この素晴らしい世界に●●を!めぐみんのターン   作:めむみん

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お久しぶりです。また期間が空いてしまいすみません。
今回遅くなった理由は、このシリーズが本編なのに、全く書いてなくて、設定矛盾ないか確認しもって書いていたら時間が凄くかかってしまいました。
また週一投稿で頑張っていくのでよろしくお願いします。


不思議がいっぱい

調書を書き、族長に提出し終えた私は今とても暇で憂鬱な時間を過ごしている。

今頃カズマはゆんゆんと買い物を楽しんでいることだろう。

何故、私ではなくゆんゆんが隣に居るのだろうか。

ぶっころりーの誘いに乗ったのが全ての間違いだった。

カズマちゃんの写真とか出されたらしょうがない……

 

「めぐみん、どうしたの?元気ないわね」

「カズマがゆんゆんと買い物に行ってるので、爆裂散歩ができなくて待ちぼうけてる所です。やること無くて暇なのでぼぉーっとしてた所です」

 

泊まっているのだろう部屋から出てきたアクアの質問に答える。

するとアクアは何か考え込んでから言った。

 

「ねえ、めぐみん。カズマに何を教えたの?」

「何のことです?」

「ゆんゆんのことよ。カズマとだけめぐみん並に打ち解けてるの、アレ、めぐみんが助言したからじゃないの?前に二人から聞いた話以外にも何かあると思って」

 

私のテコ入れでカズマとゆんゆんの仲が良くなったと思ってるらしい。

私もゆんゆんがぼっちのままだと困るのと、馴染めないと困ると思ってカズマと話すようには促してはいたものの、予想以上の接近に正直な所焦りがある。

ゆんゆんは応援すると言ってくれているが、相手はカズマ。ゆんゆんが惚れる可能性は十分ある。

 

「何もしてませんし、私から見ても急に距離感が近くなったというか、よく分からないと言いますか。私としても何故仲良くなったのか知りたいところです。と言うか何を聞いたのか知りたいのですが」

「それは言えないわね。めぐみんにゆんゆんと仲良くする秘訣を聞こうと思ってたけど、やっぱりあの二人の話してくれたのだけが理由なのかしら」

「私が聞いたら二人とも目が泳いで、色々あったとか言われましたけど、怪しさ満点なのに、どうしてアクアやダクネスには話してるんですか?」

 

隠れて付き合ってる可能性は極めて低いとは言え、二人揃って仲良くなった理由を隠そうとするのは、表ではあまり言えないことが理由に違いない。

それが何か全く検討がつかないのが腹立たしい。

 

「めぐみんだからとしか言えないわね。あっ、そうだめぐみん」

「なんですか?」

 

答えになってない答えが返ってきた。

ダストとかが聞いても答えるということなのだろうか。

それはそれで納得出来ないものがある。

 

「カズマ関係で、こんなもの見つけたんだけどいる?」

「ノートですか?」

 

誰の物かはよく分からないノートをアクアが渡してきた。

渡されたノートは少し年季が入っている。

カズマがこんなノートを使っていたのを見たことはない。

誰の何が書かれたノートなのだろう。

カズマが関わっているらしいけども。

 

「その本の中で、カズマがめぐみんとゆんゆんの二人と結婚して、生まれた子供達が魔王を倒す物語が」

「それ以上は言わなくていいですよ。あるえが書いた小説なのが分かりました」

「そうなの?」

「これに似た内容のをあるえが寄こした所為で、カズマとゆんゆんが一戦超えそうな瞬間を目撃しましたからね。アレを見つけるのが遅かったら有り得た未来と言うのが解せないです」

 

前回は、話をしていただけだったけど、今回は実行に移される直前だった。

あるえに対してのカズマの怒りが少し分かったかもしれない。

 

「そんなことがあったのね。にしてもめぐみんはホント、カズマのこと大好きよね」

「私の魔法を活かして評価してくれるのはカズマくらいですから」

「そういう意味で言ったんじゃないんだけど、確かにそうかもね」

「私はカズマと出会えて幸せです。もちろんアクア達もですよ」

「嬉しいこと言ってくれるわね。私もめぐみん達と冒険できて幸せな一時をおくれてるわ」

 

