言い訳をさせてもらうと文化祭準備で予想以上に忙しかったんです。
今回もカズマ視点ありです。
*加筆及び修正をしました(1/4)
-TYOUHATUNOISSYUUKAN-
私達は今微妙な雰囲気になっている。
何故なら・・・
「魔王の幹部ねえ。物騒な話だな。まあ俺達には縁のない話だよな」
「そうだな。そうに違えねえ」
カズマが他のパーティーの人と楽しそうに情報交換をしているのを見ている私達。
いつも以上に楽しそうな所を見るとやっぱり胸が苦しくなってくる。
「あとは街の北の外れの廃城には近付かない事だな。何でこんな辺境に来たのか知らないけど、幹部ってんだからヴァンパイアやアークデーモンなんかなんだろうな。何にしても、取り敢えずは廃城近くのクエストは、しばらく受けないのが無難だな」
そこで話が終わり、カズマは話していた男に礼をしてこちらに戻ってきた。
「・・・どうした?俺をそんな変な目で見て」
カズマからすれば何の事かさっぱり分からない事だろう。
「別にー?カズマが他のパーティーに入っちゃわないかなんて心配してないし」
「?いや、情報収集は冒険の基本だろ」
そう言ってテーブルの上の野菜スティックに手を伸ばすカズマだったが、軽やかに避けられてしまった。
「カズマ何やってんの?」
隠し事の下手なツンデレ駄女神が、普通に食べているのを悔しそうに見ている。
「カズマさん楽しそうでしたね。随分と親しそうでしたし」
ぼっちを拗らした可哀想な子が、簡単に食べているのを見て、何かに気付いたようだ。
「何だこの感覚は?カズマが他所のパーティーで仲良くしているのを見ていると、もやもやする反面、新たな快感が・・・。もしや、これが噂の寝取られ・・・?」
頭の中が年がら年中、お花畑な変態の食べ方を見て、確信が持てたようで行動に移すカズマ。
「どうしたお前ら。さっきも言ったが情報収集は、冒険の基本だろうが・・・」
見事に野菜スティックに避けられ、顔を真っ赤にさせたカズマは、叫び出した。
「だあああらっしゃあああああ!」
野菜スティックの入ったコップを取り、地面に叩きつけようとして、涙目のアクアに止められていた。
「や、やめてええ!私の野菜スティックに何すんのよ!食べ物を粗末にするのはいくない!」
それでも怒りは治まらないらしく。
「野菜如きに舐められてたまるか!てか何でこいつら逃げんだよ。ちゃんと仕留めたのを出せよ」
「カズマさん知らないんですか?これは踊り食いと言って、最近この街で流行ってるやつですよ」
悪気のないゆんゆんに説明され、カズマの心が傷ついた。
「あ、そうなんだ。教えてくれてありがとな・・・」
「えっと、カズマさん?私何かしましたか?」
急に暗くなったカズマにゆんゆんは困惑している様だ。
「いや、別にそう言うのじゃなくて・・・」
このままだと話が進みそうにないので。
「カズマ、どうぞ。それでどんな情報を得られたのですか?」
「あ、ありがとう。えっと、最近近くに魔王軍の幹部が来たらしいって事だな」
「魔王軍の幹部?それは本当か?」
ダクネスが一番気にしているようだった。
「まあ、そうらしいって話だから真偽までは分かんねえけど、取り敢えず気を付けた方がいいって話だ」
「そうか、ならいい」
多分貴族として見過ごせないのだろう。
「話は変わるけどさ。レベルが上がったから、次に覚えるスキルをどうしようかなって思ってるんだけど、みんなはどんなスキルを覚えてるんだ?」
前の時とは違う聞き方だ。
やはりゆんゆんのおかげでクエストがなんとかなっているからだろう。
