この素晴らしい世界に●●を!めぐみんのターン   作:めむみん

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今回も新キャラ登場です。
カズマ視点ありです。

*加筆及び修正しました(2/3)


なんちゃって幹部との再開

-NANTYATTEKANBUTONOSAIKAI-

 

ダクネスがパーティー入りした翌日。

私とカズマ、ゆんゆんの三人で買い物に来ていた。

主にカズマの装備を整える事が目的で、私とゆんゆんは何かめぼしい物があれば買おうといった考えで今に至る。

出来ればカズマと二人きりが良かったのだが仕方ない。

アクアはというと、面倒くさいといってギルドに残り、ダクネスはギルドにまだ来ていなかったから同行できなかった。

 

「これどっちがいいと思う?」

「黒い方がカッコイイのでこっちでいいと思います」

「ちゃんと考えなさいよ!確かにカッコイイけど、今日はカズマさんの装備を買いに来たんだから!」

「で、性能的にはどっちの方がいいんだ?」

 

若干呆れ顔なカズマの質問。

私は至って本気なのだが、何がダメなのか一度じっくり話し合いたい。

 

「性能ですか。それなら今カズマが持っているのより、こっちの緑やつですね。動きやすそうですし、これの方がその二つよりも安いと思いますよ」

 

ちょうどいつもカズマの着ていたローブがあったので薦めてみる。

 

「ゆんゆんはどう思う?」

 

先ほどのあれで、カズマからの評価がゆんゆんよりも下回った気がする。

 

「私もこれがいいと思いますよ」

「じゃあこれにするよ。二人は何か買わないのか?」

「私はこれといった物がなかったので大丈夫です」

「私もめぐみんと同じです」

「分かった、これ買ってくるからちょっと待っててくれ」

 

こうしてカズマが新たな装備を手に入れた。

ギルドに戻ろうとした私達に話しかけてきた者がいた。

 

「おお!これはなんと面白そうな未来!そこの小僧達、少し我輩に占われてみるのはいかがか?」

「えっと、俺達の事ですか?」

「汝ら以外に人はいないであろうが」

 

カズマがそれを聞き非常に面倒くさそうな顔をする。

 

「最近そこの紅魔の娘二人を意識し始め、あわよくば二人と付き合えたら最高などと考えている小僧よ。我輩を怪しんでいるな」

 

ゆんゆんと一緒というのは解せない。

 

「そそそ、そんな事、お、思ってねーぞ!ちち、違う!違うから二人ともそんな目で俺を見ないでくれ!」

「フハハハハ、汝の悪感情。大変美味である」

 

 

 

バニルの登場に私達は圧倒されていた。

 

「我輩の楽しみはここまでにして。今回はそこの爆裂娘に用があるのだ」

「・・・めぐみんに?」

「そうであるが、小僧よ。先程とは違って汝の恥ずかしい過去を晒されたく無ければ黙っているのが吉」

 

先程とは違うという事はカズマはそんな事思っていなかったらしい。

てっきり図星だと思った。

後でカズマに何か奢ろう。

カズマが何かを言おうとしたがバニルが耳元で囁いた後、静かになった。

 

「小僧の周りの状況に最近焦りを覚えている娘よ。サクッと我輩を魔王軍幹部から脱退させて貰おうか」

 

さらっとカズマやゆんゆんに知られると面倒な事を言ってくれたがここは我慢。

 

「ええ、良いですよ。ちゃんと街の外でですよ」

「それでは我輩は一度この街に奇襲する振りをす・・・」

「ちょ、ちょっと待った!今魔王軍幹部って言わなかったか!」

 

さっきから呆けていたカズマが再起動したようだ。

 

「そうであるが、あまり大声を出さないで貰おう」

 

珍しくバニルが焦っていた。

他に人が来ると厄介だからだろう。

 

「それになんでめぐみんはすんなりと受け入れてんだよ!」

「そうよ!めぐみん!目を覚まして!」

 

納得いかない様子の二人。

私がどうしたものかと悩んでいると。

 

