この素晴らしい世界に●●を!めぐみんのターン   作:めむみん

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本日二作目です。
予定よりも遅くなり申し訳ございません。
プログラミングの課題に手こずって投稿できませんでした。
それではハンス戦お楽しみください。


中立とは

-TYUURITUTOHA-

 

門を通り、源泉へと向かう私達。

カズマは凄く警戒しているが、他のみんなは単に調査中と言った感じで、そこまでの危機感を抱いていない。

魔王軍幹部がいると伝えていないのだから当然といえば当然な話だ。

 

「ダクネスが貴族で助かったわ」

「私たちだけだったら源泉の調査もできてないですからね」

「これはあれね。今度から困ったことがあればダクネスの名前を出せばいいのよ」

「ちょっと待ってくれ」

 

突然ダクネスが立ち止まり、注目を集める。

アクアの発言が問題なのは間違いない。

 

「どうしたの?」

「一応、今回は問題が発覚していたから当家の力を使ってはいるが、家は不当な権力の行使はしないからな」

「もちろん不当なことには使わないわ。例えばアクセルのアクシズ教教会に、お布施しなさいとダスティネス家が言ってるとかその程度よ」

「それの何処が不当な権力の行使じゃないんだ。ダクネス安心しろこいつがアホな主張しても、アクシズ教徒が新たな手法を編み出したくらいにしか思われないだろうから安心しろ」

 

なるほどと手を打ち、ダクネスは安心した様子。

アクアはというとカズマに敵意むき出しで今にも突っかかりそうだ。

 

「それにしてもダクネスさんが、ダスティネス家のご令嬢だったんですね。昨日は言いそびれましたが、今まで、大変ご無礼をしました」

 

ウィズが改まってペコりと頭を下げる。

それにつられてゆんゆんも何故か頭を下げている。

 

「いや、ウィズには今まで通り接して欲しい。私はその方が嬉しい。顔をあげてくれないか。・・・二人とも」

「そうですか?ダクネスさんがそう仰るなら」

 

ウィズが理解を示してくれたことで、少し安堵したようだが、ゆんゆんまでもが頭を下げていたのを思い出したのか、ダクネスは不安そうにゆんゆんを見る。

 

「えっと、ゆんゆんは何かあったのか?」

「いえ、その、ウィズさんの話聞いていたら自分も無礼なこと沢山していたなあと」

 

この子は今更何を言っているのだろうか。

既にダクネスが貴族だと知っていたはずなのに。

 

「・・・仲間なのだから特にゆんゆんには気を使わないで欲しいと言うか、カズマやめぐみんみたく、呼び捨てでも構わないのだぞ?」

「それは私も思ってたわ。ゆんゆんってば私とダクネスはずっとさん付けだし、敬語のままなんだから」

 

二人ともゆんゆんのさん付けや敬語に距離感を覚えていたようだ。

私としては二人がさん付けのままでことよりも、カズマだけ呼び捨てになった経緯を知りたい。

この機会に追求してみよう。

 

「いいんですか?後で社交辞令も通じない子だとか。礼儀知らずだって」

「言わないわよそんなこと。ゆんゆんの考え過ぎよ」

 

言って同意を得るためにアクアはダクネスの方を向いた。

それに対して頷きながらダクネスは言った。

 

「ああ、今すぐにとは言わないが、いずれはめぐみんやカズマと同じように接して貰えると嬉しい」

「わ、分かりました」

「これは長くなりそうね」

 

アクアの一言にダクネスも頷く。

カズマが特例的に素早くゆんゆんの壁を突破出来ただけで、気にしないのが正解な気もする。

少なくともアクアとダクネスに対しては、明らかに心を許してはいる。二人とは緊張せずに話せているのだから。

 

「所でカズマはゆんゆんとどうやって打ち解けたの?」

私が言うまでもなく、アクアが質問してくれた。

これで二人の謎が時明かされる。

 

「それは・・・」

 

こちらをチラッと見た後に、アクアとダクネスを近付かせ、耳元で囁いた。

カズマが話し終え離れると、二人は納得したのか、頷きながらこちらを見る。

何故私が見られているのか理解できないが、もし内緒にしてわたしをイラつかせるのが、目的ならば見事に成功している。

 

「そろそろ源泉が近いからみんな警戒して行くわよ」

 

私が文句を言い出す前に雑談を終わらせられた。

宿屋に帰ったらカズマをおどじゃなくて、カズマとお話をしなければ。

 

 

 

