上里ちひろは勇者である   作:☆ここな☆

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16話 双刀VS双槍

ーーー風sideーーー

風「ここ!どりゃああああ!!!!!」ドッシィィィィィィィィィン

雀「逃がさないんだからねー!!」ギギギギギギ

風「お、抑え込めてる!!よーし、封印行くわよー!!」パアアア

三回…否、私たちが来る前の1回も含めて4回目となる大規模侵攻。

今回は今までとは違い迅さんの未来視が作用、侵攻のタイミングを特定することができた。

そんな中私と雀は攻撃で分裂する厄介な星座型、牡羊座と交戦、追い詰めることに成功していた。

(私の面攻撃で押し潰して分裂部分を限定、そこを雀が抑えることで分裂させない…割と博打だったけど上手く行ったわね!)

ギュルルルルルルルル!!!!

核は露出後すぐに目にも止まらない速度で回転を始める。

風「もうひと踏ん張りよ犬神!一刀両断じゃああああああ!!!」

ッッッドッガァァァァァァァンッッッッ!!!!!

そして文字通り一刀両断。

回転を圧倒的質量の大剣で無理やり切り裂き、倒しきる。

雀「これで一件落着ですか…あああ怖かったよメブ!こんな奴らをこれから侵攻が起こる度に相手にしなきゃいけないとかホントに勘弁して欲しい!!」

風「ナイス抑え込みだったわよ雀!おかげでちゃんと封印まで持っていけたわ!」

雀「いえいえそんな〜私は責務を果たしただけですよチュンチュン。」

いつものように泣き言を言っていた雀だけど、褒められたことで一気にデレる。

(こういうの、自分に素直って言うのかしらね…雀のいいとこだわ。)

風「さて、じゃあ別なところの援軍n…」

宇佐美『付近に星座トリガーの反応!』

ほかの場所への移動を開始しようとした時に突如告げられる速報。

それを聞き、雀に指示を出そうとしたその時…

ーーーーーーーッ

風「…え。」

すでに何かが、目の前まで迫り、そのまま私を貫かんと━━━

…ガキンッ!!

雀「大丈夫ですか風さん!?」

風「え、ええ…助かったわ…」

…はならず、雀の盾によって弾かれ、何かは近くの建物に突き刺さる。

雀「しっかし今の攻撃早すぎません!?ギリギリ間に合ったからいいですけど!?」

風「そうね…今回は双子座かなんかかしら?」

そう考察しながら刺さった何かを確認する。

(ふーん、刀ね…

…刀?刀を飛ばしてくるのなんて…)

…タッ

誰かが近くに着地する音を聞く。

雀「あ、来ましたよ今回…は…」

風「…全く、なーに似合わない顔してんのよにぼっしー。」

‪夏凜‬「…」

風「…覚悟はいいかしら、雀。」

雀「…ふん!」パァン!

尋ねて少しの時間をおいて、雀は自分の頬を叩く。

雀「…今できました!!」

風「よし!感情豊かなのが取り柄なのに無表情の夏凜‬の表情取り戻すわよ!!」

雀「はい!…ちゃんと全部取り戻しましょうね?」

風「分かってるわよ!」

シーン…

ほんの少しの間だけ、静寂が訪れる。

風「先手、必勝!!!」ズガンッッ!!!

その静寂を打ち破るように大剣を振り下ろす。

…ッッ!!!

それを‪夏凜‬は音すら置き去りにしてかわし、そのまま隙だらけの私の首を切り裂こうと切りかかる。

…それを。

雀「…ほいさぁ!!」ガキンッ!!

それを雀の盾がはじき返す。

‪夏凜‬「…」

…ガキガキガキガキガキガキガキガキガキガキッ!!!

それを受けて即座に繰り出されるのは目にも止まらない連撃。

これを大剣と2つの盾、さらには精霊バリアも駆使して防ぐ。

風「さーて、ここからどうする雀。」

雀「どうすると言われてもですねー…一応攻撃力はそこまでなのか防げはしてますけど…」

風「私の攻撃は大振りだから避けられる…とはならないわ。」

雀「だからこそ打つ手が…え?あるんですか?」

風「ええ、機能拡張のおかげでね!雀、カバーは任せた!!」

雀「ええ!?」

雀にそう言い残し‪大剣の巨大化を解除する。

もちろん、‪夏凜‬はそうしてできた隙を逃さず狩ろうと迫る。

風「…懐かしいわね。あんた、私の特訓によく付き合ってくれてた…っけ!!」ガキンッ!!

