この素晴らしい世界に●●を!めぐみんのターン   作:めむみん

56 / 76
また一日遅れてしまいました。すみません。
今回、カズマちゃんとして四日目を迎えるかカズマさんになるかが分かる回です。
ではご覧ください。


寝て、覚めたら

-NETE、SAMETARA-

 

私が目を覚ますと隣でカズマがこちらを見ていた。

また私達は部屋に二人閉じ込められたらしい。

 

「おはようございます。私はどれ程寝てましたか?」

「八時間くらいかな」

 

眠っていた時間は前と変わらないみたいだ。

前と違うのはカズマが男ではないということだけ。

 

「そうですか。でカズマは今何してたんですか?」

「明日、男に戻って目覚めたら美少女が隣で寝てるって状況に私が悶えないか心配してた」

 

美少女.....

サラッとカズマは口したけど、男の時は絶対言ってくれないと思う。

朝起きて悶えることはないと思う。

何故かと言うと何度も、義賊活動の為という名目で添い寝しているのだから。

 

「一つ疑問に思ったのですが、なぜ同じ布団で寝てるのでしょう?」

「ゆいゆいさんに閉じ込められて、他に布団ないか探したけどなくて、肌寒いからめぐみんと添い寝したら解決だ!って思って入ったはいいものの、めぐみんのご尊顔を眺めるのに夢中で寝ること忘れてたのよね」

 

知ってたことと、おかしな事が混じった回答が返ってきた。

私のご尊顔ってカズマの中で私の認識はどのレベルになっているのだろうか?

セシリーとはまた違うヤバさを感じる。

 

「カズマが何言ってるかちょっと分からないですけど、取り敢えず閉じ込められたのは分かりました。カズマが一人で寝たいなら窓からゆんゆんの家に向かうのをオススメしますよ?」

「この部屋に窓があったのは数分前までだよ?」

「はい?それはどう言う・・・」

 

何を言ってるのかと窓の方を見ると、板が打ち付けられて、窓が塞がれていた。

逃げ道が完全になくなってる!?

 

「ゆいゆいさんが外から覗いてるから何かなあって見てたら、窓が板で覆われて、カンカン音がしてたから多分出られないと思う」

「・・・我が母がすみません」

 

前回は扉だけだったのに、今回は凄く用意周到と言うかやり過ぎじゃなかろうか。

 

「私は別にいいよ。めぐみんと添い寝出来るんだから!」

「・・・さっき明日が心配と言ってませんでしたか?」

「明日の事は明日の私に任せるから大丈夫なの」

 

サムズアップしてドヤ顔でこちらを見ているけど、言ってることはめちゃくちゃだ。

そりゃあ今のセシリー化したカズマからすればこの状況は嬉しい状況なのだろうけど。

 

「カズマらしいですね。それで、カズマとしては今の状況をどう考えてるのですか?」

「どうって言うと?」

「今のままがいいのか、男に戻るのかということです」

 

カズマがもしも戻りたくないと思っていたら、ウィズの言っていた万が一が起こる前兆の可能性がある。

 

「戻りたいかな。アクセル帰ってから色々面倒だろうし、男性恐怖症のままなのは嫌だし、後は女のままだと私は夢叶えられないからね」

「夢ですか?」

 

男に戻らないと叶えられない夢って何だろう?

考えてみても思い当たるのは、魔王討伐後の王女と結婚できる権利くらいだろうか。

でもまだアイリスと会ってないカズマがそんなことを願うだろうか?

 

「そう。この状態になってからの夢。元に戻ったらこの夢を忘れてるか変なこと考えてたって思うかもしれないけど、男じゃないとできないことだからね」

「力仕事ですか?」

「それ嫌味だよね?」

 

あっ、私の方が男の時でも力あるんだった。

完全に忘れていた。

 

「違いますよ。配慮が足りなかったです。すみません」

「ともかく、私としては元に戻りたい気持ちが大きいかな」

「このままでいたい気持ちはありますか?」

 

本人の意思として戻りたい気持ちが大きいのは分かった。

逆にこのままでいたい気持ちの大きさも知りたい。

 

「あるにはあるけど、戻りたい気持ちが強いからなあ」

「こう言うのは本人の意思が関わってきそうですからね。戻りたい意思を確認できて良かったです」

 