一時か、アクアからすればこれまでの期間も短く感じるのだろう。

こういうズレた発言もアクアが知力が足りないからだと前は思っていたけど、女神であることを知った後だと感じ方が全然違う。

女神としてのアクアも多分、普段と変わらないのだろうけど、どんな仕事なのかはカズマから聞いた程度だったし、凄く気になっている。

今回はアクアの仕事に連れて行って貰うのもありかもしれない。

カズマが偶に同行していたように。

 

「そう言えば、カズマが頭打ってたの大丈夫だった?一応ヒール掛けといたから問題はないと思うけど」

「痛そうな素振りもなく、元気そうでしたよ。今もゆんゆんと二人で買い物行くくらいですし」

「そう言えば、いつもカズマが怪我したりしたら過保護になってるのに、今朝は一人でカズマが来たのはどうしてなの?」

「母が私とカズマを引っ付ける気満々で色々してくるので、カズマと気まずくなるから、止めてくれと抗議してたのと、アクアの回復魔法を信用してるからですよ」

 

心配していなかったと言えば嘘になる。

でも、寝顔も辛そうじゃなかったし、起きてからの受け答えも問題なかったことから異常なしと判断した。

実際、カズマはピンピンしていたし、それを見て心配の必要はないと判断した。

 

「それなら蘇生魔法も信用して欲しいんですけど」

「蘇生の後はカズマが、いつも辛そうにしてるので、そこが違いますよ」

「血が少なくなった首チョンパは分かるけど、リザードランナーの時は大してダメージなかったはずだから、アレはめぐみんやゆんゆんに甘えてたのよ」

「仮にそうだったとして、私の対応は変わりませんよ」

 

前にも言われたけれど、私はカズマに必要とされたのならそれに応えるだけ。

私としてはカズマが傷んでいるのは間違いないと思ってる。

アクアの言う甘えてるだけと言うのは違うと思う。

 

「めぐみんらしいわね。カズマから聞いたわよ。一人で突っ込んで行って、魔王軍幹部を怯ませてカズマを連れ戻したんでしょ?カズマったら、助けに来てくれためぐみんがカッコよかったとか王子様みたいだったとか、こっち着くなりめぐみんのこと褒めちぎってたのよ」

「カズマがですか?」

 

あのツンデレカズマがそんなことを?

私達のことなんて滅多に褒めないあのツンデレマが?

信じられないけれど、アクアが嘘をつく必要が無い以上事実なのだろう。

事実だとして、それを見られなかったのが悔やまれる。

 

「そうよ。めぐみんがいつもカズマのこと喋ってる時みたいだったわ。もしかして何も言われてないの?」

「・・・私って普段そんなにカズマのこと話してますか?」

「恋は盲目って言うものね。気付いたらカズマの話してるわよ」

「そ、そうでしたか。なるべく話し過ぎないようにしていたつもりなのですけどね」

 

抑えていたはずなのに、昨日のことで舞い上がって私のことを話しているカズマと同じと言われるのは、全然抑えられてないのと変わらないでは無いか。

私のカズマに対する想いは隠した所でバレバレということ。

前にカズマが作っていた百人一首とやらに今の状況を指す歌があった気がする。

 

「自覚はあったのね。ねえ、恋は盲目って所否定しないの?」

「否定しても信じないでしょう?」

「もちろん信じないわよ」

「だからですよ。言って通じないならそもそも言いませんよ」

 

嘘をついてまで否定する気はもうない。

正直ここまで来ると否定しても焼け石に水なのは分かっているし、嘘でもカズマのことを何とも思ってないとか言うのは嫌だと言う気持ちの方が最近は大きくなっている。

 

「二人のお祝いしたいから付き合うとか結婚するってなったら教えてね」

「・・・はぁ、もういいです。もしそうなったらお願いします。期待していいんですか?」

「とっておきのやつをプレゼントするわ」

「一応確認ですけど、宴会芸とかじゃないですよね?」

「・・・も、もちろんよ!二人が喜ぶこと間違いない物を用意しておくから期待しててちょうだい」

 

最近思いついた宴会芸やるつもりだったのだろう。

宴会芸は自体はいいけど、やっぱりここまで色々と言われたりしてる以上何かしら貰いたいと思ってしまう。

母程ではないにせよ、カズマがヘタレる原因をよく作っているし。

 

