今回お祝いが遅れたお詫びに一話を献上申し上げるのでどうかお許しくださいm(*_ _)m
-UNMEIWOWAKESHIITTUNOFUMI-
貴族。
それは特権階級であり、基本的に自由な暮らしが出来る家系の者達の事を指す。
何不自由ない生活の代わりに有事の際は、先陣を切って領民や国民を守ると言う役割も担っている。
そして結婚相手もまた制約の一つである。
政略結婚が基本であり、自由恋愛は原則、出来ない。
そして今日。
貴族の令嬢であるダクネスにお見合いの話が上がったのであった。
カズマが何を考えているのかは大体分かってはいたが、今日はウォルバクさんと会う約束をしているが故に同行出来ない。
下手をするとダクネスが寿退団する事になってしまう。
そうなったら非常に困る。
みんなで仲良く暮らしていきたいのに、それが叶わなくなる。
そう思ってゆんゆんに託した。
ウォルバクさんとの会食は終わり、まだ見合い中だろうと顔出しに来てみると……
「お父様。バルター様。どうか今回のお見合いはなかった事にして頂けませんか。今まで、隠していてお伝え出来なかったのですが・・・、実は私のお腹には、カズマの子が・・・」
ダクネスがまさかの発言をしていた。
いや、待って欲しい。
カズマといつそんな関係にと言うか、そもそも今回は惚れてなかったのでは!?
「おめー!童貞の俺に何言ってんだこらあああ!何もしてないのに俺の子が?ふざけんなよ!お前はマリアか?腹パンすんぞ!!」
私とした事が取り乱してしまった。
普通に考えれば分かる話ではないか。
「そうか。既にカズマ君の子供が。それでは仕方がない。諦めるとします」
縁談を絶つ時に使う常套手段。
偽の恋人を作る。
しかし、聞いてしまった以上何も言わない訳にはいかない。
「いつも私と寝ているカズマとの間に、いつ子供が出来るのか聞こうじゃないか!」
「「「「「「えっ!?」」」」」」
思わぬ登場にみんな驚いているようだった。
「めぐみん!?いや、これは・・・と言うか二人はいつの間に、そこまで進展していたのだ?」
嘘とは言え、気にしてはくれているのだろう。
それにしても説明より先に疑問が出てくるとは。
「ちょっ!お前!こんな時にそんな話するなって!誤解されんだろ!」
カズマが何か言っているがこの際どうでもいい。
アクアさえ抑えられれば、後は何とかなるのだから。
「あわわわわわ!!カズマとダクネスが、それにめぐみんも!ひ、広めなきゃ、街のみんなに三角関係って広めなきゃ!」
「アクアさん!待ってください!行っちゃダメです!」
ゆんゆんがアクアを止めてくれている。
これで憂えはない。
「えっと、君はうちの娘のパーティーの・・・」
「我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法使いにして爆裂魔法を操る者!いつもお世話になってます」
「いえいえ、こちらこそうちの娘が、所で先程の話は」
イグニスさんと見合い相手は気になるのか私とカズマを交互に見ていた。
「カズマが誰とも関係を持ってないのは保証しますよ」
私が一緒に寝ていると言うのも義賊の活動について話すのに適していて、クリスとの密会もし易いし、不審がられないように常時行っているだけで、何かがあった訳では無い。
決して、私がカズマと添い寝したいからとかではない。
「・・・めぐみんとはありそうな気がするんですけど」
空気を読まないアクアの発言。
ダクネスとゆんゆんが頷いてるのが何と言うか腹立たしい。
「・・・そうであったとして、ダクネスとカズマが何もないと言いきれます」
「お、お前、否定しろよ!状況分かってんの?」
分かってはいるが、この面子なら何とかなるだろう。
「カズマは黙っててください。急に来た私が言うのもなんですが、ダク、いえ、ララティーナが嘘をついてまで結婚する気はないと考えているので、今回はなかった事にして貰えませんか?」
カズマとララティーナが睨んでいるが気にしない。
「ワシは問題ないが・・・」
「僕も問題ありません。父には僕の方からお断りしたと伝えておきます。その方が都合がいいでしょう。それではまた機会があれば、その時はよろしくお願いします」
バルターはそう言って出ていった。
これでパーティー存続の危機から脱した。
後はイグニスさんとお話するだけと思っていたのだが。
「・・・それでめぐみんとカズマって何処までやってるの?」
このアクアの発言により、話が拗れたのは言うまでもない。
「まったく、三人は何をしていたのですか。付き合っている振りをしなければならない状況まで行くなら、初めから断れば良かったじゃないですか」
「俺だってやれる事はやってたし、ダクネスが急に言い出しただけで・・・」
「何を言っているのだ!そもそもお前が裏切るからこうなったのだろう!」
裏切る?
