この素晴らしい世界に●●を!めぐみんのターン   作:めむみん

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改めてあけましておめでとうございます。
久々にこっちの更新です!
カズまぐ色強いかもしれませんが、カズクリお楽しみください。


彼の想い人は

-KARENOOMOIBITOHA-

 

目が覚めるとカズマくんの顔が目の前にあった。

・・・これはどういうことだろうか。

記憶だと四人でしりとりして、その後、各々の部屋に、あっ、思い出した。

彼とは婚約者設定だから同じ部屋になって、どっちがベッドかソファかで譲り合いになって、結果的に一緒にベッドで・・・

 

「ふわぁ…あっ、クリス、おはよう」

「お、おはよう」

「こうしてると本当に婚約者同士みたいだな」

 

この人はどうして平気でこんなこと言えるのだろうか。

めぐみんのこと魔性だとか言ってたけど、斯く言う自分も同じようなことしてるではないか。

 

「なな、何言ってるのさ!」

「思った事言っただけだぞ」

「だ、だって!」

「全く、さっきからうるさいぞ。まだ早朝だし、迷惑だぞ」

 

仰る通りな正論で言い返せない。

でもカズマくんだけには言われたくないと思ってしまう。

昨日まぐみんに突如抱き着いたのも記憶があるからと言って普通初対面ではやらないと思う。

 

「そう言えば、まぐみんに抱き着いた理由は?」

 

ハルがどんな形で記憶改変したのか気になる。

 

「そんなの決まってるだろ?この時代は側室制度がある。つまり、可愛い子見つけたら声かける的な風習があるんじゃないかなあって」

「そんなのないよ。側室は王族と一部の貴族だけだから」

 

一般家庭は一夫一妻。

そもそも二人も養える程のお金を稼げるのが、一流貴族や王族だけ、他は豪商とかになるけど、それはそれ。

今回の任務では全く関係ない。

いつもの彼でも考えそうなセクハラの大義名分なのは、ハルがよく理解してる証拠だと思う。

 

「なんだそれ。面白くねえ」

「と言うか現地に相手作ってどうするのさ!」

「作るつもりはないって、ただ、それらしき動きをだな」

 

全くそれらしくないし、何ならまぐみんに非常識と言われてたことを忘れているのではないだろうか。

 

「はぁ、もう分かったよ」

「と言うか今日はクリスなんだな」

「昨日の夜からずっとそうだったよね?」

 

ダスネスが来てからは、彼自身が私のこと含め全部まぐみんに話してしまったから、エリスとしてでは無く、体の通りクリスとして動いていた。

貴族としての振る舞いの時までにエリスに戻して置かないと。

 

「確かに」

「ともかく朝食にしよう」

「了解」

 

部屋を出ると女の子が扉の前に立っていた。

 

「おっ、まぐみんこんな所で何してんだ?」

「二人を朝食へ案内するよう言われて待ってました。と言うか二人が婚約してるのも嘘なんですね」

「おう。聞こえてたか。でもまあ、俺がクリスのこと好きなのは嘘じゃないぞ」

 

なんて調子のいいことを言ってくれる。

めぐみんが聞いたら絶対あたしが絞められる。

って、そう言えばカズマさんは私のこと好きになるようになってるのだった・・・

・・・それならもう、設定とかじゃなくて、記憶を婚約者ってことにしておけば良かったのに、ハルは何を考えてるんだろう?

あっ、本当に婚約者だとキスとかのスキンシップをカズマくんが行う可能性があるってことか。

やっぱりこのままでいいや。

 

「全く、何言ってるのさ。聞かれていたならしょうがないね。昨日この人がまぐみんに抱き着いた理由もわかったんじゃないかな?」

「ええ、偽装の為に抱き着かれる身にもなってもらいたいです」

 

本当は愛おしくて抱き着いたのだと言ったらまぐみんに言ったらどんな反応が返ってくるのか気になる。

聞いちゃダメなんだけど。

 

「そう怒るなって、かわいいなあって思ったのは事実だから」

「紅魔族はかわいいよりカッコイイの方が嬉しいのですよ」

 

