この素晴らしい世界に●●を!めぐみんのターン   作:めむみん

70 / 76
何とか週一投稿を維持できてます。
今回は手紙の内容が明らかになります。
が、後から内容を編集するかもしれません。


手紙の差出人は?

シルビアにカズマが連れ去られたと思ったら、バニルの入れ知恵でそれは防がれていた。

そんな中、カズマにアルカンレティアでクリスと会っていたとか、神器回収していたとか、伝言を頼まれたとか理解が追いつかないことが続いている。

カズマから渡されたクリスからの封筒に入っていた手紙は筆跡が二種類ある、一番上にクリスの手紙があったので、とりあえずをまず読むことにした。

 

めぐみんへ

伝えることが多いから挨拶は省略するよ。まずはカズマくんを勝手に借りてごめんね。訳あってめぐみんに伝えるタイミングはこっちで決めさせて貰ったよ。今頃は紅魔の里の様子が少し違っていることに気付いてるんじゃないかな?だからこそこの手紙を書くことになったし、カズマくんを借りることにもなったと言ったら許してくれるかな?

ええ、ここからは女神エリスとして書きます。先程も記述した紅魔の里以外、アクセルでめぐみんさんの記憶と異なることがいくつか存在していると思います。その原因は、めぐみんさんの転生は過去に戻すのではなく、限りなく環境の近い世界かつめぐみんさんが産まれなかった世界に転生させるものでした。この件について、まずお詫び申し上げます。と言っても私はこの話をめぐみんさんのいた世界の私から聞くまで知らなかったので、クリスとして、めぐみんさんに突然活動のことを言い当てられた時は驚きましたよ。めぐみんさん、

神の名のもとに命じます。魔王軍幹部討伐シルビアを討伐せよ。なんちゃって。事後をよろしくお願いします。

追伸(エリス)

この手紙と同封の手紙は焼却してください。同封された物はめぐみんさんのいた世界のカズマさんからの手紙です。

 

追伸(クリス)

依頼されてた女性関係の調査について、みんなめぐみんを理由にカズマはないって言うから気にしなくて大丈夫だと思う。一応調査内容としては、ゆんゆんとカズマくんの仲がちょっと怪しいけど、友人の域は出てないかなくらいだったよ。あたしのことは気にしないでね。

 

クリス・エリスより

 

過去ではなく似た世界……

だからレールガンが見つからないのか……

そう言えば転生する時エリス様の目が泳いでいたような。

しかし、私の居た世界のカズマ?

神様になって人格が無くなったとエリス様が言ってたカズマ?

人格が無くなっても筆跡は同じだったとか?

それにカズマ周辺の女性関係の調査内容も気になる。

いやでも、二重人格者は筆跡が異なると図書館の本で読んだことがあるし……

・・・とりあえず、読んでみよう。

そして、書き出しを読んでみて私は驚いた。

そこには更新されていた。

 

愛しのめぐみんへ

愛しのめぐみん?

カズマがこんな書き出しするとは思えない。

やっぱり神様になって記憶だけあるから気を使ってくれたとか?

とにかく続きを読んでみよう。

 

現状は女神エリスからの手紙で少し把握していることだろう。君は過去に戻ったのではなく、限りなく元の世界に近い別の世界に飛ばされた。別の世界である以上、元の世界とは異なる現象や物がある。ある程度は前の世界での記憶を扱っても良いが、過信しすぎるとパーティーが全滅する可能性すらある。今回のシルビア戦は問題ないと思われるが念の為、魔力を込めて物理攻撃に変換する神器をサトウカズマに渡している。これは一度使うと使えなくなる代物だ。

そろそろ、筆跡から私がサトウカズマだと、長年私と暮らしていた君ならもう分かっているはずだ。それと同時にこの手紙を誰が書いたのか君は気になっていることだろう。何故なら女神エリスよりサトウカズマの人格は破綻したと聞いているからだ。加えて少なくとも目の前にいるサトウカズマではないと気付いているはずだ、それは正しい。そして、私はそちらの世界には存在しない。

さて、私は誰なのか。

答えは二枚目を見たまえ。

 

文体からして、カズマじゃないし、私のことを君なんて手紙で書かれたことも無い。

でも筆跡だけはカズマなのがとても気味が悪い。

記憶だけは残っていると聞いていたし、神となったカズマが私宛に書いてくれたのだらうか?

それにしても、答えと言われても何処にもヒントがないのに、どうやって当てればいいのか……

こうなったら正体を確かめずには居られない。

そう思って、二枚目を読み始める。

 

さて、これを読んでいる君はとても不思議な気分になっているだろう。私が誰か必死に考えていたことだろう。その不思議を全てここで解消しよう。

私は今、後悔している。

だって、めぐみん居ない生活とか耐えられないし、どんどんブラックな仕事させられるし、別の世界のめぐみんと会うことになるし、しかも良い感じになった所で元に戻されるし、本来の世界線の俺はそこでイチャイチャしてるし、めぐみんはめぐみんで第二の人生を俺とイチャイチャして過ごしてるとか言うじゃん?やってらんねえよ。俺もめぐみんとイチャイチャしたい!それにゆんゆんが仲間にいるのはずるい!こちとらアクアに扱き使われてるのに!

