上里ちひろは勇者である   作:☆ここな☆

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山羊座メブが万能かつ隙がなさすぎて展開に苦戦しました。
次はここまで期間空かない…はず…


23話 勇者ノ資格

ーーー三門市東部ーーー

ーーー‪夏凜‬sideーーー

芽吹「…」

ビュンビュン!!

友奈「おっと!」

差し向けられる2本の剣を友奈が引き付け、そこに風が大剣を振りかぶり、上から芽吹を両断しようと振り下ろす。

が…

ガンッ!!

友奈を追う2本とは別の二振りの刃が交差する形で風の一撃を防ぎ、そのまま…

ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!!

激しく振動、それによって大剣が粉々に粉砕される。

だけど友奈でその能力を見ておきながら、無策で粉砕させる私たちではない。

風「‪夏凜‬!」

‪夏凜‬「旋空弧月!!」

両手に持つ2つの孤月が瞬間的にその刀身を拡張し、抑えていた大剣がなくなりフリーとなった剣2本を地面に叩きつける。

これで芽吹の4本の刃は全て彼女から離れた事になり、そこを東郷の狙撃が決める…しかし。

芽吹「…。」バシュンッ!!

東郷『どうですか?』

風「ごめん、防がれたわ。」

左腕に携えられた盾が、芽吹を狙撃から守りきっていた。

友奈「とりあえず東郷さんがまた移動するまではまた攻撃をかわしながら戦うとして…どうやって剣と盾を剥がしましょう…」

風「私は今んとこないわ。‪夏凜‬は?」

‪夏凜‬「申し訳ないけど、こっちもサッパリよ。」

風「そっかー…じゃあ仕方ない、東郷が狙撃ポイントにつくまでに各自案を考えるように!!」

‪夏凜‬「了解。」

友奈「はい!!」

ビュビュビュビュン!!!

そう風が言いきった傍から剣が空を切ってこちらに飛んでくる。

1体4の圧倒的数の有利がありながら、なおも膠着状態となっている現状。

その原因は芽吹の使う山羊座の星座トリガーの秘めた力が大きかった。

自身に触れている物体に共振を強制的に引き起こし、破壊する。

武術を素手で用いる友奈はもちろん相性は最悪であり、武器の再生成にはトリオンを消費する必要があるというトリオンそのものの特性から、近接主体の私や風も決していいほうでは無い。

更に芽吹の周りを浮遊する4本の剣は銃弾のように遠くに飛ばすこともできるため、東郷も攻めきれずにいる。

その結果が現在のこの状況。

(どうにか打開策を見つけたいけど…1番は…)

私のフラワートリガーの解放、になるんだろう。

死角で一瞬だけトリガーを解除し、変化が起きないかを確認するも、その色は変わらぬまま。

小さくため息をしてすぐに再発動する。

…かれこれ、5回目だ。

(強い感情…あるいは決意、だったかしら…それなら私だって…!!)

‪夏凜‬「なのに、なんで…」ボソッ

そう呟き、目を伏せる…だがその一瞬、私は戦闘中であることを完全に忘却していた。

芽吹「…!」

‪夏凜‬「ぁ…」

友奈「っ!?夏凜‬ちゃん危ない!!」ダッ

ガガガガッ

できた隙を逃さぬと剣がこちらを総攻撃、友奈が抱えてくれてなければ直撃していただろう。

‪夏凜‬「…っ。友奈、ごめん…」

友奈「ううん、気にしないで。このまま風先輩と合流しよ!」

 

風「誰も案なしかぁ…」

風はそう言いながら長いため息を着く。

友奈「ビュンビュン飛んでる剣はともかく、盾を弾き飛ばす方法がないですからねー…どうしたらいいんでしょう…」

そう、剣の方は友奈の陽動と私の旋空で芽吹から引き剥がす事は今まで通り出来るだろう。

しかし彼女が左腕に付けている盾、アレは手に持つのではなく腕に固定するタイプであり、風の大剣の一撃をもってしても傷1つ付かない防御力と、共振による粉砕機構を備え持つ。

東郷の射撃を通すためには破壊は必須だが、その手段が思いつかないのであった。

そんなどん詰まりの時だった。

東郷『それなら私に提案があります。』

風「東郷、ほんとに!?」

東郷「はい、そのためにここまで来たんですから。」

次の狙撃ポイントへ移動してるはずの東郷が、すぐ目の前に来ていた。

 

