ーーー三門市西部ーーー
ーーー雪花sideーーー
雪花「ほほいのほいっと!!」ブォンブォンッ!!
園子「えいやっさー!!!!」ビュビュビュビュン!!
夕海子「ふっ!!無駄ですわ!!」ガガガガガガ
ガキキキキキン!!!
私の投槍と、園子の飛ばした刃を弥勒さんが大量の雨矢で撃ち落とす。
その隙に銀が接近するが…
アルフレッド「通シマセヌ。」ガキンッ!!
銀「くっ、行かせてくれない、か!!!」ドガンッ!!
ガガガガガガガガガガガガガガガ
アルフレッドがガード、更にそこに雨矢が降り注ぎ、銀は撤退せざるを得なくなる。
そして私たちのところに巨大矢を投擲、これを…
雀「シールドバァァァァァッシュ!!」
ドッガァァァァァァァァァァン!!!!!!
ボガァァァァァァァァン!!!!
雀の盾から放たれた衝撃波が吹き飛ばし、宙で爆ぜる。
ガガガガガガガガガガガガガガガ
園子「ひゃー!?」ダダッ
雪花「っ!」バッ
だがすぐさま雨矢が追うように放たれ、ガードしながら回避する。
射手座の星座トリガーを纏った弥勒さんとの戦いは、完全にこちらが劣勢となっていた。
銀「ごめん、また近づけなかった。」
園子「仕方ないんよ〜、ゴリ押ししたらその場で爆発させてくるもん。さっきとかそれで危うく右腕吹っ飛ばされるとこだったし。」
雀「でもこのままじゃマズイですよ!?こうやって物陰に隠れてたらアルフレッドが壊しにくるせいで少しずつ隠れれるとこなくなってきてますし!!」
雪花「そうなんだよねぇ…私や園子の遠距離攻撃はどうしても雨矢の物量を突破できないし。」
実体がある物を投擲や操作してによる攻撃な以上、同じく実体のある彼女の雨矢で徐々に減速、落とされる。
実体を持たないビームであり、彼女の射程外から攻撃ができる東郷がいればまた違ったのかもしれないけど…
(それはそれで巨大矢に潰されるだろうしにゃあ…)
東郷は私のように動きながら撃てるタイプの銃じゃない。
射程が届く巨大矢を滅多打ちされれば逃げきれず倒される可能性があった。
(そう考えると雨矢も巨大矢もバッシュとやらで吹っ飛ばせる雀に盾と幅広い攻撃手段のある園子、短時間なら無理やり突破できる銀、動きながら射撃戦ができる私ってのは結構良かったのかねぇ…)
友奈は射手座の矢を全部撃ち落とした事があるらしいけどオリジナルより強化されてる弥勒さん相手にもできるか不明、先輩はガードはできても大剣の重みが問題、樹ちゃんと夏凜はそもそも防げない、となるとあと適任なのは竜治とちひろくらいなものだろう。
園子「ゆみきちが対応する前にアルフレッドを撃破するなり封じるなりして、ミノさんとゆみきちをタイマンに持ってく、これが現時点で1番勝ち目のある方法だと思うんよ。これをどう詰めるかに絞るべきかなー。」
雪花「そうだねー。まあ私は今まで通り弥勒さんとやり合って気を引くべきとして…」
銀「私が弥勒さんとタイマン役、あとは雀と園子か…」
雀「私も雪花さんと同じで引き付け役がいいです!!!!アルフレッドの相手とかいくら命あっても足りません!!!!てか攻撃手段ないからジリ貧なります!!!!すみません!!!!」
想像して抑えきれるビジョンが一切浮かばなかったのか、雀がいつもに増した大声で謝罪する。
(まあシールドとバッシュだけじゃガンガン近接でも攻撃できるアルフレッドは荷が…)
園子「…ピッカーンと閃いた!!」
3人「「「え?」」」
ーーー銀sideーーー
夕海子「また来ましたわね!!今度こそ蜂の巣にお成りなさい!!」ガガガガガガガガ
雪花「丁重にお断りします!!」ブォンブォンブォン!!
