この素晴らしい世界に●●を!めぐみんのターン   作:めむみん

3 / 76
遂にあの二人が登場です。
少し?キャラ崩壊している所があります。

*加筆しました(12/31)
*誤字修正しました(12/31)
*地の文修正しました(12/31)


二度目の邂逅

-NIDOMENOKAIKOU-

 

私がホーストを倒した翌日、あの時と同じようにゆんゆんに声を掛けられた。

 

「めぐみん、私はこれからあなたを倒す為に、上級魔法を身に付ける旅に出るわ」

 

しかし今回はゆんゆんを以前のように送り出すつもりは無い。

なぜなら...

 

「ゆんゆん、決心している所悪いのですが、あなたには私とパーティーを組んで貰いたいので旅立たれると困ります。なのでこの街に留まってください」

 

と考えているからだ。

 

「えっ、パーティー組んでって如何いう事?」

 

決意表明を崩しに掛かる私に怒り気味でいて、少し嬉しそうにしているゆんゆん。

 

「実は私が入りたいパーティーがあるのですが、その人達はまだパーティー募集はしていないので、私の実力を見せるだけではダメかもしれません」

 

ゆんゆんは文句を言いたげに此方を見ている。

実際はカズマとアクアに早く会いたいだけだ。

二人が募集の張り紙を出すまで待ちたくないだけとは口が裂けても言えない。

 

「しかし、そこでゆんゆんと私がこの街に来る時に、アーネスと戦った様な連携を披露すれば、私達が晴れてパーティー入りする事は間違いなしです」

「そ、そんな事、急に言われても私の決意は変わらないからね!」

 

いつもなら仲間が出来ると言えば、乗って来るのに。

今日は、そう上手くいかなかった。

ただ、ゆんゆんの表情からして満更でもない感じだから、あと一押しだろう。

 

「そうですか。一昨日私に『私の一番大切な友達』と言ってくれた親友のゆんゆんなら組んでくれると思ったのですが残念です」

「わぁぁぁぁ、分かった、分かったから、めぐみんの案に乗るから、お願いだからもうその事は言わないで」

 

こうして私とゆんゆんは仲間になった。

なったのだが、ゆんゆんが一向に泣き止まない。

 

「ゆんゆん落ち着いて下さい。周りに人が集まって来てるじゃないですか」

「ううっ、だってめぐみんが、私の事を親友だって言ってくれた事が嬉しくて」

「そんな事で泣いているようなら、親友と言った事を撤回しますよ」

 

私がそう言うとゆんゆんはすぐに泣き止み、少し冷静になったのか、質問をしてきた。

 

「ねぇ、めぐみんが私に頼んでまで入りたいっていう理由は何?」

「別に頼んでまでという訳ではな...くもないですが、まあそこはいいです」

 

確かにゆんゆんがいなければ、私はカズマたちのパーティーに入れないかもしれない。

あの時、カズマとはそれといった関係ではなかったからこそ、流れに任せてカズマを脅す形でパーティー入りにねじ込んだ。

しかし、今回はそんなふうにはいかない。

その所為でカズマが傷付いたのも、それが切っ掛けでカズマの悪名が広まった事も知っている。

だから、カズマの事を好きになった今ではあんな事はもう出来ないし、そうなれば、それこそ私と何の関係もないカズマは私を見捨てるだろう。

故に先程からゆんゆんがずっとニヤけてるのが凄くウザイがここは我慢。

 

「その人達を見たのはアクセルに来て直ぐで、その時は変な人達だと思っていました。ですがその後、何度か彼らを見かけるうちにあの二人と一緒に冒険が出来たら楽しそうだと思ったのです」

 

これは私がカズマとアクアの出していた募集の張り紙を見て二人を見た時に思った事だ。

声をかけるまではこんな人達もいるから大丈夫という指標だったのに。

 

「そう言う理由なら納得が行くんだけど。めぐみん、どうしたの?いつも孤高の天才を気取っていためぐみんがそんな理由で私に頼み込むなんて」

 

ゆんゆんの発言には腹が立つが、確かにこの頃の私らしくない理由ではある。

ゆんゆんが思う事は間違ってはいない。

ここは何か別の理由を言った方がいいかもしれない。

 

「まあ嘘ですが、ただ私がパーティー入りを断られ続けていることを知らなそうだからです」

 

