この素晴らしい世界に●●を!めぐみんのターン   作:めむみん

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眠気と戦いながら何とか仕上げました!
眠いなか書いたのでいつも以上に誤字脱字多いかもしれません。


愛の力

-AINOCHIKARA-

 

爆裂魔法を放った後、お姫様抱っこのままずっと運ばれている。

お姫様抱っこできないとか言ったことへの仕返しなのだろうか?

 

「めぐたん。着いたよ」

 

言ってカズマに降ろされる。

お姫様抱っこもう少ししていたかった。

 

「ここは魔神の丘?」

 

今日一日で呼ばれ慣れてしまった。

ここが最終目的地だとカズマは言っていた。

その目的は何なのかまだ分かっていない。

 

「うん。ここの夕陽が綺麗だってそけっとさんが言ってたの」

「確かに、ここの夕焼けは綺麗ですね。ってカズマ?どうして泣いてるのですか?」

「えっと、なんでもないよ?景色の良さに感動しちゃってあはは・・・」

 

・・・しまった。

カズマとのデートが楽しすぎて完全に忘れていた。

そうだ。

カズマはもう元には戻れない。

泣き出す理由なんて分かっていたでは無いか。

 

「ねえ、めぐみん」

「・・・何ですか?」

 

デート中ずっとめぐたん呼びだったから反応が遅れてしまった。

自分の名前なのに。

ちゃんと名前で呼んだと言うことはそれだけ真剣な話なのだと思う。

 

「私、覚悟決めたから黙って聞いててね」

 

やはり何か重要な話があるらしい。

このタイミングで重要な話と言ったら、今後女の子としての生活をどうして行くのかと言った決意表明だろう。

 

「私が女の子になって、みんなが気付かない中、めぐみんだけが私の事分かってくれて凄ーく嬉しかったの」

 

私としても何故気付けたのかよく分かっていない。

はっきり言って別人なのだから。

でも私は本能的にカズマだと分かった。

ゆんゆんが愛の力とか言ってたけど、案外その線が正しいのではないかと思ったりもしている。

 

「それでね。その後も私の事守ってくれたし、優しくしてくれたよね」

 

記憶を失った時のお返しと言うか、カズマが困っていたら助けるのは当然のこと。

でも、そんなこと言える雰囲気じゃない。

 

「里に着いてからは私の我儘も聞いてくれたし、今日もデートして凄く楽しかった」

 

言ってカズマは大きく息を吸い込む。

ああ、次に女として生きる覚悟が出来たと告げられるのだろう。

私も腹を括るしかない。

夕焼けに照らされてカズマの顔がより紅く見える。

 

「それで私ね。私の事大切に守ってくれるめぐみんのことが好きになっちゃったの。その恋愛的な意味で」

「・・・へ?」

「気付いたのはもっと前なんだけど、その、言い出せなくて、それに元に戻った私が困るだろうと思ってその・・・」

 

何が起こっているのか紅魔族随一の脳を持ってしても、まだ把握しきれていない。

えっと、カズマが私を好きになっちゃったらしい。

なっちゃったって表現がイマイチ分からないけど、恋愛対象として見られているのならいいことな気がする。

 

「でもね。今日説明書に書いてあったの」

 

何を?と本当は聞くべきじゃないのだろうけど凄く聞きたい。

急に告白されて状況整理が追いつかない。

 

「性別が変わって、その変わった性別の人のことを好きになったら、想いを告げたら期間に関わらず元に戻れるって」

「えっと・・・」

 

何故教えてくれなかったのかと言おうとしたけど、出来なかった。

今しか私に伝えるタイミングがないからだ。

恐らくウィズとゆんゆんはあの後、説明書を読んでカズマの行動から察しているだろう。

 

「この項目読んで始めに私が何を考えたと思う?」

 

恥ずかしいとかだろうか?