…それを、刀ほどの大きさに調整した大剣で弾く。

風「フラワートリガーになってからだいぶ使いやすくなっててね、ただ大きくするだけじゃなくて色々と調節効くようになったのよ!!」ガキンッ

再び襲いくる刃を防ぐ。

風「あと小刀も変えられるようにね!」ガキンッ

来る場所を先読みし、防ぐ。

風「やっぱりあんたの攻撃の動きは前の通りね、なら問題ないわ!あんたとなら何十回とやり合った。動きの先読みくらい、なんのそのよ!!!今ここで初勝利もらうわよ、‪夏凜‬!!」

 

ーーー雀sideーーー

ガキガキガキガキガキガキガキガキガキガキッ!!!

雀「これにどう入れと…」

眼前で凄まじい速度の剣戟が繰り広げられている。

情勢は‪夏凜‬さんが押し気味、風さんはあちらの高速連撃にほんの少しずつ被弾している。

(カバーと言われてもこの速度じゃ下手に入っても逆に狩られるし…‪夏凜‬さん崩すにも手段が…)

 

風『ええ、機能拡張のおかげでね!』

 

雀「機能拡張っていうと…そういえばちひろちゃんも前よりも変形できるようになったとかって言ってたっけ…」

(私は正式な勇者システム持つのはこれが初…だけどもし想定されていたとすれば…)

雀「…。」

 

ーーー風sideーーー

‪夏凜‬「…! !」ッ!!ッ!!ッッ!!!

風「ふっ!はっ!!」ガキンッガキンッズッ

頭をフル回転で攻撃の場所を予測、剣で相殺する。

(思った以上にこのスピード厄介ね…!)

…ッ!!

‪長い拮抗の中、夏凜‬の刀が剣の軌道から逸れる。

風「しまっ…読み違えた…!?」

防御し損ねた刀は一直線に私の首を狙い迫る。

…が。

ドッガァァァァァァァァァァァァァンッ!!!

‪夏凜‬の身体がまるでトラックにぶつかられたかのように吹き飛ぶ。

風「!?何が起こったの!?」

雀「うわっ!?なんか出たぁぁぁぁぁぁ!?!?」

風「雀!?これあんたが!?」

雀「は、はい!盾合わせる以外にも何か出来るんじゃないかなーと色々試したら出ました!」

風「助かったわ!ありがとう!!」

(‪夏凜‬が壁から抜け出すのに手間取ってる…あの威力ならデカい一撃の隙も…!)

風「雀!また隙ができたらそれお願い!それが勝利の鍵よ!!」

雀「了解です!」

ガラガラ…

そうやり取りしてる間に壁が崩れる音が。

(抜け出したわね…)

…ッッ!!!

風「はあっ!!」ガキンッッ!!

遠距離から放たれた刀の高速投擲を、剣でいなす。

ッッ!!!

ガキンッ!!

間を置かずに来る直接の一閃を巨大化させた小刀で防ぐ。

ガキガキガキガキガキガキガキガキガキガキッ!!!

そして再び始まる剣戟、しかしそれは…

(さっきほどじゃない…)

先程よりも速さも、重みも少し欠けていた。

(雀の一撃を警戒してるってわけね…)

風「でも!そんな状態で!!」

ガキンッガキンッガキンッ!!!!

風「私を止めれると!!」

ガキガキガキガキガキッ!!

風「思ってんじゃないわよ!!」

ガキッ!!

今までの防戦一方だった状況をひっくり返すように攻勢に出る。

風「とりゃりゃりゃりゃりゃ!!」ガキガキガキガキガキガキガキガキガキガキッ!!!

‪夏凜‬「…っ!!」グラッ

そして、その猛攻を受けて‪夏凜‬の体がほんの少しだけぐらつく。

風「そこだぁ!!」ブォンッ!!

やっと出来たわずかな隙を逃さないために普通の小刀を2本投擲、両足を浮かす。

そしてそこに…

雀「シールドバァァァァァァッシュ!!!!」

ドッガァァァァァァァァァァァァァンッ!!!