 

急に何なのだろうかこれは。

めちゃくちゃカズマだ。

紛うことなきカズマ。

まさか一枚目のはただただ遊ばれてたとか?

・・・ありえる、カズマなら十分にありえる。

生前、手紙でもここまで熱烈にイチャイチャしたいだの、私が居ないと辛いとか聞いたことがない。

ゆんゆんがいることをずるいと言ってるのは、見なかったことにしよう。

 

と愚痴はここまでにして、とりあえず、エリス様が言ってた俺が神になったとかのくだりは嘘だから。俺が自分のケジメのために天界に残ってたから、めぐみんをそれに巻き込みたくなかったんだ。これ自体は正しかったと思ってるけど、めぐみん成分足りなくて禁断症状出てくるとか予想外だった。いやあ、死後にめぐみんの言ってたカズマ成分の補充とやらの意味をよく理解した。うん。生前も何となく理解はしてたけど、実体験として渇望するレベル分からさせられた。めぐみん、愛してる。そっちの俺のこともよろしく頼む。あと、そっちでの一生が終わったら会いに来て欲しい。

 

追伸

アクアいるけど、寂しい。めぐみんが来たらアクア唆して、ダクネスもこっちに連れてこようぜ。

 

サトウカズマより

 

何なのだろうこの手紙は。

私に対して一方的に思いの丈をぶつけてくるのは卑怯だと思う。

こんな手紙貰ったら何が何でもまた魔王を倒して、カズマに会いに行かなきゃならなくなる。

こういうことは生前に面と向かって言って欲しい。

・・・でも、まあ、カズマがクリスを通して私に伝えたかったことはよく分かった。

多少違うことがあっても私の行動が招いたことくらいにしか認識していなかったけど、実際に異なる点も存在しているというか、そもそも別の世界だったのか。

そう言えば転生出来るか確認して戻ってきたエリス様の目が若干泳いでた気がする。アレは過去に戻る訳じゃないないのに過去に戻れると嘘をついていたからか。

 

「おーい、めぐみんまだか?」

「もういいですよ。これ燃やしちゃってください」

「分かった、『ティンダー』。何だったんだその内容?」

 

クリスから聞いていたのか特に驚きもせず、焼却処分してくれた。

内容は全く知らないようだけど、と言うか気分の上がる手紙がしかもここのカズマじゃないカズマが書いてくれたせいで、色々と昂って来ているから困る。

今私の部屋に閉じ込められたらこれまでの努力とかかなぐり捨てて、押し倒してもおかしくないレベルに。

 

「カズマが回収した神器の使い方です。シルビア倒すのに使えそうですね」

「なんで燃やす必要あったんだ?クリスにも燃やすように言われたけど」

「カズマについて調べて貰った内容もあるので」

 

嘘では無いが、メインの理由では無いことを言っておこう。

これ自体見られると私がカズマのことを好きだと露呈してしまうのだから、燃やす理由にはなる。

ただ、私が人生二回目ということの方が今は絶対話す訳にはいかない。

 

「俺について?」

「カズマがもし後輩ちゃん達の中で、もし付き合っていそうとか好き同士なら教えて欲しいと」

「いねえよ!てか何調べさせてんだよ」

「もしもの時に私達は実際に付き合ってませんよと言って置かないとなので」

 

言っておくのは、私がカズマとデートする仲で、混浴・同衾をほぼ毎日していたと言うこと。

それと私のカズマに手を出す覚悟があるのかと問いただしたい所ではあるけれど、みんなそこに行くまでに、すみませんでした!って言っていなくなる。

 

「それでどうぞご自由にってか?」

「いえ、私の爆裂道を邪魔する覚悟があるのかって詰めます」

「・・・なあ、俺がモテないのめぐみんのせいじゃないよな?」

 

否定できない所か、積極的に相手を潰しに行ってるのだから、仰る通り。

まあ、そんな話をするつもりはないが。

こちらのカズマは女たらしが過ぎる。

まだそこまでお金に余裕があるからとか、そう言う目先の利益の為に人が集まる程じゃないはずなのに、新人冒険者の特に女性冒険者は漏れなくカズマに声をかけている。

私がいる時は避けるようにとの情報も出回ってるのか、カズマが一人の時に声を掛ける連中まで出てきていて困っている。

 

