*加筆修正しました(12/31)
-INNENNOTATAKAI-
あの後、カズマ達と合流出来たのだが、私がそこに入るにはとても気まずい空気が漂っていた。
「カズマさん、先程はすいませんでした。誤解を受けるような事を言って」
「気にしなくていいってば、俺こそ急に逃げて悪かった」
「いえいえ、私があんな事を言わなければ良かった訳ですし」
「でも俺もあの場で訂正しなかった訳だからさ」
こんな感じで、二人はお互いに譲り合い続けていた。一方アクアはと言うと。
「うぐっ、なんでこんな目に、遭わないといけないのよグスッ」
カズマが強引に引っ張って行った所為で、食べていたおつまみでむせ、更にそのまま走らさせられたアクアは隅の方で蹲っていた。
流石に今回はアクアに同情する。
「アクア。大丈夫ですか?ギルドを出ていく時にむせてましたよね?」
「ありがとね、めぐみん。そうなんだけど。さっきそこの八百屋のおばさんに水を貰ったから、もう大丈夫よ」
アクアは私が話しかけた事で元気を取り戻した。 次は互いに謝り続けるという無限ループに陥っている二人に私は声をかけた。
「いつまで謝罪し合うつもりなんですか?お互い様という事でいいじゃないですか」
「「そうだな(ね)」」
私の提案で二人は無限ループから無事に抜け出し、今は雑貨屋に向かっている途中なのだが。
「ねえ、めぐみん」
「なんですか?」
「めぐみんは如何してカズマさんやアクアさんと普通に話せるの?」
ゆんゆんが小声で話してくるから何かと思えば、ただゆんゆんお得意のぼっちスキルを発動させていただけのようだ。
「これから仲間として一緒に過ごす人達と会話が出来なくてどうするんですか?これだからぼっちは」
「確かにそうだね、って最後に聞き捨てならない事を言われた気がするんだけど」
「そんな事ないですから、変な事言ってないで、ちゃんと歩いてください。二人に置いていかれます」
「そうね。カズマさん達と離れちゃったらダメだもんね」
なんとか誤魔化せたようで良かった。
アクセルに来てからは引っかかる回数が減っていったから懐かしいとも思う。
そうこうしてるうちに、アクアが布団セットを買ったという雑貨屋に到着した。
「おっちゃん。久しぶり」
「おう、嬢ちゃん一週間ぶりだな。後ろの子達は仲間の子か?」
「ええ、そうよ。こっちのぱっとしないのが、前に話してたカズマで、眼帯付けてる色々ちっちゃい子がめぐみんで、大人しそうで人と話すのが苦手そうな子がゆんゆんよ」
いきなりアクアにディスられた私達。
「おい、誰がぱっとしない奴だ!それにめぐみんとゆんゆんに謝れよ。ゆんゆんなんて泣いてんだぞ」
カズマの言う通り、ゆんゆんは涙を浮かべていた。
「なによ!私は本当の事言っただけじゃない!」
このアクアの発言でゆんゆんは本格的に泣き出した。
「言っていい事と悪い事くらい分かれ!てか早くゆんゆんに謝れ!普通に泣いちまったじゃねーか!」
「分かったわよ、謝ればいいんでしょ、謝れば!」
そう言ってアクアは、ゆんゆんに近づき言った。
「ゆんゆんごめんね。悪気はなかったのよ。ただ布団のおっちゃんに分かり易くしようと思ったらこんな言い方になっちゃっただけなの」
今ので完全にメンタルがやられたゆんゆんは蹲ったまま動かなくなり、カズマがなんとか復活させようとしている。
アクアはなぜ、ゆんゆんがこうなったのか理解できていないらしく、首を傾げてただ見ているだけだった。
そして私は...
