この仮面の闘士に異世界を!   作:GPSA(´・ω・`)FB

3 / 8
今回はオリ回及び、オリ主の戦闘回です(・ω・)
登場人物はモブの冒険者及び、ゆんゆん、クリス、ダクネスとなっておりますm(_ _)m


第2話 『異世界の初クエストで変身を!』

−−−−−

 

ギルドを出る際に入れ違いになっている事など気付く事もなく、ジャイアントトードの目撃情報があった草原へと着いた真護。

バイクであるファイトバスターに乗ってきた為、普通なら数十分程掛かる距離も2、3分程で来れる距離になっている。

 

「さーてと、まずはジャイアントトードを5匹倒せば良いんだったな。それと、薬草を集めてと……薬草がある森は此処から近いし、帰る前にでも良いかな?」

 

移動手段にアドバンテージがある分、これならもう少し多くクエストを受けるべきだったかなと思いつつも、慣れない事をするから時間は取っておいた方が良いなと考えれば、まずはジャイアントトードというモンスターを探す事にした。

 

「あれかな?…にしても、でっかい蛙だなぁ……」

 

すると早速、近くに緑色と白色の体をした巨大な蛙を見付ける。

依頼書に書いてあった絵の通りで蛙だった為、この世界だと蛙は大きいのが普通なのだろうかと思いつつも、ジャイアントトードがこちらを見ている事に気付く。

更に、バイクの音に気付いたのか、地中からも数体のジャイアントトードが現れたのだ。

 

「おっと、ちょっと多いな…ファイトバスターは離れててくれないか?」

「ーー。ーーー。ーーーーー。」

「大丈夫大丈夫!ちゃんと力を使えるか分からないし、リハビリついでに戦うだけだ。それに、あれぐらいなら変身しなくても勝てるよ。」

 

ジャイアントトードが動き出した様子を見れば迎撃した方が良いなと真護は考えると、乗っていたファイトバスターから降りながら離れるように指示をする。

ファイトバスターの方はと言うと、機械音を立てて離れようとしなかったが、真護の言い分を聞くと納得した様子でその場から少し離れていく。

 

「よーし、蛙退治開始だ…来いっ!」

 

ファイトバスターが離れたのを確認すると、そのまま近付いてきているジャイアントトードを見据えながら身構えていくのだった。

最初に気付いて近付いてきたジャイアントトードが、標的として真護を捉えているのか、大きな口を開けると勢い良く舌が鞭のように飛び出して真護に迫っていく。

 

「おっと、はっ!!」

 

鋭く迫ってきたジャイアントトードの舌に対して真護は前転して回避すれば、空振りに終わった舌を引っ込めたジャイアントトードに向かって勢い良く走っていく。

そして、距離が縮んだ辺りでもう一度舌が飛んでくると、ガラ空きの懐に潜り込んでいけば、光の粒子を纏っている片腕を振りかぶって、ジャイアントトードの胴体へと拳を叩き込んだ。

直後、凄まじく鈍い衝撃音と共に光の粒子がジャイアントトードに駆け巡っていくと、拳を撃ち込まれたジャイアントトードが泡を吹きながらその場に倒れていったのだった。

 

「よし、まずは1匹!…次だ!」

 

倒れたジャイアントトードを見て殴った感覚を確かめるように軽く拳を握れば、戦闘に問題ない事を確認すると、続いて集まるように来た数十体のジャイアントの群れを見据えて身構えれば、先手必勝と言わんばかりに突っ込んで行ったのだった…

 

−−−−−

 

真護がクエストに出発し、更にゆんゆんがルナの話を聞いてギルドから飛び出して、早くも30分程が過ぎていた。

ゆんゆんは、自分のパーティーに入りたいと言ったレベル1の新職業の冒険者が、いきなりジャイアントトードの討伐に一人で向かったと聞いて急いで草原に着いたのだが…

 

「ル、ルナさんの話だと…こ、此処に来てるみたいだけど……」

 