アクアが源泉が近いと言ってから数十分経つがまだ到着していない。

完全に逃げのために言ったことだ。

証拠としてカズマがバテて来ている。

 

「ちょっ、ちょっと待ってくれ。一回休憩しよう」

「何言ってるのよ。早く行かないと温泉がダメになっちゃうじゃない」

「そうは言うけどお前ら、なんで疲れてねえんだよ」

「これだから弱っちいカズマさんは、貧弱なのは知ってたけど、ここまで弱いなんてね」

 

バカにしている訳ではなく、予想外と言った風のアクアの発言に苛立ち、睨みつけるカズマ。

しかし、余程疲れているのか、言い返すことはなかった。

 

「私も疲れましたし、ちょっとだけ休憩しましょう」

「優しい彼女に守って貰えて、カズマは幸せ者ね」

「誰が彼女だ。誰が」

 

もはや常態化した恋人弄りはどうでもいいらしい。

ツッコミのキレが悪くなっている。

カズマは座り込み、休憩を始めた。

疲れが相当溜まっていたことが分かる。

 

「はぁ、疲れた。ウィズ水くれないか?」

「はい。どうぞ。ゆっくりしてくださいね」

 

今回はウィズが物資担当をしている。

理由はアクアが押し付けたからと言う単純なもの。

ゆんゆんが変わると提案したそうだが、断られたと聞いた。

ウィズとしては勝手に役割を分担して、アクアを怒らせる方が怖いのだろう。

 

「カズマ、大丈夫なの?」

「ああ、あとちょっとしたら動けると思う」

「疲れているのなら早めに言ってくれれば、その時に休憩を入れたのに」

「いや、アクアがそろそろだって言ったから我慢してたんだ」

 

ダクネスも本当の距離を知っている側だったからか、何も言わずに座れる場所を探しに行った。

この休憩が終わればハンスと戦いが待っている。

どう倒せばこの街から追い出されずに討伐できるのか。

この対策は全てカズマに丸投げしている。

今回基本的に爆裂魔法が使えない私としては最大限手助けをしたい。

 

 

 

休憩が終わり、行軍を再開した。

途中、初心者殺しと思われる生物の死骸が見つかった。

毒でやられたようで、原型を留めておらず、黒く変色していた。

これを見たカズマはみんなに警戒するように言った。

そこから少し進むと今度はパイプの切れ目から汚染されたドス黒い温泉が湧き出ているのを発見した。

 

「こ、こんなのが流れたらウチの子たちが危ないわ!『ピュリフィあづああああああ。火傷!火傷する!」

「おいバカ、源泉に手を突っ込むな。気持ちは分かるが今は原因を探って根本的に対処しなきゃ意味ないだろ」

「ううっ、だってだって」

「『フリーズ』これで大丈夫だろ?ほら行くぞ。源泉に」

「ありがと・・・『ヒール』」

 

カズマが離れたのを確認してから回復魔法を自分にかけたようだ。

自分で、完治出来ることに途中で気付いたのだろう。

 

「なあ、やっぱりアイツじゃないか?」

 

カズマが指すアイツとは浅黒い肌に茶髪で体格のいい男。ハンスその者だった。

毒の散布中で、ハンスの手が入っている所から扇状にように汚染が広がっている。

 

「確かに誰かいるな。しかし、あんな所で何をしているのだろうか。あそこが源泉なのか?」

「だと思います。あそこがパイプの始まりになってますし・・・ってことはあの人が汚染してるんじゃ!?」

 

ゆんゆんが気付いた通り、その人物こそが、温泉の汚染をしている犯人である。

とゆんゆんが大声を出したこともあり、ハンスがこちらへとやってくる。

 

「こんな所まで、どうやって?ここは関係者以外立ち入り禁止ですよ」

 

白々しくも関係者を装うハンス。

それに対してアクアは怒りを顕にして言った。

 

「ちょっとあんたなにしらばっくれてんの!源泉を台無しにしてるのあんたでしょ!成敗してあげるから覚悟なさい!」

「台無し?私は汚染された源泉を管理人として調査に来ただけですよ。何を言ってるのか分からないですね……」

 

話している中で、ウィズの存在に気付いたのか俯きながらハンスは言った。

ここからはウィズの天然を待つのみ。

アクアはと言うと、堂々ととぼけられ、どう返していいのか分からずにカズマへ助けを求める視線を送っていた。

 

「とぼけても無駄です!あなたが管理人なら昨日の調査団にいなかったのはおかしいです。本当の管理人さんは何処ですか!」

「昨日は出張中でいなかっただけだ。とぼけているわけじゃない。それよりもキミたちここは危険だからはやく帰りなさい」

 