雀の衝撃波が炸裂、‪夏凜‬の体が宙を舞う。

(欲しい時によくやってくれるじゃない!!)

風「空中なら身動きは取れないでしょ!あとはこれでぇぇぇぇぇぇ!!!!」

大剣を巨大化させる。

風「終わりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ブォォオォォォォォォォォオォン!!!!

大剣が空を割いて‪夏凜‬を斬り…

‪夏凜‬「…っ!!」

ボガァンッ!!!

さく直前、刀を爆破させ、その爆風で地面に回避する。

雀「え!?」

風「あっ…!!‪そうだ…夏凜‬の刀ってそういえば爆発を…!!」

そうしてできた一瞬を、彼女は逃さない。

ッ!!

雀「風さん!!」

風「あっ…」

今度の今度こそ、その首を切り裂かんと刀を振り抜く。

雪花「バイパー!!」

…それを、雪花のバイパーの集中砲火がへし折る。

竜治「旋空弧月ッ!!」

ズバァンッ!!!

そこに竜治の追い討ち、当たりはしなかったものの、遠ざけることに成功する。

風「雪花に竜治!あんたらなんで!」

雪花「速いってのは通信で聞きましたからねー。おふたりじゃ絶対相性悪いだろうって飛んできた始末ですよ。」

竜治「ここは俺たちに任せて、2人は他の場所を!」

風「でもあんたらのトリガーはまだ覚醒してないのよ!?せめて私か雀も残って…」

雪花「大丈夫ですにゃ。」

竜治「俺たちのこと、信じてください。」

雀「ど、どうするんですか風さん。」

風「…」

少しは迷うけれども、決断する。

風「…竜治!あんたら来たのは!?」

竜治「!!北西部の辺りです!!」

風「OK!交代する形で向かうわよ雀!」ダンッ

雀「…!了解です!!」ダンッ

 

ーーー竜治sideーーー

ダンッ

雪花「…さぁて、お久だね‪夏凜‬。」

雪花先輩が風先輩達がいなくなってすぐに目の前に着地した‪夏凜先輩‬に声をかける。

‪夏凜‬「…」

雪花「…大丈夫、心配しないで。あの日、‪夏凜‬が私たちを救ってくれたように…」

…ッ!!

ビジジジッ!!

雪花先輩へ予備動作なく繰り出される一閃。

それをバリアが弾く。

その手に握ったトリガーは黒く変色し、そして━━━

雪花「…今度は、私が‪夏凜‬を救ってみせるよ。」

━━その中央には、鮮やかな紫をしたペチュニアの花が咲く。

竜治「…‪‪夏凜‬先輩、まだ俺は未熟です。」

思いが。

竜治「だから…また特訓付き合ってくださいよ。」

心が。

竜治「…そのままの、いつものあなたで!!」

燃え上がり、その激情は手に持つトリガーの姿すら変える。

雪花「…行くよ、竜治。」

竜治「ウス、雪花先輩。」

 

 

 

 

 

ーーー雪花sideーーー

ダンッブンブンブンブンブンブンッ!!!

私たちが起動を終えてすぐ、‪夏凜‬は私たちを円で囲うように高速で移動し始める。

竜治「どういうつもりだ…?」

雪花「先輩達にもそこそこ押されたのかにゃ、私たち逃がさないけど被弾も減らそうとしてるっぽい。この距離なら私が物量で押すと私達自身も巻き込みかねないし。」

竜治「攻撃よりも防衛か…こういう時って防御捨ててる方が多い気するんですけどね…」

雪花「黒幕はよっぽど頭がいいよう、で!!」ガキンッ

不意に襲いかかってくる刃を手に持った槍で防ぐ。

竜治「…隙って作れたりは?」

雪花「…OK、おまかせあれ!」

(この速さを逆手に取る!)

ブンッ!!

槍を‪夏凜‬の回る通路に30°くらいの角度で突き刺す。

グワンッ!!

‪夏凜‬「ッッッ!?!?」

もちろん、ほんの数秒で1周する‪夏凜‬が避けれるはずもなく、足を取られる。

雪花「竜治!!」

竜治「あざっす!!」

ビュンッ!!

‪夏凜‬「…ッ!!」ザッ

その隙を狙い撃つ竜治の一撃、頭を狙ったそれを‪夏凜‬はギリギリでかわす。

竜治「かわすのか…よ…ッ!!」

ッ!!