「すいません。仲間が店の前で騒いだりしてしまって」
「大丈夫だ、これくらい。・・・あのチンピラに比べたら」
店主は、最後に顔をしかめながら何かを呟いたが聞こえなかった。
「どうかしましたか?」
「いや気にしないでくれ、それにしても君は一番小さいのにしっかりとしてるな」
子供扱いは何処に行っても変わらない。
「なっ、一番小さいのは確かですが私はあそこで泣いてるゆんゆんと同い年ですよ」
「そうか、それは悪かった。それで今日は何を買いに来たんだ?」
流石、商売人。
驚いているようだが、口には出さなかった。
「私とゆんゆんもあの二人と一緒に寝る事になったので、枕や敷布団などが足りなくてですね」
「なるほど。それならこれなんかどうだ?結構大きめのやつだから四人で寝ても問題ないと思うぞ」
「なら敷布団はそれでお願いします。あと枕と掛け布団なんですが」
「掛け布団と枕はセットのがあるからそっちがオススメだ」
そう言って店主がいくつかのセットを持ってきてくれた。どれにするか決める為、丁度カズマの慰めによって復活したゆんゆんを呼んで相談を始めた。
「私はこれが良いのですが、ゆんゆんはどうですか」
「私はこっちのやつがいいかな。でもめぐみんがそっちが良いならそれでも良いよ」
「すぐに妥協するのは良くないですよ。ちゃんと自分の意見を言ってください」
そして私達が吟味していると。
「おっちゃんその二人の持ってるの両方買うよ」
カズマがらしくない事を言い出した。
「おー、兄ちゃん太っ腹だな。気に入った!その二つのセットはその敷布団のオマケで付けてやろう」
「えっ、いいんですか?二つも貰っちゃって」
カズマは驚きを隠せないようだ。
「ああ、サービスだから貰っとけ、俺の気が変わる前に」
「ありがとう、おっちゃん。じゃあこの敷布団分の三千エリスを」
店主の気まぐれに乗る事にしたみたいだ。
まだお金がないからだろう。
「ありがとな、またなんか必要な物が有ったらうちに来てくれ」
「そん時はお願いします。さようなら」
商談は終了した。
カズマは安く抑えられた事で機嫌が良くなった。
「またな。元気でいろよ」
店主も嬉しそうにしている。
お互い幸せそうで何より。
これこそウィンウィンと言うやつだ。
「ほら、アクア。終わったから帰るぞ」
「あっ、うん。そうね」
こうして気付いた時には宿屋に向かって歩いている私達だった。
「カズマ。布団のお代です」
あの後ゆんゆんと話し合い千五百エリスずつ出そうという事になったのだが。
「俺の奢りだからお金は要らねえぞ」
やはり此方のカズマは紳士的な部分が多い。
そう言えばゆんゆんに対してはいつもこの様な対応だった気が・・・
もしかしてこれは、私の株が前の世界でのゆんゆんと同じ。
つまり常識人として認識されていると言う事なのだろうか?
ゆんゆんが常識人と言うのは癪だが、カズマはよくゆんゆんを引き合いに出して説教していたから、カズマの評価はこれで合っているはずだ。
「ですが、会ったばかりでここまでして貰うのは悪いですよ」
「気にする事ねえよ。これくらい。俺達仲間なんだし、気になるんだったら、これは二人のパーティー入り記念のプレゼントだと思ってくれ」
ここまで言われると何も出来なくなり、お金を渡すのは諦めた。
そして、財布に三千エリスを戻してそのまま帰路についた。
「あれ、何か忘れてるような気がする」
後ろでゆんゆんが何か言っているが無視だ。
でないと気付かれてしまう。
「なんだろう?でも何も思い出せないってことは大したことじゃないと思うし大丈夫よね」
これでゆんゆんの千五百エリスは私の物だ。
昨日、めぐみんとゆんゆんという仲間を得た俺は、今ちょっとしたピンチに陥っている。
何故ならめぐみんが俺に抱きついてて、離してくれないからだ。
勿論めぐみんは寝ている。
これって目が覚めためぐみんに勘違いされて俺が悪者になる展開か、アクアかゆんゆんが起きて、さっきとは違う意味で勘違いされるパターンだよな。
くそっ、こう言う時どうすりゃいいんだよ。
めぐみんを離せば良いってか?
んなもん出来たらとっくにやってる。
魔法使いなのに俺よりステータスが高いからなこいつ。
と言うかなんでこいつは俺に抱きついてんの?