建物の影から雪花が飛び出し、弥勒さんとの攻防が開始される。
大通りに出て、駆け抜けながら槍を投擲する雪花とそれを追うように空中から大量の矢を射出する弥勒さん、今は拮抗してるが長くは持たないはずだ。
それまでにことを成すべく、路地を縫うように移動し、弥勒さんの背後へ移動。
そして…
銀「おりゃあああああ!!!!!」
アルフレッド「無駄デス。」
ガキンッ!!
大きく跳躍し弥勒さんに切りかかるが、アルフレッドに阻まれる。
ここまでは今まで通り。
ここからが…
雀「バッシュ!!!」
アルフレッド「!?」
園子の作戦だ。
ドッガァァァァァァァァァァン!!!!!!
雀が私に衝撃波を放ち、それを私は残しておいた方の斧剣で受け、アルフレッドを置き去りにして高く遠く舞う。
銀「さあ勝負だ、弥勒さん!!」
夕海子「フッ、上等ですわ!」
アルフレッド「イイヤ、ソンナコトハサセマセn…」
園子「させてもらうんよ〜!!」ブォンッ!!
ガキンッ!!
弥勒さんに急接近した私を見てアルフレッドはすぐに行動を起こそうとするが、それを槍を伸ばして園子が抑える。
アルフレッド「邪魔立テヲ…!!」
園子「そりゃあそれがこちらの作戦ですし〜?しばらくお相手させてもらうんだぜ〜!!」
アルフレッド「オ嬢様…!!」
ーーー園子sideーーー
夕海子「やりますわ…ね!!」ビュンッ
銀「そいつはどうも!!」ガキンッブォンッ
夕海子「くっ…!!」ガキッ!!
ゆみきちが弓を大きく振りかぶって襲いかかるのをミノさんは片方の斧剣で受け止め、残る一振で斜め下から攻撃します。
ゆみきちがいるのは建物の屋根よりも高い空中、足場がほとんどない中ミノさんは放たれる雨矢を足場にしてゆみきちを圧倒していました。
アルフレッド「退ケナサレ!!」
園子「却下〜!!」
ガキガキガキッ!!
そしてそれを目で追いつつ、私もアルフレッドを足止めする。
アルフレッドは巨大矢を如意棒とかそういう棒系の武器のように扱い、近接戦闘にも対応してるけど所詮は矢を代用してる物。爆発圏内まで近づけさせない事は容易だった。
(あとはミノさんがゆみきちを倒し切ってくれれば…)
アルフレッド「…オ嬢様、スミマセヌ!!」シュゥゥゥ
園子「っ!?」
そんな時、突如としてアルフレッドの体が薄まり出したのです。
即座に槍を振るいますが…
園子「当たらない…!?」
手応えは少しもなく、まるで雲を切ってるかのようでした。
シュゥゥゥ…
そしてついには完全に消失。
(何が目的から分からない。けど、最後の言葉から考えるなら…)
園子「ミノさん!!気をつけて!!!」
ーーー銀sideーーー
銀「おらぁっ!!!」
夕海子「なっ!?」
ガキッ!!
斧の状態にした斧剣の重い横薙ぎが命中し、弥勒さんの弓を持つ方の腕が大きく弾かれる。
(よし!これで…)
園子「ミノさん!!気をつけて!!!」
そう、園子の叫ぶ声が聞こえた。
アルフレッドに突破された?
いやない、仮にそうだとしたら園子はもっとストレートにそれを伝えるはずだ。
(気をつけて、だけって事は…!!)
弥勒さんの方で何かが起こる、その可能性が高いだろう。
勝利を確信し緩まっていた気持ちを引き締め、斧剣を振り下ろす。
その瞬間だった。
ガブッッ!!!
振り下ろした斧剣に、弾いたはずの弓の口が噛み付いていた。
(…この速さはおかし…ッ!?)
