行く〜!!」
ここな「…もう、限界!!」ダッ
ちひろ「えっ!?ここな!?!?」
ここな「ごめん私困ってる人ほっとけないタチなの!!」
楓「何それ初めて聞いたわよ!?」
天音「言ってしまいましたね…」
ちひろ「こうなればもういっそ私たちも行こう!!」ダダッ
楓「まあ結果は十分出たしね…何より言い出しっぺが行ったし!」ダダッ
天音「あ、待ってくださいー!」ダダッ
ーーー銀sideーーー
(あちゃー、結構散らばってるなぁ…)
須美「銀ー!!」
ここな「銀さんー!!」
銀「ん?っておわっ!?須美に下の学年の星空さん!?」
(なんでここに!?)
園子「園子もいるんだぜー!」
ちひろ「ちひろもいまーす!」
楓「おはようございます、三ノ輪さん。私も手伝いますよ。」
天音「私もお手伝いさせてもらいます。」
(次々と!?一体どうしてこうなった!?)
ーーーフードコートーーー
銀「じゃあみんなずっと見てたってのか!?」
園子「そうなるね〜私はちっひー達に見られてたことが意外だけど〜」
ちひろ「褒めても何も出ないよー?」
園子「ちっひーの可愛い顔が出ま〜す!ナデナデー!」
ちひろ「えへへ…///」
須美「不覚…!」
(須美達だけならともかく…ほぼ初対面の下級生にもなんて…)
銀「さすがに恥ずかしいな…」
天音「恥ずかしがる必要はないと思います。素晴らしいことですもの。」
園子「いつも遅れるのはこういうことだったんだね〜言ってくれればいいのに。」
銀「それはそれでなんか他人のせいにしてるみたいで嫌なんだよなぁ…」
ここな「分かります、すっごい分かります!!私も困ってる人ほっとけなくて…だから家7時には出てるんですけど…」
ちひろ「そうだったの!?じゃあいつも私より遅いのって…」
ここな「まあだいたい誰か助けてるから?」
ちひろ「ええー!?!?」
(同じような人っているもんだなぁ…しかし早く出ることで…)
銀「なるほどなぁ…私も次から早く出るか…」
天音「元からそういう体質だったりってするんですか?」
銀「まあね、こう…ついてないことが多いんだ。ビンゴとかも当たったことないし…」
須美「不幸体質ってやつかしら…
…ところであなた、さっきからガッチガチに緊張してるように見えるんだけど…」
楓「ひゃ、ひゃいっ!!え、えっとそのあの…」
ここな「楓の状態がいつもの欠片すら見えない…」
ちひろ「念願の須美さんだよ、自己紹介もしないでどうするのさ。」
楓「そ、それはそうだけど…」
(ほーう?後押ししてやるか!)
銀「深呼吸深呼吸!須美って結構固い性格に見えるけど結構寛容なとこあるからさ!」
須美「固いってどういうことかしら。」
銀「そういうとこのことだよ。」
楓「あ、ありがとうございましゅ三ノ輪さん…
え、えーっと!神樹館5年、委員長の」ピタッ
ちひろ「あ、フリーズした。」
園子「あらま〜…楓ちゃんドンマイなんよ〜…」
(…?いや、これ…)
銀「桐生さんがフリーズしたってより…」
須美「…時が、止まった…?…ってことは…!!」
チリンチリン
園子「このタイミングで〜!?」
ちひろ「楓の勇気を踏みにじるとは…絶対に許さない!!バーテックス!!」
ーーー須美sideーーー
(3度目の敵…今度こそ私が!!)
ちひろ「もー!楓のせっかくのチャンスをー!!」フンスフンスッ!!
銀「気持ちは分かるけどかっかすんなって。」
園子「敵さんはビジュアルな体型だね〜」
須美「どんな体型よ…まずは私が様子見するわ!」
ちひろ「お願いします!!」
(これで動きが決まる…絶対に外せない…!)
須美「今…」
その時だった。
グラグラグラグラ!!!!
樹海が大きく揺れる。
銀「うわっ!?」
園子「地震〜!?!?」
須美「くっ!」
(厄介ね…でももう一度…)
《キンッ!!》
天秤座にあっさり弾かれたのが目にチラつく。
須美「…っっ!!」
(今度こそ…今度こそ…!!)