「そう言えばカズマがこの前、めぐみんにベッタリだったじゃない?」

「そうですね。今じゃ見る影もないですが」

「その時の写真欲しかったらあげるわよ?」

 

アクアも例の写真を手に入れていたとは……

出処が分からなければ、再生産されてしまう可能性もあるし、ここで販売元を知ることが出来れば私がカズマちゃんの写真を独占できる。

 

「・・・あの、何処で手に入れましたか?」

「居酒屋さんで飲んでたらめぐみんとゆんゆんの仲間だろ?とか何とか言われて渡されたのよね。色んな人が違うのくれたわよ」

「結構流通してるってことですか、ぶっころりーは随分と苦労することになりますね」

 

魔道写真はそれなりに高いはずなのにみんなが簡単に渡すってことは、結構量産されたのは想像に固くない。

娯楽が少ないから、こう言うのが楽しみの一つになるのはよく分かるけども、広まるの早すぎでは無いかと思う。

撮影者と頒布者が一人じゃこんなことにはならない。

組織的な流通網ができてると見て間違いないだろう。

 

「どういうこと?」

「その写真は私の幼馴染が回収に来ると思うので、その時に渡してください。血眼になってカズマちゃんの写真を私のために集めてますから」

「もしかして調書を書いてたのって」

「つまりそういうことです」

 

アクアにしては鋭い。

いや、こう言う取引的なのはアクアが鋭い所でもあるか。

気付かれたくない所は鋭いし、その割に的外れなことを最後に言ってハラハラして安堵することもあるし、アクアは油断しちゃいけない。

 

「・・・めぐみんって大概アレよね」

「アレって何ですか、アレとは」

「カズマのことになると必死と言うか、変態じみてると言うか」

「私はカズマのことを気にかけてるだけですよ。変態じみてるとか言われるのは心外です」

 

多少やりすぎと言われても否定できないことをしたかもしれないけど、変態じみてるとかそこまでのことはしてないと思う。

アクアが私をどう思ってるのかとことん聞いてみたい。

 

「気にかけてる。ねえ?あっ、ダクネス丁度いい所に、ダクネスはどう思う?めぐみんのカズマへの必死さについて」

「いつもの事だから特に何も思っていないが、強いて言うなら過保護な母親というような印象があるな」

「年齢逆転してるじゃないですか。はぁ、もういいですよこの話は。カズマにだけと言うふうに見えてるかもしれませんが、仲間の誰であれ同じような状況なら同じことをしますよ私は、二人とも何ですかその目は」

 

疑われている。

怪訝な視線を向けられるような変なこと言ってないはずなのに。

どうもこちらに来てからあらぬ疑いをかけられ続けている気がする。

 

「私やアクアはともかく、ゆんゆんもか?」

「ゆんゆんには辛辣だものね」

「・・・ゆんゆん含めてに決まってるじゃないですか」

 

最初はカズマを待機させて、ゆんゆんを救出する方法を考えていたのだからちゃんと実績がある。

二人が私のゆんゆんに対する態度が冷たいと思っているのはよくわかった。

間違ってはいないけど、そこまでじゃないと思う。

 

「今の間怪しいわね」

「実際にことが起こって、私の行動を見れば分かりますよ」

「そんなことは起こらない方がいいのだがな」

 

ダクネスの言う通り、私が奔走するようなことがゆんゆんに起こることは望ましくない。

もちろんダクネスやアクア、カズマにも。

 

「何が起こらない方がいいんだ?」

 

振り向くとカズマが帰って来ていた。

 

「噂をすればね。カズマが色々と酷い目に遭ってるからそれのことよ」

「・・・俺、幸運値高いはずなんだけどな」

 

カズマの幸運値を覆う巻き込まれ体質。

たしか、アクアの幸運値の低さ由来のモノが多いとバニルが前に言ってた気がする。

でもここ最近はアクアと関係なく起こっているような……

 

「ゆんゆんはどうしたのだ?」

「ゆんゆんは、ぶっころりーに連れられてどっか行った。なんかめぐみんがどうのって話してたけど、めぐみん何か知ってるか?」

「何も知りません。そんなことより爆裂行きましょう」

 