「そうよ!カズマってば、あのバルターとか言う人にダクネス押し付けようとしてたのよ!それをさも頑張りましたって感じにしてるわ!この男、どういう性根をしているのかしら」
「そうだ!やれる事はやったとよくめぐみんに言えたな!体よく厄介払いしようと・・・。アクアやゆんゆんも私を結婚させる方向で動いていなかったか?」
ダクネスに指摘され、目を逸らす二人。
恐らくアクアとゆんゆんはカズマに上手い事丸め込まれたのだろう。
「そう言えばカズマ!先程の勝負で言っていた凄い事とはどんな命令なのだ?私の想像よりも凄い事と言っていだが」
・・・カズマはやはりゲスマだった。
アクアとゆんゆんがクズを見る目で見ている。
しかし、この状況で興奮しているダクネスもなかなかだ。
「一ヶ月間偽名禁止で、ララティーナとして暮らして貰うからな。あと引き篭ったりするのもなしだ」
何だか面白い事になってきた。
「さすがカズマやる事がちが・・・今なんと?」
「一ヶ月間ダクネス含めて偽名名乗るの禁止でララティーナとしてちゃんと生活して貰う。あっ、かわいい系の服で過ごせよ。フリフリのついたやつとか」
先程まで軽蔑していた二人だったが、話を聞いて何だかワクワクしてる感じがする。
間違いなくダクネスを着せ替え人形にする気だと思う。
「か、カズマそれは」
「止めろなんて言わないよな?何でもするって言ったよな?」
これが未来の英雄の台詞とは到底思えない。
「た、頼むそれだけは!」
「じゃあ一週間」
ダクネスが言ってるのは服装の事だろうけど期間を減らす方にしたらしい。
「くっ、分かった」
こうしてララティーナ生活が始まり、アクセル中の冒険者からダク、ララティーナがからかわれたのは言うまでもない。
王子の外遊によりアイリスとの再開が遠のいてから数日。
一部を除きみんな普通の生活に戻っていった。
そして、今日もまた穏やかな日常が続くと思っていた矢先。
事件は起こった。
それは私が日課に行く為、カズマの部屋に入った時だった。
「カズマ・・・」
「ゆんゆん・・・」
部屋に入ると今直ぐにでもキスが出来るような近さで見つめ合い、二人が名前を呼び合っていた。
そして更に距離を近付けていき……
「何をしているのですか?」
私の声に反応し、震え上がっていた。
今直ぐにでもゆんゆんに怒りたい所ではあるが、問い質す前に状況を確認する。
カズマの手元には文があり、ゆんゆんの手には封筒がある。
何だか既視感を覚える光景だ。
「め、めぐみん。ここれは違うの。これは世界の平和の為で」
「そ、そうだ。だからやましい事しようとしてた訳じゃなくてだ、な・・・」
二人は怯え続けているが既に私の怒りは別の対象へと動いていた。
「大丈夫です。分かってますよ。ぼっちが禄に確認もせず、駄文作家の創作物に騙されて、それに同じく浮かれて気付かなかったダメ男がいるって事くらいは」
あるえめ!
またしても私の気分を害するものを創るとは!
しかも今回の一番の目的がここで潰される所だった!
「創作物?・・・著者あるえって書いてあるな。ま、まさかこれ占いとかじゃなくてただの作り話なのか!?」
「あ、あるえのばかあああああ!!」
「・・・そうですよ。全く、最後まで読めば分かるモノを、如何して二人揃ってせっかちなんですか。それともあれですか?やりたい盛りなのですか?」
「「ち、違う!」」
二人が近付き合っていた所を見るに、二人とも満更でもない感じだったと思うのだが、気の所為だろうか。
「で、何と書かれていたのですか?」
渡された二枚の手紙を読むとこう書かれていた。
この手紙が届く頃には、きっと私はこの世に居ないだろう。我々に恐れを成した魔王軍は紅魔族殲滅に乗り出し、既に里の近くには軍事基地が作られ、魔法抵抗力の強い幹部や配下の者たちが送り込まれている。基地を破壊する事も叶わず、我々はただ攻めてきた者達と交戦するだけだ。
ふふ・・・・・・。お前と最後に行ったピクニックをもう少し楽しんでおけば良かったのかもしれんな。
救援が望めぬ今、我らの対抗手段は限られている。
そう、族長として、敵陣に赴き、この身を捨てでも魔王軍幹部と刺し違える事。
愛する娘よ。お前だけでも生き残れば紅魔の血は途絶えん。族長の座はお前に任せた。
・・・最後の紅魔族として決して我らが紅魔の血を絶やさぬよう・・・・・・。
「これを読んで焦るのは分かりますが、気が早すぎませんか?」
勿論、もう一つの方が主要因なのは知っているが、聞かざるを得ない。
「それだけならこんな事にはなってないって!」
「そうだよ。そけっとさんの名前もあったから信じちゃって」