 

 

 

ーーー友奈sideーーー

友奈「勇者…キィィィィィィック!!」

‪トリオン温存のためにトリガーを解除してる‪夏凜‬ちゃんを背負いながら道を塞ぐトリオン兵を一掃していく。

 

東郷『…って事なんですが。』

風『なるほどね、乗るわ、その作戦。』

友奈『待って東郷さん!私と‪夏凜‬ちゃんは!?』

東郷『2人は…』

風『2人は一足先に離脱しなさい。…私たちが芽吹と戦い始めてから10分くらい経ってるのにボーダーからの援軍が誰も来てない。通信も繋がらないし、私達の知らないところで何かが起こってるかもしれないわ。

だから2人はそのための援軍、かつ万が一私と東郷が失敗した時に全滅を避けるための保険。いいわね?』

‪夏凜‬『…わた、しは…』

‪友奈『…はい!わかりました!!』

 

‪夏凜‬「…大丈夫よね、2人とも…」

友奈「…うん、きっと大丈夫。風先輩も東郷さんも強いもん!」

不安そうな‪夏凜‬ちゃんの問いかけに、そう強く答える。

(信じてます、2人とも…!!)

 

ーーー風sideーーー

風「はああああああ!!!!」

芽吹「…!!」

ガキンッガキンッガキガキガキガキガキッッッッッ!!!!!

対‪夏凜‬の時のように片手剣サイズに調整した大剣と、指と指の間に挟んだ小刀4本で芽吹の剣4本による猛攻を凌ぐ。

芽吹はここまでの戦闘で東郷に警戒している。

まずはそれを許さずに、こちらに集中させないと。

風「…見えてる!!」

ブォンッ!!キキンッ!!

正面からの3本を大剣でなぎ払い、意表を突くが如く後ろから迫る1本を小刀2本の投擲で逸らす。

(…ここ!!)

芽吹「…!!」

更にその返しで芽吹の顔面へも2本投擲、その防御に盾を使ったのを確認してすぐがら空きになった足元へと大剣を振るう。

ガキンッ!!

それは戻ってきた剣によって弾かれるが、その額には冷や汗が流れていて、相手もかなりギリギリだったのは目に見えた。

(流石に1人じゃ防ぎきれなくてガンガン傷つけられてるけど、相手もそこそこ焦ってるわね…あとは東郷が…!)

正にそう思ったタイミングだった、空に青いアサガオが咲いたのは。

そして…

満開によって芽吹の真上に出現した艇は、砲門にエネルギーを貯めながら一直線に落下を始めた。

芽吹「…!?………、…!!」

風「その顔、さては気づいたわね。でも逃がさないわよ!!満開!!」

東郷の意図に気づき、すぐさま退避しようとする芽吹を満開によって先回りする。

ビュビュビュビュンッ!!

それを見て芽吹は剣を全てこちらに差し向け、足止めと共に再び場を脱そうと目論むが…

東郷「逃がさない!!」

ヒュンヒュヒュンッ!!ビュンッ!!!

艇の上の東郷がとばした4つのビームビットがそれを阻むようにビームを発射、ビームに阻まれ足の止まった一瞬を狙撃銃が狙い撃つ。

狙撃を回避するべく芽吹が後方に下がるがそこには…私がいる。

風「ナイス東郷!こんれでぇぇぇぇぇ!!!!」

そう叫びながら芽吹の身体を両腕で捉え、そのまま地面に押さえつける。

(よし!あとは…!!)

もう1mもないところまで落ちてきている艇が来るまで逃がさなければいい。

風「さぁーて、仲良く心中よ!」

芽吹「…………!!!!!」

ガンッッッ!!!

そして、直撃…はしなかった。間一髪のところで芽吹が盾によって防いでいたのだ。

風「やるわね…!?」

芽吹「…!!」

勝ちを確信したのか彼女の顔には汗をかきながらも笑みが浮かび、それとともに艇を共振で破壊しようと…

東郷「するんでしょう。読み通りです。」

芽吹「…!?」

東郷「だから天の神と相対した時のように限界までエネルギーを溜め込んできました、例えあなたが共振で艇を破壊しようと破壊しなかろうと、溜まりに溜まったエネルギーが暴発し、吹き飛びます。」

芽吹「…!?!?!?!!???!?」

東郷の言葉によって、その顔からは一瞬で笑みが消え去る。

そして…

東郷「風先輩、伝えるならちゃんと言わないとダメじゃないですか。」

風「ごめんごめん。じゃあ改めて、仲良く心中よ…3人で、ね!!」

ドッッッガァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!!!