その場には数体のジャイアントトードが横たわっており、更に一箇所に集められていたのだった。

また、横たわっているジャイアントトードの体には切り傷や魔法を受けた跡が残っておらず、頭部や腹部に一箇所だけ、何かで殴ったような跡があるだけなのだ。

 

「ジャイアントトードって、打撃攻撃が効かない筈なのに…って、えっ?」

 

ゆんゆんは不思議そうにしながら、綺麗な状態で倒れているジャイアントトードの亡骸を見ていたが、その近くにいるある物体に視線が移る。

車輪のような物が付いた、カラフルな金属の物体が動いていたのだ。

 

「ーーー。ーーー。ーーーー。」

「えっ?…ええええぇぇっ!!?」

 

カラフルな金属の物体ことファイトバスターは、その場に現れジャイアントトードに近くゆんゆんに気付いて機械音を出しながら近付いていく。

 

「しゃ…喋ってる…!?」

「ーー。ーーーーーーーー!ーーー。」

 

対してゆんゆんの方はというと、見た事もない金属の物体がこちらに向かって来ている事に唖然としつつ恐怖を感じていたが、機械音に気付いた後、金属の物体が意識を通して自分に話し掛けて来ている事に気付くと、恐る恐るファイトバスターに近付いていく。

 

「え、えっと、トウノシンゴさんの知り合いなの?」

「ーーーー。ーーーーーーーー、ーーーー。」

「や、薬草を取りにあっちの森に入って行ったんだ…。えっ?あ、案内してくれるの?あっ、まっ、待ってーーっ!!」

 

そして、恐る恐るトウノシンゴという人物について何か知っているのだろうかと聞き尋ねると、ファイトバスターは道案内をする為、先に真護が入った森へと向かっていく。

そんなファイトバスターの行動に、再び慌てた様子で追い掛けていくゆんゆんであった…

 

−−−−−

 

「よーし、これぐらいあれば十分かな?」

 

袋を片手に大量の薬草を集めていた真護だったが、倒したジャイアントトードも持って帰らなくてはならない為、欲張らずに取れる分だけ持ち帰ろうと決めると、袋の口を括りながらすぐさま踵を返して森から立ち去ろうとした。

 

「…ん?…血の匂いだ。それに…何かいるな?」

 

しかし、森の奥の方から微かに血の匂いと共に嫌な予感がすれば、迷う事なくすぐさま森の奥へと走っていく。

すると、その場には3mぐらいの巨体な黒い熊が、獲物を追い詰めているかのように立ち上がっていた。

 

「あれは…熊だな。それと…」

 

その大きな熊の近くには、気を失っているのか倒れている騎士、怪我をして木に座り込んでいる剣士や、怪我をしている冒険者の傷口に光を当てて癒しているプリーストがいた。

更には、動けない冒険者達を守るように大熊相手に立ちはだかり、剣一つで相手しようと身構えている、鎧を着けた凛々しく妖麗な女性…そして、身軽そうな服装をした可憐な少女が短剣を片手に大熊を見ながら身構えているという状況だった。

怪我人を庇いながら戦っている2人の女性は、見るからに肩で息をしているのが分かるぐらいバテている。

 

「くうっ…!?」

「ダクネス!?くっ、このままじゃ…」

「良いぞ…凄く、イイッ!!」

「…………」

「…あの2人もヤバイ状況だけど、怪我してる人達が1番危ないな。」

 

すると、前衛をしていた騎士の格好の女性が大熊から放たれた一撃を防ぎきれず、大きく吹き飛ばされてしまった。

…が、何故か吹き飛ばされた筈の女性が喜んでいる事について気になったのだが、まずは目の前の熊から怪我人達を避難させる為、すぐさま大熊の注意をこちらに晒そうと行動に移す事にした。

ちなみに、薬草を入れた袋の口をしっかり括り閉めた後、何処かに飛ばないように重い石を重しにして置いている。

 

「すぅーっ……おーい!こっちだ!!デカい熊!!まだ此処にも居るぞ!!掛って来い!!」

「「……えっ?」」

 