昨日会ったばっかの男にこれはまずいだろ。
「んっ、かじゅま〜」
えっ!
何今の!
めちゃくちゃ可愛いんだが、ってそうじゃない!
おかしいだろこんなの!
めぐみんとは昨日会ったばかりなんだぞ!
分かったこれはドッキリだ。
昨日寝る前になんかアクアと話してたし、そん時にあいつがめぐみんに仕込んだんだろうな。
俺は簡単には騙されない。
「んー、ふぅー。あっ、カズマさんおはようございま...」
ゆんゆんが目を覚ましてしまった。
やばいどうしようこれ。
ゆんゆんが口をぱくぱくさせて固まってるんだが。
ここは素直に話す方が良いかもしれない。
「ゆんゆん。おおはよう。あ、あのさ、起きたらめぐみんが抱きついててな、身動き取れないんだ。だからこいつをどうにかしてくれねえかな」
焦り過ぎて逆に怪しくなってしまった。
これは不味い。
「はっ、はい。その別に何か有った訳じゃないんですよね」
ゆんゆんが話の分かる子で助かった。
アクアだったらもう終わってたな。
「ああ、何もなかったぞ」
「そうですか」
俺の返事を聞き、ゆんゆんはめぐみんを俺から離してくれた。
そしてちょうど離し終わったその時。
「ふわぁ〜、気持ちいい朝ですね。カズマたちを起こさない...と」
めぐみんが目を覚ました。
いや目覚めてしまった。
今の俺達の状況は、ゆんゆんが俺を押し倒しているような感じだ。
それに併せてめぐみんをどけて疲れたゆんゆんの息が上がってるから余計にぽくなってしまっている。
「ゆゆゆ、ゆんゆん!ああ、あなた何してるんですか!痴女なんですか!」
あれ?
ここって俺が責められるんじゃないの?
痴女認定されたゆんゆんは反撃にでた。
「なっ、誰が痴女よ!私はただカズマさんがきつそうだったから手伝っただけで」
なんだろうこの状況だと違う意味に捉えられる気がする。
でもこの年齢の子がそんな知識持ってないから大丈夫か。
「手伝ったって、もうした後なんですか!ナニしたんですよね!どうなんですか!そうなんですよね!」
はいフラグ回収乙。
めぐみんって意外とそう言う事知ってるのな。
と言うか責める対象がゆんゆんから俺に変わらないのが気になる。
普通は男の俺が責められる場面だと思うけど。
「ち違うわよ!めぐみんが考えてるような事はしてないわ!」
「じゃあ!何を手伝ったっていうんですか?」
めぐみんの怒りは留まりを知らない。
俺はと言うと、どうしたら良いのか分からず、その場に固まっているだけだった。
助け舟を出そうにも今声をかけたら、火に油を注ぐだけだろうから何もしないのであって、めぐみんが怖い訳では決してない。
「そ、それは」
ゆんゆんが反応に困ったのか言葉を詰まらせて、顔を赤くしながら黙ってしまった。
「どもりましたね!やっぱりナニしたんですね!」
「だから、それは違うって言ってるじゃない!私がカズマさんの上にいためぐ...」
ゆんゆんが説明しようとするのを遮りめぐみんが。
「もうゆんゆんの言い訳は聞きたくありません!カズマに直接聞きますから黙っててください」
ゆんゆんは不服そうにしながらもめぐみんから解放されて、少し気が楽になったみたいだ。
って人の事考えてる場合じゃねえぞこれ。
めぐみんが目を光らせたままこっちに来てるし。
「ゆんゆんと何が有ったのですか?正直に話してください」
あれ、さっき見たくキレ口調かと思ったけど普通だ。
でも目はそのままだし油断できねえな。
「あ朝起きたらめぐみんが、そその、俺に抱きついてて身動き取れなかったんだよ。それで丁度ゆんゆんが起きたから、抱きついてるめぐみんを離して貰ってたんだ」
我ながらビビり過ぎだと思う。
後半はしっかり話せてたけど。
「だったら如何してあんな感じになってたんですか?」
「それはめぐみんが中々離れなくて、ゆんゆんが力尽くでやった後だったからで」
あっ、これ信じてもらえないパターンだ。
完全に詰ん...