即座に着地、竜治へ刀を振り抜く。

ガキィッ

それを竜治は盾でガード。

‪夏凜‬「…ッ。」

それを受け、すぐに‪夏凜‬は体制を立て直すために離脱することは…

‪夏凜‬「…ッ!?」

…できなかった。

‪雪花「…‪夏凜‬が抜け出さない…!?なんで…」

竜治「盾の面を少し変形させて刀に齧りつかせた…これ以上は好きに動かさせない!」

‪夏凜‬「…ッ!!」

もう1つの刀で盾を持つ腕を切り落とそうと動く。

(そうは問屋が…卸さない!)

ビュンッ!!

その手を封じるべく、投槍。

刀を弾き飛ばす。

竜治「…雪花先輩!」

雪花「竜治、そのままやっちゃいな!!」

その時だった。

…ボガァンッ!!!

竜治「くっ!?」

雪花「盾に捕まった方の刀を爆破させて脱出!?竜治、大丈夫!?」

竜治「盾が割られただけで問題ないです!」

‪夏凜‬が自らの腕を犠牲にして脱出を強行、再び自由に。

雪花「でも片手を失った分はでかい…私が援護する、竜治は距離をつめて!!」

竜治「うっす!!」

ヒュンヒュンッガキガキガキンッヒュンヒュッ!!

竜治の槍と‪夏凜‬の刀が幾度も交わる。

‪夏凜‬「…ッ!!」ダンッ、ッッ!!!

雪花「そぉれ!」ブンッ!!

‪夏凜‬が跳躍しながら投げてきた刀は私が撃ち落とす。

しかし…

ッ!!ッ!!ッ!!ッ!!ッ!!ッ!!ッッ!!!

ブンブンブンブンブンブンッ!!!

竜治「どらァ!!」ビュンッ!!

‪夏凜‬「ッ!!」ッ!!

竜治「俺の気のせいかもしんないですけど…近づいてこなくなってません…!?」

雪花「腕ひとつじゃ不利って悟って遠距離主体に切り替えたっぽいね…」

さっきの攻防から‪夏凜‬は一定の距離を保ちながら刀を投擲してくるばかり。

竜治が接近できた時でさえ回避と距離確保に専念する辺り、もう近距離で勝負はしないと言ってるようなものだった。

竜治「一応俺のもビームは撃てますが…」

雪花「色々と万能すぎてツッコミたいけどとりあえず置いとくにゃ…うーん、一応微調整効くおかげで全弾撃ち落とせてるけど1個でも逃したらゲームオーバーだしなぁ…」

投げた後に私の意志によって軌道の変化が行えるようになった私の槍、それを駆使して高速で投擲される刀を撃ち落としているものの、もし撃ち漏らしが出ればそれが至近距離で爆発。

その隙を‪夏凜‬が逃すはずもない。

‪夏凜‬「…」ッ!!ッ!!ッ!!

雪花「…悠長に考える時間もくれない、か!」ブンッ!!ブンッ!!ブンッ!!

ガンガンガンッ!!

雪花「ふぅ…とりあえず竜治は接近を諦めないで!刀は私で受け持つから。あちらさんも私狙いっぽいし。」

竜治「援護が邪魔だからでしょうね…了解!」

雪花「よし、じゃああちらさんもまた投げてきそうだし、やるy…」

ガキンッ!!!!

‪3人「「「!?」」」

突如として‪夏凜‬の持っていた刀が宙を舞う。

‪夏凜‬「…ッ!!」ッ!!

それを受けて‪夏凜‬は即座にその場を離脱、刀を再形成する。

『なんだなんだ?それいくらでも出せるのかよ。撃った意味ないじゃねーか。』

『そうでもないな。トラップ地帯に近い位置にズレてくれた。』

そして通信で聞こえる2人の声。

(この声…!)