凄まじい音と共に青い閃光が爆ぜた。

 

 

 

 

 

ーーー東郷sideーーー

東郷「けほっ…こほっ…」

艇に溜め込んだエネルギーによる大爆発…その威力は凄まじく、半径10m一帯が更地と化していた。

(星座トリガーを倒すためだったとはいえ、住宅地に被害を…帰ったら謝らないと。…帰れたら、だけど…)

そう思いつつ頭を上げる…

芽吹「…」

そこには、ところどころに火傷のような傷を残しながらもトリオン体を維持した芽吹ちゃんがいた。

ただでさえ広範囲な上に、風先輩にガッチリ押さえ込まれていた芽吹ちゃん。

しかし暴発の寸前、盾と4本の剣、そして地面で自身を囲うように直方体を作り共振を発動。

それによって完全では無いもののダメージを大幅に抑え込み、唯一の生還者となっていたのだ。

(まさかエネルギーすらも共振で消せるだなんて…風先輩は満開のトリオン切れで意識を失ってるし、私も風先輩を背負って逃げれる疲労じゃない…)

そして今までの傾向からして芽吹ちゃんは殺しにくる。

詰み、といってもいいだろう状況だ。

(…勇者部6箇条、なるべく諦めない…なんとかして2人とも生還しないと…)

彼女が動き出さないうちに脳をフル回転する。

しかし…

芽吹「…」ダンッ!!

彼女は私達にトドメを刺すことなく、その場を去っていった。

東郷「…あの方角は友奈ちゃん達の…倒した相手のトドメよりも残った勇者を優先した…?」

どちらにしろこれはチャンスだ。

今のうちに風先輩と避難するべきだろう。

(…2人とも…どうか無事で…!!)

 

ーーー‪夏凜‬sideーーー

‪夏凜‬「ねえ、友奈。」

友奈「ん?なになに?どうしたの‪夏凜‬ちゃん。」

‪夏凜‬「…私、どうしたらいいと思う?」

…それは、心の底からの問いだった。

‪夏凜‬「芽吹を助けたい、みんなの力になりたい…私だってそう、誰にも負けないくらい想ってるはずなのに、私のトリガーは一向に変わってくれない…何が足りないの…?実力…?覚悟…?適性…?それとも…何もかも、足りないのかな…」

不安と焦燥に苛まれ、弱りに弱った心から本音が漏れ出る。

‪夏凜‬「…本当は、私なんて勇者にふさわしく…」

友奈「あのね、‪夏凜‬ちゃん。」

最後の一言を遮るように、友奈が言葉を発した。

友奈「あくまで私の時の話だけど、ただ決意した…ってよりは、こう…決意し直した感じだったの。握った拳をさらにグッと握るんじゃなくて、1回開いてからさらにグッとやる感じ。

‪夏凜‬ちゃんは凄く優秀で凄く優しいから、みんなだったらこういう時に改めて思うような事も、日頃から無意識のうちに思ってて、握りっぱなしになってるんじゃないかな。」

‪夏凜‬「友、奈…」

優しくそう語る友奈の言葉を聞いて、微かに声が漏れる。

友奈「だから自分を責めないで、‪夏凜‬ちゃん。

‪夏凜‬ちゃんは、誰が見ても立派な勇者…」

ザスッ!!

‪夏凜‬「…友奈!?」

友奈「…か、は…!?」

その時、友奈を凶刃が貫いた。

(これは、芽吹の…剣…!?)

