この素晴らしい世界に●●を!めぐみんのターン   作:めむみん

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今回は少しカズマ視点があります。
原作での生存状況が少し変わりますが、それでも大丈夫と言う方はどうか読んでください。



予期せぬ再開

-YOKISENUSAIKAI-

 

全員の準備が整い、ゆんゆんがお世話になったウルさんの宿に着いたのだが。

扉を叩いても返事がない。

 

「「「「・・・」」」」

「そこの人は、今出て行った所だ。何か用かい?」

 

声をかけて来たのは宿主だった。

威圧的な感じはないけど、ベテラン冒険者の様な風格があって緊張する。

カズマが一番早く返事をした。

 

「はい、何処に行ったか分かりますか?」

「すまんが、行き先は分からん。だがその部屋の人は暫くここに泊まると言っておったからまた来ればいい。伝言位なら預かって置くぞ」

 

優しい店主さんで良かった。

 

「あの確認なんですけど、ここに泊まってた人はウルさんで合ってますか?」

「ああ、その人だよ。何を伝えておけばいい?」

 

人違いも無い様だし大丈夫だろう。

 

「うちのパーティーメンバーがお世話になったお礼をしたいと伝えて貰えると助かります」

「おう、任しときな」

「お願いします。ありがとうございました」

 

こうして当事者のゆんゆんは話す事なく、ウルさんの泊まっている宿からギルドへと私達は向かった。

 

 

 

「悪い、用事思い出したから、先に行ってくれないか?」

 

ギルドまで後数分という所でカズマがそんな事を言いだした。

 

「別に構わないが急用なのか?」

 

カズマの言った事にみんな異論は無い様だ。

 

「まあな。出来るだけ早く済ませたい。クエストはめぐみんとゆんゆんで探してくれ、もし良いのがなかったら今日は自由行動って事でいいか?」

 

この時期に良案件は殆ど無いだろう。

と言う事はカズマが戻って来たら、爆裂デート、じゃなかった爆裂散歩になりそうだ。

 

「嗚呼、分かったでは後の事は任せてくれ。所でカズマ。どうしてクエストを探すのはめぐみんとゆんゆんだけなのだ?」

「そんなのお前とアクアに選ばせたら、碌な事ないからに決まってるだろ」

 

以前の私なら間違いなくあっち側に数えられていただろう。

信頼は大切だ。

ダクネスはと言うと悔しそうにしながら、ハアハア言って興奮していた。

こんな感じで今日の予定が決まろうとしていたその時、ゆんゆんが口を開いた。

 

「あのー、何処に行くんですか?急ぎの用はないですし、一緒に行きませんか?」

 

私は今感動している。

あのゆんゆんが自分から人を誘うなんて、明日は空から針が降ってくるかもしれない。

 

「あー、そうだな。行くのはウィズの店だ」

「ウィズ?・・・ねえ、その人誰?」

 

あんなに言い合い(一方的)をしてたのに忘れているとは。

みんなアクアの事を凝視している。

 

「・・・お前本当に覚えてないのか?」

「?」

 

駄目だこれ。

 

「分かった。取り敢えず店に着いても暴れるなよ」

「なっ!あんたね、私の事何だと思ってんの!私はそんな野蛮人じゃないわよ」

「はいはい、もう行くぞ」

 

雑な扱いを受け、不満そうにアクアは文句を言いながらカズマの後を付いて行った。

 

 

 

私達は店の前で止まっていた。

 

「アクア、もう一度言っておくぞ。この店に入って、何があっても暴れるなよ。いいな?」

「分かってるわよそんな事。それより早く入りましょう」

 

アクアの返事に不安が残るのか、心配そうにカズマは扉を開けた。

 

「いらっしゃいませ!あっ、カズマさんにめぐみんさん、それに皆さんお久しぶりで、きゃっ!」

「何でリッチーがこんな所にいるのよ!ってあんたあの墓地に居たリッチーね。今すぐ浄化して、痛っ!何するのよカズマ!」

 

思った通り、アクアはウィズに突っかかって行った。

 

「暴れない約束しただろうが。ウィズ悪いな。それでバニルは何処にいるんだ?」

 

なるほど。

商品開発の事でここに来たのか。

 

「バニルさんは奥で少し話していまして、もうすぐ出てくると思うのですが」

 

ウィズはそう言って、カウンターの奥を見た。

 

「今バニルと言わなかったか?」

「そうだけど、それがどうかしたのか?」

「えっ、・・・何でもない」

 

ダクネスはカズマの反応を見て言及する事を諦めた。

みんなの視線がそこに集まる中、バニルが出てきた。

 

