この素晴らしい世界に●●を!めぐみんのターン   作:めむみん

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何とか週一投稿に近づけたと思う今日この頃。
カズマ一行が討伐後どうなるかお楽しみください!


第四章
安楽の地にて


-ANSOKUNOCHINITE-

 

 

ハンスを無事討伐し、宿屋へと帰還した私たちは取り敢えず宿屋に帰り眠ることとした。

源泉を確認した所、お湯にはなっておらず、多少薄まった程度であった。

つまり、今回は追い出されずに済むだろうと言う話だ。

安心してベッドに入れるだろうと考えながら部屋に入る。

 

「めぐみんのおかげで何とか生きてる」

「何を言ってるんですか。ハンスを倒せたのはカズマの咄嗟の判断力のおかげですよ」

「あんなの事前に聞いてなかったら無理だって、テレポートのスクロールもめぐみんが用意してくれたものだし、アレがなかったら成り立たない作戦つうか、逃げるしかなかったぞ?」

 

いつも褒められてこなかった故に、こういう時にどう反応すればいいのか分からない。

料理が美味しいとかなら、何度も言われてきたけどもクエストで褒められるのは慣れていない。

 

「まあ、なんにせよ。大した怪我人も出ずに倒せて良かった」

 

怪我人と言えばアクアが火傷したくらい。

それも直ぐに回復魔法で治っているから問題点にはなっていない。

 

「そうですね。これでまた賞金が手に入りますよ」

「それなんだけどさ。この街に寄付しないか?」

「寄付ですか?」

 

寄付とはカズマらしくない。

税金逃れの為に、警察に捕まるような男なのに。

何を企んでいるのだろうか?

 

「そう。源泉の汚染は食い止められたけど、パイプの交換とかでお金かかるだろうし、多分、アクアの浄化で、若干成分が薄くなってると思うし、前にめぐみんが言ってた追い出されるとかって可能性もあるし、先に損害を補填するって言えば、大丈夫かもしれないなって」

 

・・・本当にこっちのカズマはどうしたと言うのだろう。

いくらなんでも優し過ぎやしないだろうか。

アクセルの領主のせいで、自分達で補償しないといけないと思っているのだろうか?

 

「追い出されるなんて、頑張ってたアクアが可哀想だからな」

 

そうか。

カズマはそういう人だった。

仲間が傷つくことを誰よりも嫌がる人。

セレナとか言う女が来た時に、アクアのために奮闘していたカズマだ。

それにしても、直接的ではないにせよ。こうも素直にアクアのためと言えるのはやっぱりカズマらしくない。

 

「あっ、でもこの話はアイツにするなよ?」

「人のことツンデレと言いますけど、カズマも充分ツンデレだと思いますよ」

「誰がツンデレだ。秘密にするのは、アイツに教えたら賞金の取り分がどうのって言い出すかもしれないからだ」

「ではそういうことにしといてあげます」

 

ツンデレと言ったのが気に障ったようで、カズマは布団を被り眠ってしまった。

明日、アクシズ教徒達からどのような待遇を受けるのか分からない以上休んでおいた方がいいだろう。

そう思いながら私もベッドに横たわるのであった。

 

 

 

翌朝、目覚めるとカズマは既に部屋を出ていた。

恐らく昨日話していた補償の話でもしに行ったのだろう。

食堂に向かうとカズマ以外が朝食を摂っていた。

 

「おはよう。カズマはまだ寝ているのか?」

「いえ、何処かに行ったみたいです」

「何処かって何処なの?」

 

何処と聞かれても、書置きがあった訳でもなく答えようがない。

大体見当はついてはいるが。

 

「何処かってのは温泉の管理人さんのとこだ」

 

いつの間にか帰ってきていたカズマ本人が回答した。

帰ってきたカズマは元気がない。

お通夜に行ってきたようなそんな感じだ。

 

「管理人さんって、あの?」

 