「そう言う事ですか。分かりました。勘違いで騒いですいませんでした。それと寝ている時に抱きついてしまっていた件も」
でなかったみたいだ。
「いや別に良いんだけどさ。なんでさっきまで全然ゆんゆんの言う事聞いてなかったのに、俺の話聞いたら直ぐに納得したんだ?」
さっきまでのめぐみんからは想像出来ない急展開に驚きを隠せない。
「それはゆんゆんが挙動不審だったからです。それに対してカズマは冷静でなおかつ真っ直ぐな目をしてましたから」
「そうか?」
俺も結構キョドってたと思うけどな?
「所でアクア知らないか?見当たらないけど。凄い嫌な予感がする」
そう朝起きた時からアクアがいないのだ。
気付いたのはめぐみんが起きてからだけど。
「先に起きて、もうギルドに行ってしまったんじゃないですか?」
「カズマ、これ不味くないですか?私がカズマに抱きついてるのを見てたとしたら」
めぐみんの言わんとする所は多分、あのバカが言いふらしている事だろう。
「とと取り敢えずギルドに行くぞ」
「あっ、待ってください。何をそんなに焦ってるんですか?」
ゆんゆんはまだアクアの性格を理解出来ていないらしい。
「アクアがあの事をギルドに行って、ある事ない事尾ひれを付けて広めてたら収集つかなくなるからだ」
あいつならやりそうだ。
今まで一緒にバイト終わりに飯を食ってた時のあいつの言動を見るに十分に有り得る。
ギルドに着いた私達だったがもう手遅れだった。
「それでね。朝起きたら、なんと二人がカズマに抱き付いてたのよ!これはもうヒキニートがロリコンである証拠ね」
嫌な予感は当たりだったけど、今の話を聞くとゆんゆんも抱き付いてたみたいだ。
それを聞いたゆんゆんは顔を赤くし、カズマは、
「おい、誰がロリコンだ!誰がヒキニートだ!クソビッチ!お前俺より後に寝たんだから、こいつらと何もなかった事知ってるよな!その上でこんな事してなんのつもりだ」
朝の私と同じくらいに怒っていた。
「カズマさん落ち着いて話し合いましょう。話せば分かる」
「ほう、誤った情報流して、人を貶めても良い理由があるんだな?言ってみろ。納得できない理由だったら明日からお前の報酬なしな」
カズマはやはりカズマなのかもしれない。
「すす、すいませんでしたあああああ」
自称女神(本物)がとても綺麗な土下座をしていた。
「ちょっと魔が差しただけなのよ。ねっ、だからお金を渡さないなんて言わないで」
どうしてこんな人が神なのか未だに理解出来ない。
まあアクシズ教の元締めと言われれば腑に落ちる所もあるが。
「じゃあ、今すぐこの話した人に嘘でしたって言って謝ってこい」
「分かったわ。それで許してくれるのよね」
「嗚呼」
こうしてこの件は方がついた。
「朝から疲れる事が有ったが今日はクエストに行くぞ」
「やっと冒険者らしい事が出来るのね。楽しみだわ」
パーティー結成初のクエストに行く事になった。
ダクネスは居ないが仕方ない。
「あのー、どんなクエストを受けるんですか?」
「それは、あれだ。生殖期に入ったジャイアントトードの討伐ってやつだ」
ふふっ、今度こそは食べられずにクリアしてやります。
「初心者用クエストですね。分かりました。それなら大丈夫です」
ゆんゆん程の実力があれば、この街にある塩漬けクエスト以外は全てこなせるだろうに、何を心配しているのだろう。
「カズマ。クエスト前に言わないといけない事があるのですが」
「なんだ?」