意を決した真護が最初に取った行動は、大熊に向かって大きな声を上げたのだった。

 

「グゥ?ゴアアァッ!!」

「…よし、そのままこっちに来いっ…!」

 

真護の叫び声に反応したのか、大熊はダクネスと呼ばれていた騎士の女性の方から叫んでいる彼の方へと振り向く。

そして、咆哮を上げながら真護の方へと勢いよく走っていく。

その熊の行動を確認した真護は、上手くおびき出せたと考えると、冒険者達から熊を離す為に森の奥深くの方向へと走り出していった。

 

「「…ええええええぇぇっ!!?」」

 

突然現れた青年の行動と、青年を追い掛けて行った熊の様子にに唖然としていた軽装備の少女と、ダクネスと呼ばれていた騎士の女性だったが、少しの間の静寂が流れた後に驚愕していた。

 

「…お、おい、クリス!一撃熊があの青年を追い掛けてしまったぞ!?」

「い、急いで助けに行かないと…!!」

 

そして、混乱しながらも我に帰れば、気が付いた冒険者達や、怪我人を治しているプリーストの様子を確認してから、急いでこの森から立ち去るように言えば、すぐさま森の奥へと急ぐ事にした。

ちなみに、ダクネスは自分を追い詰めていたモンスターが、そっぽを向いて別の人の方へと行った事にショックを受けつつも恍惚の表情を浮かべている。

 

真護がおびき寄せた熊は一撃熊と呼ばれており、強靱な前足から放たれる一撃は、人の頭部を簡単に刈り取ってしまう程の威力を誇る。

ギルドや冒険者内でも有名で、危険モンスターとして指定されている為、冒険初心者やソロで活動する冒険者は遭遇したら逃げるのが得策である。

但し、一撃熊は体格に見合わず素早い為、普通なら逃げるのも困難なのだ。

 

そう、『普通の人間』なら…

 

「…おっと、群れの方も来たみたいだな。それに、これだけ離れてれば問題ないかな?」

 

一撃熊をおびき寄せてから暫く走っていた真護だったが、前方からも複数のモンスター…一撃熊の群れが来ている事に気付いて足を止める。

恐らく、血の匂いに釣られてこちらの方向に向かって来ていたのだろうと考えつつも、周囲に人の気配が無いかを軽く確認すれば、挟み撃ちの形で迫り来る一撃熊を見据えながら身構えていた。

 

「さてと…怪人でもないのに力を使うのはちょっと気が引けるけど、無闇に人を襲ってるそっちが悪いんだからな。」

 

脚を肩幅ぐらいに広げてから腰を少し落とし、両腕を腰辺りに下ろしながら構えると、光の粒子と共にベルトが出現する。

ベルトの中心には翠色の輪石が埋め込まれており、神々しさを感じさせるよう仄かに煌めいている。

出現したベルトは使用者である真護の意思を汲むように中心部にある輪石の光が強く輝きを増すと共に回転していけば、周囲を照らすほどの眩い光を放っていた。

 

−−−−−

 

「ーーー!ーーーーーーーー!」

「ま、待ってよーっ!、って…あ、あの人がシンゴさん?ま、まさか…素手で戦うつもりなの!?」

 

ファイトバスターを追い掛け、別方向から森の奥へとたどり着いたゆんゆんだったが、呼吸を整えながらも森の奥に見える人影に気付いて近付いていくと、複数の一撃熊相手に武器も持たずに素手で構えている真護の姿を見つけたのだった。

 

「は、早く助けないと…!」

「ーー、ーーーーー。ーーー、ーーーー。」

「…えっ?で、でも…あれ?」

 

すぐさま真護を助ける為に魔法を唱えようと、魔力を集中させるゆんゆんだったが、ゆんゆんの前に出てきたファイトバスターの機械音に詠唱が止まる。

そして、ファイトバスターは相棒の様子を見守る事にしたのか、そのままその場に止まったまま真護のいる方向へと向いたのだった。

ファイトバスターの反応に不安そうにしていたゆんゆんだったが、視界に映る変化に気付く。

 