雪花「…会議の時にいた、冬島さん…!?」

冬島『ああ、遅れてすまないな。こちら冬島慎次。冬島隊、現着した。』

当真『俺は当真勇。状況はどんな感じだ?』

竜治「…敵の武器は刀、任意で爆発も可能です。特徴は高速行動。」

雪花「私たちで手の1つは破壊に成功してますけど、それから距離を取られてなかなか攻めきれない状況です。」

冬島『なるほどな。もう少し東に行くと俺のトラップ地帯がある。とりあえずそこに誘導してくれないか?』

竜治「トラップ…ですか?」

冬島『ああ。ワープする奴や地面から攻撃したり、砲台を出してミサイルをぶっぱなすのもある。素早い奴には不意打ちがよく効くからな。』

竜治「了解です!雪花先輩、援護を「言われるまでもないよ。」ありがとうございます!」

ッ!!ッ!!ッ!!ッ!!ッッ!!!

ブンッ!!ブンッ!!ブンッ!!ブンッ!!ブンッ

私が飛んでくる刀を撃ち落とし、竜治が接近。

‪夏凜‬は距離を取るためにドンドン後退、そして…

竜治「入りました!」

冬島『よくやった!!右4歩先にあいつの至近距離に行けるショートワープがある、それを使え!』

竜治「うっす!」

シュンッ

竜治が言われたところに動き、踏んだ瞬間に‪夏凜‬のすぐそばへ。

‪夏凜‬「ッ!?!?」

竜治「オラァ!!」ビュンッ!!

ガキンッ!!!!

そこから即座に一撃入るが、‪夏凜‬はそれをギリギリでガード。

しかし…

バキュンッ!!

‪夏凜‬「ッ!!」

当真さんの狙撃が。

かわそうとしたものの右足のつま先が消し飛ぶ。

‪夏凜‬「…ッ!!」ダンッ

すぐに‪夏凜‬は跳躍、距離を取る。

竜治「…どうしても決め手に欠けますね。」

当真『めんでぇな。当たらない弾は撃ちたくねえんだけど。』

冬島『あの距離の奇襲に対応するか…』

(…あの反応速度の前じゃ不意打ちもダメージを最小限に抑えられる…それだけならあっちがジリ貧で倒せるからいい、けどもしほかのトリオン兵が介入、逃げられたら?間違いなく多大な被害が出る。なんとしてもここで倒さないと…なにか方法は…!)

冬島『せめで地下道とかならもうちょい縛れるとお得意の速さを殺せるんだが…あいにく近くにはないな。』

当真『地道に削ってくしかないでしょーよ。手とつま先の損失によるトリオン漏出は決して小さくはないんですし。』

(…地下道…

…!!!!!)

雪花「3人とも聞いてください。私に考えがあります。」

竜治「!!本当ですか!?」

雪花「もち。一気に畳みかけるよ!!!」

 

冬島『準備はいいか?』

竜治「OKです!」

雪花「こちら雪花、いつでも行けます。」

当真『俺もだぜ隊長。』

冬島『よし、始めるぞ。』

‪夏凜‬「…!」

こっちの気配の変わりを感じたのか、‪夏凜‬が警戒態勢に入る。

冬島『おうよっと。』

ガガガガガガガガガガンッ!!!!!

‪夏凜‬「ッ!?」

その次の瞬間、‪夏凜‬の前方を除く周囲のトゲトラップが作動、道を封じる。

さらに…

ガコンッ!!ガチャッ

後方に巨大なミサイルランチャーが出現する。

‪夏凜‬「…ッ!!」

それを見た‪夏凜‬は逃れるために上に逃れ…

雪花「…させないために、私がいるんだよ。

…満開!!!」

私の姿が白い着物のようなのを着たものへと変わり、手に持つ槍も巨大に、そして上半分の真ん中の辺りに大きな花が咲く。

‪夏凜‬「ッ!?」

雪花「さぁて…!」パアアアアアア

その花が散り、たくさんの花びらへ。

その花びらは氷の結晶へと姿を変えて━━━

雪花「はあっ!!!!!!」

ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュンッッッ!!!!!!

その全てから槍が発射、半分は唯一トゲのない道に壁を作るかのように、もう半分は上から雨のように。

…これにより、上下左右後の道は塞がれ、前の道しか残らない…超短時間のオリが完成する。

‪夏凜‬「…ッ!!」ダンッ

‪夏凜‬は前に進むしかない、進まなければそこでやられるから。

だからあとは…

雪花「…最後はきっちり決めてよ!!竜治!!」

竜治「満開、ヤマタノオロチッ!!」

タイマンで、打ち破るだけだ。

 

ーーー竜治sideーーー

背中から竜の頭がついたユニットが8つ、顕現する。

(目をひたすら強化しろ!‪夏凜‬先輩の動きを見切れ!!)