何ともまあ、白々しい。

ウィズがあれ?と言いながらハンスを凝視しているから、化けの皮が剥がれるのも時間の問題だ。

 

「めぐみんの言う通り、昨日は関係者が皆揃っていたはずだ。私の名はダスティネス・フォード・ララティーナ。貴族特権により、あなたを逮捕する」

「いや、ですから出張に行っていたんですよ。分かりますか?身体検査してもらっても毒薬なんて出ませんよ」

 

強気に出つつ顔をウィズから隠して話すハンスに、カズマは近付き身体検査をしようとする。

その時ウィズが叫んだ。

 

「あっ!!思い出しました!何処かで見たことがあると思ったら、ハンスさん!ハンスさんですよね!」

「えっと、人違いでしょう。私はここの管理人の……」

「忘れちゃいましたか?ほら、魔王さんの所で一緒に働いていた魔法使いのウィズですよ!」

「ちょっ、ちょっと離してください。魔王って何ですか?物騒なこと言ってないで早く帰りなさい」

「そんなこと言わないで下さいよハンスさん。ほら、リッチーのウィズですよ。リッチーの!」

「リッチー?アンデッドモンスターの王とも呼ばれるとても毒攻撃なんをしてくる危険なアンデッドモンスターですか?何を言ってるのか分かりません。私はハンスではありませんし、これ以上話しても無駄なようなので、私は失礼させてもらいます」

 

ウィズから逃げるように、街の方へと動きだすハンス。

しかし、ウィズはそうはさせまいと前に回り込み確認を続ける。

 

「あっ毒と言えば!ハンスさんはデッドリーポイズンスライムの変異種でしたよね!ひょっとしてハンスさんが温泉に毒を入れてたんですか?」

 

これを無自覚に言ってくるのだから、ハンスには同情しかない。

今ウィズが言ったことで誰しもが、この男はデッドリーポイズンスライムのハンスで、温泉を汚染できる魔王軍関係者だと分かる。

ハンスは諦めたのか、ウィズを無視して歩き出した。

 

「ハンスさん!どうしてさっきから無視するんですか?ウィズですよ!あっ、そう言えばハンスさんって擬態出来ましたよね?入口で管理人さんに化けてここまで来たんですか?それともスライムの形態になって潜り込んだのですか?」

「さっきからあなたは何を言ってるんですか?私はあなたなんて知らな・・・ちょっ、ちょっと揺さぶるのはやめてください!」

 

ハンスはウィズを突き放すと走り出し、逃げようとした。

しかし、行く手を阻むようにアクアが飛び出し、後に続くようにみんな駆け出した。

 

「何処へいくつもり!逃がさないわよハンス!」

「街の方へは行かせないぞハンス!」

「これ以上好き勝手はさせないハンス!」

「そんな言い訳が通じると思ったのですかハンス!」

「諦めて正体を現せよハンス!」

 

カッコよくポーズも決まって、前にカズマの言っていた戦隊モノとやらみたいになっていて、最高に決まってる。

 

「ハンスハンスと、気安く呼ぶなクズ共!ウィズはこんな所で何してる?お前何処かの街で店出すんじゃなかったのか?こんな所じゃなくてその街で働け!」

「ひ、酷いですよハンスさん!私だって毎日一生懸命働いてますよ!それに覚えてたのに知らないフリするなんてもっと酷いですよ!」

 

ウィズがまるで被害者の如く糾弾する。

正直に言って、敵対しない約束を考えると悪いのはウィズなのだが……

まあ、私たちには都合がいいから問題は無いのだけれども。

 

「お前の方が酷い!こっちが時間をかけて続けてきた破壊計画を実行段階で邪魔しやがって!敵対しないって話はどこ行った?」

「敵対?私ハンスさんと敵対したとこはないですよ?」

 

何処までも天然なウィズにハンスの怒りは頂点に達しようとしている。

使えない味方は最大の敵とはよく言ったものだ。

 

「後ろのそいつらに俺の正体バラしただろうが!」

「私はただハンスさんに久しぶりにあって声をかけただけですよ」

「それが邪魔何だ!ウィズ、俺と戦うつもりか?」

 

相性が悪いのは理解しているのか、顔が強ばっている。

 

「別に私はそんなつもりは、あと、この人たちは私の友人なんです。だから、その、ここはどうか話し合いで解決を・・・」

「話し合い?昔のお前からは想像も出来ないくらいにフヌケてるな。お前が俺たちを狩りまくってた時は話し合いなんか応じなかっただろ」

「あ、あの頃は、周りが見えてなかっと言いますか……その、お願いします。どうかここは穏便に」

 