「…?何、あの光……」

 

真護を中心に光の粒子が現れていたのだ。

そして、彼の腹部にはいつのまにか変なベルトが付いていたのだ。

ベルトから放出されている光は、魔力の力でもなければ浄化の力でもない…全く別物の力だという事だけをゆんゆんは感じ取っていた。

 

−−−−−

 

「はぁっ、はぁっ…追い付いたは良かったけど…っ!?」

「クリス!あの青年、一撃熊の群れに囲まれているぞ!?な、なんて羨ま…は、早く助けなければっ!」

「………ダクネス、ちょっと黙っておこうか。」

 

一撃熊と真護を追って来たダクネスとクリスも現れるものの、彼が危機的状況に陥っているのを羨ましそうに見て呟くダクネスに対して、呼吸を整えながらどうしようかと考えるクリス。

下手に奇襲を掛けた所で一撃熊の群れが一斉に暴れ出すのは目に見えているのだから…

 

「(あ、あの光は一体……?)」

 

しかし、真護が着ている服や彼の体から発している光の粒子…そして、腹部に出現しているベルトの存在に気付けば、彼が異世界からの転生者だという事にすぐさま気付いた。

しかし、クリスにはどうしても違和感があった。

何故なら、彼が着けているベルトから発する力は、転生者が手にする特典としてはあまりにも異質だから。

 

「すうぅっ…はあぁぁっ……」

 

周囲に人がいる事に気付いていないのか、真護は静かに構えたまま目を瞑りながら深呼吸をして集中する。

真護の身体に纏わり付いている光の粒子が、腰辺りに添えている左腕に集まっていた。

右脚をすり足のようにゆっくりと前に出し、同時に右腕を前方に出しつつ胸元の高さまで持っていく。

粒子同士のぶつかり合いによって、その場が激しい光の輝きに覆われていくと、目を瞑っていた真護は静かに目を開けながら敵である一撃熊を見据え、添えていた左腕に力を入れて拳を強く握る。

 

「…変身ッ!!」

 

そして…真護は力強く叫ぶと共に光の粒子が集まっている左腕を、正拳突きの要領で勢い良く突き出していけば、溜まっていた光の粒子の塊が握りしめられていた左手の拳から放たれたのだ。

 

「ゴアッ!!?」

 

放たれた粒子の光は勢い良く前方の一撃熊に向かっていき、粒子が直撃した一撃熊の一頭は大きく吹き飛ばされていた。

そして、大量の光の粒子が真護の元に戻っていけば、彼を包み込むように集まっていくと人の形を象っていく。

やがて、何かが弾け飛ぶような鋭い破裂音と共に、掻き消えた粒子の光から人影が出現した。

 

橙色の基本色と黄色の模様が施された、軽鎧のような装甲皮膚

灰色と黒色の混じった、ラバースーツのような強化皮膚

仮面のような顔に、虫のような大きな赤色の複眼

人間の髪のような茶色のパーツ

そして、赤い鉢巻を付けた…格闘家のような姿をしたモノがそこに現れたのだ。

 

「えっ…えぇっ!?」

 

「なっ!?」

「姿が…変わった…!?」

 

真護が変身と掛け声を上げてから、謎の存在の出現までの一連を目撃した3人は、突然の出来事に唖然として言葉が出なかった。

ただ分かっている事は、一撃熊に囲まれていた青年の姿が変わったモノという事だけだ。

ファイトバスターに連れられて来たゆんゆんはもちろんの事、追い掛けて来た筈のダクネスとクリスも、本来するべき事を忘れてしまうくらいの衝撃を受けていたのだった。

 

「グオオオォォッ!!!」

「…行くぞっ!」

 

唖然としている外野をよそに、威嚇してきている一撃熊を見据えて構えるモノ…ファイターはすぐさま身構えると、一撃熊に向かって勢い良く走って行く。

いきなり目の前に現れた異形に違和感を覚えながらも、群れの1体の一撃熊が目の前の獲物を返り討ちにしようと、向かって来たファイターに対して、振り上げた両腕を勢い良く振り下ろす。