ゆんゆんもカズマの様子から何をしてきたのか察したようだ。

他のみんなも何があったのか分かってきたようで、静寂が訪れる。

 

「ああ、一応、管理人さんの家族に報告してきた」

 

やはり、出ていたのは管理人さんが亡くなったことの報告。

多分、補償の話と一緒にしてきたのだろう。

 

「辛い役回りをさせてしまったな」

「これもリーダーの務めだからな」

 

私も早起きしていれば、カズマ一人に負担させずに済んだのに。

カズマは何でも一人で背負い過ぎだ。

もっと、頼って欲しい。

 

「ちょっと休憩してくるから、飯が終わったら呼んでくれ」

 

言ってカズマは部屋へと向かって行った。

そして、私はカズマが去ったこの状況を利用してある秘策をみんなに伝えることとした。

 

「・・・ちょうどいいタイミングでカズマがいなくなったので、オーク対策について話したいのですが、いいですか?」

 

ダクネス以外の皆が真剣に話を聞く姿勢となり、会議らしくなってきた。

ダクネスはと言うと、既に絶滅したオークのオスに想いを馳せて、蹂躙がどうのとか、心は屈しないだとか、ハアハア言って妄想の世界に浸っていた。

現実に引き戻すのも面倒だったので、話を聞いている三人に私の計画を話した。

 

「計画はいいと思うんだけど、カズマが怒っても私は知らないからね?」

 

アクアが自らの保身に走るのは折り込み済み。

今回、みんなに話したのは、計画を実行に移してから混乱が起きないようにするのが目的なのだから。

 

「私が責任を取りますから安心してください」

「じゃあいいけど、その計画っていつまでなの?」

「ここを出てすぐに始めて、終わるのは三日後で合ってますよね?」

 

この計画の要となる道具を仕入れてくれたウィズに確認を取る。

 

「はい。三日後には元に戻ります」

「ちょっと長いのね。紅魔の里についてからはどうするの?」

「それは私も思ってました。計画中にカズマを外に出すと不味いですよね」

 

ゆんゆんの言うことも最もではあるが、そこについては大して問題視していない。

紅魔の里は良くも悪くも情報が回るのが早い。

これを利用すれば、何とかなると踏んでいる。

 

「そこは私が何とかします」

「めぐみんが、そう言うならいいんじゃない?」

「私もカズマさんのためなら仕方ないかなって」

 

二人とも賛成のようだ。

ウィズはまあ、購入段階で了承を得ているから確認の必要は無い。

 

「ダクネスはどうですか?」

「気付くと私はオーク達の巣穴で四肢を縛られ動けないままッ!」

「ダクネス。戻って来てください」

「はっ、すまない。イメージトレーニングに集中し過ぎてしまった」

「・・・それで、この製品を使う計画なんですけど、ダクネスはどう思いますか?」

「ありだと思うぞ。カズマも共に戦うのだからな」

 

一人だけ論点が違うけれど、賛成を得られたのだからよしとしよう。

斯くして、カズマをオークから保護する為の計画が実行に移されることが決定した。

 

 

 

カズマ保護計画会議から、数時間が経ち、保護対象が食堂へ戻って来た。

私以外は部屋で出発に向けた準備をしている。

私が部屋にいない理由は、カズマの寝顔を見ていると自制が効かなくなりそうだったから。

気付いたら添い寝してる可能性がある以上、離れておくのが賢明だった。

 

「あれ?めぐみんだけか?」

「みんな支度をしてるのですよ」

「支度?滞在期間は明日までじゃなかったか?」

 

確かに当初は一週間の滞在予定であったが、私としては早くこの街を出て里に向かいたい。

こめっこに早くちゃんとしたご飯をあげる為に。

 

「カズマはこの街が気に入ったのですか?」

「いや、俺も出来れば早く出発したいけど、予定と違ったから確認してみただけだ」

「じゃあ問題ないですね。あっ、一つ聞いてもいいですか?」

「何だ?」

「温泉のことどうなりましたか?」

 