等と言いながら口角が上がっているのをあたしは見逃さなかった。

この人は対めぐみん攻略のプロか何かなのだろうか。

しかもそれを無意識にやっているし・・・

 

「へいへい。まぐみんの名乗りはカッコよかったぞ」

「露骨なお世辞とは分かっていても嬉しくなるのが悔しいです。部屋着きましたよ」

「ありがとう」

「ありがとね」

「これが仕事ですから」

 

あのめぐみんが使用人をしていると考えると凄く不思議な感じがするなあ。

まあ、この子はめぐみんじゃないし、多少性格が違うだろうけど。

 

「そういや使用人だったか」

「ええ、ですから二人の活動のお手伝いも出来ないので、もどかしいです」

「別に手伝って貰う気はないぞ?」

 

あっ、分かった。

この子、手伝うのを口実にカズマくんと一緒に行動したいのだろう。

 

「紅魔族的に身分を偽って世界の為に活動するなんてシチュエーション凄く燃えるんですよ!」

 

全然違った。

紅魔族によくあるタイプの動機だった。

あたしの勝手な思い違いと言うか、カズマくんとめぐみんはイチャイチャしてるものと言うフィルターがかかっているのかもしれない。

うん。

ちょっと、冷静に見てみよう。

 

「お、おう。気持ちは分かった。ってあれ?ダスネスが来るなら傍付きとしても来れるんじゃ?」

「その手がありましたか!流石カズマです!ちょっとダスネスに頼んできます!」

 

と言ってまぐみんは勢いよく扉を開けて入って行った。

 

 

 

「却下だ」

「どうしてですか!ダスネスのいけず!」

「何を言っている。まぐみんでは二人の役に立てないだろう?」

 

案の定認められなかった。

あたしとしてもカズマくんが記憶取り戻す恐れのある不安要素たるまぐみんの同行は出来れば避けたい。

 

「ううっ、ですが私も参加したいです」

「いいか?私はお前を信用して家に残すと決めたのだ。そこは分かってくれ」

「そ、それは」

 

ダスネスの言い方だと断れないよね。

まぐみんが俯くなか、ダスネスは朗らかに笑って言った。

 

「カズマとまた遊びたいのなら帰ってから遊べばいいだろう?」

「別にカズマと遊びたいから行きたいとは思ってません!活動に参加したいのです!何ですか?やっぱり私をカズマに押し付けて追い出すつもりですか!」

「そ、そうではない。まぐみんは数少ない友人だ。だからこそ良い相手をと思ってだなあ」

 

ツンデレとかじゃなくて、普通に活動をしたいって感じだよねこれ。

やっぱり、あたしのフィルターのせいなのかな?

 

「えっと、まぐみん今日は無理だけど、そのうち一緒に活動しよう」

「・・・なら、それでいいです。絶対ですよ?」

「カズマ大丈夫なのか?」

「まぐみんとくっつけられるのよりは全然問題ない」

「おい、それはどういう意味か聞こうじゃないか」

 

言われてカズマはまぐみんを連れて部屋の隅まで行って話を続けた。

 

「俺はクリスを愛してるってことだな」

「・・・真顔でそれ言いますか。カズマって凄いですね」

「いいか、これは内緒だからな」

 

筒抜けだよカズマくん。

ダスネスは聞こえてないけど、あたしには聞こえちゃってるよ!

と言うかハルはなんてことをしてくれたのだろう。

帰ったられ、ではなくて怒らないと。

 

「分かりました。では私はカズマの第二夫人にさせられるのでしょうね」

「・・・お前何言ってんの?」

 

カズマくんの言う通りこの子は何を口走っているのだろう。

第二と言うことは第一も存在する訳で・・・

え?

もしかしてあたし?