しかし、振りかぶった腕は空振りに終わってしまう。

そう、ファイターは一撃熊の間合いに入る前に横に避ける訳でもなく、後ろに下がる訳でもなく…跳躍して避けたのだ。

だが、ファイターは跳躍して避けただけでは終わらない。

そのまま跳躍した勢いで空中で片足を突き出すと、そのまま落下の勢いに乗って急降下していく。

すると、突き出した足の裏から光の粒子が発生すれば、急降下する速度が更に速くなっていた。

 

「はあああぁぁぁっ……だりゃあああぁぁっ!!!」

「ブオオオォォッ!!?」

 

急降下しているファイターに対して、一撃熊はそのまま彼を叩き落とす気なのか、勢い良く両腕を振りかぶったものの、急降下してきた速さに反撃が間に合わず、ファイターが繰り出した飛び蹴りをその身に受けてしまい、大きく後ろに下がっていく。

飛び蹴りを放ったファイターは着地をしたものの、飛び蹴りを命中させた一撃熊を見る事なく、背中を向けたまま静かに深呼吸をしていた。

 

「グオオォッ!!」

 

それに対して飛び蹴りを受けた一撃熊は、大きなダメージを受けたとはいえまだ動けるのか、背中を向けているファイターに向かって突撃しようと四足歩行になって走り出していた。

 

「はぁぁぁ……」

「グゥ…!?…ゴ…ゴオォ…」

 

しかし、ファイターの背後にまで迫って来ていた一撃熊の動きが突如止まる。

ゆっくりと身体を起こし二足歩行の状態になったと思えば、ゆっくりと後ろに後退していたのだ。

1歩ずつ後退するたびに、ファイターが纏っていた光の粒子の光が、まるで稲妻のように一撃熊の身体を駆け巡っていく。

 

「ゴアァッ…ゴアアアァァッ!!?」

 

そして、退がる歩数が増えるごとに稲妻の勢いと光の輝きが強くなっていく。

やがて、光の粒子と稲妻の勢いに耐えられなくなったのか、そのまま一撃熊は膝をついて前のめりに倒れていく。

直後、一撃熊の身体から大量の粒子が吹き出すように現れれば、眩い閃光ともに大爆発を起こしたのだった。

 

「…まだ、来るか?」

 

一撃熊から発せられた爆発が静まり、ゆっくりと顔を上げたファイターは、こちらに威嚇したたま動かない一撃熊の様子を見ながらポツリと呟く。

すると、ファイターが見せた力に怖気付いたのか、一撃熊達はそのまま逃げるように森の奥深くへと走り去っていった…

逃げ去った一撃熊を追い掛ける事なく、様子を見ていたファイターだったが、一呼吸置いてからポツリと呟くと、再び光の粒子に包まれていく。

激しい粒子の光が収まると、その場に再び真護が現れたのだった。

 

「…行ってくれたか。ふぅっ、力は完全に戻ってる…けど、無闇には使えないかな?」

 

そして、爆発した一撃熊がいた場所を見れば、自分が失っていた力が問題なく使えている事を確信していた。

そして、人前では決してこの力を使わないようにしようと決意する。

だが、その決意はすぐさま無意味なものになってしまう事になる。

 

「君!!今のは何だ!?ただの飛び蹴りで一撃熊をどうやって倒したんだ!?」

「うわあぁっ!!?だ、誰っ!?どちら様!?…って、あ、あれ?さっきあの熊と戦ってた人…?」

 

先程薬草を置いてきた場所に戻る為、その場から立ち去ろうとした真護だったが、大きな声を上げながら近付いてきた声にビックリしてしまう。

慌てて聞こえてくる声の方向を向くと、自分が誘き寄せた一撃熊と戦闘していた、騎士の格好のような金髪の女性…ダクネスがいたのだ。

しかも、爛々とした表情を浮かべ、目を輝かせながら…かなり近い距離で。

 