カズマが直ぐに街を出ようとしない時点で、追い出されるようなことにはならないだろうと思う

 

「お金の話もしたんだけど、気持ちだけで良いって言われてさ。何でも汚染が止まって、温泉に聖水の効果もついたって大盛り上がりらしい。早く出ないとアクアがこの街から出たがらないくらいに、よいしょされると思う。中には使徒を名乗った本物だって言い出す連中もいたらしい」

「それは不味いですね。急ぎましょう。車はもう手配してありますから」

 

前回と違って追い出されずに済んで本当に良かった。

しかし、追い出されないとそれはそれで面倒なことが起こるとは、予想外。

用意が整い、集合すると、見つからないようにアルカンレティアを後にした。

 

 

 

里までは馬車をレンタルして、ダクネスが御者をしている。

街を出てからが数十分、例の場所が近付きつつあった。

因みに計画はまだ実行していない。

 

「あれなんだ?ダクネスちょっと止まってくれ」

 

カズマの指示で馬車は止まった。

 

「何があったのだ?」

「うーん、何か木こり風の人と子供みたいなシルエットがあって、それに木こり風の人が切りかかろうとして悶えてんのかな?よく分からん」

「状況的に判断すると安楽少女な気がします」

 

ゆんゆんの言う通り、確かこの辺で鬼畜のカズマがあの可愛い安楽少女を殺したのだった。

これは迂回した方がいいかもしれない。

 

「安楽少女ってなんだ?あっ、木こり風の人が走ってどっか行った。ちょっと様子見てくるから、ここの事は頼んだぞゆんゆん」

 

何故私ではなくゆんゆんに?

それにこのまま行かせる訳には行かない。

何か引き戻す方法は・・・

 

「はい。・・・めぐみんも行ってきたら?カズマと二人き・・・行っちゃった」

 

引き戻す必要などなかった。

私が止めればいいのだから!

断じてゆんゆんの発案に乗った訳ではない。

ええ、断じて!

 

「カズマ!私も行きます!」

「そうか。じゃあ、手繋いでくぞ」

 

・・・へ?

あのカズマが自分から手を?

これは夢じゃなかろうか。

 

「何惚けてんだ?潜伏スキル使うだけだから変な反応されると困るんだけど」

 

ほら、こんなもん。

積極的になった訳ではなかった。

ただ、ここで単純に従う私ではない。

 

「照れてませんよ。恋人繋ぎをしようか、しまいか悩んでいたのです」

「よし分かった、普通で行こう」

 

もう誰にも見られてないのに、このヘタレはどうにかならないのだろうか?

そうこうしている内に安楽少女が見えてきた。

また別の木こりが引っかかっていた。

カズマは様子見と言って、私を木陰に引き寄せた。

 

『す、すまない。これは決まっている事なんだ。君を見たら討伐しなければ』

『ゴメンナサイ。ワタシガ、イナケレバ』

 

あんなに愛らしい子をよくもカズマは討伐出来たものだ。

 

『くっ、やっぱり俺には無理だあああ』

 

そう。

これが正しい判断。

あの時のカズマは一体どこに良心を置いてきてきしまったのでしょう。

 

『・・・ちっ、さっきの奴といい、今の奴といい、養分になる気がねえなら来んじゃねえよ。クソが!』

 

・・・え?

 

『はあ、光合成だけで生きるのマジだりー。あの変な名前した連中来ねえかな。あいつら何も知らねえし、良いカモなんだけどなあ』

 

あの安楽少女が?

え?

もしかしてカズマはこれを見て?