「汝が来てくれたおかげで少し安心出来る様になった。感謝する」

「いえ、私もお金がなくて困ってましたし、感謝される程の事でもないですよ」

 

相手は女性の様だが、何処かで聞いた事のある声だ。

そんな事を考えているとゆんゆんが急に叫び出した。

 

「ウルさん!?」

 

ゆんゆんがウルさんと言う人の方を見ると見知った人がそこに居た。

 

「あら、また会ったわね。他の人達は仲間の人?」

 

私と目が合い驚いた様に目を見開いた。

私以外はその事に気付いていない様だ。

勿論バニルを除いて。

バニルは不敵な笑みを浮かべている

 

「はい、実はさっきウルさんの泊まる宿へお礼行こうと思ったんですが不在で、明日もう一度伺おうと思ってたんです」

「そうだったのね。わざわざお礼なんていいのに。私が好きでやってたんだから」

「いえ、うちのメンバーがお世話になったんですから、お礼くらいさせて下さい」

 

カズマが代表して感謝の品物を渡した。

そして私はそれが終わると同時に話を切り出した。

 

「ウォルバクさん、お久しぶりです。貴女に教えて貰った爆裂魔法、しっかり使える様になりましたよ」

「そうなの。頑張ったじゃない。ってあなた本当に爆裂魔法を覚えたの?」

 

前回は最悪な形で見せる事になってしまったけど、今回は。

 

「はい!今日の為に爆裂道を極めて来ました。是非私の魔法を見てください」

「分かったわ。楽しみにしておくわね」

 

それにしても、まさかウルさんがウォルバクさんだったとは。

 

「ちょっとめぐみん、どう言う事なの?ウォルバクさん?それに知り合いだったの?」

「ええ、前に話した私に爆裂魔法を教えてくれた恩人です。その節はありがとうございました。ウルと言うのは偽名ですよね」

 

ウォルバクさんは静かに頷いた。

 

「ウォルバク、何処かで聞いた事が・・・」

 

ダクネスは何か思い当たる事があるのか考え込んでいた。

 

「所でそこの青髪の子は、如何して押さえられてるの?」

 

バニルが出て来てから、凶暴さを増したアクアは取り押さえられている。

 

「気にしないでください、こいつプリーストだから悪魔嫌いなもので、おい、暴れるな。約束守れ」

「何で、私が悪いみたいになってるのよ。そこにいるのは悪魔よ。悪魔!それにリッチーもいるのよ。こんな店、今すぐ差し押さえるべきよ」

 

アクアの言う通りだけど、状況が悪い。

 

「いいか、ウィズは優しいし、バニルも今や近所で評判のいい人だ。この店は置いてる商品は別として普通の店なんだよ。ここで暴れたら、お前が捕まるんだよ。分かったか?」

「そうですよ。私はリッチーになっても心は人間のつもりですし、カズマさんの言った通りこの店は普通の店で・・・商品は別?」

「うむ、このポンコツ店主の言った通りだ。この店はガラクタばかりだが、やましい事などしておらん。自分の立場を弁えるが良いぞ普通のプリーストよ。フハハハハハ」

 

ウィズはバニルにもガラクタ呼ばわりされてへこんでいる。

実際ガラクタなんだけど。

バニルはアクアが女神と分かっていて、わざと普通のプリーストと言ってるのだろう。

 

「何が普通のプリーストよ。私は女神なのよ。私が本気を出せばあんたなんか秒殺出来るわ」

「「「女神?」」」

 

ダクネスやゆんゆん、ウィズが首を傾げている。

 

「そうよ。みんなには今まで黙ってたけど、私はアクシズ教団で崇められる水の女神アクアよ。さあ、これが分かったら控えなさい!そこのリッチーと悪魔!」

 

アクアは決めポーズをとり、自信に満ち溢れて居たが。

 

「ひぃっ!」

 

ウィズは悲鳴をあげ、

 

「「そう言う夢を見たのか(んですね)」」

 

ダクネスとゆんゆんには可哀想な人を見る目で哀れまれている。

 

「ねえ、いくら熱心な信者でも、神の名を騙ると罰が当たるわよ」

 

挙句にウォルバクさんに説教されてしまった。

 

「如何して皆信じてくれないのよ!ウィズしかちゃんとした反応してないじゃない!それにあんた今騙りだとか言ったわね。ちょっと神格があるからって調子に乗るんじゃないわよ」

 

ウィズは未だに震えている。

カズマが落ち着かせに行った。

バニルはこの状況を楽しんでいるようだ。

 