「私は中級魔法と魔法威力上昇や高速詠唱などの補助スキルですね、スキルポイントが貯まれば上級魔法を覚えようと思っています」
「そうか、それは後に期待だな。めぐみんは爆裂魔法でゆんゆんと同じ感じか?」
「そうですね。違うのは、私が覚えているのが爆発系魔法威力上昇という事ぐらいですかね。最高の爆裂魔法を放つためのスキル振りをしてますので」
魔法使いとして当然だ。
「私は『物理耐性』と『魔法耐性』、各種『状態異常耐性』で占めているな。あとは囮スキルのデコイだな」
「・・・『両手剣』のスキルとか覚えて、武器の命中率あげようとか思わないか?」
困った顔で無理を承知でカズマは尋ねた。
「思わない。言っては何だが、体力と筋力はある。だから攻撃が当たるようになってしまうと、無傷でモンスターを倒す事になる。かと言って手加減するのもまた違うのだ。こう・・・、必死に踠くが、力及ばず圧倒されるのが気持ちいい」
ここのダクネスも、もう手遅れだ。
「もういい!お前は黙ってろ!」
「・・・んんっ!自分から聞いておいてこの仕打ち!」
お嬢様はいつであってもブレない。
「わ、私は花鳥ふ・・・。」
「お前はいい!」
「ええっ!」
アクアも話そうとしたが、始めに宴会芸スキルを言おうとしたので遮られて、落ち込んでしまった。
「なんで変なスキル振りしてるんだよ。めぐみんとゆんゆんの三人で本当に移籍を・・・」
「「「「!?」」」」
アクアとダクネスが焦燥感を漂わせる。
一方、ゆんゆんは自分も選ばれていたからか、少し嬉しそうにしていた。
私は前回言われている側だったからそこに驚いていた。
ゆんゆんには感謝しかない。
直接は言わないけど。
キャベツ狩りから数日経ち、穫れたキャベツが大方売れて、冒険者にその報酬が支払われていた。
そこにダクネスが修理した鎧を身につけてやって来た。
「カズマ、ゆんゆん、見てくれ。報酬が良かったから鎧を修理してもらったのだが、どう思う?」
俺は正直な感想を言う事にした。
「なんか、成金趣味の貴族のボンボンみたいだな」
「えっと、私は似合ってると思いますよ」
ゆんゆんのあの間からすると多分同じ事を考えていたのだろう。
「ゆんゆん、ありがとう。その、カズマはどんな時でも容赦がないな。私だって素直に褒めて欲しい時もあるのだが」
ダクネスが珍しくちょっとへこんだ顔で言ってくる。
思った事言っただけなんだけどな。
そんな事より。
「今はお前よりも酷いのがいるから、構ってやる余裕はないぞ。なあ、ゆんゆんあれどうにかならないのか?」
「ハア・・・ハア・・・。た、たまらないです!魔力溢れるマナタイト製のこの杖の色艶・・・。ハア・・・ハア・・・ッ!」
めぐみんは新調した杖に頬ずりしていて、その様は変態と言っても過言ではなく、これまでのめぐみんに対する俺のイメージが崩れた。
なんでも、純度の高いマナタイト製の杖を使うと爆裂魔法の威力が何割か増すらしい。
ただめぐみんがまさかこんな風になるとは思ってもみなかったから、正直対応に困っている。
「あれはもう放っておく方が良いと思います」
「そうだな。俺も正直、今のめぐみんに関わりたくないし」
因みに俺とゆんゆんは換金は済ませたが、特にいる物もないので貯金する事にした。
現在アクアの換金待ちなのだが、アクアは俺の次に多く収穫している。
これを見越して、今回の報酬は各々の物にしようと言い出しただろうが。
「なんですってえええ!ちょっとあんたどういう事よ!」
ギルドの受付で、案の定アクアは揉めていた。
頼むから面倒事を起こさないでくれ。
受付のお姉さんの胸ぐらを掴んでなにやらいちゃもん付けている。