「私は魔法を使った後は動けなくなるので近くに居てください」
ここで話しておく事で、私がカエルに飲まれる心配はなくなる。
加えてカズマに迷惑を掛けずに済む。
「一時的なやつか?」
「いえ、魔力回復には時間がかかります。なので魔法を使った後におんぶして欲しいのです」
「分かったよ。他に何か言っとかないといけない事とかある奴は居るか?」
「大丈夫よ」
「私も大丈夫です」
「それじゃ行くか」
「なあめぐみん。これ俺達いらなくねえか?」
「うっ、それは言っちゃダメなやつですよ」
討伐を始めたのはいいのだが、全部ゆんゆんが倒してしまっている所為で、私達の出る幕がない。
アクアはワケの分からない事を言ってカエルに突撃して粘液まみれにされ、その後も懲りずに突撃を繰り返し、ゆんゆんの足でまといになっていた。
このままでは私は何も出来ずに終わってしまう。
なんとかしないといけないと考えていると。
「きゃあああ!?助けてくだっクプ」
油断していたゆんゆんが突然湧いたカエルに捕食される。
「ゆんゆん大丈夫かー!今行く。めぐみんはあっちからもカエルが来てるからそっちを頼む」
私達もまさかゆんゆんがやられるとは思っていなかったので、対策が遅れた。
「わ分かりました。私の回収お願いしますよ」
「ゆんゆん助けたらすぐ行く」
カズマがカエルを倒すのには時間が少しかかる。 だから敢えて私はする必要のない詠唱を始め、カエルと対峙し、カズマを待っていた。
「ぷはぁ、カズマさんありがとうございます」
「大丈夫か?」
「特に問題はないです」
「そっか。俺はめぐみんのとこ行くからアクアを頼んだ」
「分かりました」
もう撃って大丈夫そうだ。
では、
「『エクスプロージョン』ッ!爆ぜろ紅蓮の中で」
今日も決まった。
やはり爆裂魔法は最高!
「すげーな!この破壊力!」
カズマは我が爆裂魔法に魅了されていた。
「ふふふ我が力はどうです?凄いでしょう」
「ああ、突っ伏してなければもっと良いんだがな」
「それは言わないでください」
「悪い、もうちょっと待ってく、れ」
カズマの言葉が途切れた。
凄く嫌な予感がする。
「どうかしましクックパッ」
「めぐみーーーん!」
あの後、カズマ以外の全員がカエルに飲まれながも何とか討伐数には達成した。
しかし、私は今窮地に立たされている。
「なあめぐみん。他の魔法は使えないのか?確かに威力は凄いけど、オーバーキルが過ぎると言うかなんと言うか」
「使えません。何故なら私は爆裂魔法をこよなく愛するアークウィザードですから!」
懸念していたパーティー除名の危機に瀕しているのだ。
「他の魔法を覚える気は?」
「ありません」
キッパリと告げる私に少し苦い顔をさせるカズマ。
やはりダメだったのだろうか?
正直に言ってゆんゆんだけいれば何とかなりそうだ。
これでは前にカズマが言っていた、策士策に溺れるというやつになってしまう。
「そうか。じゃあ、よろしくなこれからも頼むな」
「お願いです。どうか見捨てないでくだ、って今なんて言いましたか」
今よろしくと聞こたのは気の所為だろうか?
「よろしくなって言ったんだけど誰も見捨てるなんて言ってないぞ?」
「いいんですか?」
前はすぐに切り捨てようとしたのに、やはりこのカズマは私の知っているカズマじゃないのかもしれない。
いや、昨日の結論が正しいのかも。
「だってこれがめぐみんとゆんゆんの役割分担なんだろ?よく考えてるなって思ったよ」
役割分担?
何を言っているのだろう?