「・・・その時は私が責任取りますから」

「おい、割と真面目にお前が俺のモテ期壊してたりしないよな?」

「フラグ立ちそうな女の人がいたらとりあえず、カズマとよくデートしてる者ですがって声掛けてるだけですよ。みんなそれ聞くと逃げていくんですよね」

「それ完全にフラグ折りに行ってんだろ……」

 

あまりつかかって来ないあたり、私がわざとやってる訳ではないと思ってくれたらしい。

もちろんわざとやっているし、効果は抜群である。

さっきの挙げたような新人冒険者がいる時にわざとカズマに引っ付いたり、直接カズマは私の男だと言いに行ったりしている。

それこそカズマが言うように、モテ期の可能性は全て排除している。

 

「私はカズマについて語ってあげようと思ってですね」

「はぁ、分かった。はい、これがクリスと回収した銃な」

「小さいですね」

 

カズマが渡してきたのは、確か、カズマが拳銃と言っていた武器だ。

レールガンのようなデカブツではない。

本当にこれがレールガンの代わりになるのだろうか?

 

「大きいの想像してたか?」

「大砲を少し小さくしたものと書いてあったので、拍子抜けです」

「まあ、俺もこれで魔王軍幹部倒せるのかなとは思ってる」

「とりあえずやってみるしかありませんね」

 

少なくともカズマがこれを仕組んだことなのだから、成功性については全く疑っていない。

どちらかと言うと今後の立ち回りをどうして行こうかの方を考えている。

カズマがわざわざ知らせてくれたと言うことは、何処かで私の知識が致命的なミスに繋がる可能性が高いのだろうから。

どの知識が違うのか全く書いてくれてないのは、こっちでカズマと暮らしてる私への嫌がらせなのだろうか?

それともカズマも知らないのか……

何にせよ、今後は記憶を過信しないようにしなければいけない。

 

「カズマ、早く爆裂しに行きましょう。気付かれる前に」

「そうだな。早く終わらせて魔王軍幹部倒す準備しないと」

「はい、行きましょう」

 

今は誰にも見られずに銃に爆裂魔法を込めて準備しないと。

こっちでは、カズマやダクネスに私の為に戦って貰うようなことが起こらないようにしないと。

 

「爆裂散歩のことなんだけど、アクセル帰ったらちょっとの間ゆんゆんに代わって貰ってもいいか?ゆんゆんには話つけてある」

「用事があるなら構いませんよ。どのくらいの期間ですか?」

「一週間くらい」

 

あの手紙から類推するにクリスとダンジョンか、義賊の活動かのどちらかだろう、

そして、私が着いて来たがらないように内容を伏せていると。

伏せられると逆に行きたくなる所ではあるけど、そんな我儘を言える立場に今は無いのだから仕方ない。

 

「そうですか。でも、カズマじゃないと満足出来なくなってるので、延長は認めませんよ」

「助かる。その言い方いつもだけどもうちょっと何とかならないのか?延長はないから安心してくれ、てか何するか聞かないのか?分かってるからか?」

 

二人きりなのに何を気にしているのだろうか。

それに周りから付き合ってる二人だとか言われてるのだから、今更気にするようなことでは無いと思っていたのに。

 

「何をするかは知りませんよ。ただ、クリスが関わってそうだとは思ってます。あと、嘘は言ってませんからね」

「バレてたか、まあ、これで何するか分かったか。はぁ……」

 

ため息をつかれてしまった。

カズマは私との関係を勘違いされるのは嫌なのかもしれない。

そうなると私としてはあまり好ましくない状況にある気がする。

カズマが私と恋人だと思われたくないと考えていないことは某サービスのおかげでよく理解している。

それでもカズマの中で引っかかるモノがあるのは間違いない。

それをとっぱらわないとカズマからの告白は望めないかもしれない。

 

「気を付けてくださいね?」

「ああ、ちゃんと戻ってきて、めぐみん満足させないとだしな」

「殊勝な心がけですね。何も出ませんよ?」

「何も期待してねえよ。それより早く行くぞ」

 

少なくとも私との今の関係をカズマは良しとしている。

でも、ここ最近カズマが私の事どう考えてるのか分からない節がよくある。

はぁ、早くアクセルに帰ってロリーサに調査依頼したい。

その前にシルビアを倒さなければならないのは、気が遠くなる。

カズマもまだこの銃がどういうものか理解してないし、私の爆裂魔法が吸い込まれるのを見て驚く所を見るのが楽しみだ。




ようやく天界編の話と繋げることできました。
ただ出来に納得いってない所もあるので、前書きに書いた通りまた編集し直すかもです。
次回、レールガン代わりのピストルが火を噴くかもしれません。

次の更新はカズめぐか幼馴染ちゃんです。

カズマさんの誕生日話は誰視点が良いかについて

  • カズマ視点(天界)
  • カズマ視点(討伐後)
  • ヒロインズの誰か視点(天界)
  • ヒロインズの誰か視点(討伐後)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。