嘘というのが嘘なのだが、この方が話は進むだろう。

それに本当にあの二人は私の事を知らなかったから大丈夫なはず。

 

「なっ、やっぱり、そういう事だったのね! めぐみんが改心したと思った私の感動を返してよ!」

 

予想していたとはいえ、ここまで言われる筋合いはないと思う。

 

「これ以上調子に乗るようなら、親友の関係を解消しますよ」

「ごめんなさい、もう調子乗らないからそれだけはやめてください」

 

この頃のゆんゆんはホント、チョロい。

今はそのチョロさに助かっているけど。

 

「今日の一日一爆裂に付き合ってくれれば許します」

「本当に?それで許してくれる?」

 

涙で潤んだ目で上目遣いとは中々の高等テクニックを使ってくるゆんゆん。

男ならイチコロだ。

私にはそっちの気はなく、カズマ一筋だから何ともないけど。

 

「そうですよ。めそめそしてないで早く行きますよ」

 

こうして久しぶりにゆんゆんと日課を済ませ、今日は何もせずに終わった。

 

 

 

早起きしてゆんゆんを起こしに行くと。

 

「ゆんゆん、起きてください朝ですよ」

 

扉を叩いて、呼んでみたらベッドから落ちる音がした。

大丈夫なのだろうか?

 

「ふあ〜、おはようめぐみん」

 

扉から出てきたのは、特に傷はついておらず、眠気が取れていないゆんゆんだった。

 

「おはようございます」

「こんな早くにどうしたの?」

 

寝惚けた事を言うゆんゆんにデコピンをした。

 

「痛っ、急になにするの!」

 

おでこを抑えて、睨んでくる。

 

「寝惚けているからいい目覚ましになると思いまして」

「何が目覚ましよ。それならもうちょっと加減しなさいよ」

 

大袈裟に反応し、おでこを抑え続けるゆんゆん。

 

「ああ、もううるさいです。周りの人の迷惑を考えてください。今何時だと思ってるんですか!」

「あんたがデコピンするからじゃない!」

 

私の忠告を聞かずにゆんゆんが叫ぶと。

 

ドンッ

 

『おい、うるせぇーぞ!しばかれてーのか!』

 

隣の人が目を覚ましてしまったらしい。

 

「「す、すみません」」

「ほらゆんゆんの所為で怒られてしまったではないですか」

「私の所為なの!」

「あなたが大きな声を出すから怒られたので、ゆんゆんの所為だと思います。と言うかそんな事はどうでもいいので、早くギルドに向かいますよ」

 

そう言って私はギルドの方へと歩み始めた。

 

「確かに私がうるさかったのは認めるけど、釈然としない」

 

ゆんゆんが何か言っていたが、無視してそのままギルドに直行した。

 

 

 

ギルドに着いた私達は、取り敢えず朝食を済ませた。

今は名乗りの練習をしているのだが。

 

「ねえ、めぐみん。もう恥ずかしいからこれ以上はしたくないんだけど」

「何が恥ずかしいのですか!せっかく私がカッコイイ名乗りを伝授して上げているというのに」

 

ゆんゆんはこんなんだからずっとぼっちなんだと思う。

 

「でも、さっきから周りの人から凄く見られてるよ」

「周りを気にして名乗りを挙げられなかったら、自己紹介がちゃんと出来ない変な人だと思われますよ」

「自己紹介が出来ないのはダメだけど、名乗りの練習をここで続けるのは違うと思うんだけど」

 

と言い争いをしていると、カズマとアクアが朝食を食べる為にギルドにやって来た。

 

「ゆんゆんすいません、昨日言っていた人達が来たので行きますよ」

「えっと、あの変な服を着てる人とプリーストの人?」

「・・・ええ、そうですよ」

 

偶に思うけど、ゆんゆんは意外と毒舌な所がある。

 

「準備はいいですか?」

「うん、心の準備は出来たよ」

 

ゆんゆんの言葉を聞き、私の気分は少し楽になった。

カズマの方へと歩み寄り、カズマの肩を叩いた。

 

「あの少しいいですか」

「んっ、どうした?迷子か?」

「ち、ちがわい」

 

やはりカズマの私に対する子ども扱いは変わらない。

 

「じゃあ何の用なんだ?急ぎの用じゃないなら、俺たち今からバイトに行かないといけないから、構ってらんないぞ」

 

時間ギリギリなのか、焦っているのが伝わってくる。

 