「あなた、私に神格が有るって分かってるのに、その態度はどう言う事なの?普通、聖職者なら他宗派の女神でも、礼を尽くすものよ!」

「礼を尽くす?仮にあんたが神だったとして、私も女神なんだから同等よ。そんな必要ないわ。そもそも信者はいるの?私ウォルバクなんてマイナーな女神の名前は聞いた事ないんですけどー」

 

それを聞いたウォルバクさんはぷるぷる震えている。

 

「ひ、人の身でありながら神を馬鹿にするなんて、ただで済むと思わない事ね」

「なんですって!さっきも言ったけど私は女神よ!あんたの目は節穴なの?」

 

また、二人の喧嘩が始まってしまった。

睨み合いが続いている。

ウィズがおろおろして、焦っているのをカズマが止めに行った。

 

「あっ、思い出したぞ。ウォルバクと言えば魔王軍に下った、怠惰と暴虐を司る邪神の名ではなかったか?」

 

ダクネスが家柄から知り得た情報を言った。

 

「魔王軍に下った邪神?しかも怠惰と暴虐?あんたそれで女神を名乗るなんて烏滸(おこ)がましいのよ」

「なっ!元はと言えばあなた達頭のおかしいアクシズ教徒が、私の事を邪神だって言い始めた所為で信者が減って、魔王軍に入るしかないぐらいに追い込まれたのよ。それに信者だって居るし、今も私はしっかり女神としての役割を果たしているわ」

 

ウォルバクさんも相当頭に来ているらしい。

今までの鬱憤が吐き出される様に怒っている。

 

「嘘つき!この世界で正式に認められてる女神は私とエリスの二人だけよ!謝って!あなたこそ女神だって騙った事を謝って!あと、私の可愛い信者達の頭がおかしいって言った事も謝って!」

 

確かにそうだけど宗派自体はそこそこの数は存在している。

アクアはここぞとばかりに騒ぎ立て、ウォルバクさんに掴みかかる。

 

「ちょっと離しなさい!あなた本当に女神なの?こんな馬鹿そうな感じなのに。というかあなただって女神エリスと比べればマイナー神じゃない!」

「言ったわね!水の女神の本気見せてあげるわ。『セイクリッド・クリエ』痛っ!」

「アホか!こんな街中でそんなもん出したら、俺ら全員処刑されるぞ!えっと、ウォルバクさんうちの馬鹿が迷惑かけてすいません」

 

何とか大惨事は回避出来た。

アクアは口を塞がれ、動けない様にされている。

まあ、バニルが止めに入らない時点で大丈夫なのは分かっていたけど。

 

「はあ、あなた達も大変ね。それじゃ、爆裂魔法を見せて貰おうかしら」

「分かりました。めぐみん、いつもの場所でいいか?」

「構いませんよ」

 

こうしてこの後の事が決まろうとしていた時。

 

「ちょっと待ってくれカズマ。これはどう言う事なのだ?魔王軍幹部のバニルが生きてる事や、魔王軍の手先がいるにも関わらず、如何して普通にしていられる?」

「如何してって、バニルはもう魔王軍幹部じゃないし、この間倒したのはバニルの残機の一つ。ウォルバクさんもいい人そうだし、それにウィズだって魔王軍幹部だしな」

「今言った事は本当か?」

 

ダクネスは困惑していた。

 

「嘘吐いてどうすんだよ。まあ、ウィズは魔王軍幹部と言っても、魔王城の結界の維持しかしてないからな」

「そうか、カズマはいつから知っていたんだ?後、如何して黙っていたんだ?」

 

ダクネスは不審感を覚えている様だ。

 

「初めてこの店に来た時かな。別に隠してた訳じゃないんだ。ただ、話すタイミングが分からなくて。それに今日説明しようと思ってたんだけど、その」

 

カズマも思う所があるのか尻すぼみになっていく。

 

「分かった。もう大丈夫だ。時間を取らせて済まなかった」

 

何とも言えないギクシャクした感じがこの後も続いた。

 

 

 

私がいつも爆裂魔法を放っている場所に到着したが、今もなお、暗い雰囲気のままだ。

私達に付いてきたのはカズマとゆんゆんだけで、ダクネスとアクアは店に残っている。

ダクネスは少しバニルとウィズと話しがしたいらしい。

アクアが店に残ったのは直ぐに喧嘩になるからという理由でカズマが待機させたからだ。

 

「ごめんなさいね。私の所為で関係を悪くしちゃって」

「気にしないでください。ちゃんと話してなかった私達にも責任はありますから。では見ててくださいね」

 

今まで極めて来た全てを今ここで、

 

「『エクスプロージョン』っ!」

「「無詠唱!」」

 