剣は的確にトリオン供給機関を破壊していて、友奈のトリオン体は即座に解除される。

‪夏凜‬「…作戦が失敗したってよりは芽吹が一歩上を行ったっぽいわね…だいぶボロボロだし。

友奈、すぐ近くに避難所があるはずだからそこに。」

友奈「…頑張って、‪夏凜‬ちゃん!!」

友奈はその一言だけを残し、駆けていく。

‪夏凜‬「…開いてから握り直す、か…」

目を閉じて静かに深呼吸をする。

焦りと迷いがあった。

遅れた分も取り返してみんなの力にならねばならないという焦り。

大丈夫だろうとは思いつつも、万が一の時はどうしようという迷い。

それらがどデカい箱のように手のひらに乗っかっていて、握りきれてなかったのだ。

…だから。

パンッ!!

自身の頬を両手で叩き、乾いた音が周りに響く。

手のひらの箱を砕くように。

‪夏凜‬「…よし。…完成型勇者、行くわよ!!」

その言葉と共に展開されたトリオン体は…懐かしいあの勇者服を纏っていた。

‪義輝「諸行無常。」

‪夏凜‬「…久しぶりね、義…輝!!」

ドガァァァァァン!!!

言葉を言い切る前に芽吹の剣が足元に凄まじい速度で突っ込んできたのを、間一髪で回避する。

(もう少し待ちなさいよ…って言いたいとこだけど、友奈倒してからそこそこ待ってくれてたし私が時間かけすぎただけね。)

‪夏凜‬「…さあ、勝負よ、芽吹!!」

その声と共に、両者は激突した。

 

 

 

 

 

ーーー三門市西部ーーー

ーーー園子sideーーー

園子「みーっけ!とりゃ!!」ズバッ

ブシュウウウウウ…

私の槍が瓦礫の中のある一点へと伸び、そこから何かの刺突音とトリオン漏れ特有の黒い煙が出てくる。

(そしてそのまま縮ませて回収…っと!)

そうして出てきたのは手のひらよりやや大きいトリオン兵。

その姿はラッド…ゲートを開くトリオン兵に酷似している。

しかし身体の中央に付いているはずのゲートを作り出す機構がなく、代わりに超小型の電波塔らしき物がついていた。

園子「亜種って感じかな?しかしふむふむ、この形状…間違いなく通信を妨害してたトリオン兵なんよ〜!!」

私達がゆみきちと交戦を開始してからおそらく2分程度の頃、突然としてオペレートしてくれてたうさみん先輩(宇佐美)との通信が途切れた。

本部や個別通信も通じないので、何かしら要因があるに違いないと1人で捜索していました。

(こんなタイプ聞いたことないし、多分新型だよね〜…運良く損傷もそこまでだし、このまま本部に持って帰ってタヌキさん(鬼怒田)に渡そーっと。)

あれこれ考えながら戻ったであろう通信を繋げる。

園子「もしもしうさみん先輩?聞こえてます〜?」

宇佐美『園子ちゃん!?無事なの!?よかったぁぁ…そっちにも友奈ちゃん達の方にも突然繋がらなくなって焦ったんだから…』

園子「ラッドの亜種らしき新型を確認したので、多分原因はコイツですね〜。ゆみきちは撃破、ミッションコンプリート!しましたのでご安心を〜」

宇佐美『ホントに!?ナイスだよ!!

園子ちゃん以外に動ける人は!?』

園子「うーん、正真正銘私だけなんよ。」

宇佐美『…そっかぁ…でも倒してくれただけでありがたい!!ホントによくやってくれた!!』

その言葉がふと、引っかかった。

「動ける人は!?」「倒してくれただけありがたい」…それじゃまるで、人手が足りないみたいではないか。

今回の侵攻、星座型や星座トリガー抜きのトリオン兵の規模で言うなら前回はおろか、私が暴れた時の侵攻にすら劣るはずなのに。

園子「…今回、援軍の部隊が一切なかったんですよ〜

…何がありました?」

宇佐美『…あのね…』

 

ーーー少し時は遡り、三門市北部ーーー

ーーーちひろsideーーー

ちひろ「出水さん、お願いします!!」

出水「分かってる!バイパー!!」

ドゴゴゴォォォォン!!!