「そうですか。ではバイトが終わってからもう一度伺いたいので、いつ頃に終わるのか教えて貰ってもいいですか?」

「それなら別に構わねぇけど、バイトが終わんのは夕方ぐらいだし、ギルドには戻ってくるから、そん時に話は聞くよ、それじゃ、また後でな」

 

そう言ってカズマは、アクアの方に歩いていった。

 

「オーイ、アクアバイト行くぞ」

「カズマさん、ちょっとだけ待って今いい所なのよ!ほら見てこのコップの中から、って待って、ちゃんと行くから髪を引っ張らないで」

 

いつもの様に言い合っている二人を見て安心した。

 

 

 

あの後ゆんゆんと日課を済ませた私はギルドのテーブルに突っ伏して、カズマとアクアの帰りを待っていた。

 

「めぐみん、あの人達がどんな人か今のうちに教えてくれない」

「良いですよ。その方がゆんゆんにとっても良いでしょうし」

 

もちろん本当の事を言うつもりはない。

 

「実はこの街に来てから占いをして貰ったのですが、その時にあの二人のパーティーに入る事があなたにとって良い分岐点になると言われたのです」

 

そけっとには占って貰っているから半分事実だけど。

 

「本当にそれが理由なの?」

「もちろんこれだけが理由じゃないですよ。昨日も言いましたが私が何度か二人を目撃した時にこの人達は良い人だなと思ったからです」

 

昨日、嘘にした事を忘れて同じ事を言ってしまった。

本当に思っていた事だから仕方ないのかもしれない。

 

「そうなんだ。めぐみんがそう言った事を本当に気にしてるとは思わなかったから、ってあれ?昨日嘘だって言ってなかった?」

 

失礼な事を言い出すゆんゆんに言い返そうとしていたその時。

 

「悪い、待たせたな。えっと、紅魔族のお二人さん」

 

カズマに声をかけられたがアクアは宴会に行っていて、此方には来ていないようだ。

 

「いえ、急に声をかけたのは私なので気にしないでください」

「そう言ってもらえると助かる」

 

緊張していたみたいだけど、少しそれが解けてきているようだ。

 

「ではまだ名乗っていなかったので自己紹介をさせていただきます」

「おう」

「我が名はめぐみん。紅魔族随一の魔法の使い手にして爆裂魔法を操る者」

 

今日も決まった!

 

「めぐみんっていうのかよろしくな。そっちの子は?」

 

あれっ?カズマの反応が前の時と違う!

何故だろう?

 

「我が名はゆんゆん。アークウィザードにして中級魔法を操る者。やがて紅魔族の長となる者」

 

私の時のカズマの反応を見て少しだけ勇気が出たのか、しっかりと名乗り挙げたゆんゆん。

 

「ゆんゆんもよろしく。それじゃ俺も」

 

と言ってカズマは何か覚悟を決めたような顔をして、自己紹介を始めた。

 

「我が名はカズマ。最弱職の冒険者にして魔王を屠らんとせし者」

 

カズマがいつかの様に私達に紅魔族の名乗りで返してくれた。

その名乗りは見事なものでとてもカッコよく。

あのゆんゆんがカッコイイとつぶやく程に。

 

「これで合ってるよな?名字を付けるとサトウ カズマだけどカズマって呼んでくれ」

 

あまりにもカッコイイカズマに私は興奮を抑え切れず。

 

「合ってますよ!まったく問題ないです!あのとてもカッコよかったのでもう一度見せてくれませんか?」

「カッコイイって言ってくれるのは嬉しいけど、ごめん。恥ずかしいから流石にもう一回するのは厳しい」

 

私が少し落ち込んでいるとその間にゆんゆんが。

 

「あの、自分で言うのも何ですけど、私達の名前や名乗りを不思議に思わなかったですか?」

 

確かにそこは私も気になっていた。

私が初めて会った時の対応と全く違う。

 

「不思議には思ったけど、朝に会った後、紅魔族の事を仲間のアクアから聞いてたからな。それが普通の人達に俺達の常識を押し付けるのはダメだと思ったんだ」

 

本当にカズマですかあなたは?と問いたくなるくらいに優し過ぎる理由だった。

ゆんゆんなんて惚けたまま動かなくなっている。

 

「カズマは優しいですね。他の人は冷ややかな目で見てきたりするのに」

「それはそいつらが失礼なだけであって、普通の事だって」

 

ホント、誰だろう、この人?