さらに真正面から凄まじい速度で突きが飛んでくるが、これはギリギリ躱す。
ユミコ「…」
銀「なるほど…ね!」
突きを放った方の弥勒さんの腕、そこにはアルフレッドらしき武装が追加されていた。
何より…明らかに弥勒さんの雰囲気が変わっていた。
(合体…ってよりは乗っ取られたなこれ。)
だけど、そういう事なら手っ取り早い。
これで園子達もフリーになるのだ、4対1で…と考えた瞬間。
ガパッ
カアアアアア…
斧剣を挟んでいた口が開き、紅い光が漏れる。
あまりに眩く光るためかなり見えづらいが、それでもこの距離なら中身を確認する事は出来た。
明らかに弓の大きさ的に入り切らないであろう巨大矢が大量に、そこにはあった。
雪花「何してるか分かんないけど撃つ前に…!」
園子「フルアタでトドメ刺すよ〜!!」
雀「いや、猛烈に嫌な予感が…」
銀「…ッ!!」
地上の3人はおそらくこれに気づいてない。
そして今まで2度の射手座との攻防からして今ここで撃破しても先に起爆される。
(そうなれば全滅する…!!)
だから。
銀「満開!!」
天空に大輪の花が咲くと共に、真紅の光が限界に達し。
凄まじい爆風が辺りに吹き荒れた。
ーーー雀sideーーー
雪花「うぐぬぅ!?」
雀「ぐぉぉぉおおおおぉぉぉお!?!?」
閃光と共に溢れた爆風に吹き飛ばされそうになるのを、盾を用いてギリギリで持ちこたえる。
園子「ミノ…さんは!?」
雪花「…あそこ!!」
雪花さんの指さした先にはちょうど地面に落ちる生身の銀さんの姿。
一応怪我はしてなさそうだ。
(あんな勢いの風が吹いてこちらへのダメージなしなんておかしいし、多分爆発を1人で受け止めて…)
銀「っづ…こっちは大丈夫だ!!1人で離脱できr…」
園子「ミノさん危ない!!」
ガラガラガラッ
銀「…あっ…」
彼女の頭上に、先程の爆風で崩れたであろう瓦礫が降ってきていた。
(ギリギリバッシュじゃ届かない!!)
私のバッシュが届かないということは園子さんでも届かないし、雪花さんは体勢を崩してて槍を投げれる状況じゃない。
誰一人、この場に銀さんを助けられる人は…
ガガガガガガガン
いないはずだった。
だけど、彼女に当たるはずだった瓦礫を代わりに受け止める人がいました。
そしてそれは…
夕海子「…やれやれ、大丈夫でございますか?」
敵である筈の弥勒さんだった。
ーーー園子sideーーー
銀「…え…あ…はい…」
夕海子「なら良かったですわ。ここは戦場、先程のように瓦礫が降ってきたりしかねない危険な場所ですので早めに避難するのですわ。」
銀「は、はい…」
ゆみきちはそう念入りに注意し、更には近場の避難所までの最短ルートを雨矢で作り出す。
正直何が起こってるのか分からなかった。
(ゆみきちは最初から喋り方も雰囲気もほとんど変わってないし、人を助けるのは全然わかるけど…ミノさんはさっきまで戦ってた相手だよ…!?)
ゆみきちの反応はどう見てもそれを認識してるとは思えなかった。
アルフレッド「オ嬢様!!敵ハマダマダ健在デスゾ!!ソンナ者ハホットイテ早ク戻ッテキテクダサイマセ!!」
夕海子「いいえ、この方を安全な場所へ送り届けてからですわ。それに、「そんな者」呼ばわりはいけません。全く…悪い癖ですわよ?」
アルフレッド「…ハイ、了解シマシタ。」
ゆみきちが呆れたようにため息をつき、それを聞いてアルフレッドは渋々と言った感じで頷く。
(…これは…)
先程まで息のあった連携を見せていた2人に現れたズレ。
それが不可解な行動を読み解くヒントになった。
園子「ねぇ2人とも、気づいた事があるんだけどいい?」
雪花「お、マジで?」
園子「デジマ〜!」
ーーー雀sideーーー
雪花「それで?私には仲間割れしてる事しかわかんなかったんだけど、園子はあの一連のやり取りから何か読み取れたんでしょ?」
園子「うんうん。あちらさんがゴタゴタしてるうちに説明するね〜。まず、多分ゆみきちは洗脳にほとんどかかってない。」
雀「ですよねー。」
