戦姫絶唱シンフォギアIXA【更新停止、1月始めまで】 作:みすちー
《EXAMSystem》
胸の青い光は更に輝きを増し、気を失い倒れた少年の身体をうっすらと包む。
すると…ムクリ…と、まるでゾンビの様に立ち上がる少年。しかしその顔は絵に描いた様な真顔で生気がまるで無い。
「ま、まさか暴走が…!?」
白衣の男は血相を変え、その場から走り去ってしまった。
ぬいぐるみの様な、赤い生物らしきものーーノイズは少年へと向きを変え、ゆっくりと歩いて来た。
「……………。」
だが少年は全く動じない。目の前に“人類の天敵”がいるというのに身じろぎ一つしていない。
ーその時、不思議な事が起こった。
少年に、何か赤い様なオーラらしきものが漂い始めた。
瞬時、少年の姿は“装甲らしき何か”を纏ったものへと変わった。
その姿はまさに“青”。緑のヘッドマウントディスプレイは赤く妖しく輝き、後頭部から回って顎まで青い装甲。青い肩部装甲に無骨な青色の両腕と両足、そして目を引くのが左腕に装着されている“シールド”と左肩にある“01”というロゴ。
直後、ノイズがうっすらとした透明からはっきりとした赤へと変化した。
「……………。」
ノイズは自身を紐状へと細長い弾丸へと変化させ、少年への体当たりを試みるが…。
ドゴンッ!!
少年は飛んで来た所を裏拳一つで弾き飛ばした。
その拳には傷一つついていない。
パラパラ……と壁に埋まったノイズは灰となり朽ちる。
そうしていると、またどこからかノイズがうじゃうじゃと現れ始め、通路の床が見えなくなる程にノイズで溢れかえった。
「……………。」
少年…いや、“少年を動かしているコンピューター”は腰当てから棒状のものを取り出し、剣の様に構える。
ブォンッ!
いや、それは“剣”だった。棒状のものの先端からビーム状の刃が出現したのだ。
それを目の前のノイズに向けて無造作に横に振った。
ーー豆腐の様にスライスされた青いスライムに似た蛙型ノイズ。
そのまま下からの切り上げ。
ーー同じく、股の辺りから頭頂にかけて両断された赤い人型ノイズ。
今度は頭部のミニバルカンが火を吹いた。
ーー何も出来ず、ただ身を朽ちらせた蛞蝓型ノイズ。
腰右部の装甲の一部が飛び出し、変形してマシンガンとなる。
それを手に取り、狭いのも跳弾も気にせず銃弾をばら撒くコンピューター。
圧倒的だった、ただ圧倒的だった。
ノイズとは、人類を脅かす認定特異災害ものだ。
人間だけを襲い、接触した人間を炭素転換するという脅威の矛を持ち。
一般的な物理エネルギーの効果を減衰又は無効とするという絶対的な盾を持ち合わせ。
空間からにじみ出るように突如発生する神出鬼没な存在で。
有効な撃退方法はなく、同体積に匹敵する人間を炭素転換し、自身も炭素の塊と崩れ落ちる以外には、出現から一定時間後に起こる自壊を待つしかないのにーー
青い死神は“人類の脅威”をあっさりと全滅させた。
《I confirmed the battle end, the annihilation of the noise.I finish EXAM system.(戦闘終了、ノイズの全滅を確認しました。EXAMシステムを終了します。)》
ーキィゥゥゥゥゥ…ゥン
再び機械音声が鳴り、少年を纏っていた赤黒いオーラと装甲は消え、少年は再び床へと倒れ込んだ