前回ならここでカズマが、スライムは雑魚だとか言って宣戦布告する訳だが、今回はそんなこともなく、二人の会話を見守っている。

ウィズはペコペコと頭を下げて、お願いしている。

 

「・・・はぁ、もういい。お前らは、ウィズに免じて見逃してやる。ここから立ち去れ。この街の人間じゃないだろ?」

 

ウィズに何を言っても無駄と判断したのか、諦めるように促してきた。

ここは管理人さんの話を出して早期解決の可能性にかけよう。

 

「だったらなんだって言うんです?管理人さんの無事も確認できてないのに、帰れませんよ」

「管理人なら喰った。お前らも喰われたくなかったらさっさと・・・」

「『カースド・クリスタルプリズン』ッ!」

 

管理人を喰ったとの発言が引き金となりウィズは完全にお怒りである。

さてと、私も準備を始めよう。

 

「お、おい。ウィズ何のつもりだ?敵対しない話だったはずだ」

「ええ、ですが、その条件に一般人は襲わないこととありました。冒険者は魔物なんかの命を奪って生計を立てている以上その逆も仕方ありません。ですが、管理人のおじさんは何も悪くないじゃ『「ライト・オブ・セイバー」』な、い、ですか?」

 

突然の魔法攻撃に理解の追いつかないウィズ。

何が起こったかと言うと、私の命令で、ゆんゆんがハンスに上級魔法を使ったのである。

 

「ゆんゆん、不意打ち大成功ですよ」

「ねえ、本当に良かったのかな?ウィズさんまだ話してる途中だったのに」

「いいですか?ウィズに注意が言っている時だからこそ不意打ちが成立するのですよ」

「おい、クズ共。卑怯な事をしやがって、こうなったら本当の姿を見せてやる!まずは紅魔のガキからだ」

 

やっぱり、そう簡単には倒せず、逃げ延びたようだ。

禍々しい巨大なスライム形態へと変貌したハンスを尻目にカズマはダクネスを連れてたひた走っていた。

恐らくダクネスが囮になって、カズマが弓矢で攻撃をしつつ、源泉から遠ざけるのが目的だろう。

流石カズマだ。

この短時間で、作戦を立てて実行に移している。

本来の姿になったハンスは宣言通り、私たちの元へ来ることはなく、デコイのせいかダクネスの方へと向かっていく。

 

「えっと、これはどうしたらいいの?」

「あの化け物スライムを追うのですよ。源泉からある程度離れたら爆殺です。アクア!浄化頑張ってください!ウィズ、アクアのこと頼みました」

 

源泉に手を突っ込み、泣きながらアクアは浄化を続けている。

それを助けるように、ウィズが氷結魔法で熱さを和らげてくれている。

源泉の汚染は何とかなるだろう。

 

「ねえ、カズマとダクネスさん大丈夫かな?」

「あの二人なら大丈夫ですよ。いざって時の為にアレを渡してますから」

「アレって何のこと?」

 

 

「見てれば分かりますよ。ほら」

「『狙撃』ッ!『狙撃』ッ!『そげ・・・あっ、石鹸がない。ダクネスヤバい!もう足止め出来ないから逃げるぞ」

「逃げる?この最高のシチュエーションから逃げるのか?」

「バカなこと言ってないで、こっちに来い!」

 

渋々ながらダクネスはカズマに近付いた。

ダクネスはいかなる時でもダクネスである。

 

「よし、これなら効果範囲だ。ダクネス、そこの岩に回り込んで隠れるぞ」

「分かった。しかし、あのスライムは岩を溶かしているがこれに意味は」

「めぐみん後は頼んだ!『テレポート』ッ!」

 

念の為に用意しておいたテレポートのスクロールで、カズマとダクネスは避難を完了した。

テレポート先は私の隣に設定してある。

 

「ええ、任されました!『エクスプロージョン』ッ!!」

 

こうして、魔王軍幹部がまた一人、この世を去ったのであった。




戦闘シーンが短くなりましたすみません。戦闘描写苦手なんです。ご勘弁を。
次回も二作投稿予定です。最近創作意欲が凄く湧いてるんですよね。この調子で元の週一投稿に戻していきたいです。

カズマさんの誕生日話は誰視点が良いかについて

  • カズマ視点(天界)
  • カズマ視点(討伐後)
  • ヒロインズの誰か視点(天界)
  • ヒロインズの誰か視点(討伐後)
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