この仮面の闘士に異世界を!   作:GPSA(´・ω・`)FB

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原作主役の3人の登場です(´ω`)
登場人物はヒキニートと駄女神と爆裂ロリ…もとい、カズマ、アクア、めぐみんが追加されます。



第4話『この曲者揃いなパーティーに救済を!?』

ーーーーー

 

「ふあぁぁ〜っ…もう朝かぁ、早いなぁ…。」

 

並行世界から転送された青年…闘野真護がこの異世界に送られてから1ヶ月が経過していた。

 

「…よし!準備完了!ゆんゆんは起きてるかな?」

 

やや遅めに起床した真護はベッドから降り、顔を洗って歯を磨いてから普段着に着替え身支度を整えてから部屋を出る。

そして、朝食を取るのと仕事を見つける為にギルドに向かう為、まずはパーティーメンバーであり異世界で最初の友人であるゆんゆんが泊まっている部屋へと向かう。

 

「あっ、シンゴさん!おはようございます!」

「おはようゆんゆん。」

 

扉をノックすれば扉が開きゆんゆんが出てきた。

最初に起こしにきた時はパジャマ姿で現れていたのだが、毎日のように起こしに来る真護に寝間着姿を見られるのは恥ずかしかったのか、早く起きて既に身支度を終えている状態で出てくるようになっていた。

なお、真護本人は寝坊しても時間はある事と、クエスト以外だと何処かに遊びに行く事以外は暇になってしまうため、自分が起こしにくるからゆっくりでも大丈夫だと言っている。

 

「よーし、今日も一日頑張ろっか!」

「はい!行きましょう!」

 

準備を終えているゆんゆんと共に宿を出れば、外で待機しているファイトバスターに乗って宿へと向かう。

1週間辺りからこの異世界の生活に慣れたのか、重労働のクエストの時や宿で各部屋に戻るとき以外は基本的にゆんゆんと共に行動している。

 

ある時は別の街に行く商人達を護衛するクエストを…

またある日には危険モンスターの討伐を…

またまたある日は畑に生えた秋刀魚の回収を…

 

たまに変なクエストに遭遇するが、真護本人はそれなりに楽しんでクエストに励んでいたのだった。

そしてギルドに到着すれば、まず掲示板に貼られているクエストを確認する事にした。

しかし、見慣れたクエストしか確認する事が出来ない。

 

「んー…張り出されてるクエストが少なくなってる気がするな。」

「じゃあ、ルナさんに張り出されているクエスト以外に良いものが無いか聞きましょうか。」

「そうだな、そうしよっか。」

 

掲示板とにらめっこするように眺めていた真護だったが、ゆんゆんの提案を聞いて頷くと、受付に座っているルナの元に向かう。

 

「おはようございますルナさん。今日は何かクエストは無いですか?」

「あっ、シンゴ様、ゆんゆん様、おはようございます!そうですね…他のクエストはこんな感じになっていますよ?」

 

そして、受付にいるルナに挨拶してから良いクエストがあるか聞けば、掲示板に載せきれていなかったクエストを確認する事にした。

 

「んーっ…ジャイアントトードの討伐がズラリと並んでますね……」

「すみません…ここの所、クエスト依頼の件数が少なくなっているんですよ。」

 

しかし、やはりというべきか…農地や家畜を荒らすジャイアントトードが繁殖期を迎えているため、ジャイアントトードトード関連のクエスト依頼が多かったのだ。

しかも、別々に出ている上に報酬もややバラツキがある。

他のクエストも街の掃除や害虫駆除…剣術や魔法の顧問などが多いものの、どれもこれも真護には合わないクエストだった。

 

「そうなんだ…それなら、ジャイアントトードの討伐に行くしかないか。」

 

ルナの言葉を聞いた真護は更新されているクエストは無く、似たようなものしかないという事が分かると、少し残念そうにしながらも張り出されているクエストを受ける事にした。

 

「…ん?」

 

ふと、一枚のクエスト依頼の紙に気付く。

 