「なんで五万ぽっちなのよ!どれだけ捕まえたと思ってんの!」
「それが申し上げ難いのですが・・・」
「何よ!」
「・・・アクアさんの捕まえてきた殆どがレタスでして・・・」
「・・・・・・なんでレタスが混じってんのよー!」
「私に言われましても!」
受付のお姉さんは泣きそうになってた。
それにしても、レタスも飛ぶんだなこの世界。
アクアが諦めたのか、にこやかな笑顔でこちらに向かってくる。
「カーズーマさん。今回の報酬はおいくら万円?」
「百万ちょい」
「「「ひゃっ!?」」」
アクアとダクネス、ゆんゆんが絶句する。
そう、俺は降って湧いたこのクエストで、いきなり小金持ちになりました。
俺の収穫したキャベツはどれも、質のいい、経験値の多く詰まった物だったらしい。
これも幸運値の差というやつか。
「カズマ様!前から思ってたんだけど、あなたってその、そこはかとなくいい感じよね」
「褒める所が思い浮かばないなら無理すんな!そもそもお前が『今回の報酬はそれぞれが手に入れたものをそのままに』って言い出したんだから俺はなにもしないぞ」
自業自得だ。
こいつにはこれくらい痛い目に遭わせないと分からないだろうから、丁度いい。
「お願いよおおお!私、クエスト報酬が相当な額になるって踏んで、お金全部使っちゃったんですけど!ていうかここの酒場に十万近いツケまであるんですけど!!今回の報酬じゃ、足りないんですけど!」
喚くアクアが控え目に言ってうっとおしい。
「諦めが悪いな。自業自得だろ。それに俺は、この金で家を買うつもりだからな!金は渡さないからな!」
これで観念しただろう。
「そんなあああ!カズマ、お願いよ、お金貸して!ツケ払う分だけでいいから!そりゃあカズマも男の子だし夜中にゴソゴソしてるのは知ってるから、早くプライベートな空間が欲しいのは分かるけど!五万!五万でいいからお願いよー!」
「よーし分かった。五万でも十万でもやるから、一旦黙ろか!」
なんて事言ってくれてんだこいつ!
もうちょっと声が大きかったら聞こえてたじゃねえか。
「カズマさん、ありがとうね。やっぱり持つべきは仲間よね」
上機嫌でツケを返しに行くアクアを見て、何でこんな駄女神を選んだのか今更ながらに後悔した。
「カズマ、早速クエストを受けましょう!それも雑魚がいっぱい出るヤツです。新調したこの杖を早く試すのです!」
ああ、早く爆裂魔法を放ちたい!
「まあ俺も試したいスキルがあるし、今日は無難なクエストにしよう」
「私はそれで大丈夫です」
カズマとゆんゆんの賛同は得られたから、レッツ爆裂!
「いいえ、ここはお金になるクエストをやりましょう。ツケを払ったから今日のご飯代もないの!」
「いや、ここは強敵を狙うべきだ!一撃が重くて気持ちいい、凄いモンスターを・・・」
そうですよね。
知ってました。
「取り敢えず、掲示板を見てから決めようぜ」
カズマ、ナイス。
あとは多数決で選べばなんとかなる。
「・・・あれっ?依頼が殆どないじゃないか」
いつもは下の依頼が見えなくなるほどに貼ってある依頼の紙。
それが数枚しかない。
しかも、
「カズマ!これだ!これにしよう。山に出没するブラックファングと呼ばれる巨大熊の討伐を・・・」
「却下だ却下!そんなの受けたら俺とゆんゆん、あとめぐみんは即死だ!てか、何だよこれ!高難易度のクエストしか残ってないぞ!」
カズマの言っている事は正しいのだが、私がついでなのが残念でしかたない。