「ほう、我輩の邪魔をするか小僧。貴様にとっては魔王軍幹部である見通す悪魔バニルの討伐という大変美味しい話だと思うのだが」

「あまりにも話が良すぎるからだ」

「我輩は忠告したはずだが」

 

バニルの言葉に意味が分からないといった風なカズマ。

 

「小僧は朝起きた時、そこの爆裂娘が抱き枕にしてくるのをいいことに・・・」

「分かった!もう邪魔しねえから!ストップ!」

 

バニルは悪感情を貰えたから十分なのか続きを言うのをやめ、笑い続けている。

 

「あのー、カズマ?朝起きた時に何してるんですか?」

「えっと、そのアレだ。変な事は断じてしてない」

 

上の空で今のカズマは信用ならない。

 

「その男は嘘はついてはおらん。ただ寝相で動いた事を装って自分も抱きついて堪能しているだけであるからな」

「そうだ!」

 

焦り過ぎて正直になってしまうカズマ。

 

「か、カズマさん・・・最低・・・」

「じゃなくて今こいつが言った事はしてな・・・すいませんでしたあああ」

 

私の目というよりゆんゆんのクズをみる目に耐えかねたカズマはとても綺麗な土下座をした。

 

「フハハハハ、これは中々の悪感情。ゴチである」

 

顔を一向に上げようとしないカズマに、

 

「顔を上げてください。周りの人が見てますから」

「いや、でも」

「許して欲しいなら早くしてください」

「分かった」

 

私としてはカズマに意識して貰えているという事が分かったのでどちらかと言うと嬉しいし、大して怒ってもいないのだが。

 

「我輩の能力は理解して貰えただろう。という訳で魔王よりも強いと噂の我輩と真剣勝負などすれば勝てるわけがないので、このチャンス、どうするかはとても単純なことであろう」

「本当に信じていいんだよな?」

 

未だに半信半疑なカズマにバニルは近付き私にギリギリ聞こえる声で囁いた。

 

「うむ、貴様がこれに乗れば汝が考えている紅魔の娘二人と付き合う事も叶わん事もないであろう」

「よし乗った」

 

この男!

一度締めたほうが良いかもしれない。

カズマを疑ってしまったという罪悪感を返して欲しい。

あとバニルもだ。

此方を見ながらニヤニヤ笑っているので確信犯。

この討伐が終わったらアクアを(けしか)けよう。

 

「爆裂娘よ、この小僧は我輩の話を聞いてからそう思ったのであるから、そのような恐ろしい事を考えるでない」

「恐ろしい事?めぐみん。何考えてたの?」

「ゆんゆんには関係ないです」

「あ、うん。分かった」

 

分かり易くゆんゆんがへこんでしまった。

少し罪悪感が。

 

「それでは我輩は奇襲をこの街に仕掛ける振りをするので、あとの事は頼んだぞネタ種族の娘よ」

 

そう言葉を残してバニルは消え去っていった。

 

 

 

 

 

「やっぱり辞めといた方が良かったんじゃ…」

「私もそんな気がします」

 

魔王軍幹部が居なくなって弱腰になり始めた俺とゆんゆん。

 

「もう、受けてしまったのですから腹を括ってください!」

「「そうだな(ね)」」

 

めぐみんの喝に奮い立たされる。

最近思うんだけどめぐみんがこのパーティーで一番男らしいじゃないかと。

 

「そろそろギルドに向かいましょう」

「うん、それはいいんだけど。あの悪魔が言ってたお前が俺の周辺の事で焦ってるってのはどういう事なんだ?」

 

魔王軍幹部なんて言う規格外な事で忘れていたけど結構気になっていた事だ。

 

「そんな事しらにゃいれす」

 

・・・かわいい

 

って見惚れてたら駄目だ。

 

「動揺し過ぎだろ!にゃいれすって!ぷっフフ」

 

俺が我慢出来なくなり笑い始めるとゆんゆんも釣られて笑い出した。

 

「なにも笑う事ないじゃないですか!」

「ごめんね。だってめぐみんがこんな動揺の仕方したの初めて見たから」

「うっ〜」

 

にしてもめぐみんがここまで動揺するのはゆんゆんの言う通り珍しいし、相当気付かれたくなかったんだろうな。

 