多少は現状維持を望む面もあるけど、元に戻りたい思いの方が大きいらしい。

ここでこのまま私を愛でたいとか言われても困る所ではある。

 

「めぐみんはどっちの私がいいのかな?」

「私は男のカズマも女のカズマもどっちも好きですよ」

「その言い方ズルいと思う」

 

思っていることを言ったのに、ズルいとはどう言うことだろうか。

あと、何も考えずに好きと言ってしまった。

カズマは仲間として捉えてくれたみたいだけど危ない。

寝起きだからかあまり気持ちを隠せてない。

 

「ズルいって何ですか?」

「ズルいからズルいんだって」

「答えになってませんよ」

 

オロオロと視線をあちこちに動かせて焦ってるあたり、答えたくないのだろう。

 

「そろそろ寝てもいいかな?大事な時にめぐみんが眠りこけてたから私すっごく疲れたんだからね!」

「それは悪かったです。ちゃんと私が説明した方が良かったでしょうし」

 

前回同様、父がカズマを問い詰めたのだろう。

女の子なカズマちゃんには怖い経験をさせてしまったかもしれない。

 

「・・・めぐみんもしかして起きてたの?起きてて私一人にあの状況を何とか収めさせようとしてたの?」

「起きてませんよ!私はずっと寝てました。ええ、寝てましたとも!」

 

一回目の時は面倒だから寝たフリ続行してたけど、今回はしてない。

と言うか今回はちゃんとカズマを擁護するつもりだったのに、ずっと眠ってしまっていた。

 

「・・・今嘘ついたらチンってなるあの魔道具が欲しいくらいに怪しいけど、そういうことにしてあげる」

「寝てたのは本当ですからね?恐らく両親が私達の仲を聞いたりしてるだろうと思ったので」

 

二人には私の事を真剣に考えてくれるカズマが大好きとか、デートが楽しかったとか、一緒にお風呂に入るようになったとか、添い寝するようになったとか書いてるから予想はつく。

間違いなく結婚の挨拶だと思われていただろうと。

 

「・・・めぐみんはご両親にどんな手紙書いてるの?いくら言ってもうちの娘を幸せにしてやってくれって言われたんだけど」

「・・・黙秘します。それよりも寝るんじゃなかったんですか?腕枕してあげますから、ゆっくり休んでください」

「・・・この誘いを断れない自分が憎い。・・・おやすみ」

「おやすみなさい」

 

心地良さそうに眠るカズマ。

カズマのこの美人な寝顔も今日で見納めか。

もうちょっとカズマちゃんに癒されたかったと言う思いと、カズマが元のカズマに戻るという期待が複雑に混ざりあっている。

明日、カズマがどうなっているのかを考えている内に私も眠りに落ちた。

 

 

 

翌朝、私は柔らかい物に包まれていて、天国かのような快適な目覚めだった。

しかし、この快感とは裏腹にこの状態が示しているある事態が私を襲う。

 

「ん〜、あっ、めぐみん。ごめんね。抱き枕にしちゃってた。おはよう」

「おはようございます。その、カズマ?」

「どうしたの?私が何か・・ウソでしょ.....」

 

カズマも気付いたらしい。

そう、カズマは男に戻れない万が一の確率を引いてしまった。

しかも、昨日までよりもなんと言うか色っぽい。

何が起こっているのだろうか。

 

「めめめめめぐみん!!ど、どうしよう!私どうしたらいいの!?」

 

本人としては余程元に戻りたかったらしい。

胸とアソコを確認して、頭を抱えて乱れている。

 

「落ち着いてください!ええっと、とりあえずウィズに話を聞きましょう!」

「そ、そうだね。元に戻る方法があるのかもしれないよね?」

 

と言うことで、着替える間もなく、家を飛び出して、ゆんゆんの家に直行した。

 

「二人ともおはよう。まだ四時だけど.....」

 

眠たいのに、何だと言わんばかりの不満顔でゆんゆんは出てきた。

寝起きだからか今目の前で起こっているのだろうか事態に気付けていないようだ。

 

「四時だとか何時だとかそんなことはどうでもいいので、ウィズの泊まってる部屋に早く案内してください!」

「えっと、どうしたの?そんなに焦って」

 

まだ気付かないらしい。

寝起きが弱いゆんゆんには無理な話だったのかもしれない。

 