「申し訳ありません。最近、魔王軍の幹部らしき者が、街の近くの小城に住み着きまして・・・。その影響か、この近辺の弱いモンスターが隠れてしまい、依頼が激減しております。なので魔王軍幹部の討伐の為の騎士団が派遣されるまでは、そこに残っているクエストしか受けられない状態でして」
あっ、ベルディアの事を忘れていた。
申し訳なさそうな職員の言葉に、エリス無しのアクアが悲鳴を挙げた。
「なんでよおおおおお!」
流石に可哀想だったので、今日の昼食代をあげた。
「つまり、討伐隊が王都から来る来月までは、ずっとこのままなんだよな」
「そう言う事です。実はこの間、丁度いい廃城を見つけたので、そこに行きましょう」
私の昂っていた爆裂欲を妨害した恨み晴らしてやる。
「そこまでは、どれ位かかるんだ?もうこの辺でよくないか?」
最近、カズマの怠け癖が出てきたと思う。
「あと少しなので我慢して下さい。それに、ここら辺だと、また守衛さんに叱られてしまいます」
「今、またって言ったよな?前に怒られた事があるのか?」
「はい、音が騒がしくて、迷惑だからできるだけ離れた所でやってくれと」
「分かったよ。ならそこまで行こう」
そうこうしているうちに、ベルディアの住む廃城が見えてきた。
「あれか。薄気味悪いなあ、お化けとか出そうだ」
カズマは少し身震いしていた。
「あの城が無くなるまではここでしていいですか?」
「いいぞ、場所探さなくて済むしな」
「では、始めますね」
『エクスプロージョン!』
「今日のは気合いが入ってるな。だけどその所為でちょっとまとまりが無くなって、音が良くなかったから八十六点ぐらいだ」
「うっ・・・流石カズマ。悔しいですが、的確な採点です」
やっぱり、爆裂魔法にはカズマの採点は不可欠だ。
「まあ一応爆裂ソムリエだからな。じゃあ帰るぞ」
こうしてベルディアへの嫌がらせが始まった。
ダクネスは筋トレをするという事で自宅へ、ゆんゆんは早く上級魔法を覚えるために修行へ行き、アクアは生活費確保のためにバイトをしている。
二日目
「あの城、直ってないか?」
「そうですか?変わっていないと思いますよ。気の所為じゃないですか?」
爆裂した後のままだと思う。
「多分そうだな。勝手に城が直る訳ないし」
「そう言う事です。準備が出来たので採点お願いします」
『ロージョン!』
「うん、豪快な爆音、それでいて心地いいこの風、そして城の四分の一を破壊し尽くすこの威力、今日のは92点って所だな」
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
ステータスが引き継がれているおかげで城の破壊が予想以上に進んでいる。
「二日後には半分くらい無くなりそうだな」
破壊力が高くなっていたおかげで、以前は殆ど壊れなかったが、一割は破壊できている。
「そうですね。あれを破壊し尽くした時の快感は凄いものでしょう!」
今日もセクハラされながら帰路についた。
こういう所は変わらないようだ。
三日目
「「ばっくれつ♪ばっくれつ♪らんらんら〜ん♪ばっくれつ♪ばっくれつ♪らんらんら〜ん♪」」
『ン!』
「今日のは破壊音がイマイチだったけど、この暑さに涼しい風を作ってくれたから90点かな」
「昨日より下がってしまいましたか。次こそは百点を取ってやりますよ!」
「地面とキスしてなきゃもっと良いのに」
四日目
「さあ爆裂散歩に行きま・・・」
『緊急!緊急!冒険者の皆さんは、武装し、速やかに正門に集まってください!繰り返します・・・』
「・・・無理そうだな。とりあえず正門に行こうぜ」
「・・・そうですね。早く行きましょう」
アナウンスが前回よりも焦っているような感じがするが気の所為だろうか?
