-SHINPARTYKESSEI(KARI)-
カズマがパーティー交換により、テイラー達の元へと行ってしまった。
そして、取り残された私達はダストと自己紹介を済ませた。
「ええー。ゴブリン討伐?ねえ、他にもっと良いクエストがあるはずよ。こう、ドカンと稼げるのが。そう言うやつを受けて、レンタルされてるカズマを見返してやるの」
アクアは先程の事を根に持っているのか、ギャフンと言わせる気らしい。
・・・ギャフンって今日日聞かない気がする。
「いやいや、あんたらの強さは分かるが、俺がついていけないから、今回は無難な所で頼むよ」
今回はと言う事は、ダストはこれからも私達と組む気なのだろう。
「そうか、ならゴブリン討伐のクエストで行こう」
「しょうがないわねえ。本当はここで大物を倒して、カズマに目に物見せてやりたかったけど、あなたに合わせてあげるわ」
上機嫌なアクアはいつも以上に気合いが入っていた。
ダストはひとまず安心したようだ。
「そうだな。あの男の私達に対する考えを改めさせる良い機会だとも思ったのだが」
二人はカズマにいつも軽くあしらわれている事もあり、不満をダストにぶつけていた。
そんな中私は、
「あの、カズマに話があるので、少し待っててください」
そう言い残して、カズマの方へ駆けた。
そして、私はカズマの右袖を引いた。
「・・・どうした?悪いけどアクアに言った通り拒否権はないからな」
カズマからは見当外れな返答が返ってきた。
出来ればやりたくないけど。
「いえ、そうではなくてですね」
「じゃあ何だ?」
面倒くさそうに、気怠い感じで聴いてきた。
「無理しないでくださいね。まだ病み上がりなんですから」
「あ、嗚呼、気を付けるよ。・・・ありがとう」
思いもしていなかった、心配の言葉を聞いて、カズマは照れていた。
「後、もし私が爆裂魔法を使っていなかったら、散歩に付き合ってください」
「分かったよ。それぐらいの埋め合わせはするから安心してくれ、それじゃあもう行くからな」
恥ずかしさからか話を切り上げて、この場から離れようとしている。
「分かりました。約束ですからね」
「おう」
カズマはそれだけ言ってテイラー達の元に走って行った。
そして私が皆の所に戻ろうとすると、アクア達がこちらに向かって来ていた。
「もうクエストは決まったわ、ゴブリン討伐のやつよ」
「うむ、所でカズマとは何を話していたのだ?」
「無理しないようにと念押ししてきました。ゴブリンですか。ゴブリンくらい私の魔法で殲滅してやりましょう」
前回は自己紹介の時に撃ってしまい、散々な目にあった。
でも今回はそんな馬鹿な事はせず、ゴブリンに直接爆裂魔法をお見舞いしてみせる。
「話は終わったか?それじゃあ行くぞ」
先程から空気だったダストが出発を決めた。
街から離れ、依頼の場所まで後少しという所に私達はいる。
ここに来るまでに、色々と話をしていたが、ネタが尽きてきて皆黙っていた。
そんな中、初めに口を開いたのはダクネスだった。
「なあ、めぐみん。前々から気になってはいたのだが、カズマとはどういう関係なのだ?」
急な質問に驚いた。
しかもダストのいるこの状況でだ。
「あっ、それ俺も気になってたんだよな。プリーストの姉ちゃんは直ぐに切り捨てたのに、そうじゃなかったしな」
ダストも気になっていたみたいだ。
・・・なんて言えばいいんだろう?