・・・私はカズマになんて酷い事を言ってしまったのだろう。

もし、あの時に戻れるなら謝りたい。

ふと、カズマの方を見ると剣に手を翳していた。

「ちょっとあいつ討伐して来るわ」

 

カズマはそう言って私を離して、安楽少女へと近付いた。

 

『人間は人間らしく騙されて養分にでもなってろ』

『じゃあお前は大人しくモンスターらしく俺の経験値となれ!』

『・・・え?・・・・・・イマノ、ナカッタコト二、シテモラエ、マセンカ?』

『さっきまで流暢に話してただろうが!』

 

こうして安楽少女はカズマの糧となった。

なんだろう。

凄ーくスカッとした。

 

 

 

安楽少女を倒して気分のいい私達は馬車に戻るでもなく、土を掘り返していた。

 

「見てくださいこの剣凄い業物です!カズマの剣これにしますか?」

「めぐみんが両手で何とか持ってる剣なんて俺は使えねえよ。それにちゅんちゅん丸があるからな」

「そうですね。これはダクネスに渡すか、売りましょう。これ全部売れば相当な額ですよ」

 

そうだった。

カズマにはちゅんちゅん丸があるではないか。

 

「それは分かるんだが、これ売っていいのか?養分にされた人の遺品だろ?」

「いつ死んだ人かも分からないのに、持ち主に返すなんてできませんよ。私はみんなを呼んできますね。ここの金品は紅魔の里で売りましょう」

「分かった」

 

渋々ながらカズマは了承してくれた。

みんなを呼び、お宝を馬車に詰め込む。

詰め込み作業が終わる頃には日が沈み頃になっていた。

誰かがくすねることがないように、目録を作ってから始めたのだが、早速二、三点無くなっていた。

犯人は言うまでもない。

 

「アクアの取り分はゼロになったから、その分浄化させられかけて、迷惑被ったウィズにあげようと思う」

「私もそれでいいと思う」

 

異論のある者は一人を覗いておらず、全員が頷く。

 

「あんまりよ!どうしてウィズに全部なのよ!」

「お前がズルしなきゃいいんだろ?お前がいつもウィズに迷惑かけてるからこうしたんだ。ウィズに金出せとか脅したら、小遣いゼロにするから」

「こんなの横暴よ!ゆんゆん!あなたは私の味方よね?」

「えっと、私は、その……」

 

困ったようにカズマの方をチラチラ見て助けを求めている。

その所作を見たアクアは、ゆんゆんを諦めこちらに来た。

 

「めぐみんは……」

 

アクアはそこで言葉を止めた。

何を聞きたかったのかは分かるので、答えることにした。

 

「カズマが正しいです」

「まあ、めぐみんはそうよね。ううっ、みんな酷い!」

 

アクアは、私が盲目的カズマ支持に回ると思っているのだろうか?

カズマが間違っているなら指摘するし、アクアの味方になることもあるのに、その時はどう思っているのだろう?

喧嘩中だとかそう言う風に思われてるかもしれない。

 

「盗んだお前が一番酷いわ!はぁ、一旦休憩にするか。ダクネス、夕食の準備頼む」

「ああ、ウィズの様子も兼ねて見てこよう」

 

ダクネス一人では流石に運べる量ではないので、ついて行くことにした。

ウィズはと言うとバニルさんやめてくださいと魘されていた。

魘されているウィズを見て思ったのは、ウィズが可哀想というより、何故かあの悪魔が苦労しているのだなと言う感想だった。

 

「ダクネスは運び終わったらウィズの様子を見ておいてください。私とアクアでやっておきますから」

「アクアのこと頼んだぞ」

 

ダクネスにウィズを任せて、夕飯の支度を始める。

いや、その前にアクアを動かさなければならない。

 

「アクア、泣いてないで手伝ってください。お肉多めにあげますから」

「分かったわ。そう言えばカズマとゆんゆんは何処なの?」

「二人なら水を汲みに行きました。そろそろ戻ってくるはずです」

 

五分と言っていたのに、十分経っても戻ってこないのは心配ではあるが、非力なカズマがへばっていると考えればそれくらいかかってもおかしくない時間だ。

 

「なるほどね。あっ!カズマのアレもうやったの?」

「まだですよ。夕飯の時に決行する予定です」

「それじゃあ今日は無理なのね」

 

少し残念そうにしているアクア。

確かにこの計画にノリノリで参加してたような気がする。

 

「あの、アクアは何をするつもりなんですか?」

「それは明日のお楽しみって事で置いときましょう。めぐみんもきっと楽しめるわよ」

「そうですか?」

 

ちょうど話が終わったタイミングでカズマが帰ってきた。

ゆんゆんがいないのは何故だろう?