私のカズマがこんなに優しいわけがない!

まあ付き合い始めてからは普通に優しくしてくれたが、会ってすぐにこの感じというのは変だ。

 

「そうでしょうか?あのそろそろ本題に入っていいですか?」

「おう、それで用ってなんだ?」

 

興味津々な子供みたいな目で見てくるカズマに私は答えた。

 

「私とゆんゆんをあなた達のパーティーに入らせてもらえませんか?」

 

カズマは驚き、暫くの間考え込んだ。そして、また話し始めた。

 

「二人がパーティーに入ってくれるってのは嬉しいんだけど、なんで俺達のパーティーなんだ?まだクエスト一つも受けた事の無いような初心者パーティーだぞ?」

「紅魔の里の占い師の知人にあなた達のパーティーに入るべきだと勧められたので」

 

ここはさっきゆんゆんへ言ったように嘘だが、カズマは納得がいったようだ。

 

「そういう事か、でも二人とも魔法使いなんだよな?普通パーティーに魔法使いは一人って聞いたんだけど大丈夫なのか?」

 

怪訝なと言うより心配してくれているようだ。

 

「確かにそうですが、私とこの子の使う魔法はまったく違うものなので、心配することはないですよ」

「そういやさっき、めぐみんは爆裂魔法、ゆんゆんは中級魔法を操る者って言ってたけどその事か?」

 

流石カズマ、察しが良い。

 

「はい、私達の役割は異なります。ですから私達はお互いが邪魔になったりはしませんし、二人とも役に立つと思うので、是非あなた達のパーティーに入らせてください」

 

カズマは少し悩むような顔をしながら私の入隊希望への返事をした。

 

「俺としては二人にパーティーに入って貰いたいけど、ちょっとだけ待ってくれないかアクアに確認をとってくるから」

 

 

 

カズマがアクアを探しに行ってから数分経つが中々戻って来ない。

私とゆんゆんは少し焦りを感じ始めていた。

 

「ねえ、めぐみん。これって断られたんじゃないのかな?」

 

心配性のゆんゆんがそんな事を言い出した。

 

「そそそんなはずないです!ただ仲間のアクアという人が何処か行って見つからないだけですよ!きっと!」

「やっぱりめぐみんも薄々そう思ってるんだよね?」

 

カズマなら十二分に有り得る話だけど、そうだとは思いたくない。

 

「うるさいですよ!私がカズマと話している時、ずっともじもじしながら、見ているだけだったくせに!これだからぼっちは!」

 

ゆんゆんが涙目で掴みかかってきたその時、カズマがアクアを連れてやってきた。

 

「何で喧嘩してるんだ?」

「ただの言い合いなので気にしないで貰えると助かります」

「分かった。じゃあ仲間を紹介するな」

 

先程から品定めをするように私達を見ていたアクアが、カズマに話をふられて前に出てきた。

 

「二人とも、はじめまして」

「「はじめまして」」

「私の名前はアクア。気軽に呼び捨てで呼んでね」

 

アクアが自己紹介をしてきたので名乗りをしようとしていると。

 

「二人の自己紹介はいいわ。さっきカズマさんに名乗ってるのを聞いてたから大丈夫よ」

「分かりました。その、私達のパーティー入りは許してもらえますか?」

 

案外ここでダメだと言われそうで怖いと思っている。

空気を読まないアクアなら断ってきそうだから。

 

「そんなの大丈夫に決まってるでしょ!だって、上級職のアークウィザードの子が、二人も入ってくれるって言うんだから、断る必要なんてどこにもないじゃない!」

 

そうだった。

アクアが単純なのを忘れていた。

 

「ありがとうございます。それでは、これからよろしくお願いします」

 

私がそう言うと今まで挨拶しかしていないゆんゆんが。

 

「ふつつか者ですがお願いします」

 

いきなり何を言ってるんだろうと思いながら見ていると、私だけではなくカズマやアクアも驚いた顔をしてゆんゆんを見ていたので、フォローしてあげた。

 

「すいません。ゆんゆんはずっとぼっちだったのでコミュ障を患っていて、偶にこう言った重い事を言いますがそっとしておいてください」

「そういう事だったのね。何と言うか、その、ごめんね」

 