カズマがヘタレを発動する可能性は非常に高い。

こうやって誰もいない所に来るまで伝えなかったのだから有り得る。

 

「戻りたくないって思っちゃったの。だってこの想いとかが全部無くなっちゃうかもしれない。でもやっぱり夢を叶えるには男になるしかないなって思って、せめて今日だけはカズマちゃんとしてめぐみんと一緒に過ごして楽しもうってそう思ってここまで来たの」

 

今朝カズマの泣きそうな笑顔の理由が分かった。

自身の消失への恐怖と、戻れると言う喜びが同時に押し寄せていたのだろう。

 

「踏ん切りが着いたのはそけっとさんの占いなんだ」

「・・・そ、そうですか。それでカズマの叶えたい夢って言うのは?」

「そんなの決まってるじゃない?紅魔族随一の天才でも分からないの?」

 

クスッと笑ってそんなことを言う。

 

「いくらカズマでも怒りますよ?」

「そう怒らないでよ。じゃあ言うね。私の夢は・・・」

 

先程よりも深く息を貯め、最高の笑顔でカズマは言った。

 

 

 

「めぐみんと結婚することだよ」

 

 

 

考えもしていなかった答えに私は呆然としていた。

そして、この時私の中で何か鳴ってはいけない音がした。

目の前にいる美女がこれでもかと紅く輝いて美しく、見惚れてしまっていたのだ。

 

「でも、これは私の夢であってサトウカズマの夢じゃなくなると思う。だからね。本当は伝えずに終わるつもりだったの。でも、伝えないと元に戻れないって、本当にこの世界は私に優しくないよ」

 

全くその通り、この世界は優しくない。

私にとっても。

カズマに告白して貰えたのに、それがこんな形になるなんて。

ああ、そうか。

告白するために、この場所を選んだのか。

多分、魔神の呪いの話は知らないのだろうけど。

 

「めぐみん、私もうダメみたい。眠気が凄いって言うか立ってるのがしんどい」

「・・・膝枕どうぞ」

「ありがとう。私は幸せ者だね。大好きな人の膝枕で最後を迎えられるなんて」

 

幸せ者か。

性別が変わっても好いて貰えた私の方が幸せ者だと思う。

カズマはズルい。

いつも勝手に先にいなくなってしまうのだから。

見送る方の辛さと待つ方の辛さを知らずにいられるのだから。

 

「カズマ、私もカズマのこと好きです」

「ふふっ、めぐみんありがとう。元に戻った私をよろし、く・・・」

「うっ、かずまあああああ」

 

なんだろう。

この失恋したような感覚は。

これはしばらく帰れそうにない。

涙を流しきるまでは帰れない。

夕陽が沈んだ後も私は独り泣いていた。

家に帰ったのは、もう何処の家も灯りを消している時間だった。

我が家も同じく、みんな眠っていた。

眠るカズマを布団に入れて私はしばらくカズマの寝顔を目に焼き付けようと見ていた。

元に戻る瞬間も見ていようと思っていたけど眠気には勝てず、深い眠りに落ちるのであった。

 

 

 

翌朝。

私の前にはここ最近見慣れたカズマではなく、見慣れたカズマがそこにはいた。

元に戻ったら戻ったで、落ち込むとは私はどうしたいのだろう。

いやでもホッとしている自分もいる。

・・・告白の事を思い出すとやっぱりカズマちゃんが恋しくなる。

 

「ふわあ〜。・・・めぐみんか?おはよう」

「おはようございます」

 

これで中身はカズマちゃんのままとかだったらどうしよう。

男で男性恐怖症とか洒落になってない。

いやまあ、中身は女の子なのだけれども。

 

「・・・えっと、その、なんだ。俺が世話になったな」

「記憶をなくした時にカズマがしてくれたことと変わりませんよ」

 

無事に男に戻れたようで安心できる。

カズマは照れて明後日の方向を見ていた。

 