俺の特質を受け継ぎ、ある程度の武器や身体能力の強化が可能になったことを利用して全力で目の動体視力を強化する。

(ここを逃せばもうチャンスはない!)

‪夏凜‬「ッッッッッ!!!!!」

‪夏凜‬先輩がさらに加速する。

(絶対に勝つッ!!)

竜治「おらああああああああッ!!!!」

ッッッッッッッッッ!!!!

神速の一閃、それを受け止めるために3つの首を撃ち出す。

スーーーーーッ…ガンッッッッッ!!!!

豆腐のように斬られて行くが、斬り終えた直後に下から2つの首が直撃、刀をが少し揺らいだところを…

ビュンッ!!

当真『ふぅ…いっちょあがり。』

当真先輩の狙撃が弾き飛ばす。

‪夏凜‬「…ッ!?!?」

竜治「うぉぉおおおおおおおおおッッッ!!!」

そして残った3つの首、そして手の槍で━━━

竜治「八龍乱陣ッ!!」ドッガァァァァァァァァァァァァァァンッッッッ!!!!!!!

━━━打ち砕いた。

 

 

 

 

 

 

雪花、竜治「「解除!!」」

倒してすぐに、満開を解く。

その直後にドっと疲労の波が。

雪花「うっキッツ…トリガー発動したままでも疲労は付けてくるわけね…」

竜治「一時的に満開使用することでそのまま戦線離脱にしない作戦はいいですけど、これもう1回分来られたら意識トぶか間違いなく動けないっすね…」

雪花先輩が考えた、一時的に道を限定したオリを作り、俺がタイマンで決める作戦。

そのためにはどうしても満開は必須、しかし敵がまだまだ残る中で戦線離脱はまずい…そのため考えられたのがトリオンが尽きる前に解除することでそのまま続行が可能かもしれない、という賭けだった。

冬島『大丈夫か?もう結構減ってきたらひいし、キツいなら本部で休んでもいいが…』

雪花「これくらいなら大丈夫ですにゃ…先輩達は完璧に動けなくなったって言ってたし、疲労の量は使用時間かトリオン量に比例してるのかも。」

竜治「まだまだ謎だらけですね…とりあえず他のところに…」

そう思った時だった。

ビジジジッ

再びゲートが開き、中から大量のトリオン兵が。

当真『お?』

雪花「ここに来て増援!?」

冬島『まだトラップ残量は十分ある。連携してくぞ!』

雪花「あと少し、頑張りますかね〜…」

竜治「ですね…」

その時は、気づいてなかった。気づくべきだった。

竜治「…あそこにあった牡羊座の残骸は?」

雪花「え?‪夏凜‬との攻防でだいぶ移動したしこっから見えるはずがないよ?」

竜治「あ、確かに…」

雪花「大丈夫?休む?」

竜治「いやいや!全然平気なんでやります!」

俺の目は、最後のタイマン用に強化されまくっていた。

…感じた違和感は、気のせいじゃなかったことに。

 

ーーー本部司令室、城戸sideーーー

沢村「東部、西部、北部、北西部にそれぞれトリオン兵の増援!!ラービットの反応も複数検知!!」

根付「まだ来るのですか…しかしもう星座トリガーも星座級もほとんど撃破、残るカミカゼも今封印に入ってるところです。消耗してるとはいえ油断しなければいけますよ!」

城戸「…不自然だな。」

 

ーーー北西部、雀sideーーー

「おかしいってどういうことですか、風間さん。」

風間「そのままの意味だ菊地原。アフトクラトルほどの奴らが無意味にしかけ続けるのは謎が残る。」

風間隊の菊地原さんの問いかけに風間さんが答える。

雀「無意味?私たちが消耗したところを追撃とかじゃ…」

時枝「それだけだと理由としては不十分なんだよね。ラービット複数体くらいなら今のボーダーでA級部隊が複数いれば割と苦戦せずに倒せる。そこに星座級とかが絡んでくると別だけど…」

「その星座級も星座トリガーもすでに4つのうち3つが撃破されてる、と…」

風間「そういうことだ歌川。」

 

ーーー東部、出水sideーーー

出水「アステロイド!!」ドガガガガガガガガガガガ

樹「えーいっ!!」ズバババババ

黒江「韋駄天。」ビュンッ!!