二人が指す二枚目には
我が里に降りかかる受難。最後の頼みと願ったこの里随一の占い師そけっとが告げた未来は、我らの壊滅であった。だが、同時に我々は絶望だけではなく、希望の光が紅魔族唯一の生き残りゆんゆんにあると知らされる。
我らが族長の娘は、仲間のリーダーである男との間に子を授かり、貧乏ながらにも楽しく幸せな日々を過ごしていた。
時は流れ、その子が少年と呼べる歳になったある日。少年は父の跡を継ぎ冒険者になり、両親に見送られながら旅に出る。
だが、少年は知らない。
彼こそが、一族の敵である魔王を倒し得る存在であると・・・。
【紅魔族英雄伝 第一章】 著者:あるえ
追伸
郵便代が高いので、族長の手紙に同封させて貰いました。近々続章を送ります。
二枚目が少しと言うか結構変わっている。
しかも完全にカズマ指名の作品になっている。
前はヒモ男に甲斐甲斐しく付き添うダメ女みたいな感じだったのに。
いい感じにまとまってる。
とは言え前回同様、私が居ると言うのに最後の生き残りだとか、唯一だとか、いい加減にして欲しい。
そけっとの名前を出すのも悪質だ。
カズマ指名の件もそうだが今回は前より、もっとあるえを絞める必要がある。
「二人が悪くないのは分かりました。取り敢えず里に帰ってあるえと族長を絞めましょう」
「「は、はい!」」
未だに怯えている二人はそれはもう従順だった。
あの忌々しい手紙により帰郷が決定された。
それと同時にダクネスが一時的に日常を取り戻せた。
帰れば残りが待っているのだが、そこは置いておこう。
行き方はアルカンレティア経由で前と同じとなった。
とは言え全てが前回と同じではない。
アルカンレティアでの滞在期間が一週間もあり、移動は馬車となった。
そして今、アクセルの街を出ようとしているのだが......
「カズマ。あんたの背負ってるのは何よ?」
「何ってウィズだよ。ウィズ。紅魔の里に行くって言ったら、是非会いたい職人さんが居るって話で、ついてくる事になったんだが、店出る前にバニルがな」
またウィズがガラクタを買っていたのだ。
別れの挨拶に仕入れの話をしてこうなった。
「そうだったのか。しかしこうなると一つ席が足りなくなるな。誰かが荷台に座らなければならないがどうする?」
「私が座るので、みなさんはゆっくりしてください」
「ゆんゆんはこう言ってますが、じゃんけんで決めた方がいいと思いませんか?」
公平性を保つ為にも必要な事だ。
まあ、アクアが負けるだろうけど、このまま行くとゆんゆんとカズマの譲り合い大会が始まってしまうから仕方ない。
事実カズマが止めに入ろうとしていた。
「そうだな。ウィズはこんなだし一つは埋まってる前提でやるか」
「ちょっと、ゆんゆんがいいって言ってるんだから、それでいいじゃないの」
前と同じ様な終わり方になる気がしてきた。
「・・・分かった。五回勝負で一回でも俺に勝てたらお前抜きでじゃんけんにするが、勝てなかったらお前が座れよ」
「いいわ。所でカズマさん、確率って知ってる?一回勝つくらい余裕よ」
カズマ相手に運勝負はもはや確率なんて関係ない。
アクアは元々幸運値が低いのもあって勝ち目がない。
「じゃあやるか。一応言っとくけど、俺じゃんけん負けた事ねえから」
「そんなはったり通用するとでも?」
「おかしい!おかしいわよ!一回も勝てないなんて!カズマ不正したでしょ!インチキしたんだから私の勝ちよ!」
「魔法で幸運値上げたやつに言われたくないし、もう出発だから静かにしろ」
結局、十戦したにも関わらず、アクアは勝てなかった。
カズマにじゃんけんで勝ったのはクリスくらいしか思い付かない。
「お前がいい子にしてたらそのうち代わってやるからさっさと乗れ」
「本当に?なら乗ってもいいわよ」
こっちのアクアは従順な所が多い。
この差は何だろう?
上から目線は相変わらずだけど。
「おっちゃん悪い。もう準備出来たから頼む」
「はいよ。アルカンレティア行きしゅっぱーつ!」
この馬車の運転手がリーダーらしく、掛け声と共に商隊は進み始めた。
ようこそ地獄の入口へと言いたくなる試練が待っている等誰も想像さえもしていないが、一応カズマには伝えておこう。ウィズの店で何を買ったかは内緒のまま。
久しぶりの本編投稿です。
誰も待ってなかったと思いますが、お待たせしました。
次回は元日に投稿しますのでお楽しみに!
カズマさんの誕生日話は誰視点が良いかについて
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