「ルナさん、ゴブリンは分かるんだけど…この初心者殺しってのは?」

「えっとですね…黒い猛獣の姿をしたモンスターで、ゴブリンなどの弱い魔物を討伐しに来た初心冒険者を襲うんです。」

「へぇーっ…」

 

ゴブリン討伐の紙の備考欄に初心者殺しの出現可能性ありと書かれた文章に不思議そうにしながらルナに尋ねれば、初心者殺しの特徴についてルナが簡単に説明を始めていく。

 

「名前も変わってるし、変なモンスターだな…じゃあ、このゴブリンと初心者殺しってのも討伐しに行きますよ。」

「かしこまりました。ただ、目撃情報などからしてもジャイアントトードが住む場所より少し離れた場所になりますが…」

「大丈夫だよルナさん。移動にはファイトバスターがいるし、アークウィザードのゆんゆんもいるんだし、問題ないよ。」

 

他のクエストも目新しいものもない為、ゴブリンと初心者殺しの討伐任務もついでに受けることにした。

 

「よし、じゃあ朝食を食べてからクエストに行こっか。」

「はい!」

 

受けるクエストも決まった為、朝食を食べてから出発する事にした真護とゆんゆん。

そして、酒場の席に2人で座っていけば朝食を注文する為、メニューを開く事にしたのだった…

 

ーーーーー

 

所変わってギルド入り口周辺…

 

「…何でこんなファンタジー満載の世界にバイクがあるんだああぁぁっ!!?」

「ーーー?ーーーーー。ーーー、ーーーーーーー。」

「しかもこのバイク、脳裏に直接話し掛けてきてる!?怖っ!!!」

 

外で相棒と友人を待っているファイトバスターの姿にツッコミを入れる1人の青年が居た。

彼の後ろには、ファイトバスターの姿に唖然としている青髪の少女と、大きなツバの付いた帽子と魔法使いが使うような杖を手に持っている少女がいる。

 

「カズマ、アクア、2人はこれが何か知ってるんですか?」

「…とりあえず、このバイクについての話は後だ。」

「はぁ…まあ、私は別に構わないですが。」

 

いきなり絡まれて困惑するファイトバスターだったが、絡まれるのも面倒だなという様子でソッポを向いてしまう。

そのファイトバスターを見て何かを悟った青年…佐藤和真は、このバイクの所有者である転生者がこのギルドにいる事に気付くと、早速ギルドの中へと入っていく。

 

「(あのバイクが転生者の特典だとしたら…もし俺の他にも地球から転生した奴が居るならチャンスだ!もうなりふり構っている場合じゃない!協力してもらうしかないっ!)」

 

追い込まれたような表情を浮かべるカズマは、何とかして強力な冒険者を自分のパーティーへと引き込む必要があった。

何故なら、彼に付いてきている2人が原因である。

 

「(俺のパーティーには回復と芸だけで戦闘の役に立たない奴に、魔法を一発撃つだけで使い物にならなくなる一発屋…碌な奴しか居ねぇ!というか、ホントに死活問題だから何とかしないと…)

 

片や戦闘面では全く使い物にならず、片や尖り過ぎたその性能のせいで一発屋に終わるという…何とも言えないポンコツパーティーと化しているのだ。

特典持ち…所謂チート持ちの転生者を何とか言いくるめてパーティーに入れれば御の字なのだが、それが上手く行っていればこんな苦労する事は無いし、なによりも上手くいく算段が皆無なのだ。

特に、女神を特典で選んだせいで碌な恩恵もない、最弱職である冒険者のカズマにとっては…

 

「…ん?」

 

ふと酒場の方へと視線が映ると、他の冒険者とは明らかさまに違う格好をした青年の姿が映る。

どちらかといえば、カズマのいた地球の服装と非常に似ているのだ。

しかも、青年の対面には少し派手な格好をしたスタイルの良い可愛い娘が一緒に食事を取っている。

 

「おい、アクア。あそこに座ってるのって…日本人だよな?」

 

その光景を見たカズマは少し憎そうな表情を浮かべながらも、女神である青髪の少女…アクアに意見を聞こうと彼女の方を向いて問い尋ねたのだった。

 