ポンッ
(…何?暖かい…)
銀「一旦落ち着け須美、そんなんじゃ当てれるもんも当てれないぞ?」
ちひろ「ゆっくりでいいんですよ。もし攻撃が来たら私たちがなんとかします。」
園子「一緒に倒そう?」
銀「合宿の成果も出さないと、だしな!」
須美「3人とも…」
ピタッ
ちひろ「っ!動きが止まりましたよ!!」
園子「でも別なのが来る!!」
地震を止めた敵は角らしきものを1つとばしてくる。
園子「はっ!そしてどっこらしょ!」ガキンッ!
そしてそれをそのっちが防ぐ。
園子「よーし!敵に近づくよー!!ちっひーはいつも通り先行して!わっしーとミノさんは私の後ろに!!」
ちひろ「うん!!」ダダッ
銀、須美「「了解!」」バッ
私たちが人数で攻撃を引き受け、そのっちが防御、その間にちひろちゃんが急接近する。
ちひろ「せいっ!!」ザクザクザクッ!!
そしてクナイを刺して…
ちひろ「まずは動き止めさせてもらいますよ!針化の術、はつd…」
グググ…
園子「っ!ちっひー後退して!」
ちひろ「えっ!?わかった!」バッ
そのっちの命令で術を中断、ちひろちゃんが後ろに飛び退ける。
それのほんの少し後に敵は大ジャンプ。
ちひろ「あのままだったら吹き飛ばされてた…ありがとう、園姉!!」
園子「いえいえなんよ〜!!」
(このまま上には行かせない!)
須美「私が落とす!!」ビュンッ!!
フルチャージ攻撃を放つが…
…ヒュゥゥゥゥン…
須美「…届かない!!制空権を取られた!!」
時すでに遅し、あと少しのところで矢は届かずに弧を描いて落下する。
ちひろ「またそういう感じですか!?卑怯ー!!」
ゴゴゴ
ちひろ「…あれ?こっち向いてる気が…?」
銀「っ!まずい!!」
園子「ミノさん!?」
…ギュルルルルルルルル!!!!
敵の角が高速回転し始める。
(まさかあれをおとしてくるつもりなの!?)
須美「銀もちひろちゃんも危ない!!」
銀「避けろちひろ!!」ドンッ
ちひろ「へ!?」ドサッ
ギュルルルル…ズドンッ!!!!!
予想は的中、目に見えないほど早く回転した角は銀めがけて一直線に落ちる。
須美「…銀っっ!!」
ちひろ「…銀さんっっ!!!!」
銀「ぐっ…このぉぉぉぉぉぉ!!!」
ギギギギギギギギギギギギギギ!!!!!
ちひろ「よ、よかった…」
双斧でなんとかあの一撃を防いでいた。
須美「でもこれ…このままじゃ…!」
銀「1分は持つ!!それまでに上の敵をやれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
ちひろ「わ、わかりました!!」
(それでいいの…?1分なんて所詮銀の予想でしかない…それまでもたなかったら…?それに現実への被害も…!!どうすれば…!!)
園子「よーし!私たちで敵を叩くよ!!」
バババババババッ
そのっちが槍を変形、多数の刃を階段のように展開する。
園子「わっしー、上!!」
須美「う、うん!!」ダッダッダッ
チャージしながら上る。
そしてジャンプするも…
(まずい…ギリギリ届かない!!)
ちひろ「巨大化の術!そしてバルーン化だぁぁぁぁぁ!!!」
須美「っ!ちひろちゃん!?」
足元に巨大化したクナイが現れ、さらにその端にふわふわしたクナイが多数くっつく。
ちひろ「私がジャンプしてさらに投げるので須美さんはそこを!!」
須美「…ええ!わかったわ!!」
ちひろ「じゃあいきますよー!!!ジェットクナイの術ぅぅぅ!!!」
ダンッ!!!ボォォォォォ!!!
私を背負ってちひろちゃんが飛翔、一時的に上昇気流を生み出すクナイまで使って一気に上る。
ちひろ「投げますよ!?」
須美「いつでも!!」
ちひろ「じゃあ…お願いします!!」ブンッ!!
そしてクナイの効果が切れたところで私を投げて、落下していく。
(ここを逃せば…次はもうない…!)
《キンッ!!》
再び、天秤座と水瓶座に防がれた時のことが逡巡した。
(…っ!!)
須美「…何をビビっているの、鷲尾須美!!銀が!ちひろちゃんが!そのっちが!ここまで繋いでくれたのよ!?今決めずに…どこで決めるって言うのよ!!」
最大まで引き絞る。
須美「っっ届けぇぇぇぇぇ!!!」ビュンッッッ!!!
私たちの運命を決める渾身の一撃。
…ドンッ!!