と疑問に思っていると、アクアが車の方へ逃げた。

いや、気を使ってくれたのだろうか?

いずれにせよ。準備は整っているから問題は無い。

 

「ゆんゆんはどうしたんですか?」

「ダクネスの所って言うかウィズの様子を見に行った」

 

カズマは話しながら何か手伝うことはないかとクルクル周りを見回している。

もう基本的にすることはなく、カズマに残された仕事といえば着火ぐらいだろうか。

とは言え、みんなが揃っていないからまだ着火するにはまだ早い。

少し休憩してもらおう。

 

「カズマ、そこのポーション飲んでおいてください。特製の経口補水液です」

「ありがとう」

 

水汲みで、相当疲れていたのかカズマは一気に飲み干した。

味が悪かったのか顔を顰めて言った。

 

「なんだこれ。変な味だな」

「良薬口に苦しです。我慢してください。カズマのために用意したんですから」

「そ、そうか」

 

と言ったあと、カズマは喋らなくなった。

話しかけても、ああとかうんとかしか返ってこない。

 

「そんなに不味かったですか?嫌がらせじゃないですからね?」

「も、もちろん。そのことは分かってんだけど、何か体の調子が悪いって言うか。疲れが急にやってきた感じがする」

「大丈夫ですか?馬車まで行って休みますか?」

 

結構やつれているし、心配だ。

このままでは計画所の問題じゃない。

 

「いや、そこまでじゃないし、夕飯食べてからにする」

「あまり無理しないでくださいね?」

「ああ」

 

とは言ったものの、みんなで夕飯を食べ始めて直ぐに倒れてきた。

今、膝枕をしながら私は食事をしている。

 

「ねえ、今、凄く自然な流れで膝枕してなかった?」

「だったらなんだと言うのですか?そんなことよりカズマの体調の方が気になりますよ」

 

アクアの意図する所が分からない。

膝枕をしているのがそんなに気になるのだろうか?

アクアも、冬将軍にカズマが殺られた時はやっていたというのに。

 

「それは多分、ポーションが効いてるんだと思います」

「つまり、心配しなくていいのだな?」

「はい。効果が出てくる明日には体調は戻ってるはずです」

 

副作用だと聞いて安心した。

寝顔をよく見るといつものように穏やかな眠りについていた。

多分、もう体調も大丈夫なのだろう。

少しでも良くなるように頭を撫でてみる。

やはり膝枕はする方もされる方も両方最高だと思う。

こうやって撫でるのも永遠やっていられる。

いつも口撃が凄い人なのに、寝顔はこんなに可愛いなんてズルい。

この寝顔が愛おしい。

耳掻きをしてあげると言って、膝枕を習慣化するのもありかもしれない。

いや、もうこの際デート期間を消化して膝枕と添い寝するのもいいかもしれない。

 

「もう私達は寝るが、めぐみんはもう少し楽しんでから戻るといい」

「えっ?」

 

言われて周りを見ると、片付けは既に終わっており、アクアとゆんゆんはもう居なくなっていた。

しまった。

浸りすぎてしまった。

まあ、このパーティーではカズマに対する想いを隠す必要がないのだが、やはり、見られるのは恥ずかしい。

 

「いえ、私も戻ります」

「ゆっくりしてもいいのだぞ?見張りなら私がやろう」

「大丈夫です。今日は私が見張りなんですから、ダクネスは寝てください」

 