「私を見ても何も思わない?」

「えっと、カズマ?・・・カズマちゃんのままだ!?」

「そうだよ!だから早くウィズに話を聞かないといけないの!」

 

カズマの誘導でようやく気付いたのか、驚いている所にカズマが近付き揺さぶりをかける。

揺さぶられたゆんゆんはその衝撃で完全に覚醒したのか、カズマの手を引いて走り出した。

 

「着いてきて、ウィズさんの部屋はこっちだから」

 

その役私がやりたかった。

カズマをカッコよくリードしたかった。

と場違いな事を考えているとウィズの部屋に着いたらしく、ゆんゆんが扉を開ける。

開くと同時にカズマは部屋に入っていき、ぐっすりと眠るウィズの布団を容赦なく引っペがした。

それでも身震いだけで起きないウィズに対してカズマは耳元である呪文を唱えた。

 

「セイクリッド・ターンアンデッド」

「ひゃぁっ!?」

 

ウィズは身の危険を感じたのか、飛び起きて、魔法を唱えようとした中、自分の身に何も起こっていないも気付き辺りを見渡す。

さすがはカズマ。

女になろうとも相手の嫌がる事を考えるのはピカ一だ。

 

「お見苦しい所をお見せしました」

「私のせいだから気にしなくていいよ」

「それで、みなさんどうされたんですか?・・・あっ、カズマさんが元に戻ってないからですね!」

 

ゆんゆんと違い、ウィズは直ぐに状況把握してくれた。

話が早くて助かる。

ウィズが何かを探すように鞄を持ち出した。

これを見てカズマは少しホッとしているような、まだ安心できないとハラハラしているような。そんな複雑な表情をしている。

 

「ええっと、待ってくださいね。確かこの辺に説明書が」

「・・・ちょっと待って。説明書あったの?」

 

まさかの新事実。

何故それを購入時に渡してくれなかったのだろう。

 

「はい。昨日商談の最中に見つけて、カズマさんに見せようと思っていたのですが、忘れてました。すみません。あっ、ありましたこれです!」

 

ウィズが取り出した説明書をカズマは奪い取るように素早く引き取り、目との距離が近過ぎるくらいに寄せて読んでいた。

 

「えっと、性別が四日後も戻らなかった場合原則戻ることはない....」

 

説明書が手から落ちる程にショックだったのか、どんどんカズマの顔が色白くなっていく。

相当男に戻りたかったらしい。

私としても戻って欲しい所もある。

・・・このままでも構わないと言う思いが私の中にあるせいでこうなっていたらどうしよう。

カズマに申し訳ない。

 

「いや、こう言うのは例外規定があるはず!」

 

最後の希望を!とカズマは説明書を拾い、また読み始めた。

何ページか読み進めるも例外規定は見られないのかどんどん表情が暗くなっていき、最後のページになった時カズマは時が止まったかのように動かなくなった。

 

「どう書いてあったんですか?私にも...」

 

見せてくださいと言おうとしたその時カズマは説明書をまた落とした。

そして、私の方を向き、涙ぐんだ笑顔でカズマは言った。

 

「めぐみん、今日はデートしよう」

 

言ったカズマの笑顔は今まで見たどの笑顔よりも美しく、儚さを感じさせる。

 

「えっと、カズマ?それはどういうことですか?」

 

何が起こったのか分かっていない訳では無い。

でも、それを確かめずにはいられない。

 

「最後は見晴らしのいい所で夕陽を見たいね」

「・・・分かりました。デート行きましょうか」

 

例外なんてなかったのだろう。

カズマは私たちに心配させまいと気丈に振舞っている。

じゃなきゃ泣きそうな顔で笑顔を作るなんてことしないはずだ。

今私に出来ることはただ一つカズマの思いを無駄にしないことだ。

 

「ウィズ、これありがとう。みんなには二人から話しといて」

「わ、分かりました」

「・・・うん。楽しんできてね」

 

ゆんゆんも泣きそうなのを堪えている。

カズマのこんな表情を見たら仕方ない。

ウィズも涙を拭きながら、説明書を拾った。

ああ、こんなことならオークのトラウマを回避する方法に性転換なんて使わなければ良かった。

 

 

 

日が昇り、商店街が賑やかになってきた。

カズマの男性恐怖症が心配だったけど今の所普通に歩いている。

もしかすると族長や父で男性慣れしたのかもしれない。

 