「なあ、何に焦ってるか教えてくれよ」

「そ、それは・・・」

 

俯いたまま話さなくなっためぐみん。ここまでしおらしくなるといじめたくなるなと思っていると。

 

「カズマがゆんゆんと仲良くなってきたり、ダクネスが入ってきたりしたので、そのうち爆裂散歩に付き合ってくれなくなるんじゃないかと思いまして」

 

何ともめぐみんらしい理由だった。

 

「そんな事しないから焦んなくていいぞ。最近はちょっと楽しみになってるからな」

 

勿論おんぶの時に感じられるめぐみんの感触だ。

そうとも知らないめぐみんは。

 

「そうですか、そうですか!カズマも爆裂道が分かってきましたね!いっその事覚えちゃいましょう!」

 

顔が近い、思春期真っ只中の健全な男子には非常に辛い状況だ。

めぐみんはただ興奮してるだけだろうけど。

 

「ちょっと落ち着けって。確かに爆裂道については分かってきたけど覚えるつもりはないぞ」

 

めぐみんの肩を押して距離をとり、落ち着かせようと思ったのだが。

 

「そう・・・ですか。取り乱してすいません」

 

めぐみんが逆に落ち込んでしまった。

これって俺が悪いのか?

いや俺は悪くないはずだ。

だって、爆裂魔法を覚えてくれって言われて了解できる奴なんていないだろう。

助けを求めてゆんゆんの方を見ると目を逸らされた。

どうしたらいいんだ?と考えていると。

 

『緊急!緊急!冒険者各員は、直ちに武装し、戦闘態勢で正門に集まってください!現在この街は魔王軍幹部に襲われています!繰り返します。・・・』

 

「バニルが来たようですね。早く行きましょう」

 

まだ暗い感じのめぐみんはそう言って足早に正門の方へと駆けていった。

 

「カズマさん!私達も早く行きましょう」

「あ、うん。そうだな」

 

次の事は次に考えよう。

今は今だからな。

 

 

 

俺とゆんゆんが正門に着くと小さなバニルが辺り一面に広がっていて、その奥にバニルが立っていた。

負傷者は数名いるようだが、アクアが治療している。

今は硬直状態だ。

 

「フハハハハ、汝らには魔王よりも強いと評判の我輩に、手も足も出ない様であるな」

 

話を聞くと、なんでもあのバニル人形が触れると爆発するらしい。

 

「めぐみん。準備出来てるか?」

「はい、もう詠唱も終わったので大丈夫です」

 

少しは元に戻ってるようだけどまだ元気がないな。

 

「じゃあ頼む」

 

俺はそう言って前に出て小芝居を始めた。

 

「おい!何が目的だ?早く答えないとウチのウィザードが火を噴くぞ!」

「我輩がこんな駆け出しばかりの街に居るウィザードに遅れをとる訳なかろうて、目的についてもわざわざこれから滅ぼす相手に話す必要はあるまい」

 

「おいこれ不味くないか?あの新入り」

「今すぐやめさせた方がいいだろ。それに、アイツひょろひょろだし」

「てか俺達も不味いだろ。あの幹部。滅ぼすとか言ってるぞ」

 

散々言ってくれてるな、おまえら!

確かに弱いのは認めるけど。

めぐみんがバニルを倒した後にいびってやる。

 

「めぐみん!もう遠慮する事はない!やってやれ!」

「待ってました!我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法の使い手にして、爆裂魔法を操りしもの!我が力にひれ伏すがいい!『エクスプロージョン』っ!」

 

「駆け出しの街に爆裂魔法を使える者が居たとは!我輩も油断してしまった。これには流石の我輩も耐えられぬであろう・・・」

 

こうしてバニル討伐は終了した。

 

 

 

 

 

私がバニル討伐を果たし、ギルドでは宴会が行われている。

私がバニルを倒してすぐに周りの冒険者に囲まれ、そのまま私とカズマは胴上げされていた所為であまり楽しめていない。

アクアはお得意の宴会芸で盛り上げ、ダクネスとゆんゆんはそれに魅入っている。

そしてやっと解放された私達はあの時出来なかった採点をしていた。

 