「所で俺ってどうなってたんだ?三日目の夕飯前くらいから記憶ないんだよな」

「一応言うと今日は五日目です」

「・・・え?俺二日も寝込んでたのか?てかここ何処だ?」

 

なるほど。

完全に覚えていないようだ。

一応、両親への挨拶は覚えているようだ。

 

「ここは私の部屋です。寝込んでいた訳ではありませんよ」

「めぐみんの部屋か。寝込んでないならどうして今日が四日目じゃないんだ?」

 

カズマの聞いている説明では三日目に元に戻るが、元に戻らなければ一生そのままである。

不思議に思って当然だ。

 

「完結に説明すると四日目にカズマちゃんが私にプロポーズしたからカズマは元に戻れたと言った所です」

「・・・は?」

 

意味が分からないと言ったように首を傾げ、顔を赤くしてこちらを見ている。

 

「ドラマチックに夕陽が綺麗な丘で、私と結婚したいと言っていたカズマは美しかったですよ」

「・・・めぐみん、記憶を消すポーションってないのか?」

「それを使ってどうするつもりです?」

「紅魔族随一の天才なら分かるだろ?」

 

カズマちゃんの時もイラッとしたけど、こっちの方が本当に腹を立てて良い奴だと思う。

私とカズマちゃんの記憶を抹消しようなんて許されるものじゃない。

 

「同じことを全く逆の感情を抱かせて使いますね」

「はぁ、そうか。俺めぐみんのことそんなに好きになってたのか」

「嫌ですか?」

 

ため息をついて言われると心に来るものがある。

私のことは意識してないのじゃないかと思えてくる。

 

「いや、ただなんて言うか、自分の知らない自分がプロポーズしてたのに、その記憶がないのが残念って言うと変だけど、今は普通にめぐみんって認識だから変な気分でさ」

「カズマちゃんも、元に戻ったらこの気持ちはなくなってるだろうと言ってました」

「それでカズマちゃんはどうだった?俺的には結構恥ずいことやってたなあって今思い返してるんだけども」

 

私を可愛がっていた事を思い出してか、耳まで赤く染めている。

カズマの眼が紅く光ってもおかしくないくらいに。

 

「私はカズマが男だろうが女だろうが何されても気にしてませんよ」

「俺の事なんだと思ってるんだ?」

「傍に居て欲しい人です」

 

流石に愛してるとかは言えない。

カズマには如何様にも解釈の余地があるこの表現が正解だろう。

 

「そ、そうか・・・」

「私は両親に話してくるので、カズマは待っててください」

 

男に戻ったら再度話をしたいと二人は言っていた。

またカズマが苦労するであろうけど、今回こそはちゃんとフォローに徹しよう。

 

 

 

両親を起こし、再度話し合いが始まった。

我が母ゆいゆいによって、父は二度寝させられているが些細なことだ。

 

「カズマさんが無事に戻れて良かったです。ここに私達の名前を書いた婚姻届を準備したから、後は二人でお好きな時にどうぞ」

「いや、この前も言いましたけど、俺とめぐみんはただの仲間ですから!」

「そうですよ!何勝手なことしてるんですか!」

 

まさか婚姻届を準備してくるとは思ってなかった。

昨日浮かれてカズマちゃんにプロポーズされたと話したのが原因だろうけども・・・

 

「別に今すぐ書きなさいと言ってる訳じゃないのよ?二人のペースで、その時が来たらそれを提出するだけの状態にしただけだからね」

「・・・カズマは先にゆんゆんの家に向かってください。後は私一人で何とかします」

 

このままだと私のボロが出かねないためカズマを退席させる。

ここからが本番だ。

私とカズマをくっつけようと躍起になる我が母を止められなければ不味い。

 

「・・・全く、どうしてまだ付き合ってもないの?あんなに大好きだって手紙で書いてるのに告白してないなんて」

「カズマからの告白を待ってるので」

 