どう言う関係と言われても、どう答えていいのか分からない。
「・・・もしかして、二人はその・・・付き合っているのか?」
もしそうなら凄く嬉しいけど、今はまだそんな仲ではない。
「違いますよ。別にそういうんじゃなくてですね。カズマはただの仲間です」
「そうか?てっきり付き合っていると思っていたのだがな」
完全に疑われている。
何かいい逃げ道を見つけないと。
「如何してそんな風に思ったんですか?」
冷静を装って語りかける。
「まず、めぐみんがカズマに対して過保護な所だな。それに二人は同じ宿に泊まっているではないか」
後者については反論できるけど。
前者の意味が分からない。
「えっ、同じ宿に泊まってるのか?・・・あいつロリコンだったのか」
ダストは驚いている様だった。
後半は声が小さくて聞き取れなかったけど、カズマが馬鹿にされている気がする。
「過保護ですか?」
私の疑問を聞いて、ダクネスは頷くだけだった。
そんな事はした覚えはないのだが。
「そうよね。確かにめぐみんはカズマに過保護な所があるわ」
アクアにまで言われるとは。
いつそんな事をしたのか思い出せない。
「この前、カズマが宿から出ようとした時に、カズマは大丈夫だって言ってるのに、結局めぐみんが買い物に行って、カズマは家で寝てたもんね」
何でその事知ってるんだろう。
確か、その時扉は閉まってたはずなのに。
「あれは過保護とかではなくて、ただ死んだばかりのカズマに安静にして貰わないといけないと思ってですね」
「でもその日はもうカズマは動いてもいい日だったわよ」
どうしてこういう時は頭が回るのだろう。
アクアはある意味要注意人物だ。
「カズマがギルドにも行こうとしてたから、止めたんです。もしチンピラ冒険者に絡まれたら危険じゃないですか」
今日みたいな事が起こり得たのだから、別に過保護ではないと思う。
「そう言う事だったのね。納得したわ」
取り敢えずアクアはクリア。
後はダクネスだ。
「そんな事があったのか・・・やっぱり付き合っているのではないか?」
「違いますよ。仲間の事を心配するのは当然です。それに私とカズマが同じ部屋なのは、クジで決まった事ではないですか」
そう、部屋割りは厳正なる抽選で決まったのだから、疑われる謂れは無い。
「確かにそうだが、二人とも喜んでいただろう?後、話は変わるが、カズマはめぐみんの言う事ならすんなり聞くのに、私とアクアの事は全くだ。これでも違うのか?」
したり顔なダクネス。
客観的に聞けばそう思われても仕方がないかもしれない。
「これはできてるな」
「絶対にできてるわね」
実際にこの二人が納得しているから推測は合っていた様だ。
なんかこの二人にこんな言われ方するのは癪に障る。
でも話が進まなくなるから置いておこう。
取り敢えず想像して欲しい。
この客観的状態にアクアとダクネスのいつもの言動を足してみる。
そうなれば、カズマが常識人であるこの私を特別に扱うのは当然。
やはり信用は大切だ。
「何度も言ってますが、私はカズマと付き合ってません。これは間違いないです。何ならあの嘘を吐くとチンとなる魔道具を持ってきてもいいんですよ」
流石にここまで言えば大丈夫だと思う。
「わ分かった。そこまで言うのなら信じる。だから、目を輝かせるのを止めてくれないか?」
そんなに興奮していたつもりはないけど、感情的になってしまっていたらしい。
アクアとダストが怖がってダクネスの後ろに隠れてしまった。
「解ってもらえればそれでいいです」
そう言って少し気持ちを落ち着かせる。
ダクネスは安心した様だ。
「あの、何時までそうしてるんですか?」
隠れたまま動かない二人に訪ねた。
「えっと、そろそろ動こうと思ってた所よ」
「その通り。もうそろそろ着くから気合い入れてこー」
「「おー!」」
子供でも、もう少し上手く話せるだろうと思うくらいに棒読みな二人。
アクアとダストの妙な一体感がさっきから気になる。
類は友を呼ぶ的な事なのだろうか。
二人はそのまま意気揚々と歩いていき、依頼場所に到着した。
したのだが。
「ねえ、何処にゴブリンが居るの?」
「俺も分からねえよ、近くに居るだろうから探そう」
そう目的地に到着したにも関わらず、ゴブリンのゴの字も無いのだ。
嫌な予感しかしない。
「うむ、ではまず二手に分かれてゴブリンを探そう。分け方は・・・」
「ダクネス、その必要はないわ。私に任せて」
自信に満ち溢れたアクアほど怖い者は居ない。
「アクア少し待っ「『フォルスファイア』!」て・・・」
間に合わなかった。
魔法の効果で何かが近付いて来ている。
ただそれが一匹だけなのが救いだと思う。
「どうどう?これなら探す必要ないでしょう?」
「そうだな。流石アークプリーストだ」
自慢げなアクアと短絡的なダストは喜び合っている。
「なあ、何かゴブリンではない黒い獣が近付いて来ているのだが」
「何処にいるんだ?そいつごと倒せば・・・って初心者殺しじゃねえか!逃げるぞ!」
流石に自分の置かれている状況が把握出来たらしい。
「その必要はないです。私に任せてください。ダクネス後の事頼みますよ」
「ああ、分かった」
準備は整った。
後はあと魔獣を倒すだけ。
「『エクスプロージョン』!」
カズマの採点が無いのは惜しいけど、最高!