「…プッ、ブフォッ!!クッ…クククッ…!」

「…アクア?お前、何笑ってるんだ?」

 

しかし、アクアの方を見るやいな彼女の様子が変だった。

何か知っているような素振りでもあるが、必死に笑いを堪えようとしているのだ。

 

「が、カズマ…あいつは駄目よ。今見て思い出したんだけど、相当変わってる奴だから…プクククッ……!!」

「変わってるのはお前の方だろ。…って、あれ?めぐみんは何処に……」

 

そんな駄女神の様子をカズマはジト目で見ていたものの、側にいたはずの魔法使いのような格好をした少女…めぐみんがいない事に気付く。

周囲を見渡してから先程の2人が座っている席の方へと視線を向ければ、発育の良い少女とめぐみんが対立するように話していたのだ。

 

「(何やってんだあの馬鹿あぁぁっ!!?)」

 

その光景に叫びそうになったカズマだったが、何とか状況を最悪な方に流れないようにするため、めぐみんの勝手な行動を止めようと2人の話に割り込む事にしたのだった…

 

ーーーーー

 

事の始まりは、アクアとカズマの2人が話し合っている間に起きていた。

 

「(やれやれ、この2人は何をしているのだか…まずは腹ごしらえをして強敵との備えをしないといけないというのに…)」

 

アクアとカズマの2人の様子を見ていためぐみんだったが、先に席を取っておいた方が良いだろうと考えて酒場の方の席へと向かっていく。

 

「め…めぐみん!?」

 

すると、めぐみんにとって聞き覚えのある声と姿をした少女がめぐみんの進行方向を妨げるように現れたのだった。

 

「ひ、久しぶりねめぐみん!こんな所で再会するなんて!やっぱり私達は長きにわたる…」

「どちらさまでしょう?」

「…って、えぇぇっ!!?」

 

しかし、めぐみんが少し面倒くさそうな表情を浮かべたすぐ後に、いつも通りの表情に戻れば無慈悲にも知らない人を相手するように言い放ったのだった。

 

「 大体、名前も名乗らないなんておかしいじゃないですか。」

「うっ、ううぅっ…」

「ゆんゆん、その子…もしかして知り合いなのか?」

 

容赦のないめぐみんの言葉に涙目になるゆんゆん。

そんな2人の様子をキョトンとした表情を浮かべながら見ていた青年…闘野真護は、涙目になっているゆんゆんをフォローする為に聞き尋ねる。

 

「なっ…!?」

「ん?」

 

真護がゆんゆんに問い尋ねた途端、無頓着な表情を浮かべていためぐみんが、驚愕の表情を浮かべながら真護の方を見ていた。

 

「ゆんゆんが…里では常にボッチだったあのゆんゆんが…パーティーを組んでるっ!!?」

「やっぱりちゃんと覚えてるじゃない!!」

「えぇぇ…」

 

戦慄したような表情を浮かべながらこちらを見てくるめぐみんの様子に、どう反応を返せば良いか困る真護。

更にそこに自分の事を忘れたと言っときながら覚えていた事について怒っているゆんゆんの様子を見れば、この状況をどう打破すれば良いか悩む真護だった。

 

「おい、何やってんだお前は…」

「ん?あぁ、カズマですか…少し自称ライバルを称する私の追っ掛けに遭遇した所です。」

 

するとそこに、いかにも冒険者の格好をした青年と、青髪の少女…カズマとアクアがその場に現れたのだった。

ジト目でめぐみんを睨むように見ながら問い質すカズマと、何食わぬ顔で返答するめぐみん。

因みに、追っ掛けという言葉にショックを受けるゆんゆんを、真護は困った表情を浮かべながら宥めていたのだった。

 

「すいません。ウチのアークウィザードが変な事を…」

「いやいや大丈夫だよ。タイミングが悪かっただけだから、どっちも悪くないんだし……」

 

迷惑を掛けた事にカズマがめぐみんの代わりに頭を下げて謝るものの、特にトラブル事でもないので謝る必要は無いと話す真護。

 