「めぐみん、ここまで来てなんだけど、その・・・」

「どうかしましたか?」

「やっぱり男の人怖いから女の人がお店やってる所に連れてって」

「・・・ですよね。そこの占い屋さんに入りましょう」

 

堂々としてるのではなく虚勢を張っていたようだ。

カズマにこれ以上負担させる訳にはいかない。

せめて完璧女の子としての自我しか残ってないとかならどれだけ楽だったろうか。

 

「いらっしゃいませ。あら、めぐみん昨日ぶりね」

「今話題になってるであろうカズマを連れてきました」

「めぐみんの彼氏兼彼女のカズマくんね」

 

思ってた以上に噂は広まってると言うか正確に広がってる。

恐らくなりきりセットの店が広めたのだろうか?

そけっとには昨日あっているし、占っていたら知っててもおかしくないとは思うけど。

 

「・・・私のキャラ濃すぎない?」

「性転換した人って時点でキャラ濃いと思うけどなあ。所で今日は何を占いに来たの?」

「いえ、特に目的があった訳ではなく、カズマが男性恐怖症なので女性のやってるお店をとやってきたんです」

 

ついでと言っては何だけど、勝手にお世話になってたぶんのお礼をしなければならないのと、口裏合わせのための協力費兼口止め料払わないと。

 

「そうなんだ。性転換の後遺症みたいなものなの?」

「そうそう。男に戻ったら治ると思うんだけどね」

 

カズマはそんなことを言っていた。

現実逃避しているのか、忘れているのか。

どちらにせよカズマの精神状態が気になる。

 

「めぐみんの知り合いだからね。特別に無料で占って上げる」

「無料なら受けてみようかな。占いってちょっと高いから」

「そけっとの占いはほぼ百パーセントの確率で当たりますからね!」

「・・・逆に怪しいんだけど。えっとお願いします」

「うーん。お姉さんって言うかお兄さん怪しんでるよねえ。じゃあまず過去から・・・」

 

そこでそけっとが顔を赤くして止まった。

何を見たのだろうか。

凄く気になる。

 

「・・・えっと、二人は本当に付き合ってないの?」

「そうだけど?」

「じゃあどうして二人でお風呂入ってるの?」

 

だから顔を赤くさせていたのか。

タオルを巻いて入るくらい混浴温泉でもあると言うのに、何を今更と言いたい。

 

「めぐみんが魔力切れで一人で入れないので補助として入ってたことがあって」

「・・・ゆんゆんとか他の仲間もいるんじゃ?」

「それはあとから気付いて最近は入ってないですよ」

 

そう。

ここ最近はカズマに髪を洗ってもらえてない。

カズマに洗ってもらうのは凄く心地いいから、またそのうち一緒に・・・

そう言えば今って一緒にお風呂に入っても何の問題もないんじゃあ・・・

 

「・・・確かにそうね。他には、って、ええ!?」

「どうかしましたか?」

「誕生日に指輪渡してるよね?」

 

今日は急なことで付けてこなかったけど、多分見てるだけだと、私が左手の薬指にはめてるから、勘違いされてもおかしくは無い。

 

「魔法のパワーアップようだから特に意味はなかったけどなあ」

「・・・ともかく。今ので私の力は分かって貰えたと思うんだけどどうかな?」

 

そけっとは何か諦めるようにため息をついてから言った。

確かに、今ので占いの力が完璧に証明された。

 

「うん。でも占う前にめぐみんには席外して貰いたいんだけど、いいかな?」

「その方が良いならそうしますよ。表で待ってますね」

 

何故かなんて野暮なことは聞かない。

多分性別が戻らない事に関する質問だろう。

恐らく私に気を使ってくれたのだろう。

自分のことでいっぱいいっぱいのはずなのに私の事を気遣ってくれるカズマは本当に凄いと思う。

 

「あれ?めぐみんこんな所で何してるの?」

「カズマの占い待ちです。どろんことふにふにこそ何してるんですか?」

「どどんことふにふらよ!あんたワザとでしょ?そう言えばそのカズマって人昨日、ゆんゆんと二人で守るようにして歩いてた人?」

 

昨日遠巻きにいたのは見ていたし、顔は分かるのだろう。

二人してこんな朝早くから何をしているのか気になる。

 