多分、カズマの写真探しをゆんゆんが手伝うことになったのだろう。

コミュ障のゆんゆんを手伝う役にしたのは間違ってる気もするけど、一人じゃ到底集めきれない量なのは何となく想像がついてるから置いておこう。

それにここでこの話をしたらカズマに写真の存在がバレてしまう。

 

「へいへい。ササッと終わらせてササッと寝よう」

「嫌です。爆裂はじっくり楽しみます」

「じっくり?」

「私の見たてだと、カズマと二人きりの時間をじっくりとうわっ、めぐみん止めて!羽衣盗ろうとしないで!」

 

またカズマがヘタレモードになりかねない発言を!

事実とは言え非常に困る。

今度アクアにお酒を大量に渡して、言ってこないようにお願いしよう。

 

「・・・カズマ、気をつけてな。めぐみんのことよろしく頼む」

「ああ、ダクネスは駄女神をよろしく」

「なっ!誰が駄女神よ!」

 

この二人はこの二人で喧嘩しないと気が済まないのだろうか。

あるえとはまた違う形でいつも二人とも喧嘩してるし。

 

「お前だ!誰かに迷惑かけるような変なことするなよ。めぐみん早く行くぞ!」

「あっ、ちょっと待ってください!」

「待ちなさい!逃げるなんて卑怯よ!」

 

思ったよりカズマはアクアの発言に影響されてないのかもしれない。

ヘタレモードに入ってないのは、母の攻勢が主な原因だろう。

からかわれたことへの苛立ちの方が大きいように見える。

 

「ダクネスにお菓子渡してるからそれ食っとけ、まだ何か言いたいことあるか?」

「何も無いわ。めぐみんとじっくりイチャイチャしてきなさい」

「分かった。行ってくる」

「・・・ねえダクネス、おかしいわ。カズマが全然照れてないんですけど」

「めぐみんの家で色々あったのだろう」

「なるほどね」

 

概ねダクネスの言ってる通りだ。

カズマがある程度慣れてくれればこちらとしても積極策に出ても問題ないと思ってはいる。

カズマの照れてる所を見る機会が減るのは惜しいけれど。

 

「なあ、めぐみん」

「どうしました?」

「いっその事本当に付き合うか?」

「え?」

 

この男は急に何を言い出してるのだろうか?

本当に付き合う?

カズマがそんなこと言い出すだろうか?

あのヘタレなカズマが?

 

「冗談だ。俺は記憶失ってた頃のしおらしいめぐみんの方が好きだ」

「その喧嘩買おうじゃないか!・・・とその前に方がということは私のことも好きということになりますがいいですか?」

「そうだと言ったらどうする?」

「・・・へ?」

 

おかしい、カズマがこんなに攻めてくるなんて……

どうしよう、急なこと過ぎて何も出来ない。

 

「どうした?顔真っ赤だぞ?ははっ、めぐみんも照れることあるのな」

「んな!私のこと弄びましたね!」

「たまには逆があってもいいだろ」

 

こっちのカズマは何でこんなに攻勢に出てくるのだろうか。

慣れて無さすぎて、反応に困る。

 

「私がカズマのこと弄んでるみたいな言い草ですね」

「自覚なしか・・・」

「私はカズマに対して全力でぶつかってるだけです」

 

・・・あっ、これ要らないことを言ってしまった気がする。

現にさっきまでニヤニヤしてたのに、急にモジモジし始めた。

現実性が出てくると攻勢には出られないのかも知れない。

 

「・・・あのさ、前から聞こうと思ってたんだけどめぐみんって、うわっ!?」

「えっ?」

 

突如カズマが視界から消えた。

そして、再び視界に入った時にはシルビアに拘束されていた。

どうしてこうなった!

 

「この子は貰っていくわ!お嬢ちゃん、今手出ししたらこの子のこと食べちゃうからね」

「なっ!何が目的ですか!」

「新しく古代文字の石碑を見つけたのよ。そこに解除方法が書いてあるかもしれない」

「離せ!俺はめぐみんと……」

 

シルビアはカズマを胸の中に埋めて話せなくした。

私には出来ないことをやってるのがズルい……

ってそんなこと考えてる場合じゃない!