うっかり言いそうになったり、言ってしまったりはしているがそれでも今回はカズマからの告白で付き合うことにしたい。

 

「気持ちを伝えた方が早いでしょう?告白するのが恥ずかしいの?」

「恥ずかしい訳でなく、私には私のやり方があるんですよ!あと、窓の板外してください」

「ダメよ。最近覗き魔が出るらしいから」

 

この平和な紅魔の里で覗き魔なんて居ないだろう。

それにゆんゆんの家にしろ、商店街にしろ、どこも対策なんてしてなかった、

 

「バレバレな嘘はやめてもらおうか」

「この後、こめっこ連れて家を空けるから後は分かってるわね?」

 

ダメだ。

話が通じない。

親は普通止める側じゃなかろうか?

 

「そんなに怒らないで、カズマさんと一秒でも長くいたい気持ちは分かるけど」

「そこに対してじゃないですけどまあ、いいです。私もゆんゆんの家に向かいます」

「行ってらっしゃい。孫の顔が楽しみね」

 

娘の恋路を応援してくれるのは嬉しいけど、度が過ぎると言うか、余計なお世話の域に入ってる。

カズマは今頃ゆんゆんの家で朝食を取ってるだろう。

私も早く食べたい。

 

「あっ、めぐみんおはよう。こんな朝早くから何してるの?」

「ゆんゆんの家に朝食を食べに行くのですよ。久しぶりですね。ねりまき」

 

昨日も会う機会がなかった。

居酒屋は男の溜まり場と言うかニートの溜まり場になっているだろうから行かなかったのもある。

 

「やっぱり二人はそういう仲なのね」

「・・・私とゆんゆんが付き合ってると言う話ならば間違いですよ」

「じゃあどうしてゆんゆんの家に行くの?」

 

友人の家を訪ねるだけで、変な噂を流されては困る。

 

「カズマ以外のみんながゆんゆんの家に泊まってるからですよ」

「え?」

「あなたが何処からどんな情報聞いたか知りませんが、私はゆんゆんじゃなくて、カズマが好きなのでそこの所覚えといてください」

 

牽制の意味も含めて宣言しておく。

居酒屋で働いてるねりまきがこのまま話を広めれば、噂が無くなるのも早いだろう。

・・・ってあれ、私がカズマを好きだって話も広まるような。

いやでも、所詮は噂だってことで誤魔化せるはず。

 

「え、えっと、カズマさんって美人なお姉さん?」

「そうですよ」

「・・・わ、分かった。めぐみん、今度カズマさんと家の店にデートで来てまた話聞かせてね」

「いいですよ。今日のお昼にでも行きます」

「待ってるね」

 

はぁ、全く。

誰が私とゆんゆんの噂を広めたのやら。

見つけ出したら縛り上げの刑に処す。

 

 

 

ねりまきを用いた情報工作を済ませた私はゆんゆん宅に到着した。

みんな私を待っていてくれたようで、全員で朝食を取った。

ゆんゆんっていつもこんなに美味しい物を食べていたのかと改めて考えるとイライラしてきたので、直ぐに食べ終えるとカズマを引っ張って家を出た。

 

「めぐみん。俺まだ食べてたんだけど」

「爆裂が私を呼んでいるのですよ」

「はぁ、何で俺はこんなのにプロポーズしたんだ?」

 

何故と言われても困るし、この言い様には少し心が痛む。

それと同時にふつふつと怒りの感情が湧いてきた。

 

「おい、それはどう言う意味か聞こうじゃないか!」

「そのままの意味だ。爆裂もいいけど、ゆいゆいさんとの話どうなったんだ?」

「私たちの関係は理解してる上で、私達を引っ付けようとしてるみたいです」

 

手紙を見せられたらちゃんと理解してもらえてると教えられるけど、カズマへの想いを書き綴った手紙を見せられる訳もない。

 