いやいや、ないない。

 

「ダスネスは本気です。アレはもう止められないと友人として理解してます」

「・・・それでいいのか?」

「私は恋愛などに興味はありません。相手がいるともなれば近付く男もいなくなるでしょうし、私としては得られる利益が大きいです」

 

これが世に言うサバサバ系女子なのだろうか。

好きじゃなくても得られる利益の為に、しかも金銭面ではなく、男払いが目的とは。

 

「お前は俺なんかでいいのか?」

「そうですね。急に抱き着かれましたが不快ではなかったですし、おそらく大丈夫でしょう」

「・・・ちょっと待ってろ。クリスに話して来るから」

 

カズマくんが振り返ると同時にまぐみんの表情が緩んだ。

うわあ。

やっぱりフィルターじゃなかった。

興味無いとか言ってたのに、凄く顔赤くしてるよあの子!

カズマくんの前で隠してただけで、絶対彼のこと好きだよ!

あたしとしてはもう二人で末永く暮らしてくださいって言いたいよ!

言えないけど。

 

「なあ、俺らこっちに残れないよな?」

「そうだよ」

「でも何かまぐみん放っておけないって言うか、なんかこうクリスに対する好きとは別の守ってあげたいって言う、えっと、保護欲?が凄いというか」

「はぁ、今度からカズマくん派遣する時は調べてからにしないとね」

 

今回の件ではっきりした。

カズマくんをめぐみん及びめぐみんに似た子が存在する現場に向かわせてはダメだ。

次からは一人かハルを連れてこよう。

 

「えっと、それはどういう?」

「こっちの話だよ。あたし達が帰ったら、ここにはあたし達のコピーを作る。そのコピーが他の神器回収も行うことにすれば天界規定的にも問題ないと思うよ」

「クリス、悪いな」

「あたしのせいでもあるからね」

 

ここは似ている人がダクネスだけだと思っていた。

それが完全に盲点だった。

コピーを作るとして、カズマくんの私に対する好意は削除してからの方がいいのだろうか。

あたしとカズマくんが夫婦になって暮らすと言うことは、キスとか色々しちゃうのだろうか。

カズマくんとキス・・・

って何を考えて!?

 

「おーい。クリス?顔真っ赤にしてどうした?」

「いや、何でもないよ」

 

まずい、今ので変に意識してしまう。

落ち着こう。

相手はパンツを盗って振り回すような男だ。

 

「それよりも早くまぐみんに返事してあげなよ」

「分かった。クリスありがとう」

 

カズマくんも嬉しそうだ。

素直じゃない二人とはこのことだろう。

まぐみんの元へと行き何かを話して、二人は握手していた。

そして、まぐみんがダスネスに言った。

 

「ダスネス!私はカズマのお嫁さんになると決めましたよ」

「そうかそうかそれはよかっ・・・えええええ!?」

「何を驚いているのですか?自分がそうなるようにと言ってたでは無いですか」

 

さも当然のように語るまぐみんに私とダスネスだけでなくカズマくんも驚いてる。

やっぱりまぐみんと言うか、めぐみんは恋愛関係はまっすぐ突き進んで行くよなあ。

舐めてた訳じゃないけど、ここまでとは思ってなかった・・・

 

「いや、確かにそうなのだが、クリス!クリスは問題ないのか?」

「えっと、ダスネス。実はあたし達が婚約者だって言うのも設定だったりするんだよね。ごめんね。嘘ついて」

「・・・そう、だったのか?」

 

敵を騙すにはまず味方からと思って伝えてなかったけど、こんなことになるなら詳細に情報を渡しておけば良かった。

ここで信頼関係が崩れたりなんかしたら作戦が・・・

 

「そうそう。だからまぐみんとカズマくんが結婚しても問題ないよ」

「いえ、第一夫人はクリスですよ?カズマが愛していると言ってますし」

 

まぐみんがまたもや爆弾発言をしてくれた。

いや、確かに聞こえてたよ。

でも、ダスネスに知らせなくてもいいじゃない!