「…えっと、怪我してるみたいだけど大丈夫?」

「ん?あぁ、この程度ならどうという事は無い。それに、私はこれでも力とタフさには自信があるんだ。だから、私の事については気にしないでくれ。」

「そ、そうなのか……」

 

突然現れたダクネスに驚きつつも、服や鎧の所々に傷や土埃が付いている様子に気付いて心配して声を掛けるものの、特に問題ないと言いたげな様子で話すダクネス。

しかも、何故か嬉しそうな表情を浮かべている為、更に真護は困惑していた。

 

「あー…急にダクネスがゴメンね。驚かしたみたいで。」

「えっ?あぁ、いや、大丈夫だよ。確かに驚いたけど…2人って、さっき怪我人を庇いながらあの熊と戦ってた人達だよな?」

「アタシはクリスだよ。それで、こっちがダクネス。よろしくね。」

「あ、あはは…よろしく。」

 

そこに、動き易そうな格好をした少女…クリスも遅れて現れる。

因みにクリスは、変身していた真護に呆気にとられていたのだが、更にダクネスが彼に詰め寄っていた事に気付いて慌てて来たのだ。

 

「…そういえば、あんなデカイ熊と戦ってたのに大丈夫なのか?結構ボロボロだったみたいだけど…」

「まぁね。けど、君が一撃熊を何とかしてくれたお陰で大丈夫だよ。」

「えっ?あ…あ、あははは……あの熊って、そんな名前付いてたんだ…知らなかったよ。」

 

2人の様子を見ながら心配して聞き訪ねる真護だったが、変身して一撃熊を倒した事をクリスから言われれば、返答に困った表情を浮かべながら話し続ける。

 

「…所で、君が使っていたあの力は何なの?それに、お腹に付いてたベルトも今は無いみたいだけど…」

「そうだ!その事について私も聞きたくてだな!」

「ええっ!?あぁーっ、えっと…あれは、そのー……」

 

そして、案の定と言うべきか、クリスにベルトの事について聞き訪ねられれば、困った表情を浮かべながらもどうやって話を逸らそうかなと考えるものの、視線を逸らした先に視界に入ったゆんゆんの姿に更に顔が青ざめていく。

しかし、何故かこの場にファイトバスターが居る事に気付くと、視線をファイトバスターに送る。

すると、ファイトバスターは何かを察した様子で森の出口へと向きを変える。

 

「えっ、ど、どうしたの?」

「ーーー、ーーーーーー。ーーーーーー。」

「えっ?今から逃げるから乗れ?って……え?」

 

ふと、方向転換したファイトバスターに気付いたゆんゆんがファイトバスターに問い掛けるものの、返って来た返答に困惑するゆんゆんだったが、言われるがままにファイトバスターの座席へと座る事にした。

 

「えっと…その、さよならーーーーっ!!!!」

「あっ!!?」

 

そして、クリスとダクネス質問から逃れる為、身体に粒子を纏いながら謝った真護は、急いで全力疾走しながらその場を離れる事にした。

クリスとダクネスが慌てて追いかけようとするものの、その場で発生した突風で身動きが取れなくなっていた。

 

「えっ?ひゃあああぁぁっ!!?」

 

そして、走り出した真護の様子にキョトンとしていたゆんゆんだったが、同じくエンジンを吹かせて走り出したファイトバスターの急加速に吹き飛ばされそうになりながらも、慌ててグリップを持ってしがみ付いていたのだった。

 

「ま、待って!…って、早っ!!?」

「あ、あっという間に行ってしまったな…」

 

入り組んだ森の中にも関わらず、凄まじい勢いで逃げて行った真護とファイトバスターの様子に唖然としながら、ダクネスとクリスはただ見ていたのだった。

…因みに、後にこの行動が悪手だったという事を真護は思い知らされるのだが、それはまたもう少し後の話になる。

 

−−−−−




次はオリ主のやらかしによる反省回になります(´・ω・`)
引き続きゆんゆんが出ます(´ω`)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。