それぞれトリオン兵を複数体撃破していく。

出水「ひゃーっ、しっかしキリがねぇ。」

加古「アステロイド。こうなってくるとますます謎だわ。」

太刀川「こんなとこで追撃して倒されてくれるロマンにかけるくらいだったら次に取っといた方がいいだろこんな数。そんなことが分からねえ相手でもないわけだし。…何を企んでやがる?」

 

ーーー西部、友奈sideーーー

米屋「だいぶ減ってきたな、旋空弧月!!」ズバズバズバッ!!!

三輪「アステロイド!!そいつで最後だ!!」ドガガガガ

友奈「ありがとうございます!!」

私と三輪隊の皆さんはカミカゼの速さに苦戦しながらも、封印を発動。

溢れ出た核も最後のひとつまで減らすことができていました!!

友奈「これで!!勇者ぁぁぁ!!パァァァァァァンチ!!!!」

そして最後の核にトドメの一撃が…

ガキンッ

…入らずに何かに吹き飛ばされる。

友奈「きゃっ!?」

米屋「っ!?大丈夫か!?」

友奈「な、なんとか…一体何が…」

核の方を確認すると、そこには核を覆うように黒い穴から降ってくる謎の残骸が。

米屋「!!こいつは…!」

三輪「アフトクラトルの黒トリガー…!」

友奈「え!?」

しかもその黒い穴はなんと黒トリガーによるものだそうです。

さらにその降ってきた残骸を格が吸収し…

三輪「こちら三輪隊。…合体トリオン兵が出現した!!合体元はおそらくカミカゼと牡羊座!」

合体トリオン兵が、顕現してしまいました。

 

ーーー本部司令室、亜耶sideーーー

この戦いで、ほんの微力ながらみなさんのサポートをさせてもらってる私にも、その衝撃的な事実は聞こえてきました。

鬼怒田「合体トリオン兵だと!?牡羊座とはかなり距離があったはずだぞ!!」

三輪『アフトクラトルの黒トリガーらしき穴を視認しました。それが原因です。』

忍田「ここに来ての増援は合体トリオン兵と連携させるための…」

…そう、忍田さんが言いかけた時です。

沢村「さらにゲートの反応!…これは!?」

さらなる追い討ちをかけるかのように開くゲート。なんとその場所は…

沢村「…本部の北、すぐそこです!!」

一同「…!?!?」

忍田「急いでカメラで確認を!二宮隊、来馬隊、至急出動準備!!」

沢村「トリオン反応は星座級三体に星座トリガー1…つ…!?」

根付「…なんですと!?!?」

亜耶「それ…今まで来てたのと同じくらいの…」

鬼怒田「完全にハメられた!あの増援は部隊をこちらに戻させないためか!!」

城戸「カメラはまだか。」

沢村「今表示します!!」

本部の外部に取り付けられたカメラの映像がモニターに表示されます。しかし…

根付「何も、映ってない…!?」

鬼怒田「そんなバカな!確かにトリオン反応と映像の場所は一致して…」

唐沢「いや、北ならカメラに映らない場所が一つだけあるでしょう。」

城戸「…そういうことか。」

鬼怒田「…地下空洞か…!!」

(…地下空洞…?)

亜耶「どういうことですか??」

根付「前回の侵攻時、ギョライが潜っていたところに巨大な空洞ができているのが確認されたんですよ。ほうっておくわけにも行かないので、近いうちに本部との連絡通路に活用する予定でしたが…」

城戸「前回の侵攻すら今回のための布石だったと言うわけだな…となると敵の狙いは。」

鬼怒田「…遠征艇…!!!!」

 

ーーー風sideーーー

風「どけ、なさい!!」ズッガァァァァァァアァン!!!

雀「バッシュ!バッシュ!バーッシュ!!」ドガン!ドガン!ドッガァァァァン!!

嵐山「この数は…!せめて風さんか雀さんだけでも行かせないといけないのに…!」

 

ーーー友奈sideーーー

友奈「勇者!パァァァァァァンチ!!」ドッガァァァァァァァァァァァァァァンッッッッ!!!!!!!

米屋「チッ!次から次へと!!」

奈良坂「あの合体トリオン兵がすぐに姿を消したのはいいが…」

三輪「結城、ここは俺たちに任せてお前だけでも先に本部へ向かえ!!」

友奈「わかり、ました!!」ドガァァァァン!