「めぐみん。今日の爆裂は100点満点だったぞ」

「ありがとうございます。ありがとうございます」

 

バニルを吹き飛ばせる数少ない機会だと思って、とても気合いを入れて放ったから当然だ。

カズマの採点もだんだん正確性がでてきて良くなっている。

 

「今日は違う意味で大変だったな」

 

カズマは顔を引き攣らせてそう言った。

 

「はい、まさか三十分も胴上げされ続けるとは思いませんでした」

「そうだよな。俺、途中で吐きそうになってマジで危なかった」

「吐かなくて良かったですね」

 

もしカズマが吐いていたら、たぶん私もカズマの吐瀉(としゃ)物を被ることになっていただろう。

カズマが吐かなくて本当に良かった。

 

「カズマさんお疲れ様です。・・・あとめぐみんも」

「ゆんゆん。ありがとう」

「おい!どうして私がついでなのか聞こうじゃないか!バニルを倒したのはこの私ですよ!」

「ち違うの、ただめぐみんが小さくて見えなかっただけで」

 

前の私なら怒っていたでしょうが、確かに私もカズマでゆんゆんが見えなかったので仕方ない。

 

「そうですか。なら許して上げます」

 

ゆんゆんが驚いているのは、たぶん私がまだ何か言ってくると思っていたのだろう。

 

「どうかしたのか?突然騒がしくなったようだが」

「ちょっとそこの二人が言い合いになってただけだぞ」

「そうか、なら問題ないな」

 

ダクネスが私達の騒ぎを聞きつけてやって来た。

 

「カズマにめぐみん。今日は大活躍だったな。私は何も出来ずにいてすまなかった」

 

物凄い罪悪感が。

でも出来レースだったとは口が裂けても言えない。

カズマも同じような心持ちの様だ。

 

「当然の事をしただけです」

「そうだぞ。というか俺は正直言ってダクネスと変わらねえよ。だってあいつを倒したのめぐみんだし」

「謙遜する事はない。魔王軍幹部と対峙し、めぐみんの準備が完了するまでの時間稼ぎをしていたのだろう?それだけでも十分な戦果だ」

 

もともと出来てたのですが。

唯の小芝居がこんな風に受け取られるとは思いもしなかった。

結果としては十分な訳だけど。

 

「おう、分かったよ。ありがとな」

 

照れてるカズマはいつ見ても可愛い。

一時間ぐらいずっと見ていたいけど、早くウィズの店に行ってバニルと会わないといけない。

 

「カズマ。そろそろ時間ですし、デートしましょう」

「「えっ!」」

 

ダクネスと意図を理解していないゆんゆんが驚く。

 

「そうだな。もう行くか」

「「ええっ!!」」

 

いい加減、ゆんゆんには気付いて欲しい。

 

「ちょっと待ってくれ!二人はいつからそういった関係に?」

「その話はまた今度。私達はこれで」

 

ここに時間を割く訳にはいかない。

 

「しかしだな・・・」

「ゆんゆんこれ俺たちの分だから払っといてくれ」

「へっ?あ、はい・・・あっ」

 

カズマがお代と共に紙切れを渡した。

それを読んだゆんゆんはやっと理解したらしく。

 

「いつぐらいに終わりますか?」

「いつもの風呂の時間には帰ると思う」

「そうですか。それまでに準備しておくので、楽しんできてください」

 

たぶんそれまでの間にこっちに来るつもりなのだろう。

 

「準備って何のこ・・・」

「さあ、早く行きますよ。日が暮れてしまいます」

「分かったからちょっと待ってくれ」

 

こうしてダクネスから逃げ出した。




フハハハハ、貧乏店主が出ると思ったか我輩でした!
冗談はこれ位にして本当はウィズを出すつもりでしたが、ウィズを出すと長くなりそうなのでここで切っただけです。すみません。

カズマさんの誕生日話は誰視点が良いかについて

  • カズマ視点(天界)
  • カズマ視点(討伐後)
  • ヒロインズの誰か視点(天界)
  • ヒロインズの誰か視点(討伐後)
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