「あ、来たわね。二人共。ゆんゆん以外はこれで揃ったわ」
「何があったんだ?」
「それが、魔王軍の幹部が来たのだ。まだ戦闘にはなっていないがな」
初心者だらけのこの街に魔王軍幹部が来るとか、ふざけるのもいい加減にして欲しい。
「まさか最近噂のやつか?」
「多分そうだろう。ほらあそこに」
「・・・俺は、つい先日、この街の近くに越してきた魔王軍の幹部の者だが・・・・・・」
アクアが急に飛び出そうとしたから、慌てて周りの冒険者に止められていた。
昨日、バイトで店長に激怒されたって泣き叫んでたし、その原因が現れたから文句が言いたかったのだろう。
まあ、その幹部はアクアには気付いてないみたいだけど。
「ままま、毎日毎日!俺の城に爆裂魔法を欠かさず撃ってくる、頭のおかしい大馬鹿者は、誰だあああああっ!」
魔王の幹部は、それはもうお怒りだった。
我慢の限界といった感じで、わなわなとしながら叫んだ事で、周りの冒険者がざわつき始めた。
それにみんな、何が起こっているのか理解出来ていない。
取り敢えず、爆裂魔法を使えるめぐみんに視線がいく。
「・・・」
当の本人は表情一つ変えずに黙ったまま、前に歩き出し、その前にいた冒険者達は王様が通るかのようにサッと道を開けた。
そして俺達はめぐみんの後に続いて行った。
「お前が!お前が、毎日毎日俺の城に爆裂魔法を撃ちに来る大馬鹿者か!俺の事を知っていてやっているなら、堂々と戦いに来るがいい!その気がないなら街で震えていろ!この街の冒険者は皆低レベルだと思って放置しておれば、調子に乗って毎日ポンポンポンポン・・・頭おかしいんじゃないか、貴様っ!」
デュラハンは相当頭に来ているようで、軽く興奮状態にある。
ダクネスがいつもしてるのとは違うやつだ。
ここ重要だからな。
めぐみんはそんな中、動じる事もなく、マントを翻し・・・
「我が名はめぐみん。アークウィザードにして、爆裂魔法を操りし者!」
「・・・めぐみんって何だ?バカにしてんのか?」
「ち、違わい!」
そりゃそう思うよな。
俺だってアクアの説明がなかったら初めて会った時に、冷やかしかなんかだと思っただろう。
それに今は慣れたけどめぐみんって呼びにくいんだよな。
愛称みたいな感じで。
まあこれは日本人しか感じないかもだけど。
「我は紅魔族にして、この街随一の魔法使い!我が魔法による被害に焦ってやって来た事は分かっています。こうしてノコノコ、この街にやって来たのが運の尽きです」
「流石めぐみんね。しっかり考えてるわ」
「・・・その割には足が震えてる気がするんだが」
「うむ、それにサラッとこの街随一の魔法使いを名乗っているしな」
「しーっ!今いい所なんだから黙っててあげて。ここは様子を見るのよ」
めぐみんは大丈夫だろうか?
まだ爆裂魔法を撃ってないとはいえ、相手は魔王軍幹部だ、一筋縄にはいかないだろう。
「・・・なるほど、紅魔の者か。そのイカれた名前にも納得がいく。俺をバカにしていた訳ではないのだな。あと、あ焦って来たわけではないぞ!」
なるほど、焦って来たのか。
このデュラハン。
「おい、両親から貰った私の名に文句があるなら聞こうじゃないか!」
めぐみんもデュラハン並に怒ってる気がする。
てか静かに詠唱始めてるし。
「・・・・・・フン。まあいい。俺はお前らに用はない。もし今後爆裂魔法を撃ちに来ないと言うならば、この街には危害をくわえな・・・」
「我が名をバカにした事、後悔するがいい!『エクスプロージョン』」
めぐみんの怒りの一撃は、直撃こそしなかったが相当ダメージは与えられたようで、デュラハンは倒れ込んでいる。
「貴様っ!話の途中で攻撃するとはふざけているのか!」
「ふざけているのはそちらです!人の事を頭おかしいだの、イカれた名前だの言われて怒るのは当然です!」
いや、確かにそうだけども。
それで攻撃するなよ。
「くっ!そっちがそう出るならば、こちらにも考えがある。・・・なぜ倒れたままなのだ?」
「それをあなたに教える義理はありません!あっ、ありがとうございます、カズマ。後の事は頼みます」
「はあー、まあそうなるよな」
「ほう、魔力切れか。ふっ、丁度いい」
デュラハンは不敵に笑いこう告げた。
「汝に死の宣告を!貴様は一週間後に死ぬ!」
やばい避けられない。
せめて俺が身代わりに、
「危ないっ!」
「ダクネスっ!」
めぐみんが悲痛な叫びをあげる。
「うわあああああ!」
ダクネスの周りが黒く光る。
「ダクネス大丈夫か?痛い所とかないか?」
「・・・ふむ。なんとも無いのだが」
いたって平気そうにダクネスは答えたが、めぐみんがめちゃくちゃ青い顔してるからやばいのだろう。
「その呪いは今はなんとも無い。少し予定が狂ったが、仲間同士の絆が強い貴様らにはこの方が堪えるだろう。・・・良いか、紅魔族の娘よ。一週間後にこの娘は確実に死ぬ。貴様の所為でな!短気な行動を取らなければ良かったのだ」
駄目だ。
めぐみんが完全に固まってる。
どうすれば!