 

ーーー雪花sideーーー

雪花「戻るどころか、ここを切り抜けるのすら厳しくないですかね…!?」

竜治「人海戦術がキツい…」

増援のトリオン兵の数は予想以上で、4人、しかも近接が1人ではややジリ貧気味だった。

その時。

遊真「ほいっと!!」ズババッ!!

三雲「2人とも、それに冬島隊の皆さん!!大丈夫ですか!?」

冬島『お、三雲隊か。押され気味だったから助かるぜ。』

遊真「本部がヤバいらしいしな、出し惜しみはしてらんねえな。"レプリカ"起動!!」

ーーー太刀川sideーーー

出水「ギムレット!!」ドガガガガガガガガガガガ

出水が威力の高いギムレットでラービットの装甲を削り…

太刀川「旋空弧月。」ズバァンッッッッ!!!!

俺がそこに一閃、ラービットを撃破する。

加古「どこからこんなに湧いてきてるのかしら。」

黒江「本部のためにも早く行かないといけないのに…」

樹「でもここで逃がしたら住民の皆さんが大変なことになるかもしれません!!ほっとけないです!!」ギリギリギリ

 

ーーー亜耶sideーーー

忍田「…各隊員は急いで、しかし焦らずにトリオン兵を撃破、本部へと向かってもらいたい!!それまでは…私がもたせる。」

緊急事態がために、基本的に隊員達だけで済ませると言っていた忍田さんが出撃を決意します。

…それでも、まだ敵の手は終わりません。

ドガァン…!!

本部に謎の振動と、音が響き渡ります。

亜耶「こんな時に地震ですか!?」

根付「地震…まさか山羊座というわけではあるまいね!?」

沢村「このトリオン反応…合体トリオン兵です!合体トリオン兵が複数体に分裂し、本部へ攻撃してきてるものと思われます!!」

鬼怒田「この威力だと…もっても10分だぞ!!」

忍田「…地下と地上からの二正面作戦か…!!」

唐沢「…ダメだね。戦力が足りなすぎる。せめてもう一部隊はないと…」

その時でした。

『地下は私たちに任せてください。忍田さん達は地上の合体トリオン兵を。』

慣れ親しんだ声が、通信から聞こえました。

それとともに地下のトリオン兵に向かい合う形で現れる3つのトリオン反応。

沢村「!!地下に3つのフラワートリガーの反応検知!ひとつはちひろちゃんのものと思われます!!」

鬼怒田、根付「「!?!?」」

城戸「…本部長。」

忍田「もちろんです。二宮隊、来馬隊に通達。これより我々は地上で本部への攻撃を続ける合体トリオン兵の対処に当たる!!」

 

ーーー地下空洞、ちひろsideーーー

園子「でもよく分かったね〜このこと〜」

ちひろ「割と偶然に近いよ。会議あった帰り道で亜耶ちゃん達が下から吹く風を受けてて、それがギョライの通ったとこだったの。

風なんて気圧差とかないと起こらないのに、人肌で感じるくらいのを何もないところからはおかしいなって。」

東郷「あとは調べてみたらなってたと…そこら辺さすがたわ、ちひろちゃん。」

園子「しかしホントに抜かりないよねお相手さん〜」

園姉はそう言いながら目の前のトリオン兵…

…蠍座、射手座、蟹座の三体を見据える。

東郷「あちらからしても切り札のひとつでしょうに…よほど壊したい理由でもあるのかしら。」

ちひろ「遠征艇がなければ反撃を受ける心配がないからですかね…あいつらを私たちが相手するって、因果を感じますけど。」

東郷「ええ、ホントに…」

その目には…

━━━━天秤座らしき姿に身を包む銀さん。

園子「…」

東郷「…」

ちひろ「…」

しばし、沈黙が訪れる。

園子「…ミノさん。」

ちひろ「銀さん。」

東郷「銀。」

園子、ちひろ、東郷「「「…ここから先は、通さない!!あなたのためにも!!!!!」」」





〜〜〜次回予告〜〜〜

「気合いぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

「勇者は!!根性ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

「必ず帰るんだ!!4人で!!今度こそ!!!」

上里ちひろは勇者である 防衛の章「"魂"」
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