「…あっ、そうだ!こっちのゆんゆんとそっちのめぐみんって子が知り合い同士だったみたいだし、此処で会った縁もあるから、良かったら一緒に朝飯でも食べないか?」

 

とはいえ、プチ騒ぎみたいな状況になっている酒場内の雰囲気をどうしようかなと考えれば、ゆんゆんとめぐみんが知り合いで何かの縁で再会した事もあるため、この世界で知り合いを増やしておくべきだと考えた真護は、せっかくだから一緒に食事を食べないかと提案する。

 

「えぇっ!?いや、でも俺達、あんまりお金が…」

「えっ、そうなの?じゃあ俺が出すよ。それに、朝食を食べる事は1日を過ごす中でも1番大事な事だしさ。」

「いや、でも…」

 

そんな彼の予想外の提案に困惑したカズマはバツが悪そうな表情を浮かべながら理由を付けて断ろうとするものの、朝食ぐらいなら特に問題ないと言わんばかりに話す真護。

 

「良いじゃないカズマ。奢ってくれるって言ってるんだし、此処は気持ちを無駄にしないように乗らないと。」

「(お前は単にタダ飯食いたいだけだろうが!)」

 

そこに先程まで必死に笑うのを我慢していたはずのアクアが、飯を奢ってくれる事に反応して話に割り込んできたのだ。

建前上は真護の気持ちを無下にしないようにする為と言っている事が分かっているカズマは、心の中でアクアにツッコミをし入れていたのだった。

 

「ん?…あれ?…ああぁぁっ!!?」

 

ふと、アクアの姿に気付いた真護は何処かで見たような顔だなと思いながら彼女の姿を見るものの、何かを思い出したような表情へと変化しながら立ち上がる。

 

「アンタ!もしかして、女神アクa…」

「はーい!!!悪いけど、ちょっとだけこっちに来てくれませんかねえぇぇっ!?」

「おわっ!?」

 

そして、真護が大声でアクアを見ながらアクアの事を言おうとした途端、察した表情を浮かべるカズマが慌てて割り込むように入れば、真護とアクアの腕を掴んで慌ててギルドの端に移動する。

 

「「…??」」

「ちょっ!?ちょっと!?何するのよヒキニート!」

「ニート言うな!それと合体させるな!」

 

慌てて引っ張られた為、バランスを崩しながらも大人しく歩く真護。

文句を言いながら離すように文句を言うアクアに対して、カズマは反論するように話し出しながら、そのままギルドの端に来れば2人の手を離す。

 

「えっと…ホント急に連れ出してすいません。この駄女神の事を知ってるみたいだったんで…」

「あはは、大丈夫だよ。何か事情があるみたいだし…その人の事を女神って言ってたら何か駄目なのか?」

「ちょっと!人聞きの悪い事言わないでよねっ!」

 

カズマの焦っていた様子から何か事情があるのだろうと思っていた真護は、気にしていない様子で横に首を振りながら答えれば、文句を言うアクアを無視してカズマは改めるように話を切り出した。

 

「コイツが女神って言っても周りは信用しないだろうから、あんまり他の奴らが聞いてる時に言わない方が良いと思うぞ?」

「あっ、それもそっか。本来なら、神様って世界に干渉しないみたいだし…」

 

話を聞いているうちに何故話を切って外に連れ出してきたか納得した様子で頷けば、今後はアクアの事を女神様と呼ぶ事はやめておこうと決める。

 

「3人で何を話してたんですか?」

「あぁ、ちょっとアクアとこの人が顔見知りだったみたいなんだ。」

「シンゴさん、そうだったんですか?」

「うん。けど、前に一回だけ会っただけだったから、さっき思い出したんだよ。色々事情があるらしいし…」

 

そして、めぐみんとゆんゆんがいる席に戻って来れば、若干誤魔化しながらも説明をしていけば、軽く自己紹介をして朝食を取るのであった…

 

ーーーーー




長くなると思った為、戦闘回は次回に回しました(´ω`)
因みに、ゆんゆんとめぐみんの邂逅は原作よりもかなり早い段階になったのですが、此処で入れていた方が都合が良いかな…と考えて入れる事にしました。

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