アクアに謝られた事でゆんゆんは落ち込み、私の事を睨みつけてきたが、自分の失態に気付いたのか何もしてこなかった。

そしてカズマ達はと言うと、私の説明で納得したのか、それ以上は何もこの件に関しては、聞いてこなくなった。

この後少しの間気まずい雰囲気になっていたが、カズマが口を開き。

 

「えっと、二人のパーティー入りが決まった事だし、明日一度、クエスト受けてみないか?お互いの実力を知るためにもさ」

「そそ、そうですね。ま、まだお互いの事あまりししし、知らないですもんね」

 

ゆんゆんは少し落ち着いた方がいいと思う。

 

「カズマ、どのようなクエストを受けるんですか?」

「取り敢えずは、初心者でもできる無難なやつだな」

「ではそれでお願いします」

 

何となく嫌な予感がするが、気の所為だと思う。

 

「話し合いも終わったようだし、今日はめぐみんとゆんゆんのパーティー入りを記念して、ちょっとした宴会にしましょう」

「それいいな、飯は俺らが払うから気にせず食ってくれ」

「「ありがとうございます」」

 

 

 

宴会が終わり帰る頃。

私はカズマに訊ねた。

 

「二人はどこに泊っているのですか?」

「金がないから、馬小屋で二人で泊ってるけど」

 

何故そんな事聞くのかっといった顔になるカズマ。

 

「私も一緒に泊まってもいいですか?」

「なんでだ?めぐみんは宿に泊まってるんじゃないのか?」

 

今の顔は、わざわざ寝心地の悪い所で一緒に寝なくていいのにって顔だと思う。

 

「私は食費などの雑費だけを貰えれば、他は無報酬でいいと考えているので、宿泊費がかからないようにと思いまして」

「そういう事ならいいけど、さすがに無報酬ってのはダメだろ」

 

これでカズマと同じ場所で寝る口実ができたわけだけど、思った通り無報酬にはならなかった。

カズマのこう言った筋を通すところも好きなのだ。

 

「では基本的に必要のない私のお金はカズマが持っていて、私が必要になった時に、必要な分だけ貰うというのはどうでしょうか?」

 

カズマは少し悩んでから言った。

 

「分かった。それでいいけど、ちゃんと必要な時は言えよ?」

「大丈夫ですよ。我儘を聞いてくれてありがとうございます」

「気にする事ねえよ。そういやゆんゆんはどうするんだ?宿にそのまま泊まるのか?それともめぐみんと同じか?」

 

急に話を振られたゆんゆんは焦っていた。

 

「わわ、私もできれば、かかカズマさんと、い一緒に寝たいです」

 

ゆんゆんの発言に、カズマは顔を真っ赤にして固まってしまっている。

いくら人と話す機会が少ないとはいえ、あんな誤解を受ける言い方は不味い。

緊張して照れてるのも、余計にぽくなってしまっている。

現に周りの冒険者から好奇な目、と言うよりカズマへの嫉妬や羨望の眼差しがすごい。

あと、何故かアクアもカズマを犯罪者を見る目で見ている。

言った本人は気付いていない様子だった。

それにも気付いているカズマは、さらに顔を赤くしながら言った。

 

「ええっと、も問題はないぞ。ででもめぐみんもだけど、馬小屋で寝るなら枕とかいるから買いに行くぞ」

 

これ以上この場に留まりたくないカズマは、言って足早にアクアを連れ、ギルドから出ていった。

取り残されたゆんゆんは少し冷静になり、カズマの反応を理解出来たのか、だんだん顔と目の色が同じくらいに赤くなっていた。

また、周りの目にも気付いたのか、辺りを見回した後、ゆんゆんはそのまま走り去ってしまった。 私もゆんゆんを追ってギルドを後にする。




皆さんお分かりだと思いますがキャラ崩壊が起こっていたのはカズマさんです。
カズマさんが優しい理由についてはこのすばの先行上映会の際に潤さんが仰っていた「カズマはアクア達に悩まされなければ普通の優しい子」という所から、まだアクアとクエストを受けておらず、原作よりも少し早い段階で会った、カズマさんなら日本人的優しさが残っているのではと考えたからです。

カズマさんの誕生日話は誰視点が良いかについて

  • カズマ視点(天界)
  • カズマ視点(討伐後)
  • ヒロインズの誰か視点(天界)
  • ヒロインズの誰か視点(討伐後)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。