ゆんゆんとウォルバクさんは驚いている様だけど、カズマはいつもの事だから気にしていないみたいだ。

と言うよりゆんゆん達の反応に驚いていた。

 

「いやあ、今日も凄いな。ナイス爆裂!」

「ふふ、ありがとうございます。ナイス爆裂!」

 

慣れた手つきでカズマは私の事をおんぶしてくれた。

 

「カズマさん如何して普通にしていられるんですか?」

「如何してって、何が?おんぶの事か?」

 

カズマにとっては当たり前の事だったから意味が分からないのかもしれない。

 

「いや、確かに手慣れてるとは思いましたけど、そうじゃなくてですね。めぐみんが詠唱無しであれだけ精密な魔法を撃ったんですよ。しかも消費魔力の大きい爆裂魔法で」

「つまり、無詠唱であの魔法を放つのは凄いってことか?」

「ええ、私でも無詠唱で爆裂魔法を撃ったとしてもあれ程の精巧さは出せないわ」

 

今日は最高な日だ。

ウォルバクさんにも認めて貰えられたのだから。

 

 

 

 

 

「そんなに凄かったのか。めぐみんって・・・めぐみん?おーい、めぐみんさん。駄目だもう寝てるよ」

 

めぐみんの優秀さに改めて驚かされている。

ゆんゆんとウォルバク曰く、めぐみんの実力は並じゃないらしい。

詠唱ってめぐみんの気分次第でしてる物だと思ってた。

 

「まあ、あんなに魔力を使ったら、そうなるわよね」

「カズマさんは偶に常識が抜けている時がありますね」

 

うぐっ!

心に刺さる言葉だ。

それに悪意がないのが更にきつい。

 

「あ、うん。その件については迷惑かける」

「カズマさん?どうかしましたか?」

 

もういいや。

なんか吹っ切れた。

 

「何でもない。ウォルバクさんはこの後どうしますか?こいつ寝ちゃいましたけど」

 

本当にこいつ直ぐに寝たよな。

いつもは街に着くまで起きてるのに。

 

「そうね。私はウィズ魔道具店の外回りの仕事があるからそろそろ戻らないと。彼女には素晴らしかったと伝えておいて貰えるかしら」

「分かりました。そう言えば魔王軍に入ってるって話は今もなんですか?」

 

これは重要な事だ。

わざわざゆんゆんに偽名を使うぐらいだ。

もしまだ魔王軍としての活動をしているなら、あまり関わらない方がいいからな。

 

「一応は幹部だけど。ウィズと一緒で結界の維持しかしていないわ。それがどうかしたの?」

「いや、それならいいんだ。ゆんゆんの事、ありがとうございました」

 

ウォルバクは返事はせずに手を振って、去って行った。

 

 

 

私が目を覚ますと、ウォルバクさんは既に居なくなっていた。

 

「おっ、起きたか。おはよう、めぐみん。ウォルバクさんがお前の魔法は素晴らしかったって褒めてたぞ」

「おはようございます。それでウォルバクさんは何処に?」

 

もう遠くへ行ってしまったのかもしれない。

 

「ウィズの店の外回りの仕事があるらしくて、それに行くってさ。何か伝え忘れたのか?」

 

特に言い忘れた事はないと思う。

それよりも。

 

「それって、まだこの街に居るって事ですか?」

 

この街に滞在するなら、また、会いに行けば良い。

そう言えば、如何してウォルバクさんはこの街に来たのだろう。

 

「嗚呼、バニルから聞いたけど、これからウォルバクさんはあの店で営業の仕事するらしいぞ。基本的には他の街に行くらしいけど暫くは、この街に居るってさ」

 

バニルが声を掛けたとかだろうか?

 

「そうですか。分かりました。それで、他のみんなは?」

 

この部屋にはカズマと二人きりではなく、ゆんゆんもいる。

でもアクアとダクネスはいない。

 

「二人はギルドに居ると思う。あ、ゆんゆん起きろ。めぐみんが起きたぞ」

「は、はい!準備万端で、す?」

 

びっくりした。

急に大声を出すとは思ってなかった。

 

「お、おはよう。めぐみんが起きたからギルドに行くぞ」

「へっ?・・・あっ、おはようございます」

 

ゆんゆんはやっぱり寝起きが弱いらしい。




誰かが死ぬとは言ってない。
謝りません。

カズマさんの誕生日話は誰視点が良いかについて

  • カズマ視点(天界)
  • カズマ視点(討伐後)
  • ヒロインズの誰か視点(天界)
  • ヒロインズの誰か視点(討伐後)
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