「す、すげえ」
ふふふ、ダストも我が力に感動しているみたいだ。
「・・・で何でおんぶされてるんだ?」
「消費最大魔力を使ったので、もう動けないのです」
「・・・そ、そうか」
なんとも言えない空気になってしまった。
そしてこの時もう終わりだと思っていたが、『フォルスファイア』の影響と爆音で目が覚めた魔物達に追われた。
結局前回と変わらず、悲惨な終わりを迎えた。
ギルドにてカズマ達の帰還待ちだ。
もう爆裂魔法は撃ってしまったけど、埋め合わせはしてくれるようだから期待している。
・・・一応被害報告をすると。
アクアはジャイアントトードに捕食され、何度も転んだ事で泥だらけ。
傷は自分で治しているから問題ない。
ダクネスは私をおんぶしていた時は良かったのだが、途中でダストに私を託し、モンスターに突っ込んで行き、気絶。
未だに意識は戻っていない。
ダストは怪我こそしなかったが、私をおんぶして、さらにダクネスを肩に掛けて運んだ事による疲れで倒れていた。
私はおんぶされて守られていたから、特に被害はなかった。
アクアは泣き続けていて、ダストは放心状態。
そんな中明るい声が聞こえた。
「着いたあああ!今日は大冒険した気分だよ」
そんなリーンの楽しそうな声がしたので、その方を見ると。
カズマが扉を静かに閉めたのが見えた。
「ちょっと待ってくれ!気持ちは分かるが、扉を閉めないでくれ!」
悲痛な叫びを上げるダスト。
カズマは渋々扉は開けた。
「・・・・・・なにこれ?いや、何となくわかるけど聞きたくない!」
「頼む!聞いてくれ!聞いてくれよ!!俺が悪かったから。このアークプリーストが魔物寄せの魔法を使ったんだ。それで初心者殺しが出てきたんだ。ここまでは良かったんだ。初心者殺しは何とかなったからな。でもその後に、このクルセイダーが急にモンスターの中に突っ込んで・・・」
「そうか、それは大変だったな。これからも頑張れよ。よし、皆まず飯食おうぜ。新パーティー結成に乾杯だ!」
ダストはカズマの言葉を聞き顔から血の気が抜けていった。
「「「乾杯!!」」」
仲間達まで乾杯を叫んだ事で絶望的な表情をしている。
「う、嘘だよな?お前ら。そんな、俺を見捨てるなんて」
こんな状態のダストに構わず私はさらに追い討ちをかける。
「カズマ、私はカズマのいるパーティーがいいのでこのパーティーに入ってもいいですか?」
「めぐみんか、俺は別にいいけど」
嬉しい。
私が必要とされている事が実感出来た。
「アークウィザードなら喜んで引き入れるぞ」
テイラーも乗り気な様だ。
ここで重要なのはカズマとダストだけが本気でパーティー入れ替えを考えていると言う事。
テイラー達はただの悪ノリをしているだけと言う事だ。
「まあ、一人減る事になるけど、新しいパーティーで頑張ってくれ」
カズマの顔はゲスマと言われても仕方のないような顔になっていた。
「本当に悪かった!俺が悪かったから!朝の事は謝るから許して下さい!!」
カズマも流石に公衆の面前で土下座されて、少し頭が冷えたのかダストの顔を上げさせて仲直りをしていた。
その後、二人が悪友になるのは言わずもがなだ。
ニョッキーゲームネタ入れたかったのですが出来ませんでした。
せめてめぐみんの誕生日は関連した話を上げられるようにしたいです。
カズマさんの誕生日話は誰視点が良いかについて
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