これについては付き合いが長い私じゃなくても分かる事だ、明らかに他の人達と比べて雰囲気も口調もまんますぎる。
雪花「でも私たちのことは認識できてないんだし、なんらかはされてるって事っしょ?」
園子「それは間違いないと思うんよ。そしてミノさんへの対応を見ての推論が、トリオン体を敵、他は敵じゃない、って感じなのではないかってとこ。」
雪花「はー、なるほどね。そもそも私たちのことすら武器くらいでしか区別できてないって事?」
園子「うん、そうだと思う。あとはゆみきちの中で、敵じゃない=戦う相手じゃない=戦う力がない=守るべき民、みたいな変換になってると思うんよ。」
空を見上げながら園子さんはそう話す。
(敵以外の変換がやや無茶苦茶な気がするけど弥勒さんなら全然ありそうだしなぁ…)
実際のところ、弥勒さんは色々ぶっ飛んでるところがある。
何より…
夕海子『━━━私が弥勒夕海子である限りは。』
雀「…」
ーーー雪花sideーーー
園子「で、これを前提に話を進めるんだけど…多分アルフレッドは今までの星座トリガー使用者と同様、こっちを殺す事まで含めてキッチリ狙ってきてると思う。」
雪花「…まあ、わざわざあんな風にしたのにもう1人の方まで弥勒さんの方に引っ張らせる理由ないもんねぇ。さっきからずっと言いあってるし。」
そう口を動かしながら弥勒さんの方をちらりと見る。
銀を送り届け戻ってきた彼女だが、そのままアルフレッドに説教を始めていた。
バーテックスの射手座に手足を生やしたかのようなデザインのアルフレッドから表情を読み取ることはできないが、さっきの反応とか見てる限りは不服なんだろう。
園子「そゆこと〜、じゃあなぜミノさんを倒して直ぐに合体を解いたのか、これが最後のポイントだね。」
雀「ん?どういう事です?」
雪花「ほら、解除しなければ銀が瓦礫から助け出されることはなかったからじゃない?やや結果論的なとこはあるけど、癖とまで言うからにはあのやり取り何度も繰り返された事だろうし、それなら解いたらやる事は想像つくしょ。」
雀「なるほど…」
園子「そういう事、多分トリオンめっちゃ消費すると思うんよ、めっちゃシンプルに。ミノさんのアイコンタクト的に合体ゆみきちは巨大矢を雨矢の量出せるっぽいからね〜。ハイリターンだけどハイコスト待ったナシなんよ。
これを含めて立案した作戦が…」
ーーー雀sideーーー
夕海子「さておまたせしましたわ!戦闘再開と行きましてよ!!」
園子「じゃあ手筈通りに!」
雪花「了解!」
雀「ラジャー!!」
弥勒さんの宣言を合図として私たち3人は各々動き始める。
雪花さんと園子さんはアルフレッドの方へ、そして私が1人で弥勒さんの方へ。
夕海子「いい度胸ですわね!」ガガガガガガガ
雀「うわ来たぁぁぁ!?」キキキキキキキキキキキキキキンッ!!
双盾を連結して1つの大盾にし、それを屋根のように持って上から降り注ぐ雨矢を凌ぎ接近する。
そしてそのまま近くの家の屋根に登り…
雀「なるようになれぇぇぇぇぇぇ!!!!」
ドッガァァァァァァァァァン!!!!
ガンッ!!
盾を斜め下にしてバッシュを発動する事で先程の銀さんのように急接近、弥勒さんの持つ大弓にしがみつく。
夕海子「んなっ!?その姿勢ですと矢を放つだけで風穴開きますわよ!?」
雀「敵の心配してどーするのさ…それに、そうならないように園子さんより手は与えられてますので!!」
そう、矢の発射口には今大盾が密着していて、雨矢の1本も通さない状態になっている。
園子『当然矢は出ない。ゆみきちは疑問に思って更に放とうとする。これも出ない。そうしてるうちにキャパが限界に達し…ドカーン!!なんよ!!』
ということらしい。ちなみに私も吹っ飛ぶ予定だそうなので
(怖い怖い怖い怖い怖い!!)
と口と表情に出ないように心の中で弱音を吐きまくる。
来ると分かってても怖いものは怖いのだ。
夕海子「なら遠慮なくぶちかまさせて…」
(ぎゃあああああ来るぅぅぅぅぅぅだけどよぉぉぉぉs)
ビュンッ!!