 

「あらあら、やっぱり二人はそういう関係なのね。一つだけ言っておくわ。解除が出来ようとできまいとこの子はちゃんと古代文字の解読が終わり次第解放するわ。それと解除できた時あなた達のパーティーと家族だけは見逃してあげる」

「つまり他の同胞の命はないと」

 

前回も紅魔族に対して、恨みを積もらせていたから根絶やしにする気だと思う。

紅魔族の一人として、絶対に飲む訳にはいかない。

 

「ええ、そうよ」

「そんなこと言われて黙って見ているとでも?」

「私の邪魔をすればさっきの話も無くなるけどいいのかしら?」

「・・・」

「お利口さんね。あなたは家で待ってなさい。送り届けてあげるから」

 

またしてもカズマを連れ去られてしまった。

こんなことなら中級魔法を覚えていれば……

 

「ふぅ、危なかった。めぐみん爆裂行こうぜ」

「・・・え?」

「敵感知で気付いてたからスクロール使って俺の人形出して、姿消してた」

 

またしても何も出来ずにカズマが連れて行かれたと落ち込んでいたのに、急にその本人が出てきた。

何が起こってるんだろうか。

スクロール?

しかも自分の体を型どった人形を出すってどういうことなのだろう?

 

「・・・そのスクロールは何処で?」

「ウィズ預かる時にバニルからな」

「バニルですか、なら納得です」

 

バニルの名前が出てくると腑に落ちる。

カズマの敵感知では避けるくらいだろうけど、その後の対処が今のカズマに出来るレベルの芸当じゃないし、スクロールにせよ、どのタイミングで手に入れたのかが全く分からない。

なぜならスクロールを用意出来るのはこの事態を予見していないと出来ない。

 

「その内使うことになるって聞いてたからここだろうって思ってさ」

「無事で良かったです」

「心配かけたな。そういえばこれ、クリスから渡すように言われてたんだよな。何書いてあるか知らないけど渡しといて欲しいって」

「何故今なんですか?後、バニルじゃなくてクリス?」

 

クリスが私に何を伝えたいのだろうか。

そもそも何処でクリスから手紙を預かったのだろうか?

アクセルにいる時なら私に直接渡せばいいし、その後はクリスと会うタイミングがないと思う。

 

「タイミングは里に着いてから俺が連れ去られるような事態が起こった時にって言うよく分からないタイミングをクリスが指定して来たからな。あと、クリスとはアルカンレティアで会ってたし、何なら神器回収させられてたからな」

「・・・あの時ですか」

 

アルカンレティアで、カズマが居なかった日が一日だけあった。

最初はアクアに連れられて行ったと思っていたし、アクアが宿にいたことを知った後は、単に飲みに行ったと思っていたのに。

次の日疲れていたのが、二日酔いだと思っていたけど、義賊の活動をさせられていたとは……

 

「これ渡すタイミングが来るまでは会ったことを誰にも言っちゃダメって言われたんだよな。あと、めぐみんがその手紙読む時は俺一緒にいちゃダメだってさ」

「そうですか。じゃあ、ちょっと向こうの方見ててください。今読むので」

 

封を開けると三枚の手紙が入っていた。

一枚はクリスの字だった。

でも残りは筆跡が全く違う。

そして、私の知ってる人物で、今最も近くにいる人物の、私が最も見てきた字で書かれている。

何が起こっているのだろう?

カズマは中身を知らないと言ってたのに、カズマの書いた手紙が出てくるなんてことがあるのだろうか?

しかも、中身を知らないと言ってたカズマの言い方や、今、こっちをチラチラ見て内容を知りたそうにしてることからして、知らないのは事実だろう。

これは一体どういうことなのだろう。




次回は、めぐみん宛の手紙の差出人が分かります。
今回から原点回帰してこのシリーズをメインに投稿して行こうと思います。他のシリーズはローテーション隔週投稿で、例としては●●→恋愛→●●→平行→●●→幼馴染→●●的な感じで行こうと考えています。
ということで、次回更新は他のシリーズになります。
カズめぐはしてます。

カズマさんの誕生日話は誰視点が良いかについて

  • カズマ視点(天界)
  • カズマ視点(討伐後)
  • ヒロインズの誰か視点(天界)
  • ヒロインズの誰か視点(討伐後)

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