「今日はジャイアントトードだけだったけど、これが多数の敵相手だって考えたらゆんゆんが近くにいる敵を倒して、遠くに居るまとまった敵をめぐみんの爆裂魔法で一掃する最高の戦術だなあって」
自分で言っておきながら完全に忘れていた。
カズマが見捨てない理由が分かった。
あの考えは間違っていない様だ。
「そ、そうですよね。ありがとうございます。これには自信があったんですよ」
「ねえめぐみん。本当はその事、忘れてたんじゃ…」
「アクア、早く帰って宴会しましょう」
鋭いゆんゆんにバレてしまったが無視だ。
「それいいわね。今日は初めてのクエストだしちょうどいいわ」
久しぶりにアクアの宴会芸が見れるのは楽しみだ。
「宴会はいいけどその前に風呂だぞ」
「分かってるわよそれぐらい」
「嘘つけ今絶対ギルドに走って行こうとしたよな」
「ししてないわよ」
「じゃあ、なんでギルドの近道の方に行こうとしたんだ?」
「うっ」
アクアがカズマに論破されている間に浴場に到着した。
カエルに捕食された女性陣は浴場に行き、俺はギルドに報告に来ていた。
「はい、それではこちらがクエスト報酬になります」
「ありがとうございます。あの本当にレベルが上がりやすいんですね」
「はい、そこが冒険者のメリットですし、まだ冒険を始めたばかりでレベルが低いのも上がりやすい原因の一つです」
こういう所はホントにRPGゲームみたいだなこの世界。
「あの、少しいいですか?」
「どうかしましたか?」
受付のお姉さんが心配そうに尋ねてきた。
「めぐみんさんとクエストに行かれたのですよね?大丈夫でしたか?」
「そうですがそれが何か?大丈夫かと言われるとギリギリのクエストでしたけど、大丈夫でしたよ。それがどうかしましたか?」
いきなり大丈夫かってどういう意味だ?
しかもめぐみんと一緒に行ったのが関係してるみたいだし。
「実はこれまでめぐみんさんが入ったパーティーで指示を聞かないなどの問題行動が目立っていたので」
「えっ、あいつがですか?そんなふうには見えなかったですよ。自分は頭の回る冷静な奴だと思いましたけど」
「そうですか。なら大丈夫です。頑張ってください」
俺の話を聞き不思議そうにしていた。
「はい!ありがとうございました」
さっきの受付のお姉さんの話が気になる。
確かに爆裂魔法を撃った後に動けなくなって、荷物になるとかはあるだろうけど、めぐみんが指示を聞かないと言うのが信じられない。
今回のクエストでもしっかり指示を聞いてくれてたからな。
指示を聞かなかったのは何か理由があるんじゃないかと考えていると、
「すまない、パーティーの内三人がカエルに捕食されたというのは貴方のパーティーか?」
「へっ、あ、はいそうですけど」
おおー、女騎士だ。
しかも美人の。
急過ぎて声が裏返ってしまった。
駄目だこんな所で長年の引き篭もり生活の弊害が。
「そうか。よければなのだが私を貴方のぱぱぱぱ、パーティーに入れてもらえないか?」
なんだこの人?
あれかな緊張してんのかな?
でもそれにしては目がしっかりしてるというか、あとなんかハアハア言ってるし。
「えっと、なんでウチのパーティーに入ろうと思ったんですか?」
そういや前にもこんな事聴いた気がする。
「貴方のお仲間が酷い目に遭わされたと聞いてな。クルセイダーとしてそのような羨ま…ではなくて可哀想な事は見過ごせないと思ってだな」
今この人羨ましいって言いかけなかったか?
それになんとなく分かってきたけど、ハアハアしてるのってたぶん興奮してるよな?
この人あれだ、変人だ。
よしここはもったいない気もするけど、
「そうですか。気持ちは嬉しいですがウチのパーティーはレベル低いですし、オススメできませんよ」
これで引いてくれるだろう。
「そうか、なら都合がいい。実は恥ずかしながら、私の剣は当たった試しがないのだ」
まさかの能力もダメダメじゃねえか!
これは断るしかない。
「そうなんですね。あのちょっと酒飲み過ぎたみたいで気分が悪いので自分はこれで」
「そうか。すまない気付かずに話を続けてしまって」
「気にしなくて良いですよ。それじゃあさようなら」
「さようなら」
ふぅ、なんとか逃げれた。
やばいな今の人。
あの人とは関わらないようにしよう。
集合場所を馬小屋にしといて正解だったな。
なんとか投稿間に合いました。
ダクネスが仲間入りするかどうかは次回分かります。
まあタグからなんとなく想像がつくと思いますが。
ではまた来週お会いしましょう。
カズマさんの誕生日話は誰視点が良いかについて
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カズマ視点(天界)
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カズマ視点(討伐後)
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ヒロインズの誰か視点(天界)
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ヒロインズの誰か視点(討伐後)