弥勒さんがこちらの思惑に乗ってくれそうになったその時、私を巨大矢が穿ちます。
その傷はデカく、即座にトリオン体は解除。
そして…
アルフレッド「オ覚悟ヲッ!!」
雪花「ッ!?雀!?」
連続で投擲、爆発させた巨大矢の爆風で雪花さんを撒き、アルフレッドが巨大矢を槍のように携え一直線に向かってくる。
そして私の体を…
雀「…信じてる。」
ガンッ!!
貫く、その直前。
弥勒さんが、私の前でそれを阻んでいました。
園子『①誰かがゆみきちに突貫、撃破される
②アルフレッドがトドメを刺しにくるのをゆみきちが阻止
③アルフレッドブチ切れ、合体ゆみきちへ
④合体ゆみきちを撃破!
もし止めに来なかった場合は精霊バリアで防ぎつつ、私かチュン助が妨害に入る形で。』
雪花『おーいいね。ただ囮役が結構危険か…どうする?私やろっか?』
園子『いや、アッキーは満開が強いからフィニッシャーを務めてもらいたいんよ。だから私が…』
雀『…私やります。』
園子、雪花『『…!?!?!?』』
雀『いや、だって攻撃手段がない私残るより攻撃できる2人残すべきじゃないですか。』
雪花『それはそうだけど…』
園子『…チュン助は死とかそういうのに特に敏感じゃん。無理を強いる事はしたくないんよ。』
雀『あー…なるほど…確かにぶっちゃけ敢えて撃破される①は怖いですし痛みなしで倒される方法ないです?って感じですけど、②に関してはへーきへっちゃらです。だって…』
そう、会話した記憶が呼び起こされる。
雀「…ほら、言ったじゃないですか。弥勒さんは絶対助けに来るって。」
アルフレッド「…ッ!オ嬢様!退ケテクダサイマセ!!トリオン体デナクナッタダケデソヤツハ敵デゴザイマス!!」
夕海子「ならばそうだという証拠を私に分かるように提示なさい!!それに、仮に先程まで戦っていた盾使いだとしても彼女は戦う手段を失い、勝負はこちらの勝ちで終わりましたわ!命を奪う必要はありません!!」
アルフレッド「トリオンガ戻レバスグサママタ襲イカカッテキマスゾ!」
夕海子「その度退ければいい話ですわ!!それに私達には話し合いという手段もある!!弥勒家たる者、その者が民衆へ害を齎す者でない限り、分かり合おうとする意志を消してはならないという言葉を忘れになったのですか、アルフレッド!!恥を知りなさい!!」
アルフレッド「…ッ!ソンナモノハ知リマセン!ナント言ワレヨウト、私ハオ嬢様ヲオ守リスル為ニ手段ハ…」
夕海子「知らないと…やはりあなたはアルフレッドではないのですね。」
アルフレッド「何ヲ…!?」
夕海子「弥勒家の先祖が遺した言葉は弥勒家に仕える者全てが教えられ、その心に刻み込む物。
ましてやアレはその最重要項、私の執事が聞きもしない事があるはずがありません!最初に会った時から裏に別な意志を秘めていた事から怪しんでいましたが…」
アルフレッド「…ソウデスカ。ナラモウ仕方ナイ!!アナタハ用済ミダ!!」
夕海子「…!?一体なニ…ヲ…
…トリオンガ尽キル前ニ、勇者3人ヲ殺ス!」
弥勒さんの雰囲気がアルフレッドに近くなり、銀さんに見せたような合体が果たされる。
ユミコ「マズh「そうはさせないっての!!」ッ!」
そして真っ先に近くにいる私に矢を放とうとした時。
声と共に、空に花が咲いた。
ーーー雪花sideーーー
槍から花びらが舞い、即座に氷の結晶へと変化、そしてそこから一斉に黒い槍が数百、放たれる。
ユミコ「…ナラバ先ニ貴様カラダッ!!」
それを見て合体弥勒さんは巨大矢を雨のように放出、相殺し合う。
だが、数ではこちらが有利…そのはずだった。
(なのになんで押し返されてるわけ!?)