自分が見張り役だったことも忘れていてはダメだ。

常日頃イチャイチャしたい欲求を抑え込んでいる弊害だ。

ぐっすり眠るカズマを持ち上げ、ダクネスと馬車へと向かう。

 

「遠慮しなくても・・・めぐみん?」

「どうかしましたか?」

「いや、その、その抱き方は、どうなんだ?と言うかカズマを一人で運べるのだな」

 

カズマを運ぶにはお姫様抱っこが一番。

私がカズマをおぶると服が汚れてしまうから。

そして何より運びながらカズマの顔を見て、目の保養にもなる。

 

「こんなの余裕です。ダクネスは、鎧を脱いでくれればいけます。ダクネス硬いですし」

「まっ、待ってくれ。その言い方だと私が硬いみたいではないか」

「もちろん鎧のことですよ。着きましたね。あとは私がやっとくのでダクネスも早く寝といてください。御者で疲れたでしょう?」

「あれくらいどうということはないが、そうだな。休むとする」

 

ダクネスも眠りにつき、起きているのは見張り番の私だけ。

カズマを寝袋に入れ、ゆんゆんとの交代時間まで、周囲を警戒する。

この辺は墓地が近くにあったり、過去にドラゴンがいたという話もない。つまり、アクアに引き寄せられてアンデッドがよってくることもない。

ここで一番気を付けないといけないのは、オーク。

カズマがオークに連れ去られることだけは避けなければならない。

少し疲れてきたので、伸びをしていると寝言が聞こえてきた。

 

「めぐみん、しょうぶ……」

 

この子は夢の中でも私と勝負したいようだ。

もちろん私は断っているだろう。

ゆんゆんと戦う暇があったらカズマと一緒にゆっくりしたい。

 

「・・・いあくあやめ……だくねすも…」

 

カズマはカズマで、夢の中でもいつもの大騒ぎをしてるらしい。

夢の中くらい、ゆっくりして欲しい。

そう思い、膝枕をして、撫でていると、落ち着いてきた。

と同時にだらしない顔になってきた。

ゆっくりして欲しいとは願ったけれども、こう言うことじゃない。

どうせカズマのことだからウィズやダクネスあたりに膝枕をして貰っている夢を見ているのだろう。

 

「だから見張り役に名乗り出たのね。どんだけカズマのこと好きなの?」

「ちょっと何言ってるのか分かりませんが、いつ起きたのですか?」

 

膝枕程度でなんだと言うのだろうか。

このために見張りを名乗り出た訳では無い。

もし計画的に名乗り出たのなら、敢えてカズマの寝袋を屋敷に置いてきて二人用の寝袋用意するくらいする。

 

「何言ってるのか分からないっていうのが分からないんだけど。起きたのはついさっきだよ。ちょっと早いけど交代する?」

「嫌ですよ。カズマの膝枕は私の仕事です」

「見張りのことなんだけど……」

「・・・冗談ですよ。そうですね。眠気が強くなってきたので、お願いします」

 

いけない、いけない。

見張り番のことを途中からカズマを守る仕事だと思いこんでしまっていた。

眠いわけではないが、ゆんゆんに色々聞かれるのが面倒だから逃げて寝ることにした。

 

「おやすみ。夢でもカズマと一緒だといいね」

「何を言ってるのですか?夢の中でカズマと爆裂散歩するのは標準です」

 

と言い残し、私は眠りについた。

 

 

 

 

 

「ごめんちょっと何言ってるのか分からない。・・・もう寝てる。めぐみんって爆裂魔法とカズマを取ったら生きていけないんじゃあ?」

 

幸せそうに眠るめぐみんを見て、ゆんゆんはそんな感想を抱くのであった。




次回めぐみんによるカズマ保護プログラムが何か判明します!
来週も投稿できるように頑張ります!

カズマさんの誕生日話は誰視点が良いかについて

  • カズマ視点(天界)
  • カズマ視点(討伐後)
  • ヒロインズの誰か視点(天界)
  • ヒロインズの誰か視点(討伐後)
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