逃げる牡牛座の行く手を阻むかのように、出水さんのバイパーが進行方向から迎撃する。

そしてそこを…

太刀川「旋空弧月。」

ズバッズバッ

太刀川さんの旋空が4撃、身体の六割がたを切り落とす。

北東、北西、北のそれぞれに現れた星座型三体。うち私と太刀川隊(唯我さん抜き)は北西の牡牛座と激突。

動きを制限する音色を出す鐘を早々に出水さんのトマホークが破壊したものの、前回の侵攻と同じくブラックトリガーによるものと思われるゲートが出現。

他の二体と合流して合体バーテックスとなられるのを防ぐべく、追撃しているところだ。

とはいえ撃破しても合体を防ぐことはできない、だから…

ちひろ、樹、竜治「『『封印開始!!!』』」

屍を吸収する隙すら与えない、同時撃破。

それこそが私&太刀川隊、樹ちゃん&嵐山隊、竜治君&玉狛第一の三組が立てた作戦だった。

ブウウウウウウウウウン

封印によって露出した牡牛座の御霊は細かく振動、いつもの音波を出し始める。

(だけど御霊の方が強力になってる…!!)

さらにそれだけではなく…

出水「おいおい、トリオンが乱されて弾途中で消えんぞこれ。」

太刀川「旋空程度のトリオン消費でも不発なるか…ちひろ!!」

ちひろ「了解です!!」ダッ

ガキンッ…ビュンッ!!

跳躍して刃を片方のみにしたソードビットに乗り、それを太刀川さんが孤月で大きく打ち上げる。

出水さんのアステロイドの消え方からして、御霊に近いほど音波の効果は強烈になるはずだ。

(つまり遠くにいけばいくほど、多くトリオンを使うものでも平気になる…!!)

タッツー「りゅ〜!!」

勢いが弱まってきた頃にソードビットをウイングへと形状変化、更に高みを目指す。

(あと数メートル登ったらウイングを解除、落下時の勢いと合わせてダガーで叩き割る…!!)

ちひろ「2人ともごめん、任意でタイミング合わせれそうにない!!合わせてもらえる!?」

竜治『そっちは牡牛座…ならめんどいだろうしな!了解だ!!』

樹『私の方もいつでもいけるよ!!任せて!!』

ちひろ「ありがとう2人とも!!じゃ…」

牡牛座の御霊を確認し、狙いを定め…

(…え?)

ありえない光景を目で捉える。

竜治君と樹ちゃん、その双方が目に映ったのだ。

いや、別にこの場に集まってた事自体は不思議ではない。

逃げる星座型を追いかけてかなりの距離を移動したし、お互いそれに気づかなかったのも、ゲートが巨大な障害物として作用していたのだ。

しかし、ゲートが説明つかない。

これほどの近くまで来てるのだ、ゲートを使わずとも合流は容易のはず。

ならばこのゲートは何のため?

水瓶座と天秤座、牡牛座の合流以外になんの…

(…まさか!?!?)

ちひろ「モードネット!!」

ヘボン「はいはい!!」

ソードビットを超細かくしてから連結、漁に使う網のようにして牡牛座の御霊を包み込む。

そして全体の大きさを縮小、半ば力技で音波を封じる。

太刀川「!?トドメはどうした!?」

ちひろ「中止です!!2人とも聞こえてる!?今すぐ御霊を持って離脱!!できるだけ早く、そして遠くに!!」

竜治『は!?なんでだ!?』

ちひろ「このゲートは三体の合流用なんかじゃないの!!しs…」

ボボボボボボッ!!!!!

そう言いかけた時、ゲートの中から火の粉が…否、炎を纏ったコメッタが溢れ出し、こちら目掛けて突撃してくる。

それを見てすぐさまネットを解除、シールドに切り替えようとするが、相手が早すぎた。

(間に合わな…)

出水「アステロイド!!」ガガガガガガガガ

太刀川「旋空弧月!!」ザザザザンッ!!!!

しかし、太刀川さんと出水さんが全てを撃破、私は事なきを得る。

出水「炎纏ってたやつ、ただのコメッタより耐久力上がってたぞ?」

太刀川「ってーとまさかダンチで強いっつーアイツか?」

ちひろ「…いや、違います。」

ネットを解除した事で自由となった牡牛座の御霊は再び振動を開始…することはなく、ゲートの中へと進んでいく。

…そして。

ゲートから巨大な火球、その輪郭がはみ出てくる。

やがてそれは形を変え…炎が消えて完全に変形…融合を完了、ゲートが消失してその全容が顕になる。

それは、忘れることのできるはずがない姿だった。

ちひろ「…レオ・スタークラスター…!!!」

死の星群が、そこに佇んでいた。

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