しかもその気持ちは私達が操作した結果だし・・・

 

「まぐみんお前何口走ってんだ!」

「ほう。カズマは二人を養えると言うのだな?」

「いや、全然。てか無理だと思う」

 

凄い潔さにあたしもびっくりだよ。

そこはこう二人を養うくらいの甲斐性はあると言ってもらいたい。

別にあたしがカズマくんの第一夫人になりたいとかではないのだけれど。

 

「そこは嘘でももちろんとか言う場面ではないか?」

「嘘はつけない質なんでな。そもそも二股する気はねえよ」

 

カズマくんは恥ずかしいのか誰もいない窓の外を見ながら言った。

カッコイイこと言ってると思うんだけどなあ。

 

「と言うことはまぐみんを選ぶのか?」

「そういうこった。分かったら剣に手を置くのやめてくんねえか?気配で分かるからな?」

 

いつの間に彼はそんな技術を会得していたんだろう。

空間把握系のスキルだろうか?

 

「見た目に寄らず、それなりの経験があるのだな」

「敵感知スキルと後は予測だから別に経験とかじゃないぞ」

 

スキルと予測を合わせる技術は経験以外の何物でもないと指摘したい。

彼にとって冒険者は天職と言える。

 

「なるほど。しかし、どうしてまぐみんを?」

「俺はな。安定した暮らしを願ってるとだけ言っておく」

「はあ?」

 

ダスネスは不思議がってるけど、カズマくんの言わんとすることよく分かる。

あたしと来るよりも、まぐみんと一緒に暮らす方が安泰なのは明白。

とは言え、あたしが言うのもなんだけど、自分を好きになるようにしてるのに、どうしてまぐみんを選んだのだろうか。

ハルのことだから要らぬお節介でめぐみんへ対する好意を丸々あたしに向けてると思うんだけどなあ。

 

「今から作戦会議だから、席を外すぞクリス」

「う、うん」

 

この場でも話は出来るけど、多分、婚約に関して二人で話すつもりなのだろう。

不思議がってるのにも気付いたのかもしれない。

 

「ねえ、カズマくん」

「どうした?」

「どうして二人取らなかったのかなあって」

「まさかクリスは第一夫人になりたかったのか?それなら今からまぐみんに」

「違う違う!そうじゃなくて!いつもハーレムがどうのって言ってたし」

 

魔王討伐からすぐの頃にも、ハーレムを作るとか何とか言って追い出されていたし。

合法的にできるなら飛び付くと思ってたのに、どうやらカズマくんを見誤っていたらしい。

 

「いいか?コピーの俺はまぐみんと、オリジナルの俺は天界戻ってからクリスと言うかエリスさまとイチャコラすんだよ」

 

流石カズマくん。

考えがズル賢い。

でも、そのおかげであたしのコピーは必要なくなったから感謝しなければ。

 

「・・・残念ですがその願いは叶いませんよ」

 

元に戻ればあたしに対する好意は無くなる。

そして、めぐみんさんへの愛情が戻る。

あたしに入り込む余地などないのである。

・・・別に入り込もうだとかは考えていないけども。

 

「いい加減俺の事認めてくれないんですか?」

「向こうに戻れば何故か分かりますよ」

「どういうことだ?」

 

今理解されると困るからなあ。

と言うか既にコピー体を作らなきゃならない状況だから、もう思い出した所で問題はないような気がする・・・

 

「でもまあ、キミの選択にあたしは安心したよ。因果律って存在するんだねえ」

「それを女神様が言っちゃいますか。と言うか何故ここで因果律なんて単語が?」

「言ったらダメなの?」

 

何故かについては黙秘しよう。

 

「いや別に・・・」

 

カズマくんは運命とか信じないタイプの人なのだろうか?

その割には神頼みとかしてたような。

 

「まあ、いいや。ともかく話したい事は話せたから戻ろう」

「会議ってこんなに早くていいのかな?」

「実際いつも行き当たりばったりだし、会議なんてやってないし大丈夫だろ」

 

言われてみれば目的物の説明と大体の経路教えた後は、毎度毎度何か問題が起こって作戦も何もなく、その場の判断になるんだよね。

はあ、先が思いやられる。




次からはもうまぐみん出ないので、後は助手君とお頭がイチャイチャするだけです!
この閑話思ったより長くなりそうです笑

カズマさんの誕生日話は誰視点が良いかについて

  • カズマ視点(天界)
  • カズマ視点(討伐後)
  • ヒロインズの誰か視点(天界)
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