「そ、そうか。でも何で俺なんだ?」

「早く孫の顔が見たいそうです」

「ま、孫!?」

 

驚き大声で叫ぶカズマに通行人達の視線が集まる。

そして何やらヒソヒソと話をされている。

良くない状況だ。

 

「声が大きいですよ!」

「わ、悪い。あまりにも突拍子のない話だったからつい」

「変に目立つと良からぬ噂が流れますから気を付けてください」

 

もしもこの中に私とゆんゆんの噂を流した人物が潜んでいたら不味い。

 

「分かった。で、他には何が?」

「後は親を安心させる為に私がカズマを聖人が如く書いたからですかね」

「・・・お前何やってんの?」

「いえ、嘘は書いてないですよ?ただカズマは誠実でいつも私のことを思って行動してくれているとかそういう話をですね」

 

手紙の内容はちゃんと事実を書いている。

ただ一つ現実と乖離してる点があるとすれば、ゆんゆんの存在に関する記述が一切存在しない点。

まあ、カズマに両親の反応を説明する上では脚色したと嘘をつく方が賢い。

 

「だからあの感じなのか。ボロが出たらどうするんだ?」

「大丈夫ですよ。カズマにパンツ取られたこととか、おんぶに便乗してセクハラをしてたことも書いてますから」

「・・・そういやそうだったな。女の時の記憶にある。てか混浴とか添い寝の話も書いてたんだろ?」

「ちゃんと状況説明はしてますからね?」

 

パンツについてはちゃんと宴会のパフォーマンスで窃盗スキルを使ったらたまたま取れてしまったと書いているし、混浴に関しても魔力切れで、入浴できないとか、二人とも粘液まみれで早く風呂に入らないといけなかったとかちゃんと説明している。

添い寝に関しては、適当に口実をでっち上げてやってると報告している。

これだけはカズマに言えない。

 

「ならいいんだけど」

「カズマ、爆裂した後はどうしますか?」

「うーん。デート期間の消費かな」

 

言われてみればデート期間なるものがあった。

カズマちゃんが元に戻らなかったこととか、プロポーズされたこととかで忘れてしまっていた。

 

「それなら先にデートしましょう」

「分かった。観光案内頼む」

「任せてくださいと言いたい所ですけど、今日は家でゆっくりしませんか?」

 

爆裂は午後の楽しみに取っておこう。

里に来る前に思いついた膝枕の習慣化を始めるいい機会だ。

 

「家でゆっくり?」

「今日は父も母もこめっこも家に居ないので」

「と言うと?」

「二人で何しても良いからと言われました」

 

本当の所は押し倒せと言うことなのだろうけど、そんな事しなくてもやらない。

 

「・・・それでめぐみんは何するつもりなんだ?」

「カズマの耳掻きです。あとはカズマを抱き枕にして寝たいです」

「・・・それで今日の分はチャラか?」

 

カズマ的にはデートよりもこっちの方がいいらしい。

 

「耳掻きを定期的にさせてくれるならデート期間はもうなしでいいですよ」

「・・・じゃあそれで頼む」

 

と言うわけで、家に戻ることとなった。

 

 

 

「カズマは今私のことどう思ってますか?」

「一生ついてくって決めた尊敬する人」

「オークのことですか?」

 

あの時の記憶はあるのか。

カズマの私への評価が上がっていて嬉しい。

 

「あれは絶対にヤバい。回避出来て良かった」

「カズマのことは私が守るといつも言ってるじゃないですか」

「・・・えっと、めぐみんはってこれ朝も聞いたな」

「ええ、傍に居て欲しいからこそ、居なくなられては困るのです」

 

この世界でもカズマと共に生きていきたい。

そしてこの世界ではカズマの初めてを全て私がいただくのだ!