それは確かに、敵に風穴を空けた。
ーーーちひろsideーーー
ドンッ!!
(敵の糸の片側が切れた!!さすが須美さん!!)
ちひろ「なら私も…もうひと頑張りだ!!針化の術!!」
手に持ってたクナイを投げ、切れてない方の糸へ向かわせる。
…ギリギリ、届かない。
ちひろ「…父さんが言ってた…限界はぁぁぁぁぁぁ!!!超えるものだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」
すでに伸びきったクナイを限界を超えて伸ばす。
ついには糸に届き、切り裂いた。
ーーー園子sideーーー
(わっしーもちっひーもナイス!!)
銀「…っ!よし!!」ドガァァァァン
本体と角を繋ぐものがなくなったことにより、ミノさんが角をそらして回避に成功する。
(よくもミノさんを…ちっひーを…わっしーを…傷つけてくれたね…!!)
園子「巨大化!!ここから…出て行けぇぇぇぇぇぇ!!!」
ビキンッ!!
槍を巨大化させる。
園子「突っ撃ぃぃぃぃぃぃっっ!!!!」
そのまま勢いに任せて突撃。
敵を貫くもののそのまま地面に叩きつけられる。
(いったぁ…!でもこれであとは…!!)
ーーー銀sideーーー
敵は落下して向かってきてる、攻撃される心配は…もうない。
園子「ミノさん!!」
ちひろ「やっちゃってください!!」
須美「銀!!砕けぇぇぇぇぇぇ!!!!」
(3人が繋いだこの奇跡…私も繋いでみせる!!)
手に持つ二つの斧から、大火が溢れ出る。
銀「4倍にして返してやる!!!!釣りは取っとけぇぇぇぇぇぇぇえっっっっ!!!!!!」
勢いよくとび上がる。
銀「おらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおら!!!!!!!!!」
ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ!!!!!!!!!!!!!
銀「おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!」
ドッガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!
持ちうる"全"ての"力"を振り絞るとかいて、"全力"。
(これが私の…全力だ!!)
そして、世界は光に包まれた。
ちひろ「…始まった…!」
園子「鎮魂の儀…なんとかなった…!」
銀「へへっ…」
須美「…っ。」
ーーー祠、須美sideーーー
銀「あー…いてて。」
園子「ミノさん大丈夫〜?」
銀「すっごい疲れた!腰にくる戦いだった…私がばあちゃんなってたら危なかったな。」
ちひろ「大人になると勇者にはなれないらしいですし、それは大丈夫だと思いますよー。」
園子「ミノさんがあーやって攻撃受け止めてくれてたから私たちが崩せたんだよ。ありがとね、ミノさん。」
銀「そっちこそ連携ナイスだったじゃん。」
園子「ミノさんが1分持つって言ったんじゃん。それだけあれば十分だもん。長引かせるのは危険だしね。それよりちっひーのサポートがすごいよー。私すっかり忘れちゃってた。」
ちひろ「私の役目はサポートと切り崩しだもん。常に状況を確認し、自分にできることを絞れ。お父さんの教えです♪」
須美「…」
(…違った…権力とかじゃない…先生はそのっちのいざってときの閃きと判断力を見抜いて選んだんだ…私はただ、迷うしかできなかった…
…大馬鹿だ。自分がしっかりするどころか、足を引っ張ってるだけだった。)
銀「しっかし腹減ったぁ…」
ちひろ「そうですね…届く前になっちゃいましたし…」
園子「はっ!?ってことはまさか私たち、万引き犯として指名手配されちゃう!?」
銀「さすがに万引きだけじゃされないだろ…」
ちひろ「天音がいるし、多分代わりに払ってくれてますよ。」
銀「おー、有能な後輩だねぇ。あとで利子つけて返そ!」
須美「ぐすっ…」
ちひろ、園子、銀「「「!?!?」」」
須美「うっ…」
銀「どうした須美!?どこか痛むのか!?」
ちひろ「絆創膏ありますけど使います!?」
園子「先生に痛み止め頼もうか〜?」
須美「違うの…私…ごめんなさい…!次は初めから息を合わせる…頑張る…!」
銀「…ああ、頑張ろうな!」
ちひろ「この4人でならできますよ。」
園子「そうだね。はいわっしー、ハンカチ!」
須美「ありがとう…ほんとにありがとう…!!」
〜 これは、4人の勇者の物語。
神に選ばれた少女たちのおとぎ話。
いつだって、神に見初められるのは無垢なる少女である。
そして多くの場合、その結末は━━━━━ 〜