僅かながら数で優るはずのこちらが徐々に劣勢になる。
槍と矢の衝突時に発生する爆風が、こちらの槍を複数同時に撃墜し、数の不利をカバーしているのだ。
雪花「嘘…でしょ…っ!!」
思わぬ事態に額から汗が流れる。
より数を増やして対抗出来たらいいが、こちらも長期戦によってトリオンがカツカツ。いつトリガーが解除されてもおかしくない。
だから…
ユミコ「コノ勝負、モライマスゾ。」
雪花「えぇ…でも、試合はこっちの勝ち。」
ユミコ「…ッ!?」
ズバッ!!
園子「精霊、服部半蔵。その能力は忍びらしく"気配遮断"、なんよ。」
園子の槍が後ろから弥勒さんの身体を横断していた。
ユミコ「私…ハ…!」
雪花「ナイス…!!」
それによって弥勒さんと、トリオンに限界が来た私。
両者のトリガーが同時に解け、戦いは終焉した。
ーーー雀sideーーー
雀「雪花さーん!!大丈夫ですかー!!」
雪花「な、なんとか…でも疲労がヤッバい…」
園子「お疲れ様なんよ〜。」
弥勒さんを無事倒し、満開による疲労で1番体調がヤバそうな雪花さんの周りに私も園子さんも集まります。
雪花「フラワートリガー四人がかりで園子以外やられたってのもちょっと申し訳ないけどね…」
園子「まあゆみきちはアルフレッドと連携してきてたからね〜。仕方ないと思うんよ。勝てただけヨシ!って感じで〜。合体を引き出した上で全滅を防いでくれたミノさんも、合体ゆみきちを引き付けてくれたアッキーも、囮になって合体ゆみきちを出させたチュン助も頑張った!全員MVP!!」
雀「えへへ…お褒めに預かり光栄でチュン…」
園子さんの賞賛を受けてそう笑う。
雪花「そういえば…だけどさ。雀は『少しでも死とか危険な確率があれば怖いけど、逆にそれが一切なければ平気なので、今回も平気です!!』って言ってたけど、アレって結局何が根拠なの?」
園子「私もそれ気になってたー!!チュン助そこら辺は結構シビアに判定するタイプだしなんで危険ないって確信できたのかなーって。」
雀「あー…それは…」
雀『弥勒さんってなんで今も復興目指してるの?』
夕海子『ん?どういう事ですか?』
雀『いやほらさー、天の神は退いて大赦もだいぶ変わったわけじゃん?弥勒家復興しても大赦でウマウマはできないんじゃないかなーって。』
夕海子『あのですね…私は別に権力を目的として弥勒家復興を目論んでるのではありません。』
雀『え、そうなの!?…じゃあなんで?』
夕海子『…守るためですわ。何気ない毎日を、幸せに暮らす人々を。権威があるということはそれだけ自身の声が、手が、助けが届く範囲が広がるということ。
強き者が弱き者を助け、そうやって助けられた弱き者がいずれ強くなった時に、また別な弱き者を助ける…そう言った人の助け合いの輪を作ることこそ、私たちがずっと夢見た理想なのですわ。』
雀『…スケールでっか…まあでもいいと思う。応援してるよ。でも復興って結局どうするの?』
夕海子『まあ地道に困ってる人や危険な目に合ってる人を助ける、これに尽きますわね。』
雀『…果てしない道のりすぎない?』
夕海子『えぇ。でも諦める気はありませんわ。いついかなる時だろうと。
…それこそ、私が弥勒夕海子である限りは。』
私の恐怖を消し去った記憶が頭に思い浮かぶ。
(私も友奈さん達に少しずつ影響されてきたのかなぁ…)
そうだ、私は自身の身の危険に関しては思いとかそういうのは置いておくタイプだった。
だけど今回はその思いを根拠にしたし、実際トリオン体を吹っ飛ばされる恐怖はあってもアルフレッドがこちらを刺す恐怖は微塵もなかった。
なら、2人への返答にはこういうしかないだろう。
雀「信じてましたから、弥勒さんの事!」
そう、笑顔で答えた。
2次試験が割と近くなってきたのでまた少しだけ期間空きます