「そうですよ。カズマは私が守らないといけないので」

「へえー、それで、どういう関係なの?」

「どうと言われましても、カズマが家に菓子折りを持って行ってうちの娘をよろしくと言われたくらいの仲ですかね」

 

これで二人に対する牽制は完了した。

しかし、これで質問が終わるとは思えない。

どどんこが固まる中ふにふらが続けて質問をしてきた。

 

「それで、ゆんゆんとその人の関係は?」

「族長がカズマに家の娘をよろしくと言ってカズマが任されましたって言ってましたね」

「・・・えっと、合法的な二股状態ってこと?」

「それとも三人ともお互いに好き同士とか?」

 

二人揃って私たちを何だと思っているのだろうか?

確かに気の多いカズマでも二股するような甲斐性はないし、そもそも私が二股等許さない!

 

「ちょっと何言ってるか分からないですけど、私たちはただの仲間ですからね」

「ふーん。で実際の所はどうなの?」

 

絶対信じてない。

はあ、変な噂を流してくれた犯人が分かったら締めてやる。

 

「どうも何も、さっきも言ったとお『めぐたん!』り・・・」

 

後ろから拘束された。

いや、拘束というか抱擁と言うかともかく身動きがとれなくなった。

 

「めぐたんお待たせ!次のお店行こう!デートはやっぱり二人で色んなところ回らないとだからね!」

「「・・・」」

 

二人からのジト目が痛いです。

カズマはどうして私が否定した後に、それを肯定する行動をしてしまうのだろうか。

しかもよりによってセシリーと同じ呼び方なのがまた・・・

 

「か、カズマ?めぐたんって何ですか?」

「めぐみんに親しみを込めた呼び名だよ?」

「そ、そうですか」

 

それはわかっている。

でも私が知りたいのは何故このタイミングでその呼び方を思い付いて、抱き着いてきたのかを知りたい。

 

「嫌だったらやめるけど?」

「大丈夫ですよ。でもみんなの前ではダメですよ」

「めぐたん、かわいい」

 

・・・もうこのままでいいや。

カズマからのめぐたん呼びは非常に心地いい。

特別感と言うかなんと言うか凄く幸せな気分。

 

「・・・えっと、私たち邪魔みたいだからもう行くよ」

「あれ?めぐみんのお友達?」

「今更ですよ。あっ、逃げました」

 

訂正も出来ずにいなくなってしまった。

どうしよう。

あの二人絶対変な話広めると思う。

事実じゃない尾ひれのついた話を・・・

でも私とカズマが付き合ってるって広まる分には問題ないのかもしれない。

 

「それでどうしてめぐたんなんて呼ぶようになったんですか?」

「占いが終わって出てくる時に、そけっとさんに愛称で呼ぶのが良いって言われたからだよ」

「なるほど、それで今のこれは?」

 

明らかにさっきまでよりも距離が近いと言うか、ほぼゼロ距離だ。

カズマくんなら絶対してこないのに。

 

「占いで欲望に忠実にするのが良いって」

「そけっとがそんなこと言ったんですか!?」

「うん。早く次のお店行こう!」

 

そけっとにお礼金を渡しそびれてしまった。

さっきからカズマのペースで何も出来てない。

女性が店員の店を探すよりも観光地巡りの方が安全とそけっとから聞いたらしく、そのルートを聞かれた。

後はカズマに手を引かれるままだった。

私が何かを出来たのはパジャマのままだと気付いて、服を着替えに戻ったことくらい。

この後も普段のカズマなら絶対しないであろう「だーれだ」とか、バックハグとか、爆裂散歩の後に関してはお姫様抱っこまで!

そけっとの占いで色々吹っ切れたのかもしれない。

占いの内容を考えながらカズマが言う最終目的地まで私はお姫様抱っこで運ばれているのであった。




みなさんご心配の通り、カズマちゃんはカズマちゃんのままでした。
この後カズマちゃんが何をするのか次回をお楽しみに!
来週から予定フリーな月曜日に投稿日を変更します。
後期の授業がオンラインと対面の組み合わせが絶妙に悪い感じになって困ってます(笑)

カズマさんの誕生日話は誰視点が良いかについて

  • カズマ視点(天界)
  • カズマ視点(討伐後)
  • ヒロインズの誰か視点(天界)
  • ヒロインズの誰か視点(討伐後)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。