 

「着いたな」

 

鍵を開けて中に入ると本当に誰もいなかった。

三人は何処へ行ったのだろう。

そこが一番気になっているところではある。

 

「カズマ、こっちです」

「えっと、めぐみんの部屋じゃないのか?」

 

私の部屋へ向かおうとするカズマを引き止め居間へ入る。

ここでする方が夫婦感があって私的に楽しめる。

 

「誰もいないですし、ここで良くないですか?」

「そう言えばそうか」

「準備出来ましたよ」

 

膝の上をぽんぽんと叩くとカズマは横向きになって、頭を乗せた。

・・・カズマの顔を正面から見るつもりだったけど、よく考えたら耳掻きって横向きじゃないと成立しない。

 

「・・・よろしく頼む」

「任されました」

 

さてと、カズマが弱い所を攻めていくとしよう。

カズマの耳元に口を近付けふぅーっと息を吹きかける。

 

「ひゃぁっ!?な、何すんだよ!」

「耳掻きに必要なことです。あと、これはお家デートなのですからね」

 

カズマは諦めるように大人しくなった。

拒否権がないと悟ったらしい。

 

「加減はどうですか?」

「最高。耳掻きが上手だったとは」

「こめっこのをよくやってましたからね」

 

実際はカズマの耳掻きと子供たちのも入ってくる訳で、耳掻きスキルは高い方だと自負しているし、カズマが心地よく感じる加減は覚えている。

 

「なるほどな。これを定期的にやって貰えるのは普通に嬉しい」

「そうですか。そろそろ反対をしましょうか」

「ああ」

 

方向転換のために起き上がろうとするカズマを抑えると、カズマは何するんだとこちらを見た。

 

「方向転換は私の方を向く形でやってください」

「えっ・・・」

「その方が寝返りを打つだけで楽ですよね?」

「わ、分かった」

 

カズマはようやくこれの意味に気付いたらしい。

ただ耳掻きするだけだと思っていたのなら甘い。

こっちもやっておこう。

 

「ひゃっん!?」

 

かわいい反応ご馳走様です。

さっきみたいに何か言ってくるでもなく大人しくしている。

 

「カズマ、加減はどうです?」

「いいぞ」

 

全く喋らなくなった。

顔を真っ赤にして、照れてるのがよくわかる。

これを正面から見られたらと思う。

 

「この向きだとカズマの顔がちゃんと見れていいですね」

「・・・俺はめぐみんの腹しか見えないんだけど」

「じゃあ、この後普通に膝枕しましょう」

「えっ・・・」

 

これで本来の膝枕をしてカズマを愛でると言う私の目的が達成される。

今のカズマに拒否権はない。

 

「これで終わりです。膝枕しましょう」

「ああ・・・」

 

カズマが仰向けになり、私は頭を撫でる。

これはもうやめられない。

膝枕を日課にしたい。

 

「め、めぐみん?これいつまでやるつもりなんだ?」

「満足するまでですよ」

「・・・」

 

先程までと同様に諦めたらしく目を閉じて、何も考えないようにしているらしい。

 

「この後カズマには抱き枕になってもらいますからね。その前にカズマを甘やかそうかと」

「なあ、これってもしかなくても俺が女になってた時にやってたことの仕返しって言うかなんて言うか」

「仕返しじゃなくて、お返しですよ。あれ凄く心地よかったので」

「・・・」

 

膝枕でカズマが眠りに落ちるまで私はカズマを撫でて、愛でていた。

カズマが眠りに落ちた後は部屋まで運んで、抱き枕にして、私も眠りについた。




無事にカズマさんに戻ることが出来ました。百合カズめぐ期待してた方には申し訳ないです。
まあその内めぐみんがご乱心して、ポーション仕入れることもありえますからね笑
次週の更新は恋愛を!だと思います。

カズマさんの誕生日話は誰視点が良いかについて

  • カズマ視点(天界)
  • カズマ視点(討伐後)
  • ヒロインズの誰か視点(天界)
  • ヒロインズの誰か視点(討伐後)
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