「な、なんて事だ!つまり、貴様は私に呪いを掛け、呪いを解いて欲しくば俺のいう事を聞けと!そういう事なんだな!」
「えっ」
ダクネスの予想だにしない発言にデュラハンは素で返した。
・・・こいつ、俺とめぐみんがこんなに焦ってるのに、何考えてんだ!
「くっ!呪いぐらいで私は屈しはしない!屈しはしないが!ど、どうしようカズマ!見るがいい!あのデュラハンの私を見るいやらしい目を!あれは間違いなく、私にハードコア変態プレイを要求する変態の目だ!」
「・・・えっ」
いきなりダクネスに変態認定されたデュラハンが、可哀想だ。
「この私の体は好きにできても、心まで自由にできると思うなよ!ああ、どうしよう、どうしようカズマ!予想外に燃えるシチュエーションだ!行きたくはない。行きたくはないが、ギリギリまで抵抗してみるから、邪魔しないでくれ!では、行ってくる」
「ええっ」
「止めろ、行くな!デュラハンの人が困ってるだろ!」
なんでこんな時までややこしい事するんだこいつは。
俺がダクネスを羽交い締めにしているのを見て、デュラハンはほっとしたようだった。
「と、とにかく!これに懲りたら、俺の城に二度と爆裂魔法を撃ちに来るな!そしてその娘の呪いを解きたくば、城の最上層の俺の部屋まで来い。果たして貴様らに辿り着く事が出来るだろうかな?クククッ、クハハハハハ」
デュラハンはそう言い残し、去って行った。
「ウィズの店までお願いします。ドレインタッチで魔力を貰ってきます」
「何する気だ?」
「今回の事は私の責任です。ちょっと城まで行って、爆裂魔法を放って、ダクネスに掛けた呪い解かせてきます」
私が行ったとしてどうにもならないだろう事は分かっている。
「俺も行くぞ。お前一人じゃ、帰ってこれなくなるし。それに俺も毎回一緒に行きながら、幹部の城って気付かなかったマヌケだしな!」
カズマは私に微笑みかけながらそう言ってくれた。
「じゃあ、お願いします。でも相手はアンデッド。物理攻撃は効かないので、こんな時こそ私を頼ってくださいね」
一週間以内になんとかなるだろうか?
いえ、なんとかなるじゃなくてなんとかしないと!
「おい、ダクネス!呪いは俺達がなんとかするからな!安心しろ!って何いじけてんだ?」
ダクネスは燃えるシチュエーションを壊された事で、拗ねていた。
『セイクリッド・ブレイクスペル』
・・・アクアの事完全に忘れていた。
と言うか焦り過ぎて自分が未来の事を知っている事自体を忘れていた。
「この私にかかれば、デュラハンの呪いなんて楽勝よ!どう!どう!私だってちゃんと役に立つでしょう」
「えっ」
カズマは行き所のないやる気に困惑していた。
アンケートにお答え頂いた皆さんありがとうございました。
アンケート結果を一応ここでも報告しておきます。
ゆんゆんがカズマの事を好きになり、ダクネスはカズマの事を好きになる事はないという結果になりました。
せめてダクネスも好きになる方が勝って入れば書きやす・・・
なんでもないです。ちゃんとアンケートに従います。
ゆんゆんは王都からの討伐隊が来ると言われた一ヶ月後までは修行に行くので、しばらく出なくなります。
二話投稿はしばらくできそうにないです。
カズマさんの誕生日話は誰視点が良いかについて
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カズマ視点(天界)
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カズマ視点(討伐後)
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ヒロインズの誰か視点(天界)
